2023.05.15(月)選手

【記録と数字で楽しむ第107回日本選手権】女子やり投:北口榛花、4年ぶり日本新なるか!歴代で9人の60mスローワーのうち6人が集結!



6月1日~4日に大阪(ヤンマースタジアム長居)で行われる「第107回日本選手権」の「見どころ」や「楽しみ方」を「記録と数字」という視点から紹介する。
各種目の「2023年日本一」を決める試合であるとともに、8月にハンガリー・ブダペストで行われる「ブダペスト2023世界選手権」、7月のタイ・バンコクでの「アジア選手権」、9月末からの中国・杭州での「アジア競技大会」の日本代表選手選考競技会でもある。また、「U20日本選手権」も同じ4日間で開催される。
本来であれば全種目についてふれたいところだが、時間的な制約のため10種目をピックアップしての紹介になったことをご容赦いただきたい。また、エントリー締め切りは5月15日であるが、この原稿はそれ以前の10日までに執筆したため、記事中に名前の挙がった選手が最終的にエントリーしていないケースがあるかもしれないことをお断りしておく。

過去に紹介したことがあるデータや文章もかなり含まれるが、可能な限り最新のものに更新した。
スタンドでの現地観戦やテレビ観戦の「お供」にして頂ければ幸いである。

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女子やり投は、大会2日目6月2日実施

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【女子やり投】

・決勝/6月2日


北口榛花、4年ぶり日本新なるか!歴代で9人の60mスローワーのうち6人が集結!

世界のメダリスト・北口がシーズン早々絶好調!



大会2日目の6月2日には男女計10種目の決勝が行われる。この日の注目種目はたくさんあるが、世界大会(五輪&世界選手権)の個人メダリストの出場者は北口榛花(JAL)のみである。女子では日本陸上史上初の世界大会フィールド種目でのメダリストだ。
そして今シーズンは、オレゴン世界選手権で銅メダルを獲った22年や、66m00の日本記録を出した19年以上に春から「絶好調」の状況のようだ。

北口の23年初戦は、4月29日の織田記念。
競技が開始された12時30分には、朝からの雨が強くなってきていた。気温は17℃、湿度85%、西方向からの零コンマ数mの微風という気象状況。
前日の昼間は晴れていた。気温23℃、湿度30%台と爽やかな感じだったのと比べると短距離・跳躍・投てきの選手にとっては非常に気の毒なコンディションとなってしまった。
やり投では、やりのグリップが濡れてすっぽ抜けたり、助走路も水浸しでクロスで滑りやすくなってしまう条件になってしまったのが痛いところだ。

そんな中、11名が出場した競技で最後に投げた北口の1投目は59m01。気象状況を考慮すれば悪くない記録だ。北口自身も「60mを越えられればいいかな」と思っていたようだ。
2投目はファウル、3投目に予想以上の63m45が出た。ブダペスト世界選手権参加標準記録63m80まであと35cm。
「せっかくなので、(世界選手権の内定を)決めておきたい」と思ったそうだ。4投目は60m37。
この日、北口のスタッフはスタンドから動画を撮影しチェコにいるシェケラックコーチとやりとりをし、その指示をコーチエリアから北口に伝えていた。5投目に入る前、コーチからの指示は「(助走を)できるだけ速く走って投げる」とのこと。その指示通りに投げたら64m50が出た。ブダペスト世界選手権参加標準記録「63m80」をあっさりとクリア。前年の世界選手権入賞者のため、「23年1月1日以降の参加標準記録突破で内定」という条件を満たした。ロード競技での内定者はいたが、競技場内で行われる種目では「内定第1号」となった。これで、まずは一安心となった。6投目は61m58で競技終了。

翌週5月6日は、6月の日本選手権の会場でもある大阪・長居競技場(ヤンマースタジアム長居)での木南記念に出場。4年前の19年の同じ5月6日、自身初の「日本新」となる64m36を投げたのがこの大会でありこの競技場だった。
10時30分に競技開始。織田記念とは違って、天気は晴れで気温は25℃、湿度55%前後、北東方向からの2m前後の風があったが大きな影響はなさそう。上々のコンディションといえた。
10人が出場した中の5番目の投てき。広島で「世界選手権代表内定」を決めたこともあって、気持ちには余裕があった。1投目から素晴らしい投げをみせて、63m72。2投目は64m43で、自身が4年に出した大会記録の64m36(当時の日本記録)を7cm更新。3投目61m25、4・5投目ファウル、最後も60mラインオーバーの61m66で競技を終えた。

第1戦64m50、第2戦64m43。
世界の陸上シーズンは始まったばかりだが、この記録は5月6日時点で個人の2番目以下の記録も収録した「2023年世界パフォーマンスリスト」の1位と2位。栄えある「ワールドリーダー」となった。
なお、個人の最高記録のみを収録したものは「パフォーマーリスト」という。


昨年の北口は「22年世界リスト6位」でアメリカ専門誌での「世界ランキング3位」ってどういうこと??

