「ホクレン・ディスタンスチャレンジ2020」の第3戦、網走大会は7月15日、北海道の網走市営陸上競技場で開催されました。この第3戦から200名に限定して観客をお迎えしました。力走する選手を間近から、声援ではなく気持ちで後押ししていただいたことで、好記録や自己ベスト記録が相次ぐ熱い大会となりました。
10000mでは男女とも、東京オリンピックのマラソン代表内定選手が快調な走りを披露しました。
男子の服部勇馬(トヨタ自動車)はA組で、日本選手トップの27分56秒32で4着となり、自己記録を約12秒更新しました。新型コロナウイルスの影響でトラックでの練習ができない時も、不整地などでトラックと同様のタイム設定による練習を重ねてきた成果を発揮。「27分台が出せてとても満足している。今日の動きはスピードに対応しただけではなく、このフォームのままマラソンも走れると思う」と手ごたえをつかんでいました。
女子では一山麻緒(ワコール)が31分23秒30で自己記録を約11秒更新し、2着に入りました。前半を5000mの自己記録に近い速いペースで通過し、その後もリズムを維持。7日前の第2戦・深川大会の10000mで果たせなかった自己記録更新を実現し「うれしかった。より強い選手になれるようにがんばります」と笑顔を見せました。
男子10000mはジョナサン・ディク(日立物流)が27分23秒47、女子10000mはワンジル・モニカ(スターツ)が30分38秒18で全体のトップとなりました、
女子5000mはA組に、第2戦の3000mで日本記録(8分41秒35)を樹立した田中希実(豊田自動織機TC)が出場し、15分02秒62で1着に。終始先頭に立つ積極的なレース運びを見せましたが、「3000mから考えて14分台を狙えると思ったが、前半は感覚がずれていた」とペースを上げきれず、自己記録(15分00秒01)や日本選手史上2人目の14分台には届きませんでした、しかしラスト1000mを2分50秒と上げ、「たぶん自分の5000mでは一番速かった。スピードがついた成果だと思う」としっかり収穫もつかみました。
また、4着の萩谷楓(エディオン)も15分05秒78で、大幅に自己記録を更新。国際統括団体ワールドアスレティックスの規定により今年11月までのレースは東京オリンピックの出場資格の対象となりませんが、オリンピックの参加標準記録(15分10秒00)を上回り、今後に期待を抱かせました。
女子1500mは昨年の日本選手権覇者、卜部蘭(積水化学)が自己記録に迫る4分14秒94で1着。自分でレースを引っ張る意欲的な走りを見せました。昨年の世界選手権10000mに出場した新谷仁美(積水化学)が岡山・興譲館高3年の時以来15年ぶりの1500mに挑み、4分20秒14の自己ベストで4着に入りました。
男子5000mはA組1着のコエチ・べナード・キベット(九電工)が13分11秒77。A組3着の長谷川柊(カネボウ)が13分28秒30の自己ベストで日本選手トップとなりました。女子3000mはA組でバイレ・シンシアが8分56秒05で1着、黒川円佳が9分14秒54で2着と、鹿児島・神村学園高勢が上位を占めました。
最終の第4戦は7月18日に千歳市青葉陸上競技場で開催します。タイムテーブル、スタートリスト、ライブ配信などは大会ページ(https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1531/)をご覧ください。観客の入場の可否についても決まり次第、大会ページでご案内します。
写真提供:フォート・キシモト