6月9日~12日に大阪・ヤンマースタジアム長居で行われる「第106回日本選手権」の見どころや楽しみ方を『記録と数字』の視点から紹介する。
・第106回日本選手権 エントリーリスト
https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1652-4.pdf
・第106回日本選手権 TV&ライブ配信情報
https://www.jaaf.or.jp/jch/106/tv-live/
・オレゴン 2022 世界選手権 トラック&フィールド種目日本代表選手選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202112/16_191504.pdf
・予選/6月11日(土) 13:00 3組2着+2
・決勝/6月12日(日) 16:30
<川元奨(スズキ)・源裕貴(NTN)の欠場が発表された。以下は、欠場発表前に執筆したものではあるが、今回の「第106回日本選手権」を楽しむお供にしていただければ幸いである>
昨年、日本タイ記録・学生新記録となる1分45秒75を出した源裕貴(NTN)を始め、1分45秒台の自己記録をもつ選手が3人エントリーした今大会。1993年にJ・バルボサ(ブラジル)が出した大会記録の29年ぶりの更新はもとより、日本記録更新の可能性も十分にある。
日本記録の1歩先にはオレゴン世界選手権の参加標準記録。全てまとめて突破!の快心のレース展開に期待したい。金子魅玖人(中央大)、薄田健太郎(筑波大)、根本大輝(順天堂大)、松本純弥(法政大)ら学生陣も精鋭揃い。学生記録更新(イコール日本記録更新)も十分に期待できる。
2013年から川元が6連覇を果たしていたが、2019年に高校生のクレイアーロンが初優勝を遂げると、その後は群雄割拠の様相。実力伯仲のレースが続いている。なお、川元が今大会優勝を果たせば、7回目の優勝となり、この種目の優勝回数歴代トップとなる。現時点では、横田真人(2006~2007年、2009年~2012年)と6回で並んでいる。
過去に日本人で1分46秒を切ったのは3人しかいないが、その全員がエントリー。また、過去に日本人で1分47秒切ったのは14人で、そのうちの8人がエントリー。さらには、1分47秒切り目前の松本もエントリーしており、間違いなく日本選手権史上、いや、日本人のみで行われるあらゆる大会史上最高レベルの争いになることは間違いない。
これだけのメンバーであれば、3組2着+2で行われる予選から1分46秒台が出たとしても驚きではない。ちなみに、これまで日本選手権の予選(または準決勝)で出された最高タイムは、2017年の予選3組で川元奨が出した1分47秒19。
上位3人の記録は、全て5月3日の静岡国際で出されたもので、それぞれ自身初の1分46秒台。昨年までの自己記録からの伸びは、薄田が2秒02(1分48秒19→1分46秒17)、四方が1秒40(1分47秒89→1分46秒49)、根本が0秒79(1分47秒52→1分46秒73)と3人とも大幅な更新。薄田は5月8日のセイコーGGPでも1分46秒80で走り、2戦連続の1分46秒台。静岡国際一発だけではない実力を示した。
川元が2013年からの6連覇を含め、9大会連続入賞中。2020年の8位を挟み、8度の表彰台と安定感は群を抜いている。
大会記録の1分46秒21は、外国人選手も正式順位に認められていた1993年にJ・バルボサ(ブラジル)が出したもの。大会日本人最高記録は2016年決勝で川元が出した1分46秒22。昨年は、初めて4位までが1分47秒切る高速レースで、3~5位の着順別最高記録が一気に更新された。今年は、去年を上回る高速レースが期待できるが故に、1~8位までの着順別最高記録が一気に全部入れ替わる可能性もあると思われる。
1分45秒台の自己記録をもつ3選手の自己記録更新時の200m毎通過タイムとラップタイムを上図にまとめた。通過タイム、ラップタイムとも3人に大きな差はなく、200m26秒、400m52秒、600m1分19秒の通過が日本記録更新の目安となるだろう。200mを25秒以内、400mを51秒以内、600mを1分18秒以内のタイムがアナウンスで読み上げられれば、日本新誕生の瞬間に出会えるチャンスがあると思ってよいだろう。
JAAFメディアチーム
写真提供:フォート・キシモト
