2021.07.13(火)大会

【東京オリンピック】男子4×100mリレーチームが悲願の金メダルに向けて始動!男子短距離日本代表公開練習レポート&コメント(100m・200m・4×100mR)



7月9日、東京オリンピック男子短距離日本代表選手が、合宿先の山梨県富士吉田市の富士北麓陸上競技場において、メディアに向けて練習を公開しました。合宿には、オリンピック本番までのトレーニングを、師事を仰ぐ海外コーチの元で実施することになったサニブラウン アブデルハキーム選手(TumbleweedTC)を除く、100m・200m・400m・4×100mR・4×400mRの代表選手12名および両リレーの補欠選手2名の計14名が参加。前日の7月8日夕刻に各選手が山梨へ集合する日程が組まれたため、練習が公開されたこの日が、実質的なトレーニング初日となりました。前日から降っていた冷え込みを伴う雨が明け方まで残ったこともあって、気象状況や気温が懸念されていましたが、トレーニングを開始した午前9時半には、厚い雲には覆われていたものの、幸いなことに雨はやみ、気温も少しずつ上昇。やや蒸し暑さを感じるコンディション下での滑りだしとなりました。
こうした背景もあって、この日のトレーニングは、4×400mRチームがウォーミングアップでバトンジョグを行った以外は、各選手が個々に、自身の計画に沿ったトレーニングを進めていく形となりました。練習内容自体は、山縣亮太選手(セイコー)が200mを1本走った以外は、スタートダッシュやミニハードル走、スレッド走なども含めて、どの選手もホームストレートを走る、比較的短めの距離の練習を主体としたメニューを実施。合宿までに取り組んできた内容、あるいは故障からの回復状況等に応じて、それぞれの選手が、1つ1つの内容を丁寧に、かつ集中して取り組んでいる様子が印象的でした。
合宿は、7月16日まで1週間の日程で行われ、個々の調子を上げていくのと並行して、4×100mR、4×400mRともに、大会本番でのオーダーを見据えながらのバトンパス練習等に取り組み、最終的なブラッシュアップを図っていくことを計画しています。
また、この日はトレーニングを終えた午後には、合宿に参加している全選手が、合同オンライン会見を含めた報道各社からの取材に臨み、自身の状態やオリンピックに対する思い、大会本番での目標などを話しました。各選手のコメント(要旨)は下記の通りです。


【100m、200m、4×100mR代表選手コメント(要旨)】




◎多田修平(住友電工) 男子100m

毎年この合宿が始まると、大きい大会…今回の場合はオリンピックが…やっと始まるのだなと感じる。改めて気が引き締まるというか、頑張っていかないといけないなという気持ちになった。オリンピックだからといって、特に(心構えが)変わるわけではない。今までの経験を踏まえて、変に気負うことなく、緊張しすぎず、自分のペースで挑めたらいいなと思っている。
現状で、まだ日本選手権後の疲労がとれていないところもある状態。このため、今日の練習も、全力ではなく、8割くらいの力で、自分のフォームを確かめたり、どういうレースプランで走るのかを考えたりしながら走っていた。ただ、疲労が残っているなかでも、力を使わずに前に進んでいる感覚はある程度残っていて、まだまだ伸びしろがあるように感じている。合宿中も、合宿が終わってからも調整していき、本番までにしっかり仕上げていきたいと思っている。
リレーについては、まだ走順は発表されていないが、走るとしたら1走だと思っている。バトン練習ももちろんだが、最近、コーナー(を走ること)をやっていなかったので、まずはコーナー部分をうまく捌けるように(走ることを)意識した練習をやっていきたい。
2016年リオ五輪の4×100mRで日本がメダルを獲得したときは(自分は日本代表になるレベルには達していなかったが)、銀メダルを獲得するのを見て「すごいな」と素直に思う一方で、「自分と、この4人の選手との差が、さらにもっと開いたのかな」というような悔しい思いもあった。しかし、その4人の選手が「日本人もここまで戦えるのだ」という目標を示してくれたので、それが自分の頑張るきっかけになったし、それがなかったら、目標が曖昧なまま取り組んでいたと思う。(銀メダルを獲得した)あのレースで、めちゃくちゃ燃えたというか、「僕も頑張って、追いつかないといけないな」という気持ちになった。今もそうだが、ライバル同士が切磋琢磨して、今の日本短距離界は成り立っているのかなという感じがする。
オリンピックは今回が初出場となる。ここ何年かは日本代表にはなっているとはいえ自分の経験はまだまだ浅いが、東京オリンピックではしっかりと個人(100m)でも、リレーでも結果を残したい。(初めてロンドン世界選手権の日本代表に選出された)2017年は、「ぱっと出」で、その勢いで出たという形だったが、今回は、(思うように結果が出せない)挫折も味わったし、その状態も含めて世界の舞台もいろいろ経験している。その経験を武器に、全力で戦えばいいのかなと思っている。
(オリンピックの陸上競技は無観客開催が決定したことの感想を問われ)仕方のないことだと思っている。僕ら選手としては、しっかり走ることが役目。まずは、自分の最大のいいパフォーマンスをして、最大の結果を出すこと。それを、テレビの前で見てくださっている皆さんにお見せすることができればいいなと考えている。




◎山縣亮太(セイコー) 男子100m

久しぶりの代表合宿。すごく懐かしくて、代表に帰ってこられたことを嬉しく思う。(今回の顔ぶれは)代表経験豊富な選手もいるが、栁田(大輝)くんとか、デーデー(ブルーノ)とか若手もいる。年長者として、いうとちょっと大げさかもしれないが、みんなが走りやすい雰囲気をしっかりとつくっていけたらなと思う。
過去(に出場した2012年ロンドン、2016年リオの)2大会に比べると、本当にいろいろな意味で今回のオリンピックは特別な大会になるなと感じている。選手として後悔がないようにベストを尽くしたい。また、今回は、日本選手団の主将も務めることになった。競技以外のことは、あまり重荷にならないように、考えないようにしているところもあるのだが、そういう大役を任せていただいたことや、(コロナ禍という)こういうご時世にあって、スポーツの価値が問われているところでもあると思うので、自分の走っている姿で、そういったものを発信できるようにしていきたいと考えている。
リレーについては、まだバトン練習もしていなくて、走順も含めてどうなるかわからない状況だが、(銀メダルを獲得した前回のリオ大会に比べると)まず個々のタイムが伸びてきていることがプラスの変化としてあると思う。そのぶん、バトン(パス)については微調整が必要になるわけだが、今回の合宿でそのあたりをしっかりと詰めて、いい形で合宿を締められたらいいなと思っている。
(久しぶりのリレーに対する今の気持ちは? の問いに)ワクワクという心境。あくまで僕の予想だが、たぶん2走になると思っていて(笑)、練習においても2走に対するイメージをもって取り組んでいる。(2走を務めた)2年前の世界リレーのときとかを思い出しながら、「あのときよりはうまく走りたいな」と思う一方で、(うまく)走れる自信もある。ワクワクしながら、「そのとき」を待っているという状況である。希望の走順を問われたら、4(走)がいいけれど、たぶん(実際は)2(走)でしょう(笑)。
(金メダルへの期待が高い点について、どう思うか、の問いに)もちろん目標として、みんな金メダルを目指してやっているが、まずは、何よりも選手それぞれが最高のパフォーマンスを発揮することがすべて。その結果として、金メダルはもちろん可能性があるわけで、でも、どうなるかというのはわからない。ただ、自分たちはそこに向かってやっていくだけなので、あまり気負う必要はないと思う。個人的には、リレーは楽しくて好き。しっかりとチームワークで、いい結果を残したい。
(オリンピックの陸上競技が無観客で開催されることになった感想は? の問いに)本来の形とは違うことになったが、個人的には、こういう状況にありながらオリンピックを開催してもらえること自体がまずありがたいと感じている。与えられた舞台で走れる、そういう想いをしっかり持って走れたらなと思っている。
(4×100mR決勝が行われる8月6日が、広島原爆の日であるが…との問いに)当日は、いろいろな想いを持ってリレーを走ることになると思う。自分たちが目指すべき目標に向かって一所懸命になって走っている姿を見て、テレビの前で応援してくださっている方々や、広島の方々に、何か感じとってもらえたらなと思っている。自分たちがしっかり走ることによって、ふるさとの広島の人たちが喜んでくれるのであれば、本当に選手をやっていてよかったなと僕は思う。そう思ってもらえるように全力を尽くしたい。
オリンピックでは、個人(100m)ではしっかりと自己ベストを出して決勝に残りたいと思っているし、リレーではリオ(五輪)以上の金メダルを目指す。全力を尽くして、みんなで頑張っていきたい。




◎小池祐貴(住友電工) 男子100m

この地に来ると、「ああ、いよいよなんだな」という気持ちになる。(日本代表合宿にも)ある程度慣れてきたという面があるので、合宿前に「忘れ物はないか」とそわそわしたり、「誰と同じ部屋かな」と気にしたりすることはなくなった。そういう意味では、ナチュラルな状態でコンディションを整えられるようになってきたなと感じている。
日本選手権後は、少しだけ休んで、すぐに強度の高いトレーニングを入れてきた。このため、コンディション的には、今はくたくた(笑)という状態。ただ、今回の合宿は、バトン合わせもあるので、スピードを出していくことがメインとなってくる。量的・強度的な負担を減らし、合宿最終日のラストのバトン合わせに向けて、だんだんキレを出していくことを目指してやっていくつもりでいる。
(東京オリンピックの個人種目で100mを選んだ理由は? の問いに)まず、200mについては、日本選手権でとにかく優勝することを目標に掲げて取り組んできたので、それが達成できてよかったと思っている。また、200m(の決勝レース)でいい感覚が得られて、「これは100(m)に生かせるな」というものを得られたことも非常に大きいと思っている。本音としては、自分はジュニア(U20年代)のころから、「100m・200mの選手」と言ってきたので、(東京五輪でも)両方にエントリーする実力があればよかったのだが、残念ながら2種目に加えてリレーにも出て、そのすべてでベストパフォーマンスを出せるかというと、コーチからも「厳しいでしょう」と言われていた。それで東京オリンピックまでは100mに重きを置いて取り組むと心のなかで決めていた。今回は100mに絞ろうということで、200mはやめた。
4×100mRで「金メダル」が求められていることは、代表に入ってみて強く感じたことでもあり、すごくプレッシャーに感じるところでもある。僕は、ほかのメンバーと違って、世界大会のメダル(獲得)を経験していないので、「金・銀・銅」の違いはわからないところもあるのだが、でも、期待に応えるのが僕らの仕事でもある。周囲から求められているだけでなく、僕らのチームのなかでも金を求めて取り組んでいるので、それに応えられるパフォーマンスを準備していかなければいけないなと思っている。
オリンピックでは、100mは、ずっと言っていたように、世界のファイナルを目指して、準決勝で一発かましたいなと思っている。リレーに関しては、全員がお互いのことを信じて走ればきっと、一番いい結果を残せると思う。金メダルを目指して、みんなで頑張りたい。
リオ五輪で、日本が銀メダルを獲得したのは、期待以上の結果だったと思う。僕は当時、見る立場だったので、「メダル、取れるかな」という気持ちで見ていたが、すごい結果で、「これは見ていて面白いし、すごく陸上が好きになるな」と感じた。どういう走りをすれば、そういうものを人に届けられるのかは全然わからないのだが、自分たちが東京オリンピックを走っているのを見て、僕と同じようなものを感じてくれる人が、一人でも出てきてくれれば、これ以上のことはないと思う。




