2019.05.18(土)その他

【記録と数字で楽しむ「セイコーGGP2019」】(1)男子100m


【男子100m】

世界リレー最中の5月11日にアメリカで「9秒99」をマークしたサニブラウン・アブデル・ハキームが出場しないのは残念だが、アメリカのジャスティン・ガトリン(自己ベスト9秒74=2015年)、キャメロン・バレル(9秒93=17年)、ケンダル・ウィリアムズ(9秒99=18年)に日本の桐生祥秀(9秒98=17年)、山縣亮太(10秒00=17&18年)、多田修平(10秒07=17年)、ケンブリッジ飛鳥(10秒08=17年)、小池祐貴(10秒17=18年)、そしてインドネシアの18歳ラルムハンマド・ゾフリ(10秒13)が激突する。

この大会では、2016年からガトリンが3連勝中。世界歴代5位の9秒74(2015年)のベストを持ち、五輪&世界選手権の100mで三度の金メダルを獲得し実績も知名度も抜群。しかし、2月に37歳となった今季は、3月23日に人生初と思われる400mを走って48秒02。
4月13日の200mは、何かのアクシデントでもあったのか22秒16(+1.0)も要した。世界リレーでは、予選も決勝も4×100mRの2走を担当したが、前半は良かったものの終盤の20mほどは本来の走りではなかったように見受けられた。

日本勢の中心となるであろう桐生・山縣とガトリンとの対戦成績(決勝レースに限る)は、

<桐生・ガトリンの対戦成績/決勝に限る>
年月日大会名桐生祥秀vsガトリンタイム差
2014.05.11GGP東京5) 10.46● ○1) 10.020.44
2016.05.08GGP川崎4) 10.27● ○1) 10.020.25
2018.05.14DL上海9) 10.26● ○7) 10.200.06
2018.05.20GGP大阪4) 10.17● ○1) 10.060.11
2018.07.18ベリンツォーナ3) 10.13○ ●4) 10.130


<山縣・ガトリンの対戦成績/決勝に限る>
年月日大会名山縣亮太vsガトリンタイム差
2016.05.08GGP川崎2) 10.21● ○1) 10.020.19
2018.05.20GGP大阪2) 10.13● ○1) 10.060.07


以上の通り、桐生が2018年7月に「同タイム、着差あり」で1度勝ったのみだが、桐生・山縣ともにそのタイム差を着実に縮めてきている。

また、2018年全米学生チャンピオンのバレル(自己ベスト9秒93=2017年)、2014年世界ジュニア選手権・金メダリストのウィリアムズ(9秒99=2018年)との対戦成績は、桐生対バレルが、桐生の1勝0敗で、2016年4月2日のテキサスリレーでのもの(桐生1着10秒21、バレル3着10秒33)。

桐生対ウィリアムズは、桐生の0勝1敗で2014年世界ジュニア選手権でのもの(桐生3着10秒34、ウィリアムズ1着10秒21)。

桐生対ゾフリは、桐生の1勝0敗で今年4月のアジア選手権(桐生1着10秒10、ゾフリ2着10秒13)。

山縣と、対バレル、対ウィリアムズ、これまで対戦したことがないが、ゾフリとは、2018年アジア競技大会で顔を合わせていて、山縣の1勝0敗(山縣3着10秒00、ゾフリ7着10秒20)。

ちなみに、バレルの父・リロイは、1991年に9秒90、94年に9秒85と2度の世界新をマークした名スプリンターだ。91年・東京世界選手権では、リロイの9秒90を破る9秒86の世界新を出したカール・ルイス(アメリカ)に続き、9秒88の自己新で銀メダルを獲得している。

公認条件下での「個人10傑平均記録」と「その範囲/その期間」ということで比較すると、

ガトリン9秒775(9.74~9.80/2012~15年)
バレル10秒037(9.93~10.12/2017~18年)
ウィリアムズ10秒047(9.99~10.08/2015~18年)
桐生10秒042(9.98~10.08/2013~19年)
山縣10秒041(10.00~10.08/2012~18年)
多田10秒166(10.07~10.21/2017~19年)
ケンブリッジ10秒126(10.08~10.16/2016~18年)
小池10秒241(10.17~10.33/2018年)
ゾフリ10秒212(10.13~10.27/2018~19年)


ガトリンが圧倒しているが、彼の上位10傑は2012年から15年のタイム。16年は9秒8台を3回マークしたが、17年は9秒92、18年は10秒03がシーズンベスト。19年は上述の通りであまり元気がなさそうだ。

