2019.10.06(日)大会

【ドーハ世界選手権】デイリーハイライト(Day9)



男子4×100mRは37秒43! アジア新、日本新で銅メダル!

女子5000mの田中は大健闘! 日本歴代2位の15分00秒01をマーク


大会も残り2日となった10月5日。この日は、日本勢の出場が多い1日となりました。

現地時間の16時30分から競技開始となったスタジアムでの種目には、予選が行われた女子100mHと男子やり投に3選手が出場。最終日に決勝が行われる男子4×400mRでは、東京オリンピックの出場権獲得を懸けて予選に挑んだほか、女子5000mと男子4×100mRの決勝に出場。さらに、深夜にコーニッシュで行われる男子マラソンにも3選手が出場するタイムテーブルとなりました。

この日、日本中の注目を集めたのは、なんといっても男子4×100mRの決勝だったのではないでしょうか?  決勝進出8チーム中7チームが37秒台、37秒台をマークしても決勝進出がかなわないチームが出るレベルの高さとなった昨日の予選を、小池祐貴選手(住友電工)、白石黄良々選手(セレスポ)、桐生祥秀選手(日本生命)、サニブラウン アブデルハキーム選手(フロリダ大学)のオーダーで、今季日本最高タイとなる37秒78をマークした日本は、全体の3番目で決勝に進出。現地時間の22時15分から行われた決勝では、1走を小池選手から多田修平選手(住友電工)に変更し、4レーンに入ってのレースとなりました。

アメリカの1走は100m優勝のChristian Coleman選手、イギリスは200m4位のAdam Gemili選手、さらに中国は100m9秒91のアジア記録保持者であるBingtian Su選手と、錚々たる顔ぶれが揃うなか、多田選手は最も速いリアクションタム(0.132秒)でスタートを切ると、堂々たる走りでコーナーを回り、絶妙なタイミングで2走の白石選手にバトンパス。アメリカ、イギリスが大きくリードを奪うなか、白石選手も遜色ない走りで3走の桐生選手にバトンをつないでいきます。ここで桐生選手が“大爆走”と形容できる素晴らしい走りを披露。バトンを受けるとすぐに1つ外側にいた南アフリカを抜き去ると、さらに6レーンのブラジルもかわして、アメリカ、イギリスを猛追。2番手にいたイギリスとほぼ同時にアンカーのサニブラウン選手へバトンを渡しました。サニブラウン選手は、トップを行くアメリカを追いましたが、200m覇者のNoah Lyles選手はさすがに強く、アメリカがそのまま逃げきって優勝。2位にはNethaneel Mitchell-Blake選手が終盤でサニブラウン選手をかわしたイギリスが続き、日本は3位でフィニッシュしました。

優勝したアメリカの37秒10は、今季世界最高記録であるとともに、同国のナショナルレコード。2位・イギリスの37秒36はヨーロッパ新記録。37秒43を記録した日本も、2016年リオデジャネイロオリンピックで銀メダルを獲得した際にマークした37秒60を更新するアジア新記録、日本新記録をマークしました。さらに、4位で続いたブラジルは37秒72の南米新記録、5位の南アフリカも37秒73と、決勝をフィニッシュした6チーム中上位5チームが37秒台をマークする史上最高レベルのレースとなりました。

この大会のリレー種目は上位8位に入ると、来年の東京オリンピック出場権を獲得できることになっています。日本の男子4×100mRチームも、この条件を満たし、地元・日本で開催される東京オリンピックへの出場切符を手に入れました。

