2019.09.27(金)その他

【記録と数字で楽しむドーハ世界選手権】男子200m/小池祐貴、山下潤、白石黄良々

▶ドーハ世界選手権特設サイト


9月27日(金)から10月6日(日)の10日間、カタールの首都ドーハで「第17回世界選手権」が開催される。ここでは、日本人が出場する種目を中心に、「記録と数字で楽しむドーハ世界選手権」を紹介する。

なお、これまでにこの日本陸連HPで各種の競技会の記事で筆者が紹介したことがある同じ内容のデータも含むが、可能な限りで最新のものに修正した。





★男子200m★

これまでの日本人の入賞者は、
2003年 3位 末續 慎吾(ミズノ)
2017年 7位 サニブラウン・アブデル・ハキーム(東京陸協)
の2回。

最高記録は、末續さんが「銅メダル」を獲得した2003年の準決勝での「20秒22(0.0)」だ。

ちなみに五輪での入賞者はいなくて、最高成績は1996年アトランタ大会の伊東浩司さん(富士通)の「準決勝2組6着」。最高記録は、2000年シドニー大会の末續さん(東海大)の「20秒37(+0.3)/二次予選・第1組4着」だ。

サニブラウンが7位になった時は「18歳157日」で、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が持っていたこの種目での「最年少ファイナリスト記録」を更新した。また、2015年にも「16歳172日」で出場(準決勝2組5着)したが、こちらもこの種目での「最年少出場者」の記録として残っている。

サニブラウン(現フロリダ大3年)は、今季も20秒08と日本記録にあと0秒05で走っているが、100mと400mRに専念するため今回のドーハでは200mには出場しない。

小池祐貴(住友電工)、白石黄良々(セレスポ)、山下潤(筑波大4年)の3人がエントリー。2019年の最高記録での順位(1国3名以内)は、小池(20秒24)が21位タイ、白石(20秒27)が25位、山下(20秒40)が38位タイ。

一次予選と二次予選が行われずに予選・準決勝・決勝の3ラウンド制になった2011年以降の至近4大会での「準決勝で落選した最高記録」と「予選で落選した最高記録」は、「表1」の通りだ。

【表1/準決勝と予選で落選した最高記録】
年   準決落最高  予選落最高
2011年  20.58    20.75
2013年  20.36    20.60
2015年  20.14    20.39
2017年  20.30    20.58

以上のデータからすると日本のトリオが「ファイナリスト」になるためには、準決勝で自己ベストを上回るような走りが要求されることになりそうだ。

世界選手権での日本人選手の最高記録は、上述の通り末續さんが銅メダルを獲得した2003年パリ大会の準決勝(第2組2着)での「20秒22(0.0)」だ。これを準決勝で更新できるよな走りができれば、「ファイナル」への可能性も高い。

最新のデータではないが、200m19秒台の選手の100mの最高記録を調べ、それぞれの種目の平均値と標準偏差、100mに対する200mの記録の倍率を算出すると以下のようになる。

        100m  200m  倍率
平  均 10.003 19.826 1.982391
標準偏差  0.172  0.165 0.030725

200m19秒台の選手の中には、「200mが本職」であったり「100mが本職」であったり、中には「400mが本職」という人が混在する。標準偏差が200mよりも距離の短い100mの方が大きいのはそのためであろう。

上記のデータからすると、200m19秒台の選手は平均的には100mのベスト記録の「1.982391倍」で200mを走っている。逆算すると、100mを「10秒08」で走れる選手ならば、200mを「19秒台(19秒99)」で走れるということになる。

この倍率を小池の100m9秒98に当てはめると200mは「19秒784」。ルールに従って1000分の1秒単位を切り上げると「19秒79」だ。標準偏差を考慮すると「19秒478~20秒091」である。この記録を決勝の舞台で出せれば、「メダル」にも手が届く。

これまでの順位別記録は、
【表2/決勝での1~8位の記録】
・カッコ内は、のちにドーピング違反で失格となった記録で、後ろに当初の相当順位を記載。
 年  風速  1位  2位  3位  4位  5位  6位  7位  8位
1983年 +1.2 20.14 20.41 20.51 20.52 20.55 20.63 20.69 20.80
1987年 -0.4 20.16 20.16 20.18 20.22 20.23 20.25 20.45 20.78
1991年 -3.4 20.01 20.34 20.49 20.49 20.51 20.58 20.59 20.78
1993年 +0.3 19.85 19.94 19.99 20.18 20.18 20.20 20.49 20.56
1995年 +0.5 19.79 20.12 20.18 20.21 20.40 20.51 20.67 20.77
1997年 +2.3 20.04 20.23 20.26 20.31 20.32 20.37 20.44 20.44
1999年 +1.2 19.90 20.00 20.11 20.23 20.30 20.37 20.48 DNS
2001年 +0.2 20.04 20.20 20.20 20.20 20.22 20.24 20.25 20.38
2003年 +0.1 20.30 20.31 20.38 20.39 20.41 20.47 20.47 20.62
2005年 -0.5 20.04 20.20 20.31 20.34 20.41 20.58 20.81 26.27
2007年 -0.8 19.76 19.91 20.05 20.06 20.28 20.28 20.57 20.75
2009年 -0.3 19.19 19.81 19.85 19.98 19.98 20.39 20.61 20.68
2011年 +0.8 19.40 19.70 19.80 19.95 20.29 20.31 20.34 DNF
2013年 ±0.0 19.66 19.79 20.04 20.05 20.08 20.14 20.35 20.37
2015年 -0.1 19.55 19.74 19.87 19.87 20.02 20.11 20.27 20.33
2017年 -0.1 20.09 20.11 20.11 20.24 20.26 20.44 20.63 20.64
-----------------------------------
最高記録    19.19 19.70 19.80 19.87 19.98 20.11 20.25 20.33


野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォート・キシモト

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