2022.05.27(金)大会

【日本選手権混成 展望】山﨑・ヘンプヒル初の6000点突破なるか、今季安定した力を見せる大玉のパフォーマンスにも注目!~七種競技編~



第106回日本選手権混成競技は6月4~5日、本年7月にアメリカで開催されるオレゴン世界選手権の日本代表選手選考会を兼ねて開催する。
戦いの舞台は、秋田県営陸上競技場(秋田)。日本選手権混成は、昨年までの10年間、長野市営陸上競技場で開催されていたが、今年から戦いの舞台は東北へ。秋田県営陸上競技場で行われる。オレゴン世界選手権の参加標準記録は、男子十種競技が8350点、女子七種競技は6420点と、どちらも日本記録(十種競技:8308点、七種競技:5975点)を上回るもの。現状で突破者は不在のため、即時内定を得るためには、日本選手権でこれらの記録をマークする必要がある。
十種競技・七種競技ともに、「キング・オブ・アスリート」「クイーン・オブ・アスリート」の座を巡って、大激戦が予想されている。注目選手をご紹介しよう。

※情報や記録・競技会等の結果は、5月27日時点の情報で構成。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト、アフロスポーツ



【女子七種競技】

山﨑VSヘンプヒルの熾烈な戦い

揃って6000点突破の可能性も



女子七種競技は、昨年5975点をマークして日本記録保持者となった山﨑有紀(スズキ)と、5907点(2017年、樹立当時は日本歴代2位)の自己記録を持つヘンプヒル恵(アトレ)による、日本人女子初の6000点を超えるレベルでの大バトルを期待できそうだ。
ヘンプヒルは中央大1年時の2015年に5678点のU20日本記録を樹立、日本選手権は2015年から3連覇を果たし、2017年には5907点(=学生記録)まで伸ばしていた選手。しかし、絶好調のさなかであった2017年夏に左膝を、そして2020年の日本選手権で右膝を、両方とも手術を要する大きなケガに見舞われ、2度の競技中断を余儀なくされてきた。長いリハビリを経てトレーニングを再開、昨年の冬からはアメリカに渡って身体をつくり上げ、今シーズンを迎えている。4月30日~5月1日に行われた木南記念では、2日目が悪天候となったなか、シーズン初戦における自身の最高記録となる5732点で優勝。自身が得意とする100mHと走幅跳に課題を残したなかでの結果だったこともあり、日本選手権での5年ぶり4度目のV奪還、さらには6000点超えに、いっそうの自信を深めている。



2018年以降、女王の座を占めているのが山﨑だ。九州共立大3年時の2016年に5751点の学生記録をマークしたことで一気に注目され、日本タイトルを獲得してからは2018年のジャカルタ・アジア大会で5873点の自己新を出して銅メダルを獲得、2019年ドーハ・アジア選手権では4位と、着実に力をつけてきた。昨年には、5月に日本記録を樹立して以降、日本選手権を含めて3大会連続で5900点を超える高いパフォーマンスを披露している。その後、左アキレス腱周辺に痛みが出た影響で、練習を中断する期間も生じたが、今季は3月に1戦を消化したあと木南記念に出場。まだ調子を上げきらない状況で5599点・2位の成績を残している。バランスよく加点できるのが強みである上に、高い水準での安定感はピカイチ。もともとのスプリント力が戻り、木南記念で「次につながる大きな成果」と評価していた投てき種目での好感触が本番で出せるようだと、自己記録を更新しての5連覇達成は射程圏内に入ってくる。



自己記録では、この2人にはまだ差はあるが、昨年の日本選手権で2位となり、記録面では、ヘンプヒル、山﨑に続いて学生歴代3位となる5633点を出している大玉華鈴(日体大SMG)もチェックを忘れてはならない選手。今季は、3月の記録会、4月の日本学生個人選手権に出場して、ともに5500点台をマーク。男子十種競技の田上駿と同じく、内定しながらも再延期となったためにワールドユニバーシティゲームズ出場が幻となってしまった。その悔しさを日本選手権のハイパフォーマンスに代えてほしい。走高跳で1m78の自己記録を持つ一方で、やり投でも51m51を投げる力を持っている。伸びしろたっぷりの魅力的な存在である。

このほかでは、これまでの自己記録5084点(2019年)を、木南記念で5366点へと更新した熱田心(岡山陸協)に勢いがある。この熱田をはじめとして、昨年5364点をマークして3位になっている利藤野乃花(わらべや日洋)など、5300~5400点台の自己記録を持つ選手たちのなかから、誰が抜け出してくるか。また、木南記念で5005点をマークして6位に食い込んだ林美希(中京大中京高)は高校2年生。今回はU20日本選手権に出場するが、5月20日の愛知県高校総体では、七種競技の1日目と100mHの予選・準決勝・決勝が重なったなか、100mH決勝で高2歴代最高となる13秒46(+1.5)をマークしている。第1種目の100mHで好スタートを切ることができれば、シニア選手たちをドキリとさせるような快進撃を見せる可能性もありそうだ。



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~【第105回日本選手権・混成競技 ダイジェスト&コメント】山﨑有紀・中村明彦(スズキ)がアベックで2連覇!~


▼第106回日本陸上競技選手権大会・混成競技 特設サイト
大会情報やライブ配信情報など、随時更新予定!
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▼スタートリスト
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▼【日本選手権混成】私のアピールポイントはココ!~Women Heptathlon 七種競技編~
https://www.jaaf.or.jp/news/article/16244/

▼オレゴン2022世界陸上競技選手権大会 日本代表選手内定について

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