2019.06.09(日)大会

【日本選手権混成】1日目レポート

第103回日本選手権混成競技が6月8日に開幕し、長野市営陸上競技場において1日目の競技が行われました。この大会は、ドーハ世界選手権の代表選考会を兼ねています。



■丸山選手が走幅跳で7m77wのビッグジャンプ! 4180点で初日トップに

男子十種競技は、1種目めの100mを10秒94(±0)でスタートした丸山優真選手(日本大)が、走幅跳の1回目で追い風参考(3.8m)記録ながら7m77のビッグジャンプをマークしてトップに立つと、砲丸投13m00、走高跳2m02、400m49秒99と着実に得点を重ねて4180点を獲得し、首位で前半を折り返しました。7585点で優勝した関東インカレの1週間後に背中を痛め、今回の大会までの1週間は全く練習ができない状態。「棄権するか迷いもしたが、去年、“絶対に、次の日本選手権は優勝する”と決めていたので、どうしてもやめるという選択はできなかった」というなかでの出場でしたが、「跳んだ瞬間は、“行って7m30~40くらい”と思っていた」と振り返った走幅跳で7m77をマークし、波に乗りました。この日は、この走幅跳のほか、走高跳でも中村明彦選手(スズキ浜松AC)とともに自己タイ記録の2m02をクリアして種目別1位を分け合う展開に。全般に記録の出方が今ひとつだった5種目めの400mでは49秒99でフィニッシュ。昨年のこの大会でマークした初日の最高得点を66点上回る4180点を挙げました。

「明日も、とりあえずは優勝というのが一番の大前提。1種目1種目やって、トータルとして結果が出れば、8000点、8100点というのも出てくると思う」と、前日会見同様「勝負にこだわる」姿勢を崩しませんでした。
丸山選手に80点差の4099点で2番手についたのは中村選手。100mを種目別2位の10秒86(±0)で滑りだすと、走幅跳では7m57(+0.7)、7m55(+3.0)、7m54(+2.5)とハイレベルの跳躍を披露。走高跳でも2m02をマーク。自身も「過去最高のアベレージ。いつ1本、丸山選手(の7m77)みたいにビッグジャンプが出てもおかしくない状況に持っていくことができたし、走高跳も、2m05を非常に惜しい跳躍ができた」と充実感をにじませました。それだけに、50秒06にとどまった400mについては不満が大きかった様子。「スピードにフォーカスした練習をやってきたので、400mに対してのトレーニングが不足していることが自覚していたが、思いのほかラストで身体が止まってしまった。やっちゃったものがしようがないので、明日、1500mまでの4種目を、今日のように、スピードを生かした自分らしいパフォーマンスで今日の400mのぶんを取り返し、(最終種目で自身が得意とする)1500(m)勝負に持ち込みたい」と2日目を見据えました。

5種目めの400mが51秒46かかり、レース後、「衝撃的な遅さ」と苦笑いしながら振り返ったのは、日本記録保持者の右代啓祐選手(国士舘クラブ)。100m11秒32(+0.2)、走幅跳7m22(+2.5)でスタートしたあと、3種目めの砲丸投で15m03を投げて10位から3位に浮上。走高跳は1m99を跳んで3992点を獲得し、400mは不満を残したものの、トップの丸山選手とは188点差、2位の中村選手とは107点差の3位で初日を終えました。
想定していた4000点には届きませんでしたが、「前半も悪くはない」と感触は決して悪くはない様子。2日目について、「ハードルも1台目までのアプローチを8歩から7歩に変えたり、円盤の技術をちょっと変えたり、ずっと継続的にやっているポールとか、やりの感覚がちょっと変わったりと、技術を試す楽しみな種目がたくさんある。そういった意味では、1日目よりは何十倍も楽しみにしている」と明かすとともに、「今回は優勝というよりは、東京(オリンピックに)つながる結果を残したいという思いがある。久しぶりに8000点、それも8100点とかでなく8200点以上のパフォーマンスをしたい」と頼もしい言葉を聞かせてくれました。


