「オレゴン2022世界陸上競技選手権大会」が7月15日(金)、アメリカ・オレゴン州のヘイワード・フィールドスタジアムにおいて開幕しました。コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な拡大の影響で、東京オリンピック同様に1年の延期を得て行われた今大会は、7月24日までの10日間の日程で開催されます。
第1日となる7月15日は、モーニングセッションが午前9時05分からスタート。日本勢は、男子走高跳予選、男女混合4×400mリレー予選のほか、大会最初の決勝種目として、男女20km競歩の決勝に出場しました。
日本チーム最初の登場となったのは男子走高跳。予選通過設定記録は2m30でしたが、A組に入った真野友博選手(九電工)は、勝負所となった2m28を1回でクリアしてA組で5位となりました。2m28を終了した段階で決勝進出の上限となる12名に絞られたことで、ここで予選の競技は終了となり、真野選手は全体6番手で予選を通過。この種目では日本人として初となる決勝進出を果たしました。B組に入った赤松諒一選手(アワーズ)は2m17、2m21をともに1回でクリアしたものの、続く2m25をクリアならず、予選の突破はなりませんでした。
また、トラック種目で最初の予選となった男女混合4×400mリレーの1組目に、日本が出場しました。中島佑気ジョセフ選手(東洋大学)、松本奈菜子選手(東邦銀行)、岩崎立来選手(大阪体育大学)、小林茉由選手(J.VIC)の走順で臨んだ日本は、3分17秒31・8着でのフィニッシュとなり、決勝に駒を進めることは叶いませんでした。
モーニングセッションに出場した選手のコメントは、下記の通りです
まずは決勝に進出できたことが一番よかった。助走が安定せず、最初のほうは苦戦したが、予選の勝負所になるかなと思っていた2m28で修正することができ、いい跳躍ができたのでそこがよかったと思う。28は、今日の跳躍のなかで一番よかった。
最初のほうは緊張していたが、試技が進むにつれて、競技に集中することができた。世界の大会でもしっかり自分を出して戦うことができたので、よかったと思う。
今日は、助走の前半が安定しなかったので、決勝では(2m)28の跳躍を、最初の高さから再現できたら…と思う。まずは自己ベストの更新を目標にしている。それができたら入賞も狙えるのかなと思うので、まずはしっかり自分の跳躍をすることを意識していきたい。
▼真野友博選手 競技終了後のコメントはこちら
2m25は、本当は跳びたかったが、踏み切りから助走の流れのところが甘かったかなと思う。そこを修正できなかったところが残念で、課題になってくるところ。そこを次に向けて修正していけたらなと思う。
高さを意識すると、動きが変わってしまい、いつも通りにできなくなることは今までにもあった。今日は比較的できているのかなと自分では思っていたのだが、(跳躍に)高さが出ていなかったので、また、そこも技術的なところが改善点になる。(ともに1回でクリアした)2m17、2m21の跳躍は、ちょっとバーを揺らしたが、自分としては合格点の跳躍ができたと思う。
(2m)17、21、25、28と全部1回で…予選突破なるかは(2m)28でおそらく決まるだろうなと思っていたので、そこまで行けるように流れを考えていたのだが、25で3回失敗してしまった。そこはまだ弱いところだと思う。
初めての世界選手権だが、そんなに緊張というのはなかったのだが、こういう大舞台で自分のベストパフォーマンスを出せる力をもっと身につけていきたい。今年はけっこう調子がよくて、5~6月でポイントを稼いで出場できることになったわけだが、世界の舞台で活躍するためには、もっと高い高さをコンスタントに跳べるようにすることが必要になってくる。真野選手に追いつけるように今後も頑張っていきたい。
楽しかった。楽しめたと思う。(ラップ)タイムがまだわからないので、そのタイムと自分の感覚が合っているかというのはわからないのだが、ただ、狙ったところはある程度クリアできたかなと思っている。しっかり前半でスピードに乗せて、中盤でちょっと離されたことは反省点だが、後半もわりとリラックスして行くことができた。日本選手権とかグランプリとかを走ってきたなかで、前半の加速が全然スムーズじゃないということと、後半の力みが、今シーズンの課題として浮き上がってきていた。そこを修正できたことは、かなり大きな収穫だったのかなと思う。
もっと力をつけて、個人とかでしっかり戦って、どんどんラウンドを重ねて、しっかり決勝に行けるような選手になりたいなと、今回、本当に実感した。陸上競技の楽しさを、もう一回知ることができたと思う。
