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2024.08.05(月)

【記録と数字で楽しむパリオリンピックオリンピック】混合競歩リレー:日本は2組が出場し「初代王者」を目指す



8月1日(木)から11日(日)の11日間、フランスの首都パリを舞台に「第33回オリンピック」が開催される。

日本からは、24種目に55名(男子35名・女20名)の代表選手が出場し、世界のライバル達と競い合う。

現地に赴く方は少ないだろうがテレビやネットでのライブ中継で観戦する方の「お供」に日本人選手が出場する全24種目に関して、「記録と数字で楽しむ2024パリオリンピック」をお届けする。

なお、これまでにこの日本陸連HPで各種競技会の「記録と数字で楽しむ・・・」をお届けしてきたが、過去に紹介したことがある同じ内容のデータや文章もかなり含むが、可能な限りで最新のものに更新した。また、記事の中では世界選手権についても「世界大会」ということで、そのデータも紹介している。

記録は原則として7月21日判明分。ただし、エントリー記録などは五輪参加標準記録の有効期限であった24年6月30日現在のものによった。
現役選手の敬称は略させていただいた。

200mから1500mにおいて、予選で落選した選手による「敗者復活戦」が導入され、これによって予選で敗退した何人かが復活して準決勝に進出できることになった。
ただ、各種目での敗者復活戦の組数や何人が準決勝に出場できるのかなどの条件がこの原稿執筆時点では明確にされていない。よって、トラック競技の予選・準決勝の競技開始時刻のところに示した通過条件(○組○着+○)は、「敗者復活戦」がなかったこれまでの世界大会でのものを参考に記載したため、パリではこれとは異なる条件になるはずだ。

日本人選手の記録や数字に関する内容が中心で、優勝やメダルを争いそうな外国人選手についての展望的な内容には一部を除いてほとんどふれていない。日本人の出場しない各種目の展望などは、陸上専門誌の8月号の「パリ五輪観戦ガイド」や今後ネットにアップされるであろう各種メディアの「展望記事」などをご覧頂きたい。

大会期間中は、日本陸連のSNS(=旧Twitter or Facebook)で、記録や各種のデータを可能な範囲で随時発信する予定なので、そちらも「観戦のお供」にしていただければ幸いである。

現地と日本の時差は、7時間で日本が進んでいる。競技場内で行われる決勝種目は、日本時間の深夜から早朝にかけての競技である。
猛暑の中での睡眠不足にどうぞご注意を!


混合競歩リレー

(実施日時は、日本時間。カッコ内は現地時間)
・決勝 8月7日 14:30(7日 07:30)


日本は2組が出場し「初代王者」を目指す

パリ五輪で初めて実施される種目である。男女1人ずつがペアとなって男子(11.195km)→女子(10km)→男子(11km)→女子(10km)の順で交互にリレーしトータル42.195kmを歩く。
世界から25チームが出場し「初代王者」を目指す。4月21日のトルコ・アンタルヤでの世界競歩チーム選手権が五輪予選となった。そこで日本は2位と17位となって2組が出場権を獲得した。
男子は、川野将虎(旭化成)と髙橋和生(ADワークスグループ)。女子は、岡田久美子(富士通)と柳井綾音(立命館大・3年)が出場するが、どういうペアになるかは8月1日の20km競歩の結果などを踏まえたうえで決定される予定だ。
「メダル」に向けては、それぞれが2本をしっかりとまとめる必要がある。そのため、1本目の力の配分と2本目までの40分ちょっとのインターバルでどのように回復させられるかが重要なポイントになってきそうだ。

各国がどのような選手でペアを組んでくるのかは直前になるまでわからないが、4月のアンタルヤでは、
1位2.56.45.イタリア
2位2.57.04.日本
3位2.57.47.スペイン
4位2.59.21.メキシコ
5位2.59.55.ブラジル
6位3.00.13.オーストラリア
7位3.00.37.スペイン/2チーム目
8位3.01.03.ウクライナ
9位3.01.16.フランス
10位3.03.10.中国
がトップ10だった。

2組が出場するのは、スペイン(3・7位)、日本(2・17位)、中国(11・12位)、コロンビア(13・15位)、オーストラリア(6・16位)の5国。いずれも「層の厚さ」を示していて、有力な国々だ。またアンタルヤで最後に日本を逆転して優勝したイタリアをはじめ、3位スペイン、4位メキシコ、5位ブラジルあたりも「メダル候補」であろう。

イタリアには、21年東京五輪の男女20km金メダリストのM・スタノとA・パルミサーノ、男子ヨーロッパチャンピオンのF・フォルトナート。
スペインにも、23年ブダペスト世界選手権で20kmと35kmの2冠を制した男子のA・マルティンと女子のM・ペレスがいる。この2人が組んで出場してくれば「最強」である。


◆世界最高記録と日本最高記録◆

<世界最高記録>
2.56.45. イタリア 2024.04.21 アンタルヤ
(F・フォルトナート、V・トラプレッティ)

<日本最高記録>
2.57.04. 日 本 2024.04.21 アンタルヤ
(池田向希、岡田久美子)


【過去3年間の8月7日のパリの気象状況】
時刻2023年2022年2021年
7時30分晴・13℃・93%晴・15℃・63%晴・14℃・93%
8時00分曇・13℃・93%晴・16℃・59%晴・14℃・93%
8時30分曇・14℃・88%晴・17℃・55%晴・16℃・88%
9時00分曇・14℃・93%晴・18℃・52%晴・16℃・82%
9時30分曇・15℃・82%晴・19℃・48%曇・17℃・77%
10時00分曇・16℃・77%晴・20℃・46%曇・18℃・77%
10時30分晴・16℃・82%晴・21℃・43%曇・20℃・68%
11時00分晴・19℃・68%晴・22℃・41%曇・19℃・72%

あくまでも至近3年間のデータではあるが、スタートの頃よりも気温が上昇してくるものの20℃に達するかどうかくらいのうちにフィニッシュできそうで、かなり良好なコンディションのもとで歩ける可能性が高そうだ。


野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)


【パリ2024オリンピック特設サイト】

>>https://www.jaaf.or.jp/olympic/paris2024/ 

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