第103回日本選手権混成競技は、ドーハ世界選手権の代表選考会を兼ねて、6月8日から開幕しますが、その前日会見が6月7日、長野市内のホテルで行われました。会見には、男子十種競技は、日本記録保持者の右代啓祐選手(国士舘クラブ)、中村明彦選手(スズキ浜松AC)、丸山優真選手(日本大)の3名が、女子七種競技は前回優勝者の山﨑有紀選手(スズキ浜松AC)、宇都宮絵莉選手(長谷川体育施設)の2名が出席。それぞれに現在の状況や大会に向けての抱負を述べました。
以下、各選手のコメント(要旨)をご紹介します。
■右代啓祐(国士舘クラブ)
日本記録が2014年からしばらく出ていないので、日本記録を出せるように最善の準備をしてきた。東京オリンピックの参加標準記録も8350点という数字が出ているので、日本記録以上のパフォーマンスをしないと、オリンピックに出られないという厳しい条件である。この長野の地でしっかりと、日本記録更新を達成したい。昨年の冬、アメリカに武者修行に行き、アメリカのコーチにトレーニングの指導をしてもらった。これまで自信を持ってやってきた部分も含めて身体の動かし方を一度まっさらにして、トレーニングの軸自体を見直した。そこから自分の生活の仕方や、トレーニングの方向が変わって、走・跳・投ともに今まで自分で積み上げてきたものとは別の、正確なトレーニングを、この数カ月で積み上げてくることができている。その成果は、(優勝した)アジア選手権で、少し形にはなってきたものの、まだ自分のものにはできていないという面もあり、(アジア選手権以降は)そこをトレーニングして、今回に挑んでいる。そういった面では、最高の準備ができているのかなと思っている。
<ファンの皆さんへ>
東京オリンピックが2020年に行われるということで、たくさんの方々に注目もしてもらっている。今回、長野でも、街を歩いていると声をかけていただいたりすることがあったので、少しずつ知ってもらえているのだなと嬉しく感じている。ただ、普通の試合をするだけでは注目してもらえない。今回、日本選手権でしっかりと、今日話したことを有言実行できるように頑張りたい。
■中村明彦(スズキ浜松AC)
今回は、自己ベストの8180点を超えて8200点に到達することを目標にしている。コンディションについても、昨年あったアキレス腱痛がきれいになくなり、得意だったスピードが戻ってきているので、しっかり狙っていけるのかなと思っている。スピードについては、ここ2年ほど短い距離のスピードが上がらなくて苦労していたのだが、春先から重点的にそのポイントに絞って強化を進めてきた。その部分が、多くの種目にいい影響を及ぼすことができれば、行けるのではないかと思っている。
<ファンの皆さんへ>
ほかの一般種目と混成競技で大きく違うのは、数字を積み重ねて最後に1つの結果になるところ。選手それぞれの得意種目、苦手種目をいびつに積み重ねてゴールまで向かっている。そういうところをパフォーