7月31日(土)陸上競技2日目のイブニングセッションは午後19時10分より男子走幅跳の予選からスタート。日本からは男子走幅跳の予選に3名、男子100m予選に3名の計6名の選手が出場しました。大会2日目イブニングセッション、競技終了後の選手コメントをご紹介いたします。
◎多田修平(住友電工)
男子100m 予選1組 6着 10秒22(+0.2)
(ウォーミング)アップではすごく調子がよかったのだが、隣にロニー・ベーカー選手(アメリカ)というスタートの速い選手がいて、先に出られてしまった。あまりスタートで出られるということは経験がないので、(前に姿が)見えた瞬間から、ずっと力んでしまう形になった。本当に全部悪い走りになったなという感じだった。調子は本当に(優勝した)日本選手権のときよりもいい感じで来ていたので、自分のレースに集中できなかったというか、完全に力んで終わってしまったという感じである。ただし、それはずっと想定していたことで、そのなかで自分のレースに集中して走れるようにしようと思ってやってきた。それでも力んでしまったという形なので、本当にこういう本番では、もっともっとレースに集中して、強いメンタルを持ってこられるようでないといけないのだなということを、確認できた試合だった。また、今、(予選の)結果を見ても、タイムが例年に比べると、異常なくらいが上がっている。自分の力は、まだまだ世界からは置いていかれているんだなということを感じた。
(初めてのオリンピックの感想は? の問いに)不甲斐ない結果というか、自分のなかでは不完全燃焼で終わってしまった。(4×100m)リレーがあるので、リレーを走ることになったら、そこでしっかり金メダルを獲得したい。今度はみんなで協力して獲る番なので、みんなを信頼しつつやっていきたい。
◎山縣亮太(セイコー)
男子100m 予選3組 4着 10秒15(+0.1)
満足のいく結果ではない。自分としても準決勝、決勝を見据える上では10秒0台は欲しいと思っていたので、そういうレースができなかったのが残念。トップはいつも速いので、どういうタイムが来てもおかしくないと考えていたが、カットライン…今回の準決勝(進出)のラインが高めなのは予想外でもあった。ただ、(10秒)0台を出せば問題なく通れたと思えば、そういった意味では悔いが残る。(今、考えられる原因を挙げるとしたら、と問いに)スタートをもうちょっと楽に飛び出したかったなというのはあるけれど、それも含めても調整の問題かなと思う。
今回は自分としては納得のいく調整をしてきたつもりではいたのだが、何かが違うんだろうなと思う。何が原因かということ、そして調整の段階で何が良くなかったかということは、時間を置いて考えなければいけないところだと思う。
(緊張やプレッシャーはあったか? の問いに)緊張するのはいつものこと。オリンピックは確かに特別なレースではあるが、初めてでもないので。こういう大きい試合の前は、自分のやりたいレースを決めてスタートラインに立つというのが自分のなかのルールなのだが、それはできたなと思っている。そういった意味でも、心理的な要因というのはあまり考えていない。
(できることなら、もう1回走りたいか、との問いに)次のレースに繋がれば、どういうレースをしようかということを考えたりもしていたので、チャンスがあるんだったら、もう1回走りたいなという思いはある。でも、「1回で出しきる」ということも能力の一つ。諦めます。
(このあと始まる4×100m)リレーは、スターティングブロックから出る100mとは違うものになる。このレースの反省と、リレー独自のイメージトレーニングとの両方を摺り合わせて、しっかり準備したい。
◎小池祐貴(住友電工)
男子100m 予選4組 4着 10秒22(0.0)
残念、そのひと言に尽きる。今、できる準備は全部やってきたと思うし、今の自分の身体とか環境とか考えて最善のことはしてきて、「十分に戦えるな」という状態で来て、試合で出たのが結局は実力なのかなというところなので、今、「何が悪かったのか?」と聞かれて、ぱっと(答えが)出てくるような感じではない。とにかく自分のできることをしっかりやろうという気持ちできていたので、予選通過ラインとかは、あまり考えていなかった。しかし、いつもに比べると、ちょっとボーダーラインは高いのではないかと思う。
(スタートの動きに問題があったのでは? との問いに)別にそんなことはない。それにどちらかというと(ここまでは)得意な中盤以降のところを注視してやってきた。ただ、自分のレース映像を見ているわけではないので、どういうレースをしたかよく覚えていないのだが、感覚的には、そこまで悪くはなかったと思っていて、結果的にスピードが出ていなかったということ。“感覚の勘違い”があったのか、身体の調子が良くないのかはわからないが、ほかの根本的なところに原因があるのではないかと思う。
