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2025.09.14(日)

【東京2025世界陸上】1日目ハイライト



ハイライト

Day1:9月13日(土)

東京2025世界陸上競技選手権大会が9月13日、いよいよ開幕しました。日本での開催は、2007年大阪大会以来17年ぶり、東京で行われるのは、旧・国立競技場で実施された1991年大会以来34年ぶりとなります。9日間にわたる大会最初の決勝種目として行われたのは、男女35km競歩。当初は8時にスタートの予定でしたが、酷暑を懸念されたため、直前に出発時刻を30分繰り上げてのレースとなりました。

国立競技場を発着点として、神宮外苑に設けられた周回コースを使って行われたこのレースに臨んだのは、丸尾知司(愛知製鋼)、川野将虎(旭化成)、勝木隼人(自衛隊体育学校)の男子3選手と梅野倖子(LOCOK)、渕瀬真寿美(建装工業)、矢来舞香(千葉興業銀行)の女子3選手。男女ともにフルエントリー(1カ国3名が上限)での出場です。オフィシャルリザルトで、のちに発表されたスタート時刻の気象条件は気温26℃、湿度77%。しかし、夜明け前から分厚い雲が垂れ込め、日差しこそなかったものの、少し動くと汗が止まらなくなるような状況で、発表された以上に蒸し暑さを感じる空気のなか、東京世界選手権最初の号砲は鳴り響きました。

男子は、スタートして、すぐに勝木選手と川野選手がトップグループに位置。周回コースに出てからは、先頭を引っ張っていく形でレースを進めていきます。「思っていたより絞られるのが早かった」とレース後に勝木選手も振り返ったように、第1集団は18kmあたりで早くも勝木選手、川野選手、ダビド・ウルタド選手(エクアドル)の3人に絞られましたが、26km付近でウルタド選手が前に出ると、勝木選手が少し後れる形になります。ところが、28kmを過ぎたところで、ロスオブコンタクトが3枚出たウルタド選手がペナルティーゾーンに入り、川野・勝木の日本勢は1・2番手に浮上することに。29km地点はトップの川野選手に16秒後れで勝木選手が続き、さらに4秒後れて、徐々に順位を上げてきていたエヴァン・ダンフィー選手(カナダ)が3番手で通過していく展開となりました。



しかし、そこから形勢が変わってしまいます。まず、勝木選手がダンフィー選手に抜かれると、30kmを過ぎたところで、川野選手もかわされてしまいました。最終的にダンフィー選手が逃げきって、2時間28分22秒でフィニッシュし、今大会最初の金メダリストとなりました。ダンフィー選手がトップに立った段階で、まだメダルラインを維持していた日本勢は、しかし、その後、32kmを迎える前に、勝木選手が、カイオ・ボンフィム 選手(ブラジル)に逆転され4位に後退すると、次の1kmで完全に脚が止まってしまった川野選手が、ボンフィム選手、勝木選手のほか2選手に抜かれ、6位に落ちてしまいました。33km地点で、先頭との差が1分17秒に開いていた勝木選手は、その後、懸命に粘って、3位をキープ。2時間29分16秒・3位でフィニッシュし、世界大会では自身初となる銅メダルを獲得しました。歩くのもやっとというようなペースダウンになってしまった川野選手は、しかし、最後まで懸命に前を向いて歩き、2時間37秒15秒・18位でレースを終えることに。一方、序盤は入賞を狙える位置でレースを進め、中盤以降でペースを上げ、前からこぼれてくる選手を拾っていく戦略で臨んでいた丸尾選手は、肝心のペースアップを図ることができず、逆に、徐々に上位集団との差が開いていく形となりました。最後まで粘りの歩きを見せたものの順位を落とし、2時間40分29秒・26位でフィニッシュしています。



男子と同時にスタートした女子は、梅野選手、渕瀬選手、矢来選手と、それぞれが自身のペースでレースを進めていく展開となりました。日本選手最上位の15位・2時間45分28秒でフィニッシュしたのは、前回のブダペスト大会20km競歩に続く出場となった梅野選手。最初の1kmを22番手で入ることになりましたが、その後、少しずつ順位を上げて、24kmを過ぎた段階では14位まで浮上。最後は体調不良を起こしてペースを上げることができず5位でレースを終えました。今大会が世界大会初出場の矢来選手は、3時間01分27秒で20位。2007年大阪大会で、20kmで初の代表入りを果たし、その後、2009・2011・2013・2019・2023年と、種目を変えながら7回目の出場を果たした渕瀬選手は、3時間03分29秒・21位でのフィニッシュとなりました。



トラック&フィールド種目の日本勢で、モーニングセッション最初の競技者となったのは、女子円盤投の郡菜々佳選手(サトウ食品新潟アルビレックスRC)。予選B組に出場した郡選手は、1回目を54m59で滑りだすと、2回目はファウル、3回目は54m21と記録を伸ばすことが叶わず、組18位で競技を終えました。



モーニングセッションの最後に行われたのは、男女混合4×400mリレーの予選です。2組で行われ、各組上位3着と4着以降の上位2チームが、イブニングセッションで行われる決勝に進むことができます。
1組目に入った日本は、1走から今泉堅貴選手(内田洋行AC)、井戸アビゲイル風果選手(東邦銀行)、吉津拓歩選手(ミキハウス)、松本奈菜子選手(東邦銀行)とバトンをつなぐオーダー。各選手が45秒68、51秒19、44秒02、51秒19の好ラップ(オフィシャル発表のデータによる)を刻んで、従来の日本記録(3分17秒31、2023年)を大幅に塗り替える3分12秒08の日本新記録をマークして、5着でフィニッシュしました。当初は、記録で拾われる「プラス2」にわずかに届かず9番目で予選敗退かと思われていましたが、2組目において上位でフィニッシュしていたケニアが失格となったことで記録が繰り上がり、この種目で史上初となる決勝進出を果たしました。



