【決勝結果&コメント】
◎勝木隼人(自衛隊体育学校・埼玉)
男子50kmW決勝 1位 4時間03分30秒正直、ちょっと複雑な気持ち。金メダルが取れたのは嬉しいのだが、ピットレーンに入ってしまったので、自分の歩型の甘さが露呈してしまったというのもあって、まだまだ改善点があるということと、あとは暑さに関しては、対策していたのでほかの選手よりは有利に進められるかなと思っていた。純粋に、それが機能してゴールできたので嬉しいと思っている。
序盤で一度先頭集団から離れたのは、もともと僕の設定していたペースがあって、明らかに速いなと思っていて、どう考えてもあのペースだと無理だと思った。間違いなく前が落ちてくることは目に見えていたので、後ろからでも行けるかなと思って離れた。
その後、ピットインすることになった。警告は浮き(ロスオブコンタクト)のほう。ピットインする3~4周前に(警告が)2枚出て、その周に1枚出た。暑いところで待機になったので、ちょっと厳しいなというところはあったが、まだ残すところ16kmあったので、5分差であれば追いつけると思った。そういう意味では落ち着いていたのかなと思っている。(42km前で先頭に立ったときは)単純に丸尾(知司)と中国の選手のペースが落ちていたので、確実に歩ききろうと思った。ペースは関係なく、歩型を重視してという形に切り替えて、ゴールするまで歩いた。
2020年東京オリンピックがこの暑さと同じになるかどうかわからないので比較はできないが、もしこれくらいの暑さであれば全然レースはできるのかなと思ったのと、周りの選手を見てみればわかると思うが、あまりオーバーペースで行ってしまうとゴールすらできないという状態になるので、そういった対策はしていかなければいけないと思った。
(来年の世界選手権の代表切符を手に入れたが)まずは今回歩型が悪かったというのは目に見えているので、まずはそこをしっかり直さないと。世界陸上でも同じことをやってしまうと、追いつけないと思うので、まずは歩型を重視して、一からつくり直すつもりでやっていきたい。
メダル自体は嬉しい。前回大会で谷井選手(孝行、自衛隊体育学校)が取っているので、そういう意味では連覇できてよかったというか、ホッした気持ちでいる。
◎丸尾知司(愛知製鋼・愛知)
男子50kmW決勝 4位 4時間14分13秒だいたい予定していたペースでレースは進んでいたのだが、25km付近で1回腕が攣ってしまって、「何かおかしいな」という感じがあった。そうしているうちに、徐々に予定していた心拍数より高くなった。金メダルというところ焦点を置いていたので、想定外のことに対応できなかった自分の準備不足を感じた。
少し暑いなというのは感じていたが、(必要とする)決められた水分もしっかり摂っていた。いきなり異変がきたので、対応できなかった。大きくペースダウンしたのは、情けないことだが全身が攣ってしまっていたから。でも、皆さんのおかげでここまで来られたので、ゴールだけでもしようと思って、なんとかゴールすることができた。
ここまで攣ったことはなかったので、想定外の強さの攣りで少し焦ってしまった面はある。
腕から始まった攣りは、後半は脚全部に広がって力が入らない状態だった。後半も給水をつかむたびに上腕が攣ってしまって、でもしっかりとらないといけないと思って摂った。給水にあたってくれたスタッフのおかげで、なんとかゴールできたと思う。
身体は攣っていたけれど、意識ははっきりしていて、皆さんの応援の声もたくさん聞こえた。国を超えての応援は、すごく自分の力になった。
今回の経験を無駄にしてはいけないと思うので、東京オリンピックまで残りの期間、この日感じたことや、今日起こった問題というのをしっかり見直して、東京でベストパフォーマンスが発揮できるように準備していきたい。
◎日本(御家瀬・市川・世古・青木)
女子4×100mR決勝 5位 44秒93・1走:御家瀬 緑(恵庭北高校・北海道)
8レーンだったので、前には誰もいなくて、自分の走りをするだけだと思って、思いきり走った。この大会を経験して、17歳でほかの人にはできない経験をさせていただいたので、この経験を次のステップにして、またこのリレーメンバーに加わることができるように、さらに自分の走力も上げて戻ってきたいと思う。初めての国際大会で、海外の過ごし方だったり、レースの挑み方だったり、調整だったり、いろいろ学ばせていただいた。
・2走:市川華菜(ミズノ・愛知)
走りとしては、本当に自分の走りができなかったなということを、すごく久々に感じてしまった。この大会で、どう1本1本こなしていくか、どう変えていくかというのをすごく考えさせられる試合となった。でも、今後まだ2年後に大きな大会がある。リレーに関しても今まで福島(千里)さんにすごく頼っていた部分があって、今回、出場することができず、このメンバーで初めて組んだわけだが、それでも走力がすごく足りないということを実感したレースになった。これから、1人ずつの走力をどう上げていくかということが大事になってくると思う。