話は少々(かなり)それるが、日本では「日本10傑」とかのように、記録順に並べて順位付けしたものを「ランキング」と呼ぶことが多い。
しかし、国際的にはこういうのは「ランキング」ではなく「リスト」と呼ぶのが通常だ。
「ランキング」というのは、単に記録順に並べたものではなく、何らかの統計的な操作とか人の意思などが加わって順位付けしたようなもののことをいう。

例えば、1年間の各選手の記録や主要な競技会での順位、あるいは各選手間の対戦成績などを考慮して人の投票で順位付けしたもの、あるいはルールに従ってポイント化するなどで順位をつけたものなどを「ランキング」と呼んでいる。

数年前から世界陸連が五輪や世界選手権の出場権を決定するために使用している「WAランキング」がまさにこれである。記録を種目別の採点表でポイント化し、各競技会での成績(着順・順位)もルールに従ってポイント化し、その合計ポイントの5試合の平均値で比較し順位づけするというものだ。
日本陸連のマラソンでの「JMC(ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズ)」や「グランプリシリーズ」の「年間ランキング」もこれにあたる。

アメリカの陸上競技専門月刊誌である「TRACK & FIELD NEWS」誌は、70年以上前から春先の号で前年度の各種目で「実力世界一は誰か?」というのを有識者の投票によって集計して種目別の「世界実力ランキング10傑」として発表している。また、男女別のすべての種目を含めた最優秀選手を選出する「アスリート・オブ・ザ・イヤー」のトップ10の発表も……。
この「年間最優秀選手」の選出は、世界陸連と日本陸連も行っている。

「TRACK & FIELD NEWS」誌選定の女子やり投の「22年世界実力ランキング」で北口は「3位」とされた。22年のベスト記録65m68は、「22年世界リスト6位」だったが、「22年世界実力ランキング」では「3位」と評価された。リストでの6位からランキングでは3位に順位がアップしている。
これは、オレゴン世界選手権3位や世界陸連ダイヤモンドリーグ・ファイナルでも3位になったことが評価され、記録で上位にいた3人を抜いてのものだった。

なお、22年の世界リスト(記録)では、1位ウィンガー(アメリカ)、2位バーバ-(オーストラリア)の順。
オレゴン世界選手権では、バーバー、ウィンガーの順。
ダイヤモンドリーグ・ファイナルはウィンガー、バーバーの順。
22年の直接対決も2勝2敗。
が、最終的には「TRACK & FIELD NEWS」誌による有識者の投票によって、ウィンガー、バーバーの順で「実力1・2位」という順序になった。

この「TRACK & FIELD NEWS」誌の「世界実力ランキング」では、男子ハンマー投の室伏広治さんが、01・04・06・10年の計4回、「世界1位」にランクされている。
室伏さんのそれぞれの年のベスト記録による世界リストの順位は、「1位」「4位」「4位」「1位」だったが、「実力ランキング」ではすべて「1位」にランクされた。
04年は1年間を通しての記録の他にアテネ五輪での金メダルが評価され、06年は記録以外に主要大会での成績や各選手との対戦成績などを比較し総合的に「実力は世界1位」と評価されたようだ。

なお、「TRACK & FIELD NEWS」誌のHP(https://trackandfieldnews.com/rankings/)には、「世界実力ランキング」という「実力」という文字は入っていなくて、「World Rankings」という表記だ。
「Rankings」には、単に記録順に並べたものではないという意味が含まれているのだ。

と、話が北口から大きくそれてしまったが、「ランキング」と「リスト」の違いや、「パフォーマンス」と「パフォーマー」の違いなど、知っておいて損にはならないだろう(と、筆者が勝手に思っている??)。

世界陸連のホームページのメニューにある「Stats Zone」(https://worldathletics.org/stats-zone)をクリックすると、次に現れる画面には、「Top Lists」のほかに「World Rankings」というメニューが出てくる。先に説明した通り、記録順に並べた「リスト」と、ルールに従って順位付けした「ランキング」はここでも区別されている。
なお、「Results」は、文字通りの「リザルト」で各競技会の「結果(成績)」。
「Records」は、「記録」で「世界記録」「室内世界記録」「U20世界記録」「大陸別記録(「ヨーロッパ記録」や「アジア記録」など)」「オリンピック記録」などをまとめたページだ。


北口のシーズン初戦とシーズンベストの比較

23年の北口は、初戦で「64m50」を投げ次戦も「64m43」で「絶好調」の状況のようだと書いた。
そこで、これまでの北口のシーズン初戦の記録と各年の最終的なシーズンベストを調査し、初戦からどのくらい記録を伸ばしているのかをまとめた。

<北口榛花のシーズン初戦とその年の最高記録>
年月日初戦-->年最高月日記録の伸び
2013.05.0534.13-->49.3110.1815.18
2014.04.2953.08-->53.1510.210.07
2015.05.1055.99-->58.9010.162.91
2016.04.2956.75-->61.3805.084.63
2017.04.2954.64-->61.0710.086.43
2018.04.2958.62-->60.4809.081.86
2019.04.0657.87-->66.0010.278.13
2020.08.2359.38-->63.4509.194.07
2021.05.0257.18-->62.0608.034.88
2022.04.2359.63-->65.6810.086.05
2023.04.2964.50-->???  
以上のように、初めてやりを投げたのは、旭川東高校1年生の2013年5月5日で「34m13」が初めての公認記録だった。
それから、5カ月半後には49m31にまで伸ばし、その年の高校リスト12位、当時の高校学年別歴代の1年生の2位タイになった。さすがに9ねんごに世界選手権・銅メダリストになる選手だけのことはある。

シーズン初戦から15m以上も記録を伸ばした1年目のデータはここでは計算から除外することにした。
2年目以降の初戦とシーズンベストとの差である「記録の伸び」は、最小で「7cm」、最大で「8m13cm」。
9年間の平均値は、「4m337」である。
22年以前の北口の「シーズン初戦の最高記録」は、22年の59m63だ。最終的には初戦の記録から6m05cm伸ばして65m68だった。オレゴン世界選手権で銅メダルに輝いた昨年のことだ。
自己ベストが60m台に乗った16年以降も初戦の記録は「50m台後半あたり」がほとんど。そんな中で、23年の64m50は、突出している。

14年以降の記録の伸びの最小値であった14年の「7cm」を23年の64m50に加算すると「64m57」。最大値であった19年の「8m13」ならば「72m63」で、公認世界記録72m28を上回る。
平均値の「4m337」ならば、「69m83」で、22年末時点での世界歴代6位相当。中国の呂會會が19年に出したアジア記録67m98を大きく上回る。
あくまでも、過去9年間の数字から導き出したものではあるが、これまでのデータからすると、「北口は23年に、これくらいの記録を残せても不思議ではない」ということだ。

ここでは、「初戦」の記録について各年のそれと比較したが、23年は1週間後の第2戦でもほぼ同じ記録をマークできた。つまり、初戦の64m50が「たまたま引っかかった」というようなものではなかったことを示している。さらに2試合とも有効試技のほぼすべてが60mをオーバーしたことも素晴らしいといえるだろう。


北口の年別の上位記録の比較から今季の「日本新」の予感が???

どんな種目のどんなレベルの選手であっても、似たような向上の道筋をたどっていくように思える。

1.若い頃や競技を始めた当初は面白いように自己ベストがどんどん出る。
2.が、ある程度の時間が過ぎるとベスト記録の向上がストップしたり伸び幅が一気に落ちてしまう。
3.ただ、そこで我慢して日々の努力を積み重ねていると、自己記録は出なくてもある一定レベル以上の記録がコンスタントに出せるようになってくる。
4.すると、近いうちに大爆発が起こり、久々にワンランク上の自己記録が出て次の新たな段階へ。
そして再び「2」に戻って、「3」「4」へ……というふうな道筋だ。

そんなことを考えながら北口の年ごとの上位の記録をまとめてみたのが下表だ。

<北口の年別の上位記録の比較>
・23年は、5月6日現在
試合数1位2位3位4位5位60m以上回数(率)63m以上回数(率)
20131149.3145.4945.3745.2545.10  
20141953.1553.0852.1652.1651.93  
20151258.9057.0256.6355.9954.44  
201661.3860.8457.2356.7556.162(28.6%) 
20171061.0760.4959.5959.0857.962(20.0%) 
201860.4858.8358.6258.3856.991(11.1%) 
20191466.0064.3663.6861.9460.8410(71.4%)3(21.4%)
202063.4559.3859.3058.36 1(25.0%)1(25.0%)
202162.0661.4959.1157.1957.182(25.0%)
20221765.6865.1064.3263.9363.5615(88.2%)8(47.1%)
202364.5064.43   2(100.0%)2(100.0%)
年によって出場した試合の数に違いはあるが、自己ベストの進歩の状況、2番目以下の各順位ごとの記録の年ごとの上昇の具合、あるいは自己ベストが60mを越えた16年からは右横の「60m以上回数」やその「率」の数字の変化、これらを見ていくとまさに上に書いたような過程をたどってきているように思える。

13年から16年は、毎年どんどん自己ベストを伸ばしてきた。
17・18年は自己ベストは停滞したが、その年の3~5番目の記録が自己ベストをマークした16年よりもアップして、次のステップへのエネルギーを蓄えていた時期。
そして、そのエネルギーが19年に大爆発。
コロナの影響もあって20・21年はやや後退したが、次のステップアップに向けての試行錯誤や軌道修正、今後に向けての計画立案の時期だったのかもしれない。
22年には19年以来2度目の大爆発。自己ベストこそ19年のままだが、その年の2番目以下の記録が19年とは比べものにならないくらい飛躍的にアップ。60m以上や63m以上の回数や率も19年のレベルを大きく上回り、大きな土台が築かれてきた感じがする。

それらしっかりした土台をもとに、次の新たなステップに自己ベストが大きくアップする予感というか前兆が23年の織田記念と木南記念での64m台であるように思える。

19年にマークした「66m00」の日本記録を、「どかーーん」と大きく更新するのが23年になるのでは? である。


歴代で9人の60mスローワーのうち6人が出場!

世界の銅メダリスト北口のみならず、それに続く選手達もこのところ充実している。
日本選手権の参加標準記録(54m40)の有効期間である22年1月1日以降に60mオーバーのアーチを描いているのは北口以外に、
62.07斉藤真理菜(スズキ)2023.04.29
61.20上田百寧(ゼンリン)2022.06.11
61.10長麻尋(国士舘ク)2023.05.06
60.84武本紗栄(佐賀県スポ協)2022.06.11
の4人。

斉藤は、国士舘大4年生の時の17年に出した62m37には及ばなかったが、4月29日の織田記念で62m07、5月6日の木南記念でも61m63と2試合連続の60mオーバーを決めた。しかも、木南では6投中3投が60m超えと非常に元気だ。
また、斉藤の国士舘大の4年後輩にあたる長(おさ)も22年に59m37まで伸ばしてきていたが、木南で念願の大台突破となる61m10を最後の6投目に投げ、日本人9人目の60mスローワーに仲間入りした。
22年以降は60m台は投げていないかが、佐藤友佳(ニコニコのり)も19年に62m88を投げていて、今回も出場する。
よって、今回は歴代で9人いる60mスローワーのうちの6人が出場する。これは、21年と並び最多タイ。22年は5人のエントリーだった。


日本選手権での60m台

日本選手権における「60m台」についてまとめた。

<日本選手権における60m以上の記録>
・★は日本新
記録氏名
1989年63.44張麗=旧規格のやり
2001年60.12三宅貴子
2011年60.08宮下梨沙
2012年62.36海老原有希
2013年60.41海老原有希
2017年60.64海老原有希
2018年60.79斉藤真理菜
2019年63.68北口榛花
62.88佐藤友佳
2021年61.49北口榛花
2022年62.25北口榛花
61.20上田百寧
60.84武本紗栄
日本選手権で60m以上がマークされたのは以上の通りで、1999年に現在の規格になってからは8人が計12回。
複数選手が60mを超えたのは19年と22年で3人が最多。今回、4人が超えればすべての競技会を含めて史上初となる。


60m以上のベストを持つ選手と22年入賞者の日本選手権入賞歴

<参加資格記録or自己ベストが60m以上と22年に入賞した選手の日本選手権入賞歴>
 1213141516171819202122
北口榛花
斉藤真理菜
上田百寧
長麻尋
武本紗栄
===== 以上、参加資格記録60m00以上

佐藤友佳
===== 以上、自己ベスト60m00以上

木村玲奈
石垣綾香
===== 以上、22年入賞者

60m以上の選手は6人全員が22年に入賞している。ただし、22年の段階では長は59m台がベストだった。
22年5位の木村も今回のエントリー記録は59m台。

北口が優勝すれば3年連続4回目。
斉藤なら5年ぶり2回目。
佐藤なら3年ぶり2回目。
それ以外の選手はいずれも初優勝となる。

佐藤は、16年から22年まで7年連続入賞を継続中。
今回の資格記録60m以上の北口・斉藤・上田・武本も揃って20年以降の連続入賞を継続中だ。


ブダペスト世界選手権への道

ブダペスト世界選手権参加標準記録は「63m80」で有効期間は、22年7月31日~23年7月30日。北口が突破済みで代表に内定している。
ターゲットナンバー(人数枠)は「36名」で、上記の有効期間以降で1国3名以内でカウントした5月2日時点の「WAランキング」の順位は、
標準突破/北口榛花(JAL)
16位 長麻尋(国士舘クラブ)
22位 武本紗英(佐賀県スポーツ協会)
ここまでがトップ3。
国内4番目以下の相当順位は、
24位 辻萌々子(九州共立大2年)
35位 佐藤由佳(ニコニコのり)
41位 木村玲奈(新潟医療福祉大4年)
46位 櫻井希美(済美高3年・岐阜)
48位 西村莉子(三菱電機)

以上の通りだが、これから世界中で競技会がたくさん行われ毎週火曜日に更新されるランキングの順位がめまぐるしく変化し、「36番目」のボーダーラインのポイントもどんどんアップしていくことになる。

22年オレゴン世界選手権の時のターゲットナンバーは「32名」だったが、「36名」に増えたのは選手にとってはありがたいところだ。
オレゴンとその前の東京五輪の状況からすると、ある程度の順位ポイントがつく試合で、5試合のアベレージで60m以上くらいを投げておく必要がありそうだ。


日本選手権での「順位別最高記録」

1)63.682019年
2)62.882019年
3)60.842022年
4)59.102017年
5)58.672017年
6)58.042022年
7)56.822017年
8)55.342017年
2017年と22年のレベルが高かった。
今回は、60m以上のベスト記録を保持する選手が21年に続き6人揃う。
60mを投げても表彰台に立てないようなハイレベルな投げ合いになる可能性も。


・記録は、5月7日判明分。
・記事中の「WAランキング」は5月2日時点のもの(毎週火曜日に発表されるので、できる限り最新のものを盛り込みたいところだが、原稿の締め切りの都合で5月2日時点のものとした)。
・記事は、5月7日時点での情報による。上述の通り、エントリー締め切り5月15日以前に書いた原稿のため、記事に登場する選手が最終的にエントリーしていないケースがあるかもしれない。また、競技の実施日は確定しているが具体的なタイムテーブルとエントリーリストは5月19日に公表される予定である。
・現役選手については敬称略をご容赦いただきたい。

なお、日本選手権の期間中、ここで取り上げることができなかった種目以外の情報(データ)も日本陸連のSNSで「記録や数字に関する情報」として、その都度発信する予定なので、どうぞご覧くださいませ。



野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)



【第107回日本陸上競技選手権大会】




今年はスペシャルチケットとして、テーブル・コンセント付きの最上位グレード席となる「SS席」、1日50席限定の「B席アスリート交流チケット」、1日15席限定の「カメラ女子席」、そして日本選手権では初めてサブトラックの観戦ができる「サブトラック観戦チケット」を販売!既に一部の席は完売となっておりますので是非お早めにお買い求めください!
>>エントリーリスト(5月15日10時00分時点)
※エントリー締切期日は5月15日(月)17時00分となります。
※エントリー締切後に資格審査を行った後に、出場可否が決定します。

☆スポーツナビ☆チケットプレゼントキャンペーン
https://sports.yahoo.co.jp/contents/12894

■「世界選手権」「アジア選手権」「アジア競技大会」日本代表選手選考要項
 https://www.jaaf.or.jp/news/article/15943/
■ブダペスト世界選手権参加資格有資格者一覧
https://www.jaaf.or.jp/news/article/17055/
■「WAランキング」ブダペスト世界陸上への道
https://www.jaaf.or.jp/news/article/17277/

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