2019.10.03(木)大会

【ドーハ世界選手権】中間総括

9月27日からドーハで開催中の第17回世界選手権は、10月2日から後半の日程に突入しました。現地では、監督を務める麻場一徳日本陸連強化委員長が、大会6日目の競技開始前に、メディアの囲み取材に応じ、大会前半を終えた段階での中間総括を行いました。

【コメント(要旨)】

ドーハ世界選手権中間総括
◎麻場一徳監督(日本陸連強化委員会強化委員長)

大会前半を終えて、現在までの日本チームの状況を総括すると、数字に表される成果としては、メダル1…しかも金メダル、入賞が4、日本記録が1ということになる。

そのなかでも見事だったのは、なんといっても男子50km競歩における鈴木雄介の金メダル。彼の素晴らしい才能と努力に加えて、今村文男オリンピック強化コーチを中心とする競歩ナショナルチームの世界大会でメダルを取るための戦略、それから医科学サポートの成果というのが確実に出た金メダルだったのではないかと思う。そういう意味では、女子のマラソンも含めて、東京(オリンピック)に向けた暑熱対策というのは、成果を出してきていると自信を持っていえる。このあと、男子20km競歩と男子マラソンもあるが、そこで今やっている暑熱対策をさらに確かめて、来年の東京(オリンピック)に備えたい。

入賞は、男子走幅跳の橋岡優輝(8位)、女子マラソンの谷本観月(7位)、女子20km競歩の岡田久美子(6位)、藤井菜々子(7位)の4つだが、このほか、惜しいところで入賞を逃したものもある。それらも含めて考えると、私の印象としては、特にダイヤモンドアスリート(以下、DA)を中心とした若手の台頭がとても印象的で、頼もしく思っている。

今回出場したDAは、サニブラウン(100m)、山下潤(200m)、江島雅紀(棒高跳)、橋岡優輝(走幅跳)、井本佳伸(リレー)、藤井(20km競歩)、北口榛花(やり投)の7人。女子20km競歩で7位入賞を果たした藤井などは、この短期間に本当に素晴らしい成長を遂げていて、今回の彼女の歩きを見ていて、1年前と全然違うなと感じた。こういう若い力が台頭してきて、中堅・ベテランが今回の良かったところを踏襲し、課題を修正していけば、来年は非常にいい形で東京オリンピックを迎えられるのではないかというのが、現在感じている手応えである。

このドーハの競技場もそうだが、最近の競技場は競技をしやすい会場が多く、そうすると世界大会でも記録が出てくる、これは最近の傾向ともいえるのだが、そんななかでこれまでの場合は日本選手が置いていかれる感じになることがあったが、今回はちゃんと勝負している感がある。そこがわずかに入賞に届かなかった選手にもいえるのではないか。具体的には、男子走幅跳の城山正太郎、男子400mHの安部孝駿、女子10000mの新谷仁美、女子マラソンの中野円花、また女子50km競歩の渕瀬真寿美など。男子100mについても、小池祐貴に関しては一番いいころのパフォーマンスに比べるとちょっと落ちてきているかなと思うが、サニブラウンアブデルハキーム、桐生祥秀に関してはあの条件のなかで力は発揮していると私は捉えている。そういう意味では、「若干歯が立たないな」という印象もあったのが世界大会のこれまでだったが、今回はちゃんとみんな勝負している。そこが東京オリンピックに向けたいろいろな取り組みの成果ではないかと思う。

だからといって、気を緩めるわけにはいかない。(そういう意味では)今日(10月2日)が重要な日になるのではないかと思っている。今日は、男子では右代啓祐が十種競技に登場する。また、(準決勝に臨む)男子400mのウォルシュジュリアンと110mHの高山峻野。この両選手が決勝に行ってくれるようなことがあれば、チームとして非常に勢いづくし、選手たちの自信にもなる。女子も5000mの木村友香と田中希実、女子円盤投の郡菜々佳とけっこう出場するので、今日の出来というのは非常に大切と思っていて、そのへんを楽しみにしている。


文:児玉育美(JAAFメディアチーム)



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