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2022.04.27(水)

【日本グランプリシリーズ】桐生、2022年国内初戦10秒18で勝利!多田は2位!男女の300mで川端、久保山が好記録/第76回出雲陸上


吉岡隆徳記念第76回出雲陸上が4月23~24日、島根県出雲市の浜山公園陸上競技場で開催されました。日本グランプリシリーズ出雲大会 として開催されているこの大会では、1932年ロサンゼルスオリンピック男子100mで6位に入賞し、「暁の超特急」と称賛された日本を代表するトップスリンターの出身地であることにちなんで、「YOSHIOKA スプリント」の冠がつく100mと300mの男女全4種目がグランプリ種目として実施されています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響で、一昨年は中止、昨年は無観客で行われましたが、今年は有観客での開催が実現。グランプリ種目が行われた大会2日目の4月24日には、多くのファンが見守るなか、東京オリンピック日本代表をはじめとするトップスプリンターたちがレースに臨みました。

>>【動画】桐生、2022年国内初戦で勝利!多田は2位!男女の300mで好記録/日本グランプリシリーズ 2022シーズン 出雲大会ダイジェスト



男子100mは桐生が10秒18で制す

国内初戦を勝利で飾る



この日の浜山公園陸上競技場は、競技開始時刻に合わせたかのように青空が広がり始め、グランプリ種目がスタートするころには、気温も24.5℃まで急上昇。やや風が回る条件ではあったものの、日向にいると汗ばむような陽気に恵まれました。

男子100mは、昨年の東京オリンピック日本代表の多田修平(住友電工)、桐生祥秀(日本生命)、デーデー・ブルーノ(セイコー)の3選手がエントリーしたことで、3年ぶりに会場での観戦が実現したファンの関心を集めました。3選手は、3組で行われた予選は各組に分かれて入り、1組で多田選手が10秒29(+1.3)、2組で桐生選手が10秒12(+2.1)、3組でデーデー選手が10秒46(+0.1)と、それぞれ1着で通過して、順当に決勝に進出。約2時間少々のインターバルをおいて行われた決勝は、桐生選手が2017年にマークしている10秒08の大会記録更新、さらには世界選手権参加標準記録の10秒05クリアなるかが注目されるなかでのレースとなりました。直前に行われたB決勝は2.8mの追い風参考記録。A決勝は、レース後の桐生選手曰く、「予選もそうだったけれど、スタート前は“ど向かい”(完全な向かい風)だった」そうですが、終わってみると追い風1.5mという条件下でのレースとなりました。

序盤は内側のレーンに入った本郷汰樹選手(名古屋大学)や草野誓也選手(Accel TC)がやや先行した感がありましたが、桐生選手が中盤で抜け出すと、その差を広げて10秒18で優勝。2位には、桐生選手と似た展開で他選手をかわした多田選手が10秒27で続き、本郷選手(10秒30)、草野選手(10秒33)が3・4位。デーデー選手は、持ち味とする後半の伸びやかさがまだ見られず、10秒50(8位)でのフィニッシュとなりました。

桐生選手は、今季は、4月9日に、合宿先のブリスベン(オーストラリア)で、トレーニングの状態チェックとレースの緊張感を味わうことを目的に100mに出場しましたが、悪天候も重なり10秒55(-1.4)と10秒41(-1.5)という結果にとどまっていました。そのレースを振り返り、「あれ? 俺、足が遅いのかなと思った」と苦笑いした桐生選手ですが、それから2週空けて迎えたのが、今回の出雲陸上でした。



「予選はラスト10~20mで身体がぶれてしまっていたので、そこを直そうと思って走った」という決勝は、「ハム(ストリングス)がまだ重い感じがしたので、トップスピードに上げてからは維持という感じでゴールした」と、まだ全力ではないなかでのレースだったことを明かし、その状態で10秒1台のタイムで2本まとめられたことに、「まずまずなのかな」とコメント。同時に、「これから、自分の得意な50~60mで、たぶん、もうひとギアは上げられると思う」と頼もしい言葉も聞かせてくれました。体調自体は夏に向けて徐々に仕上げていく方針ですが、中4日で迎えることになる織田記念では、アジア大会の代表選考がかかっていることもあり、「タイムも、勝負も狙っていく」とのことです。



「スタートをうまく出ることができず、自分のいい部分が一切ないレースだった」と振り返ったのは多田選手。「日本選手権や世界選手権に向けて、ギアを上げていくという意味で出場したが、もちろん優勝したい気持ちはあったので、勝ちきれなかったことが悔しい」と振り返りました。東京オリンピックでの海外選手との体格差を実感し、この冬は体重増も含めて、パワーアップを目指した取り組みを行ってきました。その影響で、「力強さが加わったぶん、速いピッチの動作がまだまだ鈍い」とのこと。「スタートで脚が回っていない感じがある」点が、今回のレースには影響したようです。これについては、「試合を重ねていくなかで調子を上げていく」意向。「世界選手権も大事だが、オリンピックのリベンジはオリンピックでしかできない。今年、来年はチャレンジしていく年にしたい」と、長期的な視点に立ったなかでのシーズンを計画しています。



今春、東海大を卒業して社会人となったデーデー選手にとっては、今回が、セイコー所属での初戦。想定していた10秒3台から4台前半のタイムに届かず、ちょっぴりほろ苦い結果となりました。「初戦ということもあり、身体のキレがなく重かった」と振り返った決勝は、20m過ぎあたりで他選手に大きく離されてしまったことが反省点。デーデー選手が、もともと課題としている局面ではありますが、自身の強みであるトップスピードに上がってからの後半の持続を生かすためにも、この部分を修正していく必要があるようです。今季は、世界選手権に個人種目で出場することが目標。「200mを走れて、100mも走れる」という持論のもと、「100mか、200mに出たい」と考えています。これからの日本GPシリーズ、そして日本選手権での走りが注目されます。


男子300mは東京五輪マイル代表対決!