 
女子5000m決勝には、大会6日目に行われた予選で、日本歴代3位となる15分04秒66をマークした田中希実選手(トヨタ織機TC)が出場しました。序盤は集団の後方についた田中選手は、冷静なレース運びを披露し、1000mを2分58秒31で、2000mを5分56秒10で通過していきます。序盤から先頭グループでレースを進めていたHellen Obiri選手(ケニア)が2000m手前でペースを上げたことで集団がばらけ、Obiri選手に9選手がついて10人の先頭集団が形成されましたが、田中選手は後続のグループでレースを進め、3000mは8分59秒77で通過、4000mは12分04秒22で回っていきました。4600mを13分54秒35(13位)で通過すると、自身がレース前から掲げていた「ラスト1周を大事にする」のテーマの通り、そこからの100mを17秒台から16秒台に引き上げ、4700mまでを16秒85、4800mまでを16秒21でカバーして12位に浮上します。ラスト200mを切ったところでかわされて13位に後退。さらにラスト100mでもかわされて14位でのフィニッシュとなりましたが、予選で出した自己記録をさらに4秒以上塗り替えるとともに、日本歴代2位となる15分00秒01をマークしました。

 
スタジアムの競技が終了したあと、コーニッシュの周回コースで行われた男子マラソン決勝は、1日目の女子マラソン同様に23時59分からスタート。スタート・フィニッシュ時のグラウンドコンディションは、気温29℃、湿度51%と、ここまでコーニッシュで行われた女子マラソンや男女競歩種目に比べると、凌ぎやすい天候に。このため、レースは高温多湿下に想定される展開とは異なる様相となりました。この影響もあって、それぞれに8位入賞を目標に掲げて臨んでいた日本勢は、上位争いに絡むことができないままのレースになってしまいました。2時間16分43秒でフィニッシュした山岸宏貴選手(GMOアスリーツ)の25位が日本人最上位。川内優輝選手(あいおいニッセイ同和損害保険)は2時間17分59秒で29位、二岡康平選手(中電工)は2時間19分23秒で37位という結果でした。


また、この日には、女子100mH、男子やり投、男子4×400mRの予選が行われ、日本勢は、最終日に行われる決勝進出を目指して、それぞれに挑みました。

5組上位4着+4の進出条件で行われた女子100mH予選には、日本記録保持者の寺田明日香選手(パソナグループ)と、4月にこの会場で行われたアジア選手権を制した木村文子選手(エディオン)が出場しました。第1組に出場した寺田選手は13秒20(+0.3)、第2組に出場した木村選手は13秒19(+0.2)で、ともに5着でのフィニッシュとなり、準決勝進出はなりませんでした。

男子やり投予選には、新井涼平選手(スズキ浜松AC)がインビテーションにより、急きょ出場が可能に。予選B組に出場した新井選手は、1回目に81m71をマークして上々の滑り出しを見せましたが、2回目はファウル、3回目は72m99にとどまり組8位、トータル15位で競技を終了しました。

男子4×400mRは、8位までに東京オリンピックの出場権が与えられることもあって、日本チームにとって、この予選の突破が正念場。個人で出場した400mで予選・準決勝と連続して自己新をマークしたエースのウォルシュジュリアン選手(富士通)を1走に据え、男子4×100mRのメダリストメンバーで、“スピード”を買われてこの大会はマイルメンバーでの起用となった飯塚翔太選手(ミズノ)が2走を務め、3走に佐藤拳太郎選手(富士通)、アンカーに若林康太選手(駿河台大学)が入るオーダーで、決勝進出を目指して、2組3着+2の条件で行われたレースに挑みました。

日本は、常に上位争いを繰り広げるアグレッシブなレースを展開しましたが、ラストでかわされ、6着でフィニッシュ。今季日本最高となる3分02秒05をマークしたものの、決勝に駒を進めることはかなわず、この種目の東京オリンピック出場権獲得は、来シーズンに持ち越しとなりました。

これらの結果により、大会最終日の10月6日は、決勝に出場する日本選手はゼロとなり、日本選手団のドーハ世界選手権は、9日目ですべての日程を終えることとなりました。競技の模様や大会に関する情報は、世界選手権特設サイト( https://www.jaaf.or.jp/wch/doha2019/ )、日本陸連公式Twitterを、ご参照ください。




 文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォートキシモト


>>より深く楽しむ!人に言いたくなる「世界陸上特集」はこちら(ASICSサイトへ

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