2023.08.17(木)大会

【ホクレン・ディスタンスチャレンジ2023】新たな一歩を踏み出したDCシリーズ全5大会が終了!~大会報告その①~




◆はじめに

「開催都市の観光促進、地域振興に繋がり、住民に喜ばれるイベントとして中長距離シリーズを開催し、国際競技会で活躍できる中長距離選手の育成・強化を図る」ことをコンセプトとしたホクレン・ディスタンスチャレンジ(https://www.jaaf.or.jp/distance/)を、本年も関係各位のご協力のもと、4年ぶりに以下の5会場全てで制限なしに観客を迎えて開催することができました。


昨年の開催20周年を節目として、本年度も次の10年に向けた新たなチャレンジに取り組みました。その中でも一番大きなチャレンジが「電子ペーサーの導入」と導入に向けた「クラウドファンディングの実施」でありました。クラウドファンディングは、開始8日間で第一目標の300万円を達成し、早々と電子ペーサーの全5大会の導入を決定することが出来ました。最終的には、第二目標の500万円も突破でき、趣旨をご理解いただき、温かいご支援をいただいた500名の皆さまには改めてお礼を申し上げます。
以下より、次の10年に向けて新たな一歩を踏み出した本年度のホクレン・ディスタンスチャレンジシリーズの「する」、「みる」、「ささえる」人に向けたチャレンジを、それぞれの観点から振り返ってみたいと思います。



◆【電子ペーサー導入】 ~「する」人に向けたチャレンジ~

本シリーズにおいて、その存在無くしては成り立たないと言っても過言ではないペースメーカーですが、その人数にも限りがあり、資格記録が低い選手のレースでは準備できないことも多く、「記録への挑戦の場の提供」という本シリーズの目的達成において大きな課題でありました。その課題を解決し、全ての参加選手のそれぞれの記録への挑戦の環境を整える手段として、昨年度よりダイヤモンドリーグ等で導入され始めた「電子ペーサー(Wave Light)」を、クラウドファンディングを通した皆さまのご支援のおかげで5戦全てに導入することが出来ました。
士別大会は低温、深川、網走大会は高温・多湿、北見、千歳大会は雨・多湿と5大会全てで天候に恵まれず、本シリーズでの各新記録更新は無し、男子5000mの13分台が188名、10000mの28分台が65名、女子5000mの15分台が54名、10000mの32分台が15名と主要全種目で、その人数が昨年度に比べて減少しました。また、自己最高記録(PB)及びシーズンベスト記録(SB)更新率も、深川大会の21.00%を最高に、北見(19.32%)、千歳(18.55%)、士別(17.15%)、網走(17.09%)と20%を切り、シリーズ全体でも18.58%と過去5年間で最低でした。


しかし、男子5000mの外国人選手を含めたシリーズ通しての記録上位10人の平均記録、及び日本人選手上位10人の平均記録は過去最高であり、13分台の人数も過去2番目であることから、ある程度の達成記録の質は担保できたと評価できると考えられます。また、更新率に関しても、過去の天候不良時には1ケタに落ち込むことが多々あった(2019深川:8.93%、2017網走:7.68%、2014年士別:7.11%)ことから考えると、シリーズを通しての天候不良の中、5大会全てで20%前後を確保できたことは、達成記録の質の担保と併せて「電子ペーサー(Wave Light)」の全5戦、全レースでの導入の効果が大かったことは間違いないと言えます。
本シリーズには「記録への挑戦の場の提供」という大きな目的があります。本年の結果からも、全戦、全レースでの「電子ペーサー(Wave Light)」の導入は継続していくべきだと考えます。強化スタッフの経験によるレース毎の細やかなLightペースの調整、現場の細かい注文に対応して下さるテクニカルスタッフ、そして電子ペーサーに対応しながら集団にも気を配り献身的な働きをしてくれるペースメーカーが融合し、気象コンディションが上手くあたれば、40%越えの「PB祭り」が起こる可能性も秘めているのではと想像しドキドキしてしまいます。


本年は確定エントリー数で1,669人と、ターゲットナンバー制をとりながらも過去最高のエントリー数となりました。このことは、選手の記録への挑戦というニーズに応えられ、記録を出せる大会として認知されているという評価と考えて良いと思います。
また、長年の課題としてあげられてきた大会毎のエントリー数の偏りも、5大会全てで300人前後と解消できました。その要因として、男女比をみてもシリーズを通しての種目配置、ターゲットナンバーを上手くコントロールできていたこと、ターゲットナンバー制及び1次、2次エントリー制の理解の深まり、4年ぶりに再開された韓日交流事業の士別・深川での開催、外国人選手の制限なしレースの開催などがあげられます。
一方で、エントリー確定後および当日欠場者がまだまだ存在しています。早めの欠場連絡がエントリー確定および組編成に影響することの周知を改めて徹底することも必要であると考えます。



このような1,600人を超えるエントリー数の裏で、網走大会の男子10000mの83人を最高に、千歳男子5000mの56名、深川女子3000mの32名などの大量のターゲットナンバー外の出場不可選手が生じていることも事実です。強化スタッフの意見を反映しながら、希望の大会、種目の参加に可能な限り応えられるような各大会の適切な種目配置やターゲットナンバーの再検討を進めていきたいと思います。
良好な気象コンディションは他力本願ですが、それ以外の「ターゲットナンバー制」、「資格記録での厳密な組編成・更新記録の速やかな反映」、「電子ペーサー+ペースメーカー」を基にした「PB祭り」というキーワードが定着するような環境つくりを進め、皆がハイレベルな記録を狙いに集まる、記録を出せる大会というシリーズのイメージ(ブランド)をさらに高め、「する」人にとっての「是非とも出たい大会」という価値を高めて行きたいと考えます。




>>ホクレンDC大会報告②へ続く

(文:ホクレンDC実行委員会 木路修平/写真:アフロスポーツ)


ホクレン・ディスタンスチャレンジ2023 大会情報

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