2023.06.07(水)大会

【ブダペスト世界選手権】日本代表選手記者会見レポート&コメント:泉谷・高山・池田・加世田が大会へ向けた意気込みや目標を語る ~声援を力に。挑戦のその先へ。~



第107回日本選手権閉幕翌日の6月5日、日本陸連は、大阪市内のホテルで、日本選手権において内定条件を満たした競技者も含め、ここまでにブダペスト世界選手権への出場が決まった日本代表選手を招いての記者会見を行いました。

記者会見には、前日の日本選手権男子110mハードルにおいて、今季世界2位となる13秒04をマークし、自身の日本記録(13秒06)を塗り替えての優勝で、代表入りを決めた泉谷駿介選手(住友電工)、同種目で2位となり、出場を確定させた高山峻野選手(ゼンリン)が出席。さらに、すでに各選考会において条件を満たし、代表に選出されている男子20km競歩の池田向希選手(旭化成)と女子マラソンの加世田梨花選手(ダイハツ)も出席しました。

会見に先立ち、主催者を代表して、日本陸連の風間明専務理事が挨拶。続いて、今回のブダペスト世界選手権から、新たに「セイコー」が日本代表オフィシャルスポンサーとなることが発表されました。セイコーは、世界選手権においては、すでに1987年の第2回ローマ大会から今夏のブダペスト大会まで、18大会連続でオフィシャルタイマーを務めており、その精度の高さで、陸上界の強い信頼を得ています。今回、新たに日本陸連と契約を結ぶに至り、ブダペスト世界選手権から日本代表オフィシャルスポンサーに。日本代表ユニフォームをはじめ、各種代表ウェアに「SEIKO」のロゴが掲示されるほか、代表選手全員に、スポーツ・アウトドアシーンに対応する本格機能を備えたスポーツウォッチ「セイコープロスペックス」が贈呈されることも発表され、本会見に出席した選手は、その「世界陸上ブダペスト23記念限定モデル」を着用しての登壇となりました。

4名の日本代表選手が登壇して行われた記者会見は、前日の日本選手権に際して実施した「応援メッセージキャンペーン」に参加し、この会見への招待に当選した親子のファン8名が見守るなかでスタート。各選手は、代表に決まった今の心境や世界選手権に向けての意気込みを述べたのちに、メディアからの質問やファンの子どもたちからの質問に応えました。
会見における各選手の主なコメントは、以下の通りです。


【日本代表選手コメント】

◎男子110mハードル:泉谷駿介(住友電工)


昨日の試合(日本選手権)を終えて、まずは日本記録更新と(世界選手権)代表に内定できてホッとしている。世界選手権には今まで2大会(2019年ドーハ、2022年オレゴン)に出場しているが、2大会とも悔しい思いで終わっている。今回は、しっかりと自分の力を出しきれるように、ファイナルを目指して頑張っていきたい。
この後、6月末に2試合の海外転戦を控えているので、まず、そこを目指していく。海外でしっかりと自分の力を出しきれるかどうかを試していきたい。あと、日本選手権では前半5台目までの走りが少しもたついてしまったというか、あまりスムーズに行けなかったので、そこを重点的に練習していきたいと思っている。
国内と違って、海外では体調管理がすごく大事となる。体調管理をしっかりして、自分が一番いい競技のできる体調を整えていきたい。
(13秒04のレースを改めて見て感じたこと、12秒台をどう感じているか、の問いに)レース後に改めて映像を見 た個人的な感想としては、思ったよりハードルをぶつけていなくて、きれいにスムーズに行っているなということ。ただ、そのなかで、やはり前半はもうちょっと行ってもよかったかなというのがあったので、そこは世界選手権までの2カ月の間で、しっかりと改善したい。12秒台については、あ まり意識しすぎないようにしている。このまま練習を積んでいって、自分のレースができたときに、出たらいいなと思ってるくらいである。
(男女ともに国内のスプリントハードルのレベルが上がっていることへの感想を問われて)国内でレベルが上がっていることは、とても刺激になるし、僕も絶対に負けられないという気持ちもある。互いに刺激し合って(競技を)できていることが、僕はすごくいい環境だと思って今は(その状況を)楽しんでいる。


◎男子110mハードル:高山峻野(ゼンリン)


