2021.06.29(火)大会

【東京2020オリンピック】内定選手が誇りある日本代表ユニフォームをまとって登場/日本代表選手会見コメント



第105回日本選手権の大会翌日となる6月28日、日本陸連は大阪市内のホテルで記者会見を開きました。冒頭で、日本選手権において内定条件を満たし、東京オリンピック日本代表選手に内定した選手17名を発表、その後、8名の内定者を招いての会見を行いました。

記者会見は、2部構成で行われました。第1部として、風間明専務理事と麻場一徳強化委員長が登壇。まず、風間専務理事が、挨拶したのちに、日本選手権の結果を踏まえて28日午前中に理事会を開催し、オリンピック内定者の承認を受けたことを報告し、「ぜひ、この選手たちには、胸を張って、ホスト国の選手として堂々と戦ってほしい」と激励。その後、麻場強化委員長が、日本選手権で3位以内に入賞し、定められた期限内にオリンピック参加標準記録を突破している選手として、理事会において承認を受けた男子14名、女子3名の競技者を発表しました。

・100m:多田修平(住友電工)
・100m:山縣亮太(セイコー)
・200m:小池祐貴(住友電工)
・3000m障害物:三浦龍司(順天堂大学)
・3000m障害物:山口浩勢(愛三工業)
・3000m障害物:青木涼真(Honda)
・110mハードル:泉谷駿介(順天堂大学)
・110mハードル:金井大旺(ミズノ)
・110mハードル:高山峻野(ゼンリン)
・400mハードル:黒川和樹(法政大学)
・400mハードル:安部孝駿(ヤマダホールディングス)
・走幅跳:橋岡優輝(富士通)
・走幅跳:津波響樹(大塚製薬)
・走幅跳:城山正太郎(ゼンリン)
・5000m:廣中璃梨佳(日本郵政グループ)
・5000m:新谷仁美(積水化学)
・やり投:北口榛花(JAL)

この17名のうち、新たに加わったのは、すでに10000mで内定している廣中選手と新谷選手を除く15名。これまでに内定している20名と合わせると、総数は現時点で全35名となりました。

続いて、第2部として、今回の日本選手権で東京オリンピックの代表に内定した選手のうち、多田修平(住友電工)、山縣亮太(セイコー)、三浦龍司(順天堂大学)、泉谷駿介(順天堂大学)、金井大旺(ミズノ)、橋岡優輝(富士通)、廣中璃梨佳(日本郵政グループ)、北口榛花(JAL)の8選手が登壇しての記者会見が行われました。
元トップアスリートで、現在はコメンテーターなど多方面で活躍する小林祐梨子さん(1500m前日本記録保持者で、2008年北京オリンピック5000m代表、2009年ベルリン世界選手権5000mファイナリスト)が司会を務めた会見では、まず各選手が、内定を受けての感想やオリンピックに向けての意気込みをコメント。小林さんによるトークショー形式のインタビューで、各選手の緊張感を和らげたのちに、報道陣との質疑応答が行われました。各選手の主なコメントは、以下の通りです。

【各選手コメント(要旨)】

※掲載順は、WAが採用する種目順に準ずる



■多田修平(住友電工)

オリンピックに出る以前に、(ここまでに)レベルの高い戦いがあったわけだが、その人たちの代表として、オリンピックでは皆さんのぶんまで走りきって、自分の目標であるファイナルを目指して頑張りたなと思っている。
(コロナ禍が自身の競技に与えた影響は? との問いに)練習に制限がかかって思うようにできない時期もあったが、選手としては「ずっとオリンピックは開催される」という思いでやっていかないと実際に開催されたときに力が発揮できないと思っていたので、気持ちを切らさずに取り組んできた。その後、試合を重ねていくなかで、「陸上って楽しいものだな」と最近思い始めて、日本選手権は例外だったが(笑)、本当に最近、試合を楽しめている。そういう形でオリンピックでも楽しみながら走れたらいいなと思う。
リレーについては、日本チームとしては、銀メダルを取って、銅メダルも(世界選手権で)獲得しているので、目指すところは金メダル。走順は、ずっと今まで1走をやってきているので、1走を走ることができたらいいなと思っている。
2017年くらいから注目してもらうようになったが、(自分自身は)それ以前からずっとオリンピックを目標にしてきた。そこで活躍してファイナルに残りたいとうい気持ちもすごく強いし、リレーも金メダルという思いがある。オリンピックに出るのは僕自身初めてで、そういう場所で結果を出せればカッコいい。そういう熱い気持ちもすごくある。しっかり走ってアピールできればと思う。




■山縣亮太(セイコー)

厳しい100mの代表選考を勝ち上がってこられたので、すごくホッとしている。本番では自分の持てる力を100%発揮できるようにしっかり準備して、決勝進出を目標に頑張っていきたい。
今回でオリンピック出場は3回目になるが、オリンピックという大きい舞台でパフォーマンスをするという点では、初出場も3回目も変わるものではなく、すごくいい緊張感に包まれている。自分の持てる力をしっかり発揮すれば、いい結果がついてくる舞台でもあると思っているので、頑張りたい。
(コロナ禍が自身の競技に与えた影響は? との問いに)競技を普通に続けていくのもなかなか大変という状況のなかで、改めて自分が走る目的やスポーツの意義みたいなものを自分なりに考えた。そのなかで、「あ、やっぱり陸上競技やスポーツって楽しいな」と思うことができ、そういったものをモチベーションに、ここまでやってきた。
リレーについては、前回のリオデジャネイロ(五輪)で銀メダルを取ったので、今回はずっと金メダルを目標にしてきた。そこは変わらずにやっていきたい。日本の強みはチームワーク。限られた時間ではあるが、その強みを存分に発揮して目標に向かっていけたらと思っている。走順に関しては、僕はどこでもいいです(笑)。
僕自身は、3大会目となるオリンピック。どこまで競技をするかということに関しては、全然決めていないので、この大会でどう(最後にする)とかいうことは全くないけれど、ただ、29歳と、いい年齢ではある。「この東京で、いい結果を残したい」という思いは、いつもより強く思っている。




■三浦龍司(順天堂大学)

オリンピックの目標は、タイムとしては8分10秒前半を出し、決勝に残ること。そして決勝で勝負することを目標としている。初めてのオリンピックなので、挑戦者として、しっかりと世界と戦っていけるようにしたい。
(最年少での代表入りの感想を問われて)最年少として何かを感じるということは全くない。出るからには同じ選手として立つことになる。若さとパワーを走りで見せられるように、そういった走りができるようにしていきたい。
(コロナ禍が自身の競技に与えた影響は? との問いに)昨年は大学に入学していたが、地元に戻っての練習となった。グラウンドが封鎖されるなど、思うような練習ができなかったことももちろんだが、いざ試合が始まったときに無観客という状態のなかでのレースとなり、今まで当たり前だった会場で一喜一憂できていた空気や雰囲気が、当たり前のものではなかったのだということを強く感じた。陸上競技とかスポーツにかかわる「する、見る、支える」の3役が一つでも欠けてしまうと、競技者としてもさみしいものがあることを実感した。最近、制限があるなかでも観客が入るようになって、スポーツの盛り上がりも戻ってきつつある。コロナで失われていた部分がオリンピックを境に戻ってきたらいいなと思っている。
大学2年生というタイミングで、また、この年齢でオリンピックに出場できるのは、かなり貴重なものがあると思う。まずはしっかり戦っていくことを目標にして、その後のオリンピックや自分の競技力も見据えたうえで、レベルアップできるようなものにしていきたい。



■泉谷駿介(順天堂大学)

今回の日本選手権で、13秒06とうタイムを出したので、オリンピックでは、そのタイムをコンスタントに出せるようにしたい。決勝でも、しっかり勝負に食らいついていければなと思っている。
(コロナ禍が自身の競技に与えた影響は? との問いに)コロナウイルスの影響でオリンピックが1年延期になったわけだが、自分は昨年、ケガが多かった1年で、ハムストリングスの肉離れを去年だけで3回もやっている。それもあって、オリンピックの延期というのはけっこう「自分的にはチャンスかな」と受け止めて、しっかりとモチベーションを上げて取り組むことができていた。
僕にとって初めてのオリンピックとなる。それが、(母国である)日本の、東京で開催されるので、そのことをプラスにしていきたい。また、1つ1つの出来事をしっかりと目に焼きつけて、今後の試合に生かしていければいいなと思う。




■金井大旺(ミズノ)

東京オリンピックに向けては、(今季で陸上競技から退くことを決めている自分にとって)最初の最後の試合ということになる。悔いのないように、残り1カ月間、やるべきことをやっていきたい。
(コロナ禍が自身の競技に与えた影響は? との問いに)去年の緊急事態宣言によって、トレーニング環境がなくなってしまう状況となったわけだが、しかし、その期間が(自分にとっては)トレーニングに関する考え方を改める、いい機会になった。そのときの考えが、今年に向けての取り組みに生きてきているので、トレーニングに関しては、とてもいい方向に進めたかなと思っている。
僕は、このオリンピックが最後の挑戦なので、あとがない状況で臨むことになる。しかし、そういう状況が、僕にとってはプラスに生きている。そのことを利用して、今回のオリンピックでは、自分の出せる力のすべてを出しきりたい。




■橋岡優輝(富士通)

まずはオリンピックの代表になることができて、ひと安心している。
(コロナ禍が自身の競技に与えた影響は? との問いに)新型コロナウイルスの影響で、オリンピックが1年延期という状況になったときは、自分にとっては、プラスにできると思っていた。しかし、そのなかでも去年の5月くらいには、“五月病”みたいな感じになってしまったりはしたのだが、今では、すごく(五輪が)楽しみになってきている。もちろん、大変な状況のなかでの開催にはなると思うものの、(延期によって生じた)この1年間は“蓄える”ものになったのかなと受け止めている。
自国で開催されるオリンピックに出場できる機会は、競技人生においてもほとんどない。また、社会人1年目という比較的若い段階でのこの経験は、今後の陸上人生においてもかなりポイントになってくると思う。この結果で今後が決まってくるのかなと、自分のなかでは思っている。
オリンピックでは、メダル獲得を目標としているので、それに向けて残り1カ月、やるべきことを1つずつこなしていきたい。




■廣中璃梨佳(日本郵政グループ)

今回、(5000mと10000mの)2種目でオリンピックに出場できるということになった。昨日のレースで課題もたくさん見えたので、それをこの1カ月で修正して、オリンピックでは、自分らしく、そして(出場できず)悔しさを呑んだ人や応援してくださる方々に、自分のできる最大限のパフォーマンスをお見せしたい。
(コロナ禍が自身の競技に与えた影響は? との問いに)社会人になって今年で3年目となるが、最初の2年間は夏に苦しんでいて、思うように走れていなかった。それを踏まえて3年目の今年、10000mに挑戦できたし、また、この2年間の経験が、夏の体調の改善を学ぶ、いい期間となった。トレーニング環境が遮られることにはなったが、体幹トレーニングなど、走る以外のことにも目を向けることができた。私にとっては、いい1年になったかなと思う。
これが初めてのオリンピック、今回は自分のなかで1つの通過点になったらいいなと思っている。今、自分ができることを最大限にやって、5000mでは決勝進出をまず目標に、1万mでも勝負して、自分が、世界のどのくらいの位置にいて、どのくらい戦えるのかを試す機会にしたい。




■北口榛花(JAL)

今大会(選考会となった日本選手権)は調子が悪くて、不安な気持ちが大きかったのだが、無事に内定できてホッととしている。オリンピックでは、(予選通過のために、まず)3投以内に投げることが必要で、それができればメダルも夢ではないと思っている。メダルを目指して頑張りたい。
(コロナ禍が自身の競技に与えた影響は? との問いに)私がコロナ禍の影響を受けたなと思うのは、海外にいるコーチに1年間会えない状態で練習を続けていたこと。直接指導を受けたくて、コーチを自分で探して、見つけてきたという経緯があっただけに、なおさらそう感じたし、また、オンラインで指導を受けるということの大変さを身に沁みて実感した。1年空けて、直接コーチングを受けた際、「全然(コーチが)言っていたことと違うことをやっていた」と思うことが多かったので、今後、コーチが言っていることに対する“辞書”を増やしていけないなと思った。
私は競技人生の目標として、競技を長く続けるということも1つの目標にしている。そのなかで、自国のオリンピックを経験できるのは、すごく運がいいと思っている。1つの通過点ではあるけれど、特別な舞台。初めて“テレビのなかの世界”に行けるので、すごく楽しみにしている。
 

最後に行われたフォトセッションでは、代表内定選手たちが、東京オリンピックのためにつくられたユニフォームを身にまとっての撮影となりました。これは、日本陸連のオフィシャルパートナーであるアシックスジャパンが、東京オリンピックのオフィシャルウエアとして作製したものです。すでに発表はされていましたが、実際に着用された状態で公表されるのは初めて。内定選手による“豪華なお披露目”となりました。
テーマカラーは、日本代表のイメージカラーとして、すっかり定着した感のある「サンライズレッド」。朝日が昇る力強さをイメージした鮮やかなこの色彩に、今回は、折り紙や熨斗(のし)など和のテイストを使ってアスリートの想いや多様性を表現するとともに、1964年東京オリンピックのユニフォームで用いられたモチーフを取り入れることで、過去から現在、そして未来へ想いを繋いでいくというストーリーが織り込まれています。
機能面についても、最先端の技術を盛り込んで、それぞれの種目特性に合わせて複数のパターンが用意されました。フォトセッションを前に、着用感を尋ねられた泉谷選手は「着心地がすごくいい。また、昔のオリンピックの代表ユニフォームが、白と赤のタスキのユニフォームだったと思うので、それに似たようなユニフォームを着られて、とても嬉しい」とコメント。多田選手は「まだ、これを着て走っていないけれど、ここに立っているだけでも、走りやすそうな感じがする」、北口選手は「私は北海道出身で、(トレーニングに)行っている国もチェコと涼しい国なので、東京での暑さがすごく心配なのだが、着心地がさらさらで、暑くても大丈夫かなと思う」と笑顔を見せていました。

※各選手のコメントは、記者会見における各選手の発言と質疑応答時の回答の一部を抜粋し、まとめています。

 
取材・構成:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト


>>東京2020オリンピック特設ページ(日本陸連)
https://www.jaaf.or.jp/olympic/tokyo2020/

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>>【東京オリンピック】代表内定選手会見(ライブ配信)

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