2023.10.03(火)選手

【杭州2022アジア大会】DAY4ハイライト:チームジャパン、破竹の快進撃!200m上山、110mハードル高山が金メダル!女子棒高跳・諸田は4m48の日本新で銀メダル!



中国・杭州で行われている第19回アジア競技大会は、10月2日に大会中日となる4日目。メインスタジアムである杭州オリンピック・スポーツセンター競技場で実施されるトラック&フィールド種目に絞れば、後半の日程に突入しました。ここまで、「あともうちょっと」という場面が多かったチームジャパンですが、この日、決勝が続いたイブニングセッションで、勝負に、記録にと、次々と大きな打ち上げ花火が上がる好結果を残しています。

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【イブニングセッション】

■200m 決勝



まずは、この種目の結果からご報告しましょう。トラック種目で日本勢が出場する最初の決勝として行われた男子200mです。前日の予選・準決勝を経て、上山紘輝(住友電工)と宇野勝翔(順天堂大学)の2選手がともに決勝に進んでいましたが、上山選手が、今大会陸上日本勢初の金メダルを獲得したのです。
スタートしてすぐに大きくリードを奪っていったのは、準決勝でシーズンベストとなる20秒59をマークし、全体トップタイムで決勝に進んでいた、6レーンのAbdullah Abkar MOHAMMED選手(サウジアラビア)。4レーンに入った上山選手は、スムーズにコーナーを抜けて、ホームストレートに出たところでMOHAMMED選手に並びかけて前に出ますが、終盤にさしかかるところでMOHAMMED選手が再びわずかにリードを奪います。しかし、最後の最後で上山選手がさらにかわして、MOHAMMED選手を0秒03差で押さえ、20秒60(-0.2)でフィニッシュ。日本チームに待望の金メダルをもたらしました。この種目での優勝は、前回の2018年ジャカルタ大会(小池祐貴選手)に続くもの。バンコクアジア選手権は、鵜澤飛羽選手(筑波大学)、MOHAMMED選手に次ぐ銅メダルであった上山選手にとっては、嬉しい初めてのアジアタイトルとなりました。
リレーだけでなく、急きょ200mにも出場することになったなか、きっちりと駒を進めてきた宇野選手は、2レーンに入っての決勝レース。ラストでかわされて、21秒07・8位でのフィニッシュとなりましたが、終盤にさしかかるあたりまでは4~5番手を争う走りを見せました。


■男子110mハードル 決勝



チームジャパン金メダル第1号が出た余韻が残るなか、男子200m決勝の20分後に行われたのが男子110mハードル決勝です。この種目にも、高山峻野選手(ゼンリン)と石川周平選手(富士通)の2選手が出場しました。向かい風0.4mのなかで行われたレースは、8レーンに入った高山選手が、号砲とともに反応よく飛び出してリードを奪いましたが、中盤あたりから一つ内側のレーンに入ったYaqoub ALYOUHA選手(クウェート)が並びかける展開に。鍔迫り合いは最終ハードルを越えたあとも続き、2人は激しく競り合いながらフィニッシュラインになだれ込みました。両者のタイムは13秒41で、「13秒409」と1000分の1秒まで同タイムだったことで同着優勝が確定。日本チームは、立て続けに2個目の金メダルを得る結果となりました。近年著しい躍進を見せてきた日本のスプリントハードルですが、アジア大会では金メダルから遠ざかっており、実に、1982年のニューデリー大会(藤森良文選手)以来、41年ぶりとなる勝利。7月のバンコクアジア選手権を制している高山選手は、2つめのアジア王者の座も手に入れました。
4レーンでレースを進めた石川選手は、両隣の中国、フィリピンの選手と4~6位争いを繰り広げる展開に。13秒63をマークし、5位でフィニッシュしています。


■女子棒高跳 決勝



11人で競われた女子棒高跳決勝では、諸田実咲選手(アットホーム)が、「記録も、結果も」つかみとる活躍を見せました。3m80から試技とスタートさせると、これを1回でクリア。その後も4m00、4m10、4m20、4m30と、すべてを1回で成功させていきました。この段階で残った選手は、諸田選手のほか、ともに4m30から跳躍を始めて1回でクリアしたLI Ling 選手(アジア記録保持者4m72)とNIU Chunge選手 の中国勢と、4m30の3回目をパスして、4m40の1回目に勝負を懸けたChayanisa CHOMCHUENDEE選手(タイ)の4人に。諸田選手は、日本記録でもある自己記録に1cmと迫る4m40も、あっさりと1回で制し、CHOMCHUENDEE選手が失敗に終わったことで、ここでメダルが確定します。
バーは、4m48に上げられ、中国勢がともにパスしたことで、諸田選手のみが挑戦しましたが、諸田選手は、自己記録を7cm上回るこの高さも、1回目できれいにクリア。4月に更新していた日本記録をあっさりと塗り替えました。続いて上げられた4m53では、メダルの色が懸かる跳躍に。さすがにこの高さをクリアすることは叶いませんでしたが、中国のNIU選手も失敗に終わったことで、諸田選手の銀メダル獲得が決まりました。
4m53も1回で跳んだLI選手は、大会新記録となる4m63も1回でクリア。続いて挑戦したアジア新記録となる4m73の成功はならなかったものの、アジア大会2連覇とアジア選手権との2冠を達成しています。


■女子走幅跳 決勝/男子十種競技(前半)



