【男子棒高跳】
山本聖途(トヨタ自動車・愛 知)
優勝
5m50
ここ2年くらいは、日本一を目指してやっていたので、(優勝できて)めちゃくちゃ嬉しい。
この2年は、自分の跳躍ができていなかった。というのも、2年前に跳躍で踏みきったとき手が(ポールから)外れて、ボックスに後頭部から転落し、そこからトラウマになってしまっていたことが原因。(拠点としている)フランスでも、2人のメンタルトレーナーにお世話になって、ちょっとずつ改善されている状況ではあるが、いざピットに立つと手に汗をかいたり足が震えたり、助走をすると視界が揺れたりして、跳べる状態でない日が続いた。
今年に入っても踏み切れない試合が続いていたので、日本選手権に向けての手応えというのも、正直あまりなく、「少しでも高くバーを越える」ということを目標に挑んでいた。なので、5m50を跳べるとは自分では思っていなかったし、優勝できたことも本当に嬉しかった。5m50を跳んだときの状況は、もう興奮しすぎて(笑)、よく覚えていないほどである。
<バーを五輪参加標準記録の5m82に上げたのは? との問いに>
本当は、(高さを)刻んで、(5m)60、70、82と上げていったほうがいいと思うのだが、今日は5m10から跳んでいたというのもあって、体力的にもきつい状況だった。「少しでも可能性があるのなら挑戦したい」という思いで、5m82にバーを上げた。結果は、跳べなかったわけだが手応えは得ることができた。今日は、全助走でなく、中助走での跳躍だったが、それでも、(5m82にかかったバーを)高くは思わなかったので、そこに可能性を感じている。
来年には世界陸上がある。今年、パリオリンピックに出られなかった悔しさを、来年にしっかりぶつけたいと思う。
2024/6/29 JAAFメディアチーム
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#運命をかけた決戦