・3走:世古 和(CRANE・三重)
自分の力を全然発揮できなかったということと、コーナリングの下手さが顕著に表れたレースだった。赤点に近い点数…、本当にヤバイなという感じ。これを踏まえて、スタブロ(スターティングブロック)からの100mもそうだが、どこの区間でも走れるように、カーブとかも練習していかなければいけないと思った。
3走は、2年前にリレーに選んでいただいたときにやっていたくらい。会社でも1人なのでリレー自体を走ることがなく、今年7月の合宿で久々にバトンを触ったという感じだった。日頃からバトンを触ったりしなきゃなと思った。
・4走:青木益未(七十七銀行・宮城)
自分のなかで、予選よりは少しはいい走りができたかなと思ったが、でも、根本的に走力がないので、ここで自分の最大限の力が出せたとしても、今の自分の100mのタイムでは全然に通用しない。まず、走力を上げないと、と思った。男子はまず走力ありきで、ああやって勝っているので、そこが今、女子は自分も含めてそこが足りないと思っている。また、2大会連続で急きょリレーを走ることになった。今回、瀧谷先生(賢司オリンピック強化コーチ)にも、「福島さんの代わりだと思って走るな」と言われていたので、自分がリレーでも選ばれて、しっかり走るというつもりで準備はしていた。でも、やはり自分の走力では本当に通用しないということを改めて感じたので、オリンピックまでに2年、次のアジア大会まで4年あるので、その時間で確実に強くなれるようにしないと、本当に女子は先がないなと実感した。
◎館澤亨次(東海大学・神奈川)
男子1500m決勝 9位 3分49秒40結果も、展開も、レース内容も、悔しさが残るものになってしまったというのが率直な感想。
自分のなかではメダル獲得を目標にしていたので、8位入賞は最低限の目標だった。それすらかなわなかったことは本当に悔しい。そして、日本代表としてここにいるので、日本で1500(m)をやっている人に、本当に申し訳ないなという気持ちでいっぱいである。
自分のなかでもラスト1周でいいポジションを取って、ラスト200mで勝負と考えていたのだが、それで前に出ようとしたのだが、全く通用しなかった。ほかの選手がラスト1周でペースを上げたとき、僕もそこで上げているつもりだったのに、それでもついていけなかったし、ラスト200mのところでも行こうと思ったのに、いつものように(身体が)動かなかった。調子もよかったのに、それでもついていけない、あるいは力を出しきれないというのは、世界で戦う選手との、現状の力の差かなと思う。ここを、どうにかして力をつけていかないと、次のステージには行けない。今回の敗戦を次にどう生かすか。生かすことができれば、敗戦したことも意味のあるものになると思うので、必ず次にこの失敗を生かしていきたい。
あまり優勝したことはないけれど、海外レースにはいくつか出ているが、どの国で戦っても、国内とは違うなというのを実感している。国内では、けっこう一定ペースの部分があるが、国外の選手は、波のあるレース展開でも対応してきて、で、ラストスパートを生かすことができている。自分の場合は、「一定のペースで走ってからのラストスパート」でしか、今まで戦ってこられなかったというのがあるので、そこでどうにかしないとレベルアップはできないと思った。
◎日本(山縣・多田・桐生・ケンブリッジ)
男子4×100mR決勝 1位 38秒16・1走:山縣亮太(セイコー・東京)
優勝を目標にやってきたので、金メダルを取れたことは嬉しいなと思う。ただ、37秒台を狙っていたところもあったので、そこが達成できなかったことは少し悔しい。僕の走りについては、今回は多田(修平)とも歩数を伸ばして、攻める姿勢でいたのだが、予選(4レーン)よりも1つ外のレーン(5レーン)となったので、最初からスピードを出すことを考えて走った。バトンはそこがちょっと…たぶん全区間詰まってしまったのがもったいなかったなと思う。
・2走:多田修平(関西学院大学・大阪)
金メダルを取れたことは嬉しいが、個人的な走りとしては満足はいっていない。後半からチャイニーズタイペイの楊くん(YANG Chunhan)に詰められたりしたので、そこをもうちょっといければタイムも伸ばせたのではないかと思う。また、バトンパスは、受けも渡しもけっこう詰まった感じがあった。受けるときのバトンパスは、予選のときの30(足長)から30.5(足長)に伸ばしたが、それでも詰まってしまった。また、桐生(祥秀)さんに渡す時も詰まった。そこが改善できれば37秒台は出ていたと思う。
・3走:桐生祥秀(日本生命・東京)