800mはスタートでは決められた自分のレーンで走り始めますが、バックストレートの直線に入るところでレーンを離れることができます。選手がレーンを離れオープンになる地点に引かれる幅50mmの円弧のラインをブレイクラインといいます。このブレイクラインを選手が認識しやすくするためにコーンが置かれます。これまでこのラインの位置を示すために黄旗がトラックの脇に設置されましたがルール改正により必要なくなっています。 この地点で、選手がブレイクラインの手前でレーンを離れてしまうと失格の対象となりますので、審判員が配置されています。
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■第106回日本陸上競技選手権大会 特設サイト
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■第106回日本陸上競技選手権大会エントリーリスト
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・第106回日本選手権 エントリーリスト
https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1652-4.pdf
・第106回日本選手権 TV&ライブ配信情報
https://www.jaaf.or.jp/jch/106/tv-live/
・オレゴン 2022 世界選手権 トラック&フィールド種目日本代表選手選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202112/16_191504.pdf
【男子800m】
・予選/6月11日(土) 13:00 3組2着+2・決勝/6月12日(日) 16:30
<川元奨(スズキ)・源裕貴(NTN)の欠場が発表された。以下は、欠場発表前に執筆したものではあるが、今回の「第106回日本選手権」を楽しむお供にしていただければ幸いである>
自己ベスト1分45秒台の日本歴代唯一の3選手が参戦!大阪で日本記録更新なるか!?
主な記録一覧(2022年5月31日現在)
・世界記録 | 1分40秒91 |
---|---|
・アジア記録 | 1分42秒79 |
・日本記録 | 1分45秒75 |
・U20日本記録 | 1分46秒59 |
・学生記録 | 1分45秒75 |
・大会記録 | 1分46秒21 |
・大会日本人最高 | 1分46秒22 |
・今季世界最高 | 1分43秒69 |
・今季アジア最高 | 1分46秒17 |
・今季日本最高 | 1分46秒17 |
日本記録の1歩先にはオレゴン世界選手権の参加標準記録。全てまとめて突破!の快心のレース展開に期待したい。金子魅玖人(中央大)、薄田健太郎(筑波大)、根本大輝(順天堂大)、松本純弥(法政大)ら学生陣も精鋭揃い。学生記録更新(イコール日本記録更新)も十分に期待できる。
過去10年の優勝者(所属は当時のもの)
年 | 記録 | 選手 | 所属 | 優勝回数 |
---|---|---|---|---|
2012年 | 1分48秒12 | 横田真人 | 富士通 | 6回目 |
2013年 | 1分47秒43 | 川元奨 | 日本大 | 初 |
2014年 | 1分48秒42 | 川元奨 | 日本大 | 2回目 |
2015年 | 1分49秒02 | 川元奨 | スズキ浜松AC | 3回目 |
2016年 | 1分46秒22 | 川元奨 | スズキ浜松AC | 4回目 |
2017年 | 1分47秒00 | 川元奨 | スズキ浜松AC | 5回目 |
2018年 | 1分48秒35 | 川元奨 | スズキ浜松AC | 6回目 |
2019年 | 1分46秒59 | クレイアーロン竜波 | 相洋高 | 初 |
2020年 | 1分47秒70 | 瀬戸口大地 | 山梨学院大 | 初 |
2021年 | 1分46秒68 | 田母神一喜 | 阿見AC | 初 |
資格記録順(資格記録有効期間2021年1月1日~2022年5月22日)
資格記録 | 選手 | 所属 | 自己記録 |
---|---|---|---|
1分45秒75 | 源裕貴 | NTN | 1分45秒75 |
1分45秒83 | 川元奨 | スズキ | 1分45秒75 |
1分45秒85 | 金子魅玖人 | 中央大 | 1分45秒85 |
1分46秒17 | 薄田健太郎 | 筑波大 | 1分46秒17 |