◎山下潤(ANA) 男子200m

日本選手権が終わって、ぴりぴりとした緊迫した雰囲気がようやく終わって、すごく落ち着いたという状況である。この合宿からがまた、一からのスタートとなる。ある程度の緊張感を持って、やっていきたいと思っている。
代表に内定したときの状況は、前から情報があったわけではなかったので、普通にインターネットを確認して、メールが来て…という流れで把握した。そこからは、いっきにバタバタしたという感じだった。決まったと知った瞬間は、やはり安堵の気持ちが大きかった。「よかったな。これで安心して、トレーニングに戻れるな」と思った。
(オリンピックに対する意識は、いつからあったか、との問いに)父がオリンピックに出ていて(※父・山下訓史氏は三段跳で1988年ソウル五輪に出場)、そのことは幼少期から知ってはいたけれど、オリンピックというのは夢の話というか、どこか人ごとのような感じで受け止めていた。東京オリンピックの開催が決まったのは、高校1年生のとき。そのときもまだ、選手として(出る)というよりは、「見に行きたいな」という気持ちのほうが大きかった。しかし、高校2年あたりから、ユースオリンピックなどに出られるようになった。世界ジュニア(現U20世界選手権)などもそうだが、そういった国際大会とか、海外の合宿に行くようになってから、オリンピックが身近になったというか、現実のものになってきたように思う。
2016年のリオ五輪には、兄(山下航平、三段跳)が出場した。家族が出るということで嬉しい気持ちもあったが、そのときは、自分も出たいなという気持ちが強くなっていたので、悔しいと思うところもあった。兄と直接、オリンピックのことを話したことはないのだが、兄が取材を受けて語っているものを見たなかで、「オリンピックというのは全然雰囲気が違うものなんだな」ということは感じていた。実際に、こういう取材がすごく多いこともそうだし、オリンピックが決まった直後から、いろいろな方々からメッセージをいただいたりして、「やはり特別なものなんだな」ということを実感している。
オリンピックでは、まずは応援してくださる、そして支えてくださった方々への感謝の気持ちをもって、自分の最高の走りを見せたいと思っている。個人種目の200mでは、決勝進出を目標にしている。これを達成するためには、自分の持ち味をしっかり出すこと。自分の得意なところは、前半のコーナーの走りなので、そこでしっかり抜け出して、後半に逃げきるという形を出せれば、達成は見えてくるのかなと思っている。リレーについては、200mと同じで、コーナリングが得意なので、それが出せる走順であればベストなのかなとは思っているが、現状はバックアップという立場であると思うので、どこの走順であっても出られるように準備していく。リレーは、今まで2回メダルを獲得している日本のお家芸。その力になれるように、これからのトレーニングを頑張っていきたい。




