2025.07.11(金)選手

【第109回日本選手権・混成競技】前日会見レポート&コメント/奥田啓祐、熱田心



第109回日本選手権混成競技は7月12~13日、9月に東京・国立競技場で開催される世界陸上競技選手権大会の日本代表選手選考競技会を兼ねて行われます。大会前日の7月11日、会場となる岐阜・長良川メモリアルセンター長良川競技場がエントリー選手に向けて開放。また、出場選手を迎えての前日会見が囲み形式で行われました。会見には、女子七種競技前回覇者の熱田心選手(岡山陸協)と、男子十種競技で過日のアジア選手権で銅メダルを獲得している奥田啓祐選手(ウィザス)が出席。ここまでの経過や現在の体調、大会に向けての抱負を述べました。
以下、各選手のコメント(要旨)をご紹介します。


【会見出席者コメント(要旨)】

◎熱田心(岡山陸協)



今年は世界選手権が開催されるが、参加標準記録(6500点)というのは厳しい状況なので、まずは、開催国枠エントリー設定記録の5976点(=日本新記録)を出すことと、2連覇することが目標となる。
この大会に向けては、得意種目(のパフォーマンス)をしっかり上げることに取り組んだ。また、春先、200mのタイムが少しかかってしまっていたので、走ることをメインに(調子を)上げてきた。
(春先、200mが走れなかった要因としては)筋力的にもけっこうアップしていたが、思うように(身体が)動かせていなかったというか、スピードは出るのだが、力を使いすぎて、最後でバテてしまう場面が多かったので、ショート系の練習をメインにしていたところを、しっかりと200mを走るような練習を入れることで、だんだん走れていたときの感覚を思い出すことが増えてきて、6月末の試合では、向かい風のなかでそれなりのタイムで走れた。良い状況になってきたと思っている。
昨年、優勝してからは、シーズン後半や冬期トレーニングで「1番にこだわる」「結果を求めすぎる」ことの多い、今までとはまた違った1年間の過ごし方を送ることになったが、だんだんと「もう、やるしかない」という心境になった。記録ということを考えすぎずに、やれることをしっかりやろうと思い、練習をしっかり積んでいくことで、試合が近づくにつれて良い動きも増えてきた。こういう状態も、通らなければいけない道。そのなかで記録が出せたらいいなと思う。
この冬は、今までで一番練習ができたなと思うくらい、トレーニングを積むことができた。その実感というのは、シーズン初戦から持つことができていて、ただ、なかなか記録につなげることができていなかったのが、そこは今、けっこう自分のなかで自信がついてきている。
<目標とする記録に達成するためのポイントは、の問いに>
2日目はけっこう得意なほうなので、1日目にどこまで上げることができるかを考えている。点数としては、3400~3500点は必要かなと思っている。
<昼間に競技中断が入るタイムテーブルについての感想を問われて>
こういう時間配分の混成は初めてなので、正直なところ、「どうなるのかな」というのはある。しかし、世界大会での日程は、こういう時間の分け方が普通なので、それも経験かなと思っているし、間にしっかり休憩ができるという面で、対策をとりながら、プラスに捉えて過ごせたらいいなと思う。


◎奥田啓祐(ウィザス)