すごく悔しかった。いい位置で(バトンを)もらったのだが、すごい抜かされていったので、レース展開のなかで「どんどん前に前に」と思っていたのだが、最初からスピード展開がすごく速いなと感じた。なんとなく自分の走りをしたかったところで、ちょっとできなかったんじゃないかと思っていて、「ラップタイムでたぶん足を引っ張ってしまった」と悔しく思っている。前回の世界陸上は出ているといっても結局リザーブで走ることができなかったので、世界の速いレース展開って、こういう感じなんだなと思うとともに、ああ、「もっと実力つけよう」とか、具体的に「ああ、1秒台(51秒台)で走ろう」とか、「最低限でも日本記録(51秒75、丹野麻美、2008年)を来年更新しよう」と強く思った。
前半は、自分のなかではあまり出力を出していなかったのだが、それでもそんなに置いていかれることなく、気持ちよくついていくことができたのだが、ラストの100mに入ったときに、バトンを渡すために外のレーンを走るべきだったのに、そこに気づかず内側のレーンを走り、それに途中で気づいたことで変な焦りと力みが出てしまい、ラスト50mくらいでいつも通りの自分の走りができなくて、失速してしまったことが残念だった。
世界選手権は、日本の大会と違って大規模で、観客とかもすごい多くて、歓声とかもすごかったのでむちゃくちゃ緊張したのだが、そのなかで前半とかは今までの自分以上の走りができたので、そこについては、いい経験ができたなと思う。
マイルで戦うにしても、個々の走力が足りないと思うで、個人でしっかり出場して、最低でも準決勝に残るくらいの力が必要。来年の世界陸上やパリオリンピックは、ワールドランキングではなく参加標準記録を突破して、しっかり個人で戦いたい。
走ってみて、「すぐ始まって、すぐ終わったな」というのが率直な感想。こうやって世界リレーを経て、初の世界陸上だが、世界大会としては2回目だったので、あとは松本(奈菜子)を含めて、私たちがマイル(男女混合4×400mR)では最年長だったので、アンカーとしても、もう少し走りをまとめれたのかなというのが感想としてある。
男子が400mをフルエントリーしているなか、女子短距離が誰も出ていないなかでのこのメンバーだと、やっぱり(リレーに)出場することが可能であっても、個人に出られていないからなという不安があった。やはりもう一度ゼロからやり直して、必ず個人で出るという目標を立てていかなければなと思った。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト
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第1日となる7月15日は、モーニングセッションが午前9時05分からスタート。日本勢は、男子走高跳予選、男女混合4×400mリレー予選のほか、大会最初の決勝種目として、男女20km競歩の決勝に出場しました。
日本チーム最初の登場となったのは男子走高跳。予選通過設定記録は2m30でしたが、A組に入った真野友博選手(九電工)は、勝負所となった2m28を1回でクリアしてA組で5位となりました。2m28を終了した段階で決勝進出の上限となる12名に絞られたことで、ここで予選の競技は終了となり、真野選手は全体6番手で予選を通過。この種目では日本人として初となる決勝進出を果たしました。B組に入った赤松諒一選手(アワーズ)は2m17、2m21をともに1回でクリアしたものの、続く2m25をクリアならず、予選の突破はなりませんでした。
また、トラック種目で最初の予選となった男女混合4×400mリレーの1組目に、日本が出場しました。中島佑気ジョセフ選手(東洋大学)、松本奈菜子選手(東邦銀行)、岩崎立来選手(大阪体育大学)、小林茉由選手(J.VIC)の走順で臨んだ日本は、3分17秒31・8着でのフィニッシュとなり、決勝に駒を進めることは叶いませんでした。
モーニングセッションに出場した選手のコメントは、下記の通りです
◎真野友博(九電工)
男子走高跳 予選 A組5位 2m28 =決勝進出
まずは決勝に進出できたことが一番よかった。助走が安定せず、最初のほうは苦戦したが、予選の勝負所になるかなと思っていた2m28で修正することができ、いい跳躍ができたのでそこがよかったと思う。28は、今日の跳躍のなかで一番よかった。
最初のほうは緊張していたが、試技が進むにつれて、競技に集中することができた。世界の大会でもしっかり自分を出して戦うことができたので、よかったと思う。
今日は、助走の前半が安定しなかったので、決勝では(2m)28の跳躍を、最初の高さから再現できたら…と思う。まずは自己ベストの更新を目標にしている。それができたら入賞も狙えるのかなと思うので、まずはしっかり自分の跳躍をすることを意識していきたい。
▼真野友博選手 競技終了後のコメントはこちら
◎赤松諒一(アワーズ)
男子走高跳 予選 B組11位 2m21
2m25は、本当は跳びたかったが、踏み切りから助走の流れのところが甘かったかなと思う。そこを修正できなかったところが残念で、課題になってくるところ。そこを次に向けて修正していけたらなと思う。