リレーを走りに来て、リレーで金メダルを取れて、本当によかったと思う。僕と多田はフレッシュな状態でアジア大会に臨んでいるので、100mを走った2人(山縣、ケンブリッジ)のぶんも個人の力でしっかりタイムを縮めようとした。自分の走り自体は、映像を見ないとまだわからないが、いつも通り普通のコーナリングができた。多田とのバトン(パス)は詰まったけれど、加速の部分はうまく乗れたと思うし、僕とケンブリさん(ケンブリッジ)とのバトンは、ここ3年くらいずっとあれなので(笑)、それはそれでいいかな、と。多田との足長は29.5で、予選も一緒。今回は、予選と同じで、決勝は思いきり出る意気込みで行った。多田とのバトンに関しては、これまでずっと飯塚(翔太)さんと一緒にやっていたので、バトンを渡すタイミングは、練習でも最初はなかなかしっくりこない部分もあったが、試合になっていい感じにできたかなと思う。
・4走:ケンブリッジ飛鳥(Nike)
みんなでずっと目標にしていた金メダルをしっかり取ることができて、すごく嬉しい。ただ、やっぱり、みんなも話していると思うけれど、37秒台が出なかったのは少し残念だなという気持ちはある。
自分の走りは悪くはなかったと思う。個人とリレーと、まだまだ行けるかなと思うところがある。今回、リレーは良かったけれど、個人では悔しい思い(準決勝敗退)をしてしまったので、来年はそういう思いをしないように、しっかり強くなりたいなということを、リレーがよかったぶん、リレーを走り終わってまた「個人も」という思いが強くなってきたので、そういうところをしっかりこの冬でやっていきたいと。僕ら(桐生からケンブリッジ)のところのバトンは、いつも余裕のあるバトンなのだが、来年の世界選手権、2020年東京(オリンピック)になってくると、ここから37秒台中盤を狙うなどを考えると、もっともっと攻めていかなくてはならないのかなと思っている。これからバトンの練習をする機会もあると思うので、そこでもっと速く、スムーズにバトンがつなげられるようにしていきたい。
◎日本(川田・北村・宇都宮・塩見)
女子4×400mR決勝 5位 3分34秒14・1走:川田朱夏(東大阪大学・大阪)
メンバーのなかで400mが専門の人がいないなかで、チーム一丸となってしっかり走れたことはよかった。自分の走りとしては、1走は高校1年生以来2回目だったが、400mをやっているので、400mの変らない走りをして、前のインドの選手に少しで追いつけるようにと頑張った。混合リレーのときよりはラストは(身体は)動いたかなと思う。
ジュニアと違って、シニアの選手はすごい迫力のあるレースばかりだった。自分もそこにしっかり食い込んでいけるように頑張りたい。
・2走:北村 夢(エディオン・広島)
今回、初の日の丸を背負ってのマイルリレーだったが、まず、率直にすごく楽しんで走れたというのと、あと、やっぱりチームワーク…みんなそれぞれ800mの選手3人(川田、北村、塩見)と、七種の選手(宇都宮、アジア大会は400mHに出場)ということで、ちょっと変な感じはしたが、宇都宮さんを中心に、みんなで力を合わせて、このマイルに挑めたと思う。アジア圏でも5位ということで、まだまだ日本は戦えるレベルではない。今後、1人1人がもっと走力を上げて、また4人で走れる日が来るのを楽しみに、自分自身、今後も練習を頑張っていきたい。
反省としては、もっといい前の順位で3走に託せるくらいの走力をもっとつけていきたいというのがある。でも、それと同時に、個人種目の800mにつなげられたらいいなと思った。
・3走:宇都宮絵莉(長谷川体育施設・兵庫)
このマイルリレーは、私としてはこのアジア大会最後の1本であったし、また、縁があってこの4人のメンバーでリレーを組むことができた。このリレーに向けては、コミュニケーションをしっかり取って「4人で思いきっていこうね」と話をした。でも、メダルも届かなかったし、目標タイムに届かなかったとこころもあるので、それをまた個々に走力が必要だなと思ったし、またその前に、それぞれの個人種目でも、私もすごく不甲斐ない結果に終わってしまった(7位)ので、個人でしっかり勝負できる力をつけて、そのうえでまたリレーを組めたら、もっといい結果につながるのかなというふうに思った。来年のワールドリレーズの参加標準記録が3分34秒00なので、それを目標にしていた。そればかりを意識していたわけではないが、4人で全力を出したものの今回はわずかに届かなかったので、そこも含めて、それぞれ日本に持ち帰って練習していかないとダメだと思った。
・4走:塩見綾乃(立命館大学・京都)
前半をもうちょっと…、抜かれたときについていけばよかったのだが、向こうの2チームも競り合っていてペースが上がっていたので、ついていくことができなかった。後半は自信があったので、絶対に負けないという気持ちでいたのだが、2チームで競り合ったまま上がっていってしまったので、ついていくことができなくて、メダル圏内でバトンをもらったのだが、そこを3位で帰ってくることができなかったのが自分のなかですごく悔しい点となった。