イブニングセッションの競技開始時刻は18時05分。大会組織委員会からは、このセッションのチケットが完売したというリリースも流れ、国立競技場の観客席が、最上階まで人で埋まったなかで競技はスタートしました(ちなみに、この日の観客数は、56819人であったことも発表されています)。
最初の種目となった男子3000m障害物予選の第1組には、日本のエース、三浦龍司選手(SUBARU)が出場しました。予選は3組で行われ、各組5着以内でフィニッシュすれば、決勝に進むことができます。出走前に他国の選手から「スローペースで行く」と聞いていた三浦選手は、スタートするとすぐに先頭を窺う場所に位置し、時折り先頭に立って会場を沸かせる場面も見せるなど、落ち着いた様子でレースを進めていきます。先頭は1000mを3分00秒83、2000mでは5分52秒91を通過していく展開に。集団は最後の1周で縦に長くなったなか、三浦選手は8分30秒43・3着でフィニッシュ。大会3日目の21時55分に予定されている決勝に駒を進めました。



バックストレートで18時30分から行われた女子走幅跳予選には、A組に秦澄美鈴選手(住友電工)が出場。強くはないものの雨が降り始めたなかでの試技となりました。予選通過記録は6m75で、これをクリアした選手のほか、上位12名までが決勝に進出する条件です。秦選手は、1.0mの向かい風となった1回目を6m22でスタート。2回目はファウル、3回目には世界選手権における自己最高記録となる6m45(+1.2)まで記録を伸ばしましたが、組10位にとどまり、決勝進出は果たせませんでした。



全4組各組上位6着までが準決勝に進出する条件が行われた女子1500m予選には、田中希実選手(New Balance)が1組目、3組目に木村友香(積水化学)選手が出場。田中選手は中盤でトップ争いに絡む位置に浮上し、3番手でラスト1周を迎えましたが、残り200mのあたりで一気に後続にかわされる形となり、4分07秒34・10着でのフィニッシュに。また、木村選手は、目標に掲げていた4分5秒台の記録をクリアすべく、スタート直後から一人で果敢に飛び出しましたが、800mを過ぎたところで後続に追いつかれ、4分15秒70・14着でレースを終えました。



男子100m予選は全7組で行われ、2組に守祐陽選手(大東文化大学)、3組に桐生祥秀選手(日本生命)、7組にサニブラウンアブデルハキーム選手(東レ、ダイヤモンドアスリート修了生)が入る番組編成。翌日行われる準決勝に向けて、各組上位3着と4着以降の記録上位者3名という進出条件に挑みましたが、守選手は10秒37(+0.1)で7着、桐生選手は10秒28(-1.1)で5着、サニブラ宇選手は10秒58(±0)で8着と、ともに突破は叶いませんでした。



今大会、トラック種目最初の決勝として行われた女子10000mには、廣中璃梨佳選手(JP日本郵政G)と矢田みくに選手(エディオン)の2人が出場しました。廣中選手は、800mを通過する手前でトップに立つと、スタンドからの大歓声を浴びながら、3500mまで先頭を率いて周回を重ねていきました。ここで、その後、集団をつくってレースを進めていくことになるケニアのアグネス・ジェベト・ヌゲチッチ選手やベアトリス・チェベト選手らが先頭に立つと、廣中選手は徐々に後退し、5000mは10番手(15分34秒59)での通過となりました。そこから少しずつ前との差を詰めて、5800mの段階で入賞圏内となる8位に浮上。さらに順位を上げるべく懸命に前を追い、3500m以上の距離を単独で、じわりじわりと詰めていきました。残り1周を迎えるところでようやく7位に浮上すると、最後のバックストレートに向かうところで6位に。最後の最後まで力を緩めることなく31分09秒62でフィニッシュ。オリンピック、世界選手権を通じて、世界大会における自己最高順位の成績で、1種目めのレースを終えました。廣中選手は、大会6日目の9月18日に、女子5000mの予選に挑みます。
一方の矢田選手は、序盤は、中段に位置してレースを進めていましたが、徐々に順位を下げると、終盤は単独で歩を進めていく苦しい展開になったものの、32分28秒94でフィニッシュ。初めての世界選手権を、21位で終えました。



女子10000m決勝の興奮がスタジアム内に残るなか、この日の最終種目として男女混合4×400mリレーが行われ、モーニングセッションで行われた予選を日本新記録で突破して、決勝進出を果たした日本が3レーンに入って、世界に挑みました。日本は、予選から1走・3走を入れ替え、吉津選手、井戸選手、今泉選手、松本選手のオーダーに変更してのレースです。
決勝ともなると、世界との力の差はさすが大きく、1走の吉津選手の段階から8番手で、上位チームの背中を追う展開となりました。その差を縮めることは叶わず、3分17秒53でのフィニッシュとなりましたが、この種目史上初の世界大会8位入賞の快挙を、自国開催の世界選手権で達成しました。




文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト

【東京2025世界陸上】9月13日~21日 国立競技場開催


>>https://www.jaaf.or.jp/wch/tokyo2025/

◆期日:
2025年9月13日(土)~21日(日)
◆会場:国立競技場(東京)
◆チケット情報:https://tokyo25-lp.pia.jp/  


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