◎飯塚翔太(ミズノ) 男子200m

(ワールドランキングの順位により)200mに代表に選出された点については、ありがたいという気持ち。それに恥じないように、ベストを尽くすしかないと思っている。日本選手権後は、休みは2日くらいで、すぐに練習に入って、選ばれても大丈夫なように準備をしていた。まだ万全な状態ではないが、しっかりとできることをしてきて、身体のコンディションもよくなってきている。本番に向けてしっかりと上げていきたい。合宿では、こうやって代表メンバーと一緒に練習できるので、すごく元気よくできている。今日の練習は補強がメイン。膝の状況に不安があるので、その周辺の補強を行ったあとに、動きを出すことをやり、そのあとに走りの確認をして終了した。そんな流れが、この合宿では続くことになると思う。
前回のリオ五輪から5年間、本当にあっという間だったと思う。リオのあとからは会場に来てくださるお客さんの数も本当に増えて、試合の様子をニュースで報道してくれたり、今回みたいにリレーは誰が走るのかと話題になったりと、世の中に大きく出るようになって注目されるようになった5年といえる。人から注目されるようになると選手は頑張るもの。リレー(メンバー)に選ばれると有名になるし、知ってもらえる。頑張る活力というのは、お客さんが増えて見られることによって高くなって、それで(男子短距離は)強くなったのかなと思うし、僕自身もそうだった。
東京オリンピックの開催は、大学4年生のときに決まって、「絶対に走りたい」という思いで準備してきた。オリンピックを地元でできることは、そうそうない。出場することができて本当によかったと思う。2013年に決まってからは、東京の前に開催されることになるリオと、東京で、というのはずっと頭に入れて練習をしてきた。その間に自分が成長できているのかどうかはわからないのだが、いろいろな試合を通じて、いろいろなメンバーと頑張ってくるなかで、「見てくれる人のいることのありがたさ」というものをすごく感じるようになったことが、自分のなかでは変わったところではないかと思う。たくさん応援してもらえるレースは、すごく楽しいし、今回の日本選手権も(場内観戦には制限があったものの)応援してもらえて、すごく嬉しかった。そういう気持ちにしてもらったのも、この5年間のこと。本当にありがたく思っている。
(個人で出場する)200mとともに、リレーについても、もちろん、いつでも走る準備はしている。もし、走る状況になれば頑張るし、そうでなくても、走るメンバーが思いきってスタートに立てるように送り出したい。そういう気持ちが強くある。自分は最年長にはなるが、年齢やキャリアは違っても、スタートラインや、トラックに立ったときは、みんな平等で同じ立場。今回は高校生とか初めての若いメンバーもいるわけだが、バトン練習なんかについても、練習が始まったらお互い同じ立場で、ちゃんと意見が言い合えるようにする。そういったチームをつくることができたらいいなと思う。特にリレーは実戦から離れているので、どれだけコミュニケーションをとって練習を積めるかということが大事。そこは(この合宿でも)やっていきたいと思う。
(東京オリンピックの目標を、の問いに)個人種目では、オリンピックは準決勝に進んだことがないので、まずは予選をしっかり通過して、準決勝で、決勝の舞台に立てるよう頑張りたい。大事になってくるのは最初の100m。過去のレースでは前半で勝負をつけられている。海外では後半で勝負するのはなかなか難しい。前半でしっかり勝負ができるようにスピードを上げられるように準備したい。リレーも出番がくれば、リオのリベンジで、金メダルを目指したいし、マイル(4×400mR)のほうも走れるように準備はしている。「なんでもいく」という気持ちで頑張りたい。