この日、フィールド種目では、予選がなくなり一発での決勝となった女子走幅跳も行われ、アジア選手権で、パリオリンピック参加標準記録も突破する6m97の日本新記録を樹立して優勝した秦澄美鈴選手(シバタ工業)が出場しました。秦選手には、アジア選手権に続くメダルの獲得も期待されていましたが、1回目をファウルする滑りだしとなったことで、ライバルとなる他選手が6m50を越える記録をマークしていくなか、うまく記録を伸ばしていくことができません。3回目に6m42(+0.3)を跳んで、4位でトップエイトに進み、4回目に6m48(+0.4)へと記録を伸ばします。しかし、5回目も4回目と同じ6m48(+0.1)にとどまり、首位とは25cm、2位とは15cm、3位とはわずか2cm差で、最終跳躍に挑む形となりました。逆転をかけて臨んだ6回目は無念のファウル。4位となり、惜しくもメダル獲得はなりませんでした。優勝は、19歳のXIONG Shiqi選手(中国)で、6m73の自己新記録をマークしました。XIONG選手の昨年までの自己記録は6m37。今季は、それを6回更新して、今大会で6m70台へと引き上げました。



また、モーニングセッションで3種目、イブニングセッションで2種目が行われた男子十種競技は、丸山優真選手(住友電工)が3880点、田上駿選手(陸上物語)は3663点を獲得して、4・5位で第1日を終了。メダルラインへの浮上を狙って、明日行われる後半の5種目に挑みます。


【モーニングセッション】

4日目のモーニングセッションでは、前述の男子十種競技に加えて、日本勢が出場する5種目の予選が行われ、立て続けにサンライズレッドのユニフォームがスタジアム内を彩る形となりました。

■男子走高跳 予選



A・B2組に分かれて9時10分から行われた男子走高跳予選は、予選通過記録が2m26に設定。これをクリアした者を含めて12番目までを決勝進出条件として行われました。しかし、A組、B組ともに2m26にバーが上がる前の段階で上位選手は12名絞られ、2m10を2回で成功した者までが決勝に駒を進める形に。日本からは、1組に8月のブダペスト世界選手権で8位に入賞した赤松諒一選手(アワーズ)が、2組に昨年のオレゴン世界選手権で8位となった真野友博選手(九電工)が出場しました。この“世界選手権入賞コンビ”は、どちらも2m10、2m15を1回でクリア。1組目では、2m15までをパスして2m19から試技を開始したアジア記録保持者(2m43)の Mutaz BARSHIM選手(カタール)がこの高さを成功し、全体を通じて1位で通過したため、赤松選手は組2位での予選通過者に、B組に入った真野選手は、2m15から試技を開始して1回で成功させたWOO Sanghyeok選手(韓国、PB:2m35)に並ぶ1位で決勝進出を果たしました。


■男子4×100mリレー 予選



各組3着+2の決勝進出条件で、全2組で行われた男子4×100mリレー予選。日本は、100mに出場した桐生祥秀選手(日本生命)と小池祐貴選手(住友電工)が1・2走を務め、午後のセッションで男子200m決勝を控える上山紘輝選手(住友電工)と宇野勝翔選手(順天堂大学)が3・4走に入るオーダーで、2組目に登場しました。メンバーは、それぞれに着実なパスワークでバトンを繋ぎ、38秒99で1着通過。1組目で1・2着を占めた中国(38秒62)、韓国(38秒75)に続く記録で、決勝へと駒を進めました。


■男子800m、男女400mハードル、予選



男子4×100mリレーに続いて行われたのは、男子800m予選です。全3組で行われ、各組2着までと3着以下の記録上位者2名が決勝への進出条件でしたが、第3組に出場した川元奨選手(スズキ)は1分52秒93で5着でのフィニッシュとなり、予選突破はなりませんでした。



男子800m同様に、3組2着+2の決勝進出条件で行われた男子400mハードル予選には、ブダペスト世界選手権に出場した児玉悠作選手(ノジマ)と黒川和樹選手(法政大学)が登場。黒川選手は、2組で1着(49秒80)となり、悠々と着順で予選をクリアしましたが、第1組を走った児玉選手は49秒99・3着で、決勝進出なるかが決まるのは最終の3組まで持ち越されることになりました。3組3着の選手の選手は49秒88でフィニッシュ。これにより、プラスの2番目、トータルでは7番目の記録で、無事に予選を通過しました。



女子400mハードルには、7月以降、アジア選手権、ワールドユニバーシティゲームズ、ブダペスト世界選手権に続き、これが日本代表での4戦目となる山本亜美選手(立命館大学)が出場しました。予選は2組で行われ、3着+2が決勝進出の条件となったなか、山本選手は1組に出場して4着(57秒55)でフィニッシュ。ただし、2組4着の記録が58秒49にとどまったため、プラスで拾われる1番目の選手として決勝に駒を進めました。山本選手のタイムは、全体では5番目の記録です。


大会5日目の10月3日は、予選はモーニングセッションで行われる女子800mのみ。2選手が臨んでいる男子十種競技の後半5種目のほか、イブニングセッションでは女子400mハードル、男子400mハードル、女子5000m、女子やり投と、個人種目では4つの決勝に7名の日本選手が続々登場。最終種目の男子4×100mリレーで連覇に挑みます。大会に関する情報は、陸上日本代表オフィシャルサイト( https://www.jaaf.or.jp/teamjapan/ )および日本陸連公式SNSをご参照ください。


文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト


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