17年以降の記録に限ると「個人10傑平均」「その範囲/各年のシーズンベスト、10傑中の回数」は、

ガトリン10秒002(9.92~10.05/17年9.92:8回、18年10.03:2回)
バレル10秒037(9.93~10.12/17年9.93:3回、18年9.93:7回、19年10.37)
ウィリアムズ10秒063(9.99~10.14/17年10.06:2回、18年9.99:7回、19年10.10:1回)
桐生10秒067(9.98~10.10/17年9.98:7回、18年10.10:1回、19年10.08:2回)
山縣10秒069(10.00~10.13/17年10.00:3回、18年10.00:7回、19年10.18)
多田10秒166(10.07~10.21/17年10.07:8回、18年10.21:1回、19年10.21:1回)
ケンブリッジ10秒154(10.08~10.21/17年10.08:6回、18年10.12:4回、19年10.35)
小池10秒241(10.17~10.33/17年10.46、18年10.17:10回)
ゾフリ10秒212(10.13~10.27/18年10.15:6回、19年10.13:4回)


というふうになる。

37歳という年齢もあって、このところ、ガトリンの力が全盛期よりかなり落ちてきていることは間違いなさそうだ。

となれば、日本勢にも「大いにチャンスあり」である。

4月のアジア選手権で、右ハムストリングの違和感で決勝を回避した山縣だったが、世界リレーの走り(2走)をみるとまったく問題なさそうだ。

なお、山縣にとって長居競技場は、非常に縁起のいいグラウンドだ。16年に当時の自己ベストである10秒03をマーク。その翌年は10秒00の自己新。そして18年にも10秒01(自己3番目)と、トップ4のうち3回がこのトラックでの記録だ。

1走・多田、3走・小池も素晴らしい走りをみせた。

4走・桐生は、小池からのパスでほとんど立ち止まり、十分な加速をつけられなかったにも関わらず最後の20~30mでは、中国の梁勁生(10秒32、20秒52)を一気に追い込み、同じくバトンパスを失敗して十分に加速できなかったアメリカのバレルとの差も終盤に少しつめたように見えた。

ケンブリッジは、「左ハムストリングの違和感」のため世界リレーの欠場を5月7日に発表。今大会に出場するかどうかは、その後の回復状況次第になる。

ガトリンの力が全盛期のものでないならば、レースは大接戦になりそうだ。
バレル、ウィリアムズ、桐生、山縣は自己ベストで「0秒07以内」に、上述の「10傑平均記録」でも「0秒010以内」と「0秒032以内(=2017年以降のデータ)」に並ぶ。この4人の誰かが、ガトリンの4連勝を阻止する可能性が高いかもしれない。もちろん、多田、ケンブリッジ、小池にもチャンスがある。

要注意は、ゾフリ。2000年7月1日生まれで17年9月に10秒57、18年2月に10秒25でブレイク、同7月に10秒18、19年は4月のアジア選手権の準決勝2組で桐生と一緒に走って10秒15=2着(桐生が10秒12で1着)。そして決勝も10秒13で2着(1着桐生は10秒10)と、どんどんベストを更新してきている。

なお、桐生と山縣の2013年4月29日の織田記念以降の決勝レースにおける直接対決での対戦成績は以下の通り(もしかして収録ミスがあったらお許しを)。

<桐生・山縣の対戦成績/決勝に限る>
年月日大会名場所桐生祥秀vs山縣亮太タイム差/勝者
2013.04.29織田記念広島2.71) 10.03○ ●2) 10.040.01 桐生
2013.06.08日本選手権東京0.72) 10.25● ○1) 10.110.14 山縣
2014.06.08日本選手権福島0.61) 10.22○ ●2) 10.270.05 桐生
2015.03.28テキサスR米国3.31) 9.87○ ●7) 10.150.28 桐生
2016.05.08GGP川崎川崎-0.44) 10.27● ○2) 10.210.06 山縣
2016.06.05布勢SP鳥取-0.52) 10.09● ○1) 10.060.03 山縣
2016.06.25日本選手権名古屋-0.33) 10.31● ○2) 10.170.14 山縣
2017.03.11キャンベラ豪州-0.12) 10.19● 〇1) 10.080.11 山縣
2017.06.24日本選手権大阪0.64) 10.26○ ●6) 10.390.13 桐生
2018.05.20GGP大阪大阪-0.74) 10.17● ○2) 10.130.04 山縣
2018.06.23日本選手権山口0.63) 10.16● ○1) 10.050.11 山縣
2018.09.21日本実業団大阪±0.02) 10.22● ○1) 10.010.21 山縣

---------- 4勝 8勝 -----------

今回が、13回目の対戦となる。

19日の午後1時45分、長居競技場のホームストレートに2mに限りなく近い追風が吹けば、あっと驚くようなものすごい日本新記録が誕生するかもしれない。


野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォート・キシモト



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5月19日(日)
・地上波TBS系列:午後1時30分~3時24分(生中継)
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