1分46秒49 | 四方悠瑚 | 宝塚市陸協 | 1分46秒49 |
1分46秒73 | 根本大輝 | 順天堂大 | 1分46秒73 |
1分46秒89 | 梅谷健太 | サンベルクス | 1分46秒89 |
1分47秒23 | 松本純弥 | 法政大 | 1分47秒02 |
これだけのメンバーであれば、3組2着+2で行われる予選から1分46秒台が出たとしても驚きではない。ちなみに、これまで日本選手権の予選(または準決勝)で出された最高タイムは、2017年の予選3組で川元奨が出した1分47秒19。
2022年記録順(2022年5月31日現在)
記録 | 選手 | 所属 |
---|---|---|
1分46秒17 | 薄田健太郎 | 筑波大 |
1分46秒49 | 四方悠瑚 | 宝塚市陸協 |
1分46秒73 | 根本大輝 | 順天堂大 |
1分47秒02 | 川元奨 | スズキ |
1分47秒23 | 松本純弥 | 法政大 |
資格記録上位選手の日本選手権100m入賞歴
選手 | ‘12 | ‘13 | ‘14 | ‘15 | ‘16 | ‘17 | ‘18 | ‘19 | ‘20 | ‘21 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
源裕貴 | 5 | |||||||||
川元奨 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 8 | 3 | |
金子魅玖人 | 2 | 2 | ||||||||
薄田健太郎 | 5 | |||||||||
田母神一喜 | 1 | |||||||||
根本大輝 | 7 | |||||||||
梅谷健太 | 5 | 7 | 4 | 4 | ||||||
松本純弥 | 8 | 3 | ||||||||
村島匠 | 2 | 8 |
日本選手権決勝における「着順別最高記録」
順位 | 記録 | 年 |
---|---|---|
1位 | 1分46秒21 | 1993年 |
2位 | 1分46秒78 | 2019年 |
3位 | 1分46秒89 | 2021年 |
4位 | 1分46秒89 | 2021年 |
5位 | 1分47秒21 | 2021年 |
6位 | 1分49秒12 | 2020年 |
7位 | 1分49秒53 | 2020年 |
8位 | 1分50秒46 | 2020年 |
川元奨・源裕貴・金子魅玖人の自己記録時の200m毎通過タイム及びラップタイム
川元奨 | 源裕貴 | 金子魅玖人 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
1分45秒75 | 1分45秒75 | 1分45秒85 | ||||
’14 セイコーGGP | ’21 ホクレンDC | ’21 ホクレンDC | ||||
通過 | 200m毎 | 通過 | 200m毎 | 通過 | 200m毎 | |
200m | 25.6 | 25.6 | 26.0 | 26.0 | 26.4 | 26.4 |
400m | 52.3 | 26.7 | 52.0 | 26.0 | 52.6 | 26.2 |
600m | 1.19.2 | 26.9 | 1.19.1 | 27.1 | 1.19.1 | 26.5 |
800m | 1.45.75 | 26.6 | 1.45.75 | 26.7 | 1.45.85 | 26.8 |
JAAFメディアチーム
写真提供:フォート・キシモト
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【初めての観戦でも大丈夫!800mのルール】
800mはスタートでは決められた自分のレーンで走り始めますが、バックストレートの直線に入るところでレーンを離れることができます。選手がレーンを離れオープンになる地点に引かれる幅50mmの円弧のラインをブレイクラインといいます。このブレイクラインを選手が認識しやすくするためにコーンが置かれます。これまでこのラインの位置を示すために黄旗がトラックの脇に設置されましたがルール改正により必要なくなっています。 この地点で、選手がブレイクラインの手前でレーンを離れてしまうと失格の対象となりますので、審判員が配置されています。
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