2018.08.30(木)大会

【アジア大会】Day5:8月29日(水):デイリーハイライト

日本、怒濤のメダルラッシュ!金2、銀1、銅2を獲得

 

大会5日目の8月29日は、早朝に男女20kmあ競歩の決勝が行われたあと、午前のセッションで七種競技の後半がスタート。日本勢は、これらを含めて8種目の決勝と、男子1500mおよび男女リレー種目の予選が行われました。
前日は銅メダル1つにとどまった日本ですが、この日は、男子200mと棒高跳で金メダルを獲得。男子20km競歩で銀メダル、女子20km競歩、女子七種競技で銅メダル2つと、一気に5つのメダルを獲得しました。

男女20km競歩は、スタジアムの西側にある幹線道路の片側車線に1周2kmの周回コースを設けて行われ、男子が午前6時に、女子が6時10分にスタートしました。



高橋英輝選手(富士通・岩手)と山西利和選手(愛知製鋼・愛知)が出場した男子は、1周のラップタイムが7分台に上がった8~10kmの周回で、トップ集団は山西選手とWANG Kaihua選手、JIN Xiangqian選手の中国勢の3人となり、11km手前でJIN選手が遅れると、以降は山日選手とWANG選手の一騎打ちに。WANG選手が先頭に立ち、山西選手がやや後方で並びかけるような形で最後の1周を迎えましたが、残り500m付近でWANG選手がスパート。山西選手はこれにつくことができず、WANG選手が1時間22秒04で先着。山西選手は6秒遅れとなる1時間22分10秒でフィニッシュし、銀メダルを獲得しました。

一方の高橋選手は、序盤は先頭集団につけたものの、6~8kmの周回で遅れ、10km以降は単独で5~4番手を歩く展開となりました。14kmすぎで警告を2回取られてしまた影響もあり、終盤は1周9分台にペースダウン。最終周で韓国のJIN Xiangqian選手に逆転され、5位(1時間27分31秒)でのフィニッシュとなりました。



女子は、中国のYANG Jiayu選手とQIEYANG Shijie選手の2人が中盤に差しかかるあたりで抜け出し、以降は“二人旅”を展開。ともに1時間29分15秒の大会新記録をマークして、YANG選手が優勝、QIEYANG選手が2位となりました。日本の岡田久美子選手(ビックカメラ・東京)は中盤まで4位前後でレースを進めますが、10~12kmの周回で単独3位に上がると、その後は、ペースは徐々に落としながらもよく粘り、1時間34分02秒でフィニッシュし、銅メダルを獲得しました。

午後のセッションでは、男子200m決勝に小池祐貴選手(ANA・東京)と飯塚翔太選手(ミズノ・静岡)がメダル獲得に挑みました。小池選手は3レーンに、飯塚選手は6レーンに入ってのレース。

準決勝同様に、スタート直後から小池選手が飛ばし、ほ同じく序盤から飛ばした4レーンのYANG Chunhan選手(チャイニーズタイペイ)と激しい競り合いとなりました。両者一歩も引かず、どちらも身体を投げ出して、倒れ込んでのフィニッシュ。写真判定の末、ともに自己新となる20秒23(+0.7)の同記録ながら0.002秒の着差で、小池選手の優勝が確定しました。自身が7月にマークした日本歴代7位の20秒79をさらに塗り替えるとともに、今季日本最高となる記録。小池選手は、日本選手権を獲得する前に、アジア王者となりました。

飯塚選手は、序盤の段階から今ひとつスピードに乗りきれず、ホームストレートに出た段階で上位から遅れる展開となりました。そのままトップ争いに加わることなく、6位・20秒68で競技を終えました。



日本陸上チームに4つめとなる金メダルをもたらしたのは、男子棒高跳の山本聖途選手(トヨタ自動車・愛知)。13名がエントリーした男子棒高跳は、一発決勝で行われ、日本からは山本選手と今季著しい成長を見せている竹川倖生選手(法政大学・静岡)が出場しました。4m70から試技が開始されたなか、まず竹川選手が5m00に挑戦して2回目に成功。竹川選手は5m10をパスして5m20に臨みましたが、この高さを越えることができず、11位に終わりました。

山本選手は、5m30から試技を始めて、これを1回でクリア。5m50は2回目に越えて、この段階で優勝争いは、YAO Jie選手(中国)、Patsapong Amsam Ang 選手(タイ)、山本選手の3人に絞られました。山本選手は続いて挑んだ5m60では大きく身体を浮かせて1回で成功。Amsam Ang 選手は3回とも失敗に終わり、YAO選手は、1回目の試技を失敗すると、以降をパスして、バーを5m65に上げました。5m65の1回目はYAO選手、山本選手ともに失敗。跳躍順が先のYAO選手は、2回目も失敗して、ここで競技終了となりました。

優勝が確定した山本選手は、2回目以降をパスして、大会新記録となる5m70に挑戦。これまた大きく浮く跳躍を披露して1回で成功します。続いてバーを日本新記録となる5m84に上げましたが、これはクリアはかなわず。5m70の大会新記録で、2006年ドーハ大会で澤野大地選手(当時、ニシスポーツ)が獲得して以来となる金メダル獲得となりました。



後半の3種目が行われた女子七種競技では、初日を4位で折り返した山﨑有紀選手(スズキ浜松AC・静岡)が走幅跳で5m89(±0)を跳び、やり投で46m48をマークして、ここで3位に浮上します。最終種目の800mを2分17秒75でカバー。日本歴代3位の自己記録5836点を37点更新する5873点をマークし、銅メダルを獲得しました。

初日を6位で終えていたヘンプヒル恵選手(中央大学・京都)は、昨年手術を行った膝に痛みが出ていたこともあり、2日目も苦戦が続きました。走幅跳で5m97を跳んで5位に上がりましたが、やり投は43m71、800mは2分25秒00にとどまり、最終成績は5654点・6位という結果でした。

このほか、男子三段跳には山下航平選手(ANA・東京)が出場。3回目に16m46(-0.2)を跳んで3位で前半を終了しましたが、後半で記録を伸ばすことができず、さらに最終跳躍で中国の選手に逆転されて4位での競技終了となりました。

また、男子円盤投に出場した湯上剛輝選手(トヨタ自動車・愛知)も、1・2回目でうまく波に乗ることができず、3回目に57m20を投げて6位でのベスト8進出となりました。4・5回目は56m台にとどまり、最終投てきで57m62まで記録を伸ばしたものの順位は変わらず。6位という結果になりました。

この日は、最終日に決勝が行われる種目の予選も行われました。2組4着+4の進出条件で行われた男子1500m予選では、館澤亨次選手(東海大学・神奈川)が激しいラスト勝負となるなか4着(3分50秒75)でフィニッシュし、決勝へと駒を進めました。

また、出場チーム数の関係で、予選がなくなった女子4×400mR以外のリレー種目も予選が行われました。男子4×400mRは、1走から順に木村淳選手(大阪ガス・大阪)、川元奨選手(スズキ浜松AC・静岡)、安部孝駿選手(デサントTC・岡山)、ウォルシュ ジュリアン選手(東洋大学・埼玉)のオーダーで出場。予選1組で3分06秒11をマークし、カタール(3分06秒08)に次いで全体2位で通過しました。

1走から御家瀬緑選手(恵庭北高校・北海道)、市川華菜選手(ミズノ・愛知)、世古和選手(CRANE・三重)、青木益未選手(七十七銀行・宮城)の走順でオーダーを編成した女子4×100mRは、2組を走って全体で5位となる44秒95をマーク。3着で決勝進出を果たしています。

男子4×100mR予選には、日本は1組に出場。オーダーはすでに公表されている通り、山縣亮太選手(セイコー・東京)、多田修平選手(関西学院大学・大阪)、桐生祥秀選手(日本生命・東京)、ケンブリッジ飛鳥選手(Nike・東京)の走順です。4選手は、危なげのないバトンパスワークを見せて38秒20・1着でフィニッシュ。全体でも2位の中国(38秒88)に0.68秒の差をつけて、順当に決勝へと駒を進めました。



文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォートキシモト

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