(200mでなく、100mでの出場を選んで、レースを走って感じたことは? との問いに)「ここで通用にするようになりたいな」と思った。自分のなかではいい準備をしてきて、しっかり走れば戦えるだろうなという感覚で来て、結果的にダメだったので、ここでまた100(m)から離れたら悔いが残るなという気持ちは今、出てきている。
このあとは(4×100m)リレーがある。リレーは、SD(スタートダッシュ)から出る種目ではないので、スタンディングからだったら、どういうふうに切り替えればタイムが出るか。そこをコーチとしっかり相談すれば、ある程度貢献できるところまでは調子は上げられると思う。
◎橋岡優輝(富士通)
男子走幅跳 予選A組 1位 8m17(+0.4) =決勝進出
とりあえずはホッとしている。1本目で(予選通過記録を)跳ぶことによって、2日後の朝に予定されている決勝に向けての計画も立てやすい。そういった部分で、1本で決められたのは、自分にとって収穫があるものだったと思う。(どんな心境で今日を迎えたか? の問いに)「やっと自分のオリンピックが始まるんだな」という気持ち。昨日の夜から、ちょっとずつ感じていたのだが、今日の朝起きて、時間が経つにつれて、その思いがどんどん強くなってきて、「早くやりたいな」と、挑む前には思っていた。
(予選を1回の跳躍で通過したことは)こういうふうに、次の日に向けて準備ができるということも、かなりアドバンテージになるし、自分自身に集中するというところでも、大きくプラスになると思うのでよかった。
(決勝では)とりあえず、自分の力を全部あますことなく出しきれたと思えるような試技ができればいいなと思う。まだ今日の段階では万全とはいえない跳躍だった。明日、修正点などを確認し、決勝に向けて新たなプランでしっかりと行けたら、(目標達成に)近くなってくるのかなと思っている。
(改めて目標を教えてください、と促されて)メダル獲得を目指して頑張りますので、応援、よろしくお願いします。
◎城山正太郎(ゼンリン)
男子走幅跳 予選A組 12位 7m70(+0.3)
決勝に残るというのが目標だったので、そこに繋がらなかったことが悔しい。今回はどうしても決勝に残りたいという思いが強かった。最近は思ったような動きもできていたので、しっかりと1本目から記録を残していきたかったのだが、1本目で踏み切れなかった(ために、きちんと跳躍動作をとることができなかった)ことで、ペースが崩れた感じはあった。「硬くなっている」とアドバイスをいただいたので、2・3回目はリラックスして挑むことを心掛けたのだが、うまく助走や踏み切りに繋がらなかった。日本選手権後は、助走練習など走幅跳の練習を多めに取り組んできた。自分では状態は悪くはないという状態で臨むことができていた。
(この大会で得られたものがあったか、との問いに)今日は、跳躍の内容がよくなかったので…。強いて言うのなら、オリンピックの雰囲気を感じられたことは、今後の競技人生に生きてくるとのではないかと考えている。今後の目標は、まずは来年の世界選手権、そして、3年後のパリ(オリニック)を見据えて取り組んでいきたい。
◎津波響樹(大塚製薬)
男子走幅跳 予選B組 14位 7m61(0.0)
まずは、大会が1年延期となって、さらにこの状況で開催されるかされないかというなか、オリンピックを開催していいただいたことに、本当に感謝の気持ちでいっぱいである。また、ここにいられるのは、自分(の力)だけでなくて、支えてくれた方々がいるおかげ。本当にオリンピックに参加できて幸せだったなと思う。この大会に向けては、万全の状態の状態で臨むことができていた。今日は、(ウォーミング)アップのときから調子がよくて、1発目から8m15を狙って…と頭の中でイメージしていたのだが、いざ本番になってピットに立つと、自分の力を出せなくなってしまった。そこが、この結果になったのかなと思う。いつものようにできなかったことが、自分の弱いところなのかなと思う。
目標にしていた決勝に残ることができなかった悔しさは、とてもある。
(このあとは)来年の世界陸上、再来年の世界陸上と、世界大会が続くので、まずは出場を目標にしたい。(良い動きができていた)一昨年からここまでを振り返って、どこがどう変わっているのかを、ゼロから考えていくようにしたい。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:アフロスポーツ
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