
女子 5000m 2位 15分13秒73=東京オリンピック代表内定 ※参加標準記録突破済み、東京オリンピック女子10000m内定済み
新谷仁美(積水化学・東京)
私は、常々「100か0(ゼロ)」でやっている人間。今日のレースは、簡単にいうと「0点」だったなと思う。ただ、招集前までは、逃げ腰になっていて棄権しようかと横田(真人)コーチに言っていた状態で、本当に棄権しようと思ったくらい今回は追い込まれていた。というのは、今年に入って全く結果を出せていなくて、結果を出さなくてはいけないアスリートとしては、結果が出ていない今の状態に、五輪に関係なく焦りがあった。故障でもなければ、どこかが痛いとかいうわけでもなく、調子も別に悪くないという感じだったので、棄権する理由は全くなかったのだが、それでも棄権しようかと思うくらいレースへの恐怖感があった。最低限、最後まで走りきることができて、本当によかった。
今日のレースでは、途中、何度か諦めようかなと思ったところがあったのだが、(田中)希実ちゃんが前に出たときに、「この子は、この大会では1500mと800mに出ていて、寸前まで800m(決勝)をやったのに、私は5000m1本。(その状態で前に出るのを許してしまうのは)逆にこの子に失礼じゃないか」と思った。
また、廣中(璃梨佳)さんも、萩谷(楓)さん、同じチームの(佐藤)早也伽ちゃんと、みんなが代表入りを狙ってきているこの大会で、諦めるということがどんなに失礼なことかということを正されたような気がしたので、それでなんとか粘ることができた。最年長である私が、こんなことで揺らいでいるようじゃ日本代表とはいえないなと痛感した。
オリンピックでは、結果(が求められるの)はもちろんだが、応援してくれる人の声だけでなく、そうじゃない人たちの声や気持ちを全部受け止めて、日本代表として走りきりたいと思う。
2021/6/27 JAAFメディアチーム
■第105回日本陸上競技選手権大会
開催日:2021年6月24日(木)~6月27日(日)会場:大阪・ヤンマースタジアム長居
▼第105回日本陸上競技選手権大会特設サイトはこちら
https://www.jaaf.or.jp/jch/105/