◎桐生祥秀(日本生命) 男子4×100mR

まずは、リレー(4×100mR)の代表に選んでいただいた。ここから(最終的な)メンバーを選んでいくことになるわけだが、ここまでの自分の経験もいろいろあるので、自分自身をアピールしながら、しっかり走りたい。
今回の合宿では、いつも通り、気を引き締めるところは引き締めて、緩いときは緩くやっていきたい。ただ、リオ五輪前の合宿のときは100mがあったが、今回はリレー(のみ)という違いがある。リレーに必要なことを、重点的にやっていきたい。
(日本選手権の際に抱えていたアキレス腱痛については)今日の練習では、痛みはほぼゼロに近い感じでやることができた。そこは日本選手権のときとは全然違う。ここから(大会までの)3週間、練習ができれば、(五輪本番で)ベストパフォーマンスができる自信はある。この合宿では、最終的に、トップスピードまで上げることができればいいなと考えている。
日本選手権後は、ほぼほぼ治療に専念し、あとは補強等を行う形で過ごした。今日は、(フィールド内の)芝生を走ったが、ジョギング以上の(スピードで)走ることは今日が初めて。走った感じは良かったし、まだ(期間も空いていないので、トップスピードで走るときの)感覚も忘れていない。また、ここから、どうやって力を(地面に)伝えればいいのかというのはわかっている。今回も、もう少しスピードを出したかったが、今日は、あれくらい(ゆっくりと流す程度)で我慢した。
リレーでは、3走が得意というのはある。まだ、正式には聞いていない状況だが、もし、走順が来るとしたら、「3(走)か4(走)かな。1(走)・2(走)は(すでに)固定かな」と自分のなかで思っている。もし、そうなった場合、3走に関しては(リオ五輪で)メダルを取っているわけだし、4(走)に関しても高校とか大学とかセイコーゴールデングランプリとか、いろいろなところでやっているので、どちらになってもパフォーマンスができる自信はある。まずは、自分の身体とかパフォーマンスに集中していきたいなと思う。
自分のなかで、オリンピックは、子どものころは、「陸上のなかで、世界で一番大きな大会」と思っていた。それは今も思っていることでもある。オリンピック(に出ること)は、高校2年のときに10秒1台(10秒19、2012年)を出して、(日本)代表とかにかかわるかなというくらいのレベルになったあたりから意識するようになった。前回のオリンピックと今回とでは、自分の気持ちも全く違うし、やることも全く違う。前回のリオのときは100mもあって、その練習をして、走力を上げてリレーに向かったわけだが、今回はリレーだけを目指すことになるので、(スタート局面の)出の感じや中盤・後半のイメージというのは100(m)とは全く別になる。
精神的な違いについては、前回のリオの際に、ここで合宿をしたときのことをよく覚えていないので、具体的な違いを挙げることはできない。ただ、(当時に比べると)中堅というか、ベテランっぽくなったというところはあると思う。それは年齢的なものもある。リオ(五輪)のときは、飯塚(翔太)さんが一番上で、あとは山縣(亮太)さん、ケンブリ(ッジ飛鳥)さんに任せきりでできたけれど、今は立ち位置的にも若手ではない。自分にやれることをやっていきたい。
例えば、バトン(練習)をやるのだったら、(若手が)ガチガチにならないようにしたいなと思っている。バトン練習は「1本が大事」なわけだが、そこで「失敗したらどうしよう」というようなもの(恐れ)をなくして1本に集中できるようにする。まずは、繋がればそれでよくて、そこから技術を学んでいけばいい。最初から100%を求めるのではなくて、ちょっと余裕を持っていけるように、そうしたムードをつくることができればいいなと思う。




◎デーデー ブルーノ(東海大学) 男子4×100mR

日本選手権後、(100m・200mともに2位の成績を収めたことで)すごく注目してもらうようになったが、自己ベストといっても9秒台の選手たちと違って、10秒19ということもあるので、自分としては正直なところ、まだまだという風に思っている。
今回が初めての日本代表合宿。ワクワクもする一方で、ちゃんと馴染めるのかなという緊張もあったが、今日の練習は思っていたよりも自然体な感じで、緊張もせずに取り組むことができた。今日の練習は、初日ということと、(富士吉田市が)高地になるので、まずは身体を馴染ませるということを意識して取り組んだ。
(「JAPAN」のユニフォームを身につけての感想は、の問いに)まず一番に思ったのは、「似合ってるのかな?」ということ(笑)。それと同時に、周りの人が着ているのは見ていたが、それを自分が着るのは不思議な感じがしていて、今でも、(自身の身体を見下ろして)「あれ?」と(笑)いう気持ちがある。
今回は、4×100mRのメンバーとして選んでいただいたわけだが、リレーということでは、前回のリオオリンピックで(銀メダルという)すごい成績を残してきている。それと同じ五輪という舞台で自分が走らせてもらえるということで、いろいろな方の期待もあると思うし、自分でもしっかりやらないといけないという思いがある。今の心境としては、「しっかりとやりきりたい」という気持ちが強い。
東京オリンピックの開催が決まったのは2013年だから、中学2年のとき。当時はサッカーをやっていて、陸上はまだやっていなかったし、自分が出るものとは思っていなかったので、「ちょっと違う世界のもの」みたいな認識だった。4年に1度ということもあるし、陸上競技でいうと一番大きな大会。そういったなかで走れることは嬉しいし、そこに名前が残るのがすごく嬉しい。自分のなかでは最高の舞台だと思っている。
自分自身がオリンピックを意識したのは、そのリオ五輪の(メダルを獲得した)レースを見たときだったと思う。ケンブリッジ(飛鳥)選手(リオ五輪アンカー)もハーフの選手で、自分も同じハーフ。当時の自分は(強かったわけでもなく、競技レベルは)全然だったけれど、チャンスはあるのではないかと思ったことがきっかけになっている。
実際に、今回のオリンピック本番でメンバーとして走れるかといわれたら、桐生(祥秀)さんもいるので、正直わからないところだが、もし、走らせてもらえる機会があるのなら、求められているのは金メダル。自分を選んでよかったと思ってもらえるような走りをしっかりしたい。自分は、トップスピードに乗ってからのスピードの維持というのが得意なので、強みを挙げるとしたら、後半かなと思っている。走りやすいのは直線なので、リレーを走るとしたら2走か4走かなと思っている。
東海大学では、普段からアンダーハンドパスをやっていて、コーチの高野進先生からも日本チームを率いていたときのこと(※日本チームに、アンダーハンドパスを取り入れ、2008年北京オリンピックでの初のメダル獲得に導いた)なども聞いているので、バトンパスについては、特に不安は感じていない。それがここで、いい形につながればいいなと思う。




