【女子100mハードル】
田中佑美(富士通・東 京)
優勝
12.86(-0.4)
本当に緊張したというか、今までとは違った種類の重たさのある日本選手権だった。しかし、何度も何度も「うまく行かないかもしれない」という想像を振り払いながら、しっかりとレース前に発言していた通り、自分に集中しきることができたのが、今回、金メダルをいただけた一番の理由かなと思っている。
<フィニッシュ後の記録掲示で、順位が錯綜する場面があったが…との投げかけに>
最初は、ひとみさん(中島ひとみ、長谷川体育施設)の名前が出た。そのとき、本当に集中していたので、自分が何番かわかっていない状態で、「それなりに前(の順位)なんだろうな」くらい(笑)に思っていたなか、ひとみさんだったので、「あ、見えないところで抜かれていたんだなー」と思っていたら、自分の名前が出て驚いて、嬉しくて…。で、また、繰り上がりが起こって…(笑)。思わず真子さん(福部真子、日本建設工業。※2023年大会決勝で、間違った結果が掲出される事態があった)のほうを見てしまった(笑)。でも、後悔の残るレースではなく、(力を)出しきったレースをしたので、「1番でも2番でも、よくはないけれど、いいか」という気持ちだった。
東京世界選手権があるというのもあるけれど、やっぱり日本選手権は特別な舞台。自分のコンディションがいい状態で、勝てるときに勝っておくことが大事だなと思ったし、今まで私は、どちらかというと、そういったタイトルを逃してきたタイプの選手だった。先日のアジア選手権も、優勝するつもりでいたのに2番だったし、歴代もけっこう2番が多いし、高校時代、大学時代も「歴代2位」とかで止まっていた(笑)ので、「勝てるときに、勝つことの難しさ」を知っているタイプかなと思う。だからこそ不安もたくさんあったわけだが、それを一つ乗り越えることができたと思う。
優勝の実感は、まだあまり湧いていないけれど、ほかの大会で、このメンバーで走って1番でゴールしたことはあっても、やっぱり日本選手権となると重さが違う。応援しに来てくださった方々、そして、普段支えてくださっているコーチや会社の方々に喜んでもらえそうだなと思うと、そこが本当に嬉しい。
2025/7/6 JAAFメディアチーム
#ナンバーワンの頂上決戦