川端が佐藤を押さえ、初優勝



3組タイムレース決勝で行われた男子300mは、3組目を1・2着でフィニッシュした東京オリンピック男子4×400mRメンバーの川端魁人選手(中京大クラブ、32秒56)と佐藤拳太郎選手(富士通、32秒59)が、そのまま上位を占めました。この記録により、川端選手は同種目日本歴代6位へ、佐藤選手は日本歴代7位タイへと、それぞれ浮上しています。

300mの2時間ほど前に、ウォーミングアップレースという名称で行われる100mを10秒38(+2.1)で走ったのちに、この結果を残した川端選手は、「ウォーミングアップレースの100mをいい形で走ることができ、そのスピードを生かせた」と笑顔を見せました。昨年まで、「中学生のころからの夢だった」教職に就いていましたが、それと同時に、もう一つの夢でもあったオリンピック出場も実現。国を代表するレベルの選手として競技にも取り組むなかで、練習時間の確保や遠征へ出かける際に休むことができない等の問題に直面し、「難しい決断だった」が悔いなく競技に取り組んでいくことを選択。昨年まで勤務していた中学校を退職して、この春からは、中京大のコーチを務めながら競技中心の生活を送る日々へとキャリアチェンジしました。とはいえ、教職と両立して取り組んできた昨年から冬季は、「基礎体力を落とさないように、時間を見つけて、不整地や坂を使って練習する程度」で精いっぱい。このため、「今年は失敗でもかまわないから、試合にたくさん出て挑戦していこう」という心構えでレースに臨んでいます。それだけに「練習が足りていないことは自覚していないなかで、記録が落ちていなかったことは自信になった」と、レース後、声を弾ませました。

今季は、世界選手権への個人種目(400m)での出場が大きな目標。ただし、この種目の参加標準記録は44秒90と、川端選手の自己記録の45秒75とはまだ少し開きがあるため、現段階ではワールドアスレティックス(WA)のワールドランキングによるポイントによる出場を視野に入れています。実現に向けては、「最低でも45秒台ではすべてまとめないといけない」という見立て。自己記録を今季中に45秒5台に引き上げるとともに、アベレージでの高い安定を目指そうとしています。

「コーナー抜けはよかったのだが、出だしの100mでもっとスピードに乗りたかった」とレースを振り返ったのは、2位の佐藤選手。この冬は、これまでに高めてきた最大スピードを、楽に出せるようにすることに主眼を置いたトレーニングに取り組んできたと言いますが、「それがまだうまくハマっていない。8割くらいまでしか仕上がっていない体感で、モヤモヤしている」そう。「どのレースに出ても、“まだまだやれる”という感じがするので、そこを、木南記念日本選手権で合わせていきたい」とコメントしました。今季は、「44秒台が当たり前になるスピード感、競技レベル」がターゲット。「最低でも44秒台は出しておかないと、パリ(オリンピック)を見据えたうえで、個人(400m)でもマイル(4×400mR)でも厳しいと思う」と、強い思いを持っています。44秒台突入のために想定しているのは、最初の200mを20秒8~9で通過するレース。「そうすれば、残りを23秒9で走っても44秒台が出る」とし、その練習はできているといいます。まずは、アジア大会の代表選考がかかる木南記念で、その実現を目指します。


女子300mは久保山が日本歴代3位でV

女子100mは、連戦の三浦が優勝



女子300mは、昨年から本格的に400mに参戦してきた久保山晴菜選手(今村病院)が、スタートから飛び出し、日本歴代3位となる37秒54で優勝。4×400mRで世界リレーなどの代表経験を持つ松本奈菜子選手(東邦銀行、2位:37秒82)、小林芙由選手(J.VIC、3位:38秒92)、岩田優奈選手(スズキ、4位:38秒11)らを押さえました。福岡大学を卒業して4年目。大学4年時の2018年には、100mで日本インカレを制したほか、同年の日本選手権リレーのメンバーとして4×100mR優勝に貢献している選手。佐賀北高校時代から400mのレースは経験しており、ときには4×400mRを走っていますが、100m・200mをメインとしていました。昨シーズンは、そのショートスプリントでも着実な成長を見せ、100mで11秒57、200mも23秒86まで記録を更新。そのスピードを武器に、400mでは初めての出場となった日本選手権の予選で53秒59の自己記録をマーク。決勝では4位の成績を残して、注目を集めていました。今回の出雲陸上では、ウォーミングアップレースの100mで、11秒60(+0.7)のセカンドベストをマークしています。スプリント3種目での今季の躍進が楽しみになってきました。



女子100mは、前の週末に日本学生個人選手権が開催された影響で、欠場者が多く出たなかでのレースとなりました。0.2mの追い風のなか行われた決勝を制したのは、三浦愛華選手(園田学園女子大学)。東京オリンピック女子4×100mR代表の鶴田玲美選手(南九州ファミリーマート)の猛追を逃げ切って11秒76で先着し、0.01秒差での勝利を手にしました。三浦選手は、2021年の日本選手権室内60mのチャンピオンで、100mのベスト記録は、昨年の日本選手権(予選)でマークした11秒61。今年の日本選手権室内60mも2位と同タイム(着差あり)で3位の成績を収めています。前週の日本学生個人選手権は100m・200mに出場しており、連戦のなかでの勝利でした。今季は、屋外での活躍も期待できそうです。


文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:アフロスポーツ


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〇桐生、2022年国内初戦で勝利!多田は2位!男女の300mで好記録【日本グランプリシリーズ 2022シーズン 出雲大会】ダイジェスト



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