■女子七種競技は、伊藤選手が前半をリード

女子七種競技は、100mH(13秒76、+2.3)、走高跳(1m70)、200m(24秒46、+3.2)と4種目中3種目で種目別トップを獲得した伊藤明子選手(筑波大)が3367点を獲得。自己記録(5424点、2018年)をマークしたときの前半を57点上回るペースで、第1日首位に立ちました。苦手とする第3種目の砲丸投では、2016年にマークした自己記録10秒04を46cm更新する10m50をプット。記録を聞いてぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶ場面も見られました。

「アップのときは、特別(調子が)いい感じはなかったので、やることをしっかり1つ1つやっていこうという気持ちでスタートした。記録は(追い)風に助けられたところもけっこうあったのだが、いい記録を並べることができた」と笑顔で初日を振り返った伊藤選手は、「明日は、走幅跳の風次第で、公認記録になるかどうかわからないが、どんな状況でも1つ1つ自己ベストを目指したい。明日は、走幅跳でまずは自己ベストをしっかり跳んで、(苦手の)やり投でみんなに離されないよう自分のできることをして、(得意の)800mを一所懸命走りたい」と瞳を輝かせました。

トップの伊藤選手と44点差3323点で続いたのは、山﨑有紀選手(スズキ浜松AC)。100mH14秒19(+2.3)、走高跳1m64、砲丸投12m34、200m24秒81(+3.2)という結果を、「全体的に見て、良くもないけれど悪くもないなというのが感想。私が記録が出せるときは、楽しく、いい意味でのびのびと(競技を)やれているとき。今日は、記録とか優勝とかを意識して硬くなって、まじめに考えすぎていたかなと思う」と振り返り、「1種目1種目、なんとなくこなしてしまったという感じで、あまり達成感がない。明日はもうちょっと違う一面を見せられたらいいなと思う。一度、一回頭のなかをリセットさせて、1種目1種目を楽しむということを忘れず、いいイメージだけを持って臨みたい」と話しました。

今季は、この大会が七種競技の初戦となる宇都宮絵莉選手(長谷川体育施設)は、100mHを13秒81(+2.3)と好スタートを切ったものの、走高跳が1m58にとどまる誤算に見舞われましたが、さらにミスが続いてしまった昨年と異なり、今年は砲丸投で10m54を投げて踏みとどまり、200mを24秒88(+3.2)でフィニッシュ。3180点・3位で初日を終えました。

宇都宮選手は、200mを終えたあと、「目標にも届いていないし、1つ1つを見たときに、記録としてもそんなにいいものではないが、そのなかでも、自分が成長を感じたところとか、よかったところとかを確かめながら、4種目をしっかり味わってできたかなと思う。なので、今、明日に向けてはすごく前向きな気持ちでいる」とコメント。「感覚的には、身体はよく動いている。また、自分が課題としている走りのときの身体の使い方などもできていたのだが、それがうまくつながらなかったり、気持ちのところとレース勘のところに、ちょっとずれがあったりしたことが記録につながらなかった原因かなと思う」と振り返り、「明日は、そこを集中して、思いきった残り3種目にしたい」と意欲を見せていました。

■U20で駒井選手が2m12を好パフォーマンス。女子は池田選手が首位に

なお、併催されているU20日本選手権男子十種競技は、昨年のインターハイ八種競技覇者の駒井斗馬選手(東海大)が3791点をマークして首位で折り返しました。駒井選手は、第4種目の走高跳で、日本の十種競技における走高跳のパフォーマンスとして歴代3位に相当する2m12をクリア。自己記録を5cm更新する跳躍で大きく注目を集めました。
また、U20日本選手権女子七種競技は、昨年のインターハイチャンピオンである池田涼香選手(筑波大)が3032点でトップに立って折り返しました。これを追うのは、高校生の伊藤桃子選手(中京大中京高)。走高跳でシニアの記録をも上回る1m71をクリア。2960点で2日目に臨みます。


大会2日目の6月9日は、午前9時から行われるU20日本選手権男子十種競技110mHが最初のトラック種目。日本選手権十種競技の男子110mHは10時00分から、同女子七種競技の第5種目となる走幅跳は10時10分から、それぞれ競技が開始されます。
大会の模様は、日本陸連サイト( https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1355/ よりアクセス)において、ライブで動画配信されます。


文・写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)

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