今回の目標は、世界選手権開催国枠エントリー設定記録の8151点を出すことが最低限の目標で、あとは優勝することを目指している。重点的に取り組んできたのは、「まんべんなくケガをしない身体つくり」を意識しての練習。今年は、3~4月の段階で、ふくらはぎを痛めたり、かかとを潰してしまったりと、けっこうアクシデントがあったなか、アジア選手権に臨むこととなったが、その後の1カ月間は、2日間をしっかりやりきれる体力をつくるところに重点を置き、「どの種目」にこだわらず、十種競技をまとめる練習、束ねる練習を、ここまでやってきた。
(銅メダルを獲得した)5月末のアジア選手権以降は、本当に順調に回復し、練習も滞りなく積めてきたかなという実感がある。アジア選手権が終わって、「あ、もう日本選手権まで1週間か」と思うくらいの感じで(時間があっという間に)過ぎていったので、けっこう良い練習ができたのかなと思う。
(2日目の猛チャージで銅メダル獲得を果たした)アジア選手権では、初日がひどい状態(笑)だった。(1日目に100mと400mがある走る系は、けっこう自分の強みなので、そこは意識しながら、しっかり取り組んできた。今日の(練習の)動きでも、感覚は良かったので、明日の楽しみにつなげられるよう、少し余力を持って終えることができている。
<2022年大会以来、3年ぶりの優勝への思いについて>
どんな勝負でも勝つことは大事。今回、丸山(優真、住友電工、前回・前々回覇者)はいないけれど、しっかりと勝ちにこだわって取りに行こうと思っている。(実現に向けては)初日を4100点台に乗せることができたらいいなと思っていて、あとはあまりこだわらずに、「1種目1種目、目の前のことを夢中になって、ただやるだけ」という感じで、その結果、8151点が超えられていればいいかなという気持ち。課題になるとしたら、(踏み切りを)逆足に変えた走高跳かもしれない。しかし、しっかり準備はしてきたので、うまくできたらいいなと思う。あと、自分が勢いに乗せていくのは、やはり(1日目の)走りの種目なので、100mと400mに関しては、こだわって走りたい。
<初めて8000点(8008点)台に乗せた2022年ごろと比べて、自身に成長を感じている点は? の問いに>
以前は、僕は、けっこう波が激しかったのだが、その心の面の安定というところは、だいぶ落ち着いてきたかなと思うし、1種目1種目丁寧に、目の前のことに集中することができるようになってきた。練習環境を、母校の東海大に戻してからは、本当にすごく自分らしく、競技をやらせてもらえることに感謝しながら取り組めている。そこは、学生時代までの本当に楽しく競技に取り組んでいた状態と、今まで学んできたものが、うまく融合してきているのかなと感じていて、そういう点で、心身ともに成長できているのではないかと思う。
自分は、チャレンジャー。無駄に、変に、プレッシャーをかけすぎずに楽しむというか、自分らしく、自分のパフォーマンスを最大限発揮できるようにしたい。


大会は7月12~13日の2日間、U20日本選手権混成競技との併催で、岐阜・長良川メモリアルセンター長良川競技場で行われます。今年は、日本選手権リレー競技も同時に開催。男女4×100mリレー、男女4×400mリレー、U16男女4×100mリレーでの、「日本一」も決まります。前回に続いて、今年も十種競技元日本代表の中村明彦さん(スズキ)がアスリートコラボレーターに就任。大会当日はフロアMCを務めて、フリーアナウンサーとして活躍するタレントの西村千穂さんとともに会場を盛り上げます。

日本陸連では、来場して応援してくださるファンの皆さんには、楽しんでいただける企画も用意しました。各日先着500名様に、目にも鮮やかな「JAPAN」のマフラータオルをプレゼント! また、7月13日には、岐阜県出身で、パリオリンピック男子走高跳で5位入賞を果たした赤松諒一選手(SEIBU PRINCE)と、プロバスケットボールチーム岐阜スゥープスで活躍するサンブ・アンドレ選手を招いてのサイン会も実施の予定で、サイン会に参加してくださったファンには、日本陸連オリジナルグッズやJAPANグッズがプレゼントされる企画も計画しています。このほか、「がっつりメイン」から「心を癒やすスイーツ」まで、各種さまざまなキッチンカーも設置される予定。ぜひ、会場へ足をお運びください( https://www.jaaf.or.jp/news/article/22183/

なお、今大会でも、WBGT(暑さ指数)が31℃を超える可能性があるため、暑熱対策として競技日程を一部変更して実施されることとなりました。両日ともに、当初のタイムテーブルを変更し、11時30分~15時00分の時間帯は競技を中断する新たなタイムテーブル( https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1953-3.pdf )を、7月9日付けでご案内しています。アスリート、ファンの皆さま、大会を支える関係者すべての方々の安全を守るための施策であることをご理解のうえ、ご協力くださいますようお願いいたします( https://www.jaaf.or.jp/news/article/22178/ )。

日本陸連では、公式サイト内に「日本選手権混成競技」の特設ページを設け、タイムテーブルやスタートリスト、記録や結果の速報など、大会に関する情報を、随時掲載。さらに、競技の模様は、両日ともに競技開始から競技終了後まで、インターネットでのライブ配信を予定しています。ライブ配信のリンク先や配信スケジュールについても、下記特設サイトより、ご確認ください。

「日本選手権混成競技」特設ページ https://www.jaaf.or.jp/jch/109/combined-events/

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)

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