◎栁田大輝(東京農業大学第二高等学校) 男子4×100mR(補欠)

日本代表の合宿に参加するのは初めて。山梨には昨日の夕方到着したが、まだ慣れないというか緊張している。ここに来るまではそうではなかったのだが、いざ、着いてみたら、ガチガチになってしまって、昨日の夕飯のあまり食べられなかったので、けっこう緊張しているのだなと感じた。周りはすごい選手の方々ばかり。自分も早く胸を張って、隣に並んで写真を撮ってもらえるような、そんな選手になりたい。
(「JAPAN」のユニフォームを身につけた感想を、の問いに)中学のときに、リオオリンピックのTシャツを買ったことを思い出して、懐かしいなと感じた。当時は、「出たいな」とか思う以前の状態。ちょうどリレーはテレビで見ていたが、ただただ「すごいな」という感じで、5年後にこうなるとは、思ってはいなかった。
「出る」ということでオリンピックを意識するようになったのは去年から。高校に入ったころから、東京の次(2024年パリ大会)あたりを目指していこうとは思っていたが、去年からは完全に「東京、パリ」というのを明確に意識するようになった。きっかけとなったのは、昨年8月に国立競技場であったゴールデングランプリと、去年の日本選手権で入賞できたこと。そこである程度の結果が出せたことで、「来年は(東京五輪を目指す)」という思いで、今シーズンに入ることができた。そういう意味では、昨シーズンは自分の大きなターニングポイントになったのかなと思う。
オリンピックの話は、高校の顧問の齋藤(嘉彦)先生(※男子400mH元日本記録保持者、1992年バルセロナ五輪出場)から話を伺っていたし、また、今年、世界リレーに出場したことで、「日本のなかだけを見ていちゃいけないな」と感じて、帰国後は、世界を意識して、そこで戦うことを考えて、練習に取り組むようになった。
今回は補欠での登録だが、数年前までは自分が東京オリンピックの選手としてかかわるということは想像していなかったこと。そこは自分自身にも驚きがあるが、選んでいただいた限りは最大限の準備をして、いつ代われといわれても走れるような準備をしていきたい。また、この合宿は、インターハイももちろんだが、東京オリンピックに向けても、最後の一番重要な時期となる。初日となった今日の午前の練習は、いい緊張感のなかで練習することができた。「緊張6割、ワクワク4割」の心境だが、自分も日本代表だという自覚を持ち、まずはケガをしないことに気をつけながら、最後までしっかり練習を積めるようにしていきたい。



※コメントは、代表共同取材における各選手の発言をまとめました。より明確に伝えることを目的として、一部、修正、編集、補足説明を施しています。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト


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