個人種目(800m5位)でも悔しい思いをして、マイルリレーでも悔しい思いをしてしまったので、この悔しさを忘れることなく、残りのシーズンをしっかり1本1本タイムを狙って走ることと、あとは来シーズンに向けての冬季練習で、強化できるところはしっかり強化して、次は絶対に負けないという気持ちを常に持ちながら練習を積んでいきたいと思う。
◎日本(ウォルシュ・小池・安部・飯塚)
男子4×400mR決勝 3位 3分01秒94・1走:ウォルシュ ジュリアン(東洋大学・埼玉)
予選からメンバーが変わって、走れない人もいたし、僕自身も(個人種目で出場した400mで)メダルを取れなかったというのもある。今年、けっこう頑張ってきたので、そういう思いもあるし、日本代表というのもあるが、東洋大学というのも背負っている。そういうみんなの気持ちを背負って走ろうと思っていた。
自分の走りとしては、インドをかわしたものの、最後にまた詰められたというのがあるし、また、カタールもどんどん前に行って、それを縮められなかったということで満足はできていない。僕がもっと貯金できたら、もっといい感じで(バトンを)渡せたと思う。これをきっかけにもっとレベルアップしていきたい。
・2走:小池祐貴(ANA・東京)
(自分の走りは)あんまり覚えていないのだが、バックストレートで「うわっ、(差が)詰まらないなあ」と思った。250m過ぎくらいで(先行する選手に)追いついてやるつもりで行ったが、想像以上に世界のレベルは速くて、経験不足を感じた。2走と言われたのは、昨日か一昨日か。なんとなく2走だろうなと思っていたのだが、確定したのはぎりぎりだった。みんなで金メダルを取って帰ろうという気持ちでいたので、全員悔しいと感じていると思うが、個人的には、ウォルシュ(ジュリアン)と飯塚(翔太)さんに、手ぶらで帰らさないことができたのが嬉しい。
「マイル(4×400mR)はしんどいな」というのが今のところの感想だが、最初からマイルを走るつもりでしっかり走り込んで準備をしてきたし、200mの決勝を終わっても燃え尽きることなく、すぐに切り替えて、「よし、マイルだ」と思えたので、全体を通して、ある程度狙った走りができた。もし、4年後になる次回に(今回と)同じ日程でやるとしたら、200(m)もマイルも、もう1歩、2歩、上のステージでの走りができたらという気持ちがある。
個人的には、4継(4×100mR)を走ってマイルを走るのでも、全然かまわなかった。でも、それはコーチ陣が
自分と周りの選手全員を見たうえで最適な編成を組んでいるので、次回はどちらを走っても行けるという感じで判断してもらえたらいいなと思う。
・3走:安部孝駿(デサントTC・岡山)
小池くんから2番手で(バトンを)もらったのだが、インドの選手にかわされてしまって、個人的には悔しい走りとなったのだが、できるだけいい位置で飯塚くんに渡せたら、というのがあったので、ちょっと悔しい。ただ、こういう走る機会をいただけて感謝しているというのと、しっかり楽しんでレースができたと思う。(個人種目の400mHでは)優勝したサンバ選手と地力の差をすごく感じたので、自分もスピードだったり、そういう走力的だったりするものが、今後必要になってくるかなというのがあった。やはりこういうフラットのリレーとかでも起用してもらえるくらい力をつけていけたらなと思った。
・4走:飯塚翔太(ミズノ・静岡)
自分のベストは出しきれた。(2番手を走っていた)インドのスピードがけっこう速くて、ついていくのがやっとだったのと、思ったよりカタールが速かったので、そこは悔しさが残るが、(レースが)終わったあと、いろいろな人が声援をくれたのがすごく嬉しかった。頑張ってよかったと思う。
(3走の小池選手が)ちょうどインドと一緒くらいに入って、後ろからもバーレーンかどこか2チームくらいがいたのでひやひやした。いっぱい、いっぱいの状態だったが、力を振り絞って走った。最初(バトンを受けたときは)インドを抜かそうと思っていたのだが、「これじゃぶつかる、危ないかも」と思って、いったん後ろについた。直線(バックストレート)でかわそうと思っていたのだが、思ったよりも速かったので、ついていこうと切り替えた。
2連覇できなかったことはやはり悔しいが、個人的には200mでメダルを逃し、自分が活躍して何かを貢献できていないという状態だったので、せめて銅メダルでも取れてよかった。そして、今回マイルを走ってくれた選手がほかに2人いて、川元(奨)くんがケガしちゃったりとか、木村(淳)くんが予選走ってくれたりした。それで、僕が決勝だけを走らせてもらっているので、そういった人も含めて感謝したい。