【女子10000m】
廣中璃梨佳(JP日本郵政G)
優勝 31分11秒75 =東京オリンピック代表内定
今回のレースは、「自分のなかでチャレンジして、挑戦者として臨むんだ」という気持ちで走った。先輩方の胸を借りながら走りきることができて、ラストも自分の粘りのある走りができたのでよかった。「後悔しないレースをしたい」という思いが強かったので、自分でレースをつくった。しんどくなったときに、周りの方々の声援であったり、電光掲示板に掲載された応援メッセージが目に入ったりして、それにすごく背中を押してもらった。「ここから後半も頑張ろう」という気持ちになった。
レースのなかでは、ラストはどこで仕掛けるかということを、自分のなかでも探っていた。「自分だったら、どこから行けるかな」と思いながら、ラスト3周くらいになったときに、「ここから必ず出て、ラストは誰にもつかせないくらいのスパートをしよう」と強い気持ちでスパートをかけた。
(5500mあたりで)安藤さんが前に出たときは、「ここで離れず絶対に食らいついて、ラストは自分が必ず優位になる展開にしよう」と思ったので、そこまではつこうという気持ちで走った。(安藤さんと一緒に走っていたときは)安藤さんの息遣いの粗さなどを感じながら並走した。
昨年12月の日本選手権で、一度5000mで出場権獲得を逃しているわけだが、あの大会のあとは、「あのとき自分を走りをしていたら」とか、相手の強さを考えてしまうなどして、練習でも、なかなか思うような走りができず、目標を見失いそうになったことが多々あった。そういうときにいろいろな方々に励ましてもらったり、勇気づけてもらえたりして、今の自分がいる。スタートラインに立てたことに周りの方々の支えを感じていて、「走りで絶対に恩返しするんだ」という強い気持ちがあった。(昨年、敗れた)5000mの悔しさがあったからこそ、今の自分がいるといえる。
オリンピックに対しては、高校のころ、今では先輩である鈴木亜由子さんや関根花観さんが出場しているのを見て、その舞台に出てみたいという憧れがすごくあったし、また、高校のときに世界大会(2018年U20世界選手権)を経験させてもらって、それとはまた違うオリンピックの雰囲気を味わってみたいと思った。そのオリンピック(という舞台に立つこと)を自分の力で勝ち取って、実現化するんだという思いでやってきて、そして、必ず(出場を)決めるだけではなく世界で戦うんだという強い気持ちをもって、ここまでやってきた。今回、自分の力で勝ち取れて嬉しい。今後は「日本代表」というものを背負ったなかで、自分らしい走りができるようにチャレンジしていきたい。
10000mは、最初は5000mのためのスタミナづくりということで始めたいと思ったのだが、今年はチャレンジにする年にしたいと高橋昌彦監督とも話していたので、(レースに出場することは)3月くらいから少しずつ考え始め、金栗記念、日本選手権という感じでステップアップしてきた。来月の日本選手権では5000mにも挑戦するが、5000mではさらにスピードなどの面も必要になってくる。今回の経験を生かしながら、これから少しずつスピードも磨いて、また自分らしくチャレンジしたい。
2021/05/03 JAAFメディアチーム