高さを意識すると、動きが変わってしまい、いつも通りにできなくなることは今までにもあった。今日は比較的できているのかなと自分では思っていたのだが、(跳躍に)高さが出ていなかったので、また、そこも技術的なところが改善点になる。(ともに1回でクリアした)2m17、2m21の跳躍は、ちょっとバーを揺らしたが、自分としては合格点の跳躍ができたと思う。
(2m)17、21、25、28と全部1回で…予選突破なるかは(2m)28でおそらく決まるだろうなと思っていたので、そこまで行けるように流れを考えていたのだが、25で3回失敗してしまった。そこはまだ弱いところだと思う。
初めての世界選手権だが、そんなに緊張というのはなかったのだが、こういう大舞台で自分のベストパフォーマンスを出せる力をもっと身につけていきたい。今年はけっこう調子がよくて、5~6月でポイントを稼いで出場できることになったわけだが、世界の舞台で活躍するためには、もっと高い高さをコンスタントに跳べるようにすることが必要になってくる。真野選手に追いつけるように今後も頑張っていきたい。
◎男女混合4×400mリレー 予選 1組8着 3分17秒31
1走:中島佑気ジョセフ(東洋大学)
楽しかった。楽しめたと思う。(ラップ)タイムがまだわからないので、そのタイムと自分の感覚が合っているかというのはわからないのだが、ただ、狙ったところはある程度クリアできたかなと思っている。しっかり前半でスピードに乗せて、中盤でちょっと離されたことは反省点だが、後半もわりとリラックスして行くことができた。日本選手権とかグランプリとかを走ってきたなかで、前半の加速が全然スムーズじゃないということと、後半の力みが、今シーズンの課題として浮き上がってきていた。そこを修正できたことは、かなり大きな収穫だったのかなと思う。
もっと力をつけて、個人とかでしっかり戦って、どんどんラウンドを重ねて、しっかり決勝に行けるような選手になりたいなと、今回、本当に実感した。陸上競技の楽しさを、もう一回知ることができたと思う。
2走:松本奈菜子(東邦銀行)
すごく悔しかった。いい位置で(バトンを)もらったのだが、すごい抜かされていったので、レース展開のなかで「どんどん前に前に」と思っていたのだが、最初からスピード展開がすごく速いなと感じた。なんとなく自分の走りをしたかったところで、ちょっとできなかったんじゃないかと思っていて、「ラップタイムでたぶん足を引っ張ってしまった」と悔しく思っている。前回の世界陸上は出ているといっても結局リザーブで走ることができなかったので、世界の速いレース展開って、こういう感じなんだなと思うとともに、ああ、「もっと実力つけよう」とか、具体的に「ああ、1秒台(51秒台)で走ろう」とか、「最低限でも日本記録(51秒75、丹野麻美、2008年)を来年更新しよう」と強く思った。
3走:岩崎立来(大阪体育大学)
前半は、自分のなかではあまり出力を出していなかったのだが、それでもそんなに置いていかれることなく、気持ちよくついていくことができたのだが、ラストの100mに入ったときに、バトンを渡すために外のレーンを走るべきだったのに、そこに気づかず内側のレーンを走り、それに途中で気づいたことで変な焦りと力みが出てしまい、ラスト50mくらいでいつも通りの自分の走りができなくて、失速してしまったことが残念だった。
世界選手権は、日本の大会と違って大規模で、観客とかもすごい多くて、歓声とかもすごかったのでむちゃくちゃ緊張したのだが、そのなかで前半とかは今までの自分以上の走りができたので、そこについては、いい経験ができたなと思う。
マイルで戦うにしても、個々の走力が足りないと思うで、個人でしっかり出場して、最低でも準決勝に残るくらいの力が必要。来年の世界陸上やパリオリンピックは、ワールドランキングではなく参加標準記録を突破して、しっかり個人で戦いたい。
4走:小林茉由(J.VIC)
走ってみて、「すぐ始まって、すぐ終わったな」というのが率直な感想。こうやって世界リレーを経て、初の世界陸上だが、世界大会としては2回目だったので、あとは松本(奈菜子)を含めて、私たちがマイル(男女混合4×400mR)では最年長だったので、アンカーとしても、もう少し走りをまとめれたのかなというのが感想としてある。
男子が400mをフルエントリーしているなか、女子短距離が誰も出ていないなかでのこのメンバーだと、やっぱり(リレーに)出場することが可能であっても、個人に出られていないからなという不安があった。やはりもう一度ゼロからやり直して、必ず個人で出るという目標を立てていかなければなと思った。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト
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