12回目を数える東京マラソンは2月25日、前回に続いて西新宿の東京都庁前をスタート、東京駅前・行幸通りにフィニッシュする42.195kmで開催される。向かい風とアップダウンがきつかった旧コースから〝高速コース〟へと改革されて2年目。今回も好記録への期待が高まる。アボット・ワールドマラソンメジャーズ・シリーズ11の第6戦で、今回は8月下旬のアジア大会(インドネシア・ジャカルタ)の日本代表選考会であり、さらには2020年東京五輪日本代表選考会であるマラソングランドチャンピオンシップシリーズも兼ねる。国内外のトップ選手が一堂に集結するビッグレースに注目だ。
(月刊陸上競技3月号より)
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「ほぼ完ぺき。順調にトレーニングを消化しているところです」。黒木純監督がこう話すほど、井上大仁(MHPS)の状態は良好だ。前回の東京マラソンは2時間8分22秒で日本人トップを飾り、昨夏にはロンドン世界選手権にも出場した。
元日の全日本実業団対抗駅伝では最長4区(22.4km)を区間2位と好走。日本陸連主催のニュージーランド合宿(1月7日~ 27日)では、神野大地(コニカミノルタ)、鈴木健吾(神奈川大)らとトレーニングをこなした。ポイント練習は距離走が中心で、40km走を2本(2時間15 ~ 17分ほど)。間に50kmも1本(3時間ぐらいの野外走)実施した。
「ニュージーランドでは起伏を利用した走り込みを行いました。神野君、鈴木君にあおられながらも、井上は余裕を持ってこなせていたと思います」と黒木監督。トレーニングの流れは前回の東京とほとんど同じで、合宿の疲労度合いを見ながら、本番に向けて「スピード感覚」を上げていくという。
前回アグレッシブな走りをしている井上は、今回も日本人向けの「1km3分00秒」というペースメーカーについていく予定はない。「1km 3分切り」で攻めるイメージはできており、黒木監督は「できれば2時間6分台というところを見て走らせたい。ペースメーカー次第ですけど、外国人選手の中に入ってレースを進めることになると思います」と話す。
2002年10月に日本記録(2時間6分16秒)を樹立した高岡寿成(カネボウ)以来となる日本勢の〝2時間6分台〟へ。25歳の井上が果敢にチャレンジする。
(文/酒井政人)
写真提供:フォート・キシモト
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