昨日のレースでは、泉谷選手が世界と戦えるレベルのレースをした。そのなかで、僕も必死についていって、自分の思い描いたレース、タイムを出すことができたので本当に良かった。また、代表(権)をもらえてホッとしている気持ちがある。世界選手権は、過去に2大会出場して、どちらも予選落ち(2017年ロンドン)、準決勝落ち(2019年ドーハ)で、決勝に進むことができなかった。今回はできる限りのレースをして、世界の壁を破れるように頑張りたい。
世界選手権までには、試合を1~2回ほど挟んでしっかり調整していくつもりでいる。技術的な面などで変えるところは特にない。これまで通りの練習をして、調整をして挑んでいきたい。僕自身は、あまり国際大会を苦手としていないのだが、最初に世界選手権に出場したときは、単純に実力不足で予選で敗退した。また、前回出場したときは気合いが入りすぎて前のめりになってしまって失敗している。今回は、自分らしく走りたい。
(男女ともに国内のスプリントハードルのレベルが上がっていることへの感想を問われて)今、ハードルブロックは、全体のレベルが上がってきて、みんなで切磋琢磨している。試合のときや試合のあとも、みんなで話し合って、「こういう練習をしているんだよ」とか情報共有しながら、みんなでレベルアップしているところがある。これを今後も続けていけば、もっと強くなって盛り上がり、下の世代も育っていき、全体の強化ができると思う。今後も続けていきたい。


◎男子20km競歩:池田向希(旭化成)


代表ユニフォームを着用して、「いよいよこの時期が迫ってきたな」という気持ちでいる。まずは世界選手権にベストのコンディションで臨めるようピーキングを合わせて、世界選手権においては2大会連続、オリンピックを入れて3大会連続のメダル獲得、そして「金メダル」というものを目標に、挑んでいきたい。
世界陸上までに出場を予定している大会はない。じっくりと土台をつくってスタミナ強化をして、どんなレース展開になろうが対応できる力をつけていきたいと思っている。具体的には、まずは土台をしっかりつくるということで、2月の日本選手権後から身体つくりをしっかりと積み重ねてきた。6~7月にかけて徐々にスピードの強化をして、そこまでに高めたスピード持久力を、8月に向けて上げていくつもりでいる。
私は、東京オリンピック、オレゴン世界選手権と銀メダルを獲得しているが、決して満足しておらず、それが心残りというか後悔する部分も、大会を重ねるごとに出てきている。今回、金メダルという目標を掲げることで、そこに向かってどれだけプレッシャーや緊張感と戦っていけるかというところも自分の一つの挑戦と捉えて、挑んでいけたらなと思っている。世界陸上は2大会連続で日本の山西利和選手(愛知製鋼)が金メダルを獲得されているので、山西選手が一番のライバルで、ほかの国の選手もターゲットにする選手の1人だと思う。同じ日本のチーム内だけど、いい目標がいるので、「追いかけ、追い越せ」でやっていきたい。


◎女子マラソン:加世田梨花(ダイハツ)


マラソンの代表内定をいただいてから、今日こうやって日本代表のウェアを着用して、「改めて日の丸を背負って世界と戦うんだな」というワクワク感をすごく感じている。私は、今回が初出場となる。初めての世界選手権をワクワクした気持ちを持ちつつ、でも日本代表という責任感を持って、挑戦していきたい。
前半シーズンとなるここまでは、トラックでのスピードを強化することを目指して練習してきた。そのスピードを生かしながら、このあと7月から行うアルバカーキでの高地トレーニングでスタミナ強化をして、さらに状態を上げていけるように調整していきたいと思っている。
MGC(マラソングランドチャンピオンシップ、10月15日開催)が近いなかで、今回、世界選手権を走る理由としては、世界に挑戦できるチャンスをいただいて、自分のなかで「挑戦してみたいな」と思ったのが第一にあった。世界に挑戦することによって、新たな自分や成長した自分になれるのではないかと考えていて、そのうえで、MGCを戦えるメリットは、その後のパリオリンピックを見据えたときにも必ずプラスになるんじゃないかと思い、走ることを決めた。
今まで以上に大きなプレッシャーのなかで戦わなければいけないなかで、そのなかで平常心を保ってレースに臨めるかに不安もあるが、しっかりとベストな状態で戦えるように準備していきたい。楽しみにしているのは、マラソンが、ブダペストの美しい町並みを走るコースであること。レース中は町並みを楽しんでいる余裕はないと思うが、試走などで楽しみたい。

なお、ブダペスト世界選手権の参加標準記録有効期間は7月30日まで。このため、日本選手の代表入りを懸けた挑戦は、今後さらに激しさを増して続いていくことになります。第2次日本代表選手の発表は、8月3日以降に行われる予定です。

※各選手のコメントは、記者会見における各選手の発言とメディアとの質疑応答時の回答の一部を抜粋し、まとめています。

取材・構成:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト



【ブダペスト2023世界選手権】



■ブダペスト世界選手権への道:参加資格有資格者一覧
https://www.jaaf.or.jp/news/article/17055/

■新たに4名の日本代表が決定!〜声援を力に。挑戦のその先へ。〜
https://www.jaaf.or.jp/news/article/18353/



【第107回日本陸上競技選手権大会】

>>https://www.jaaf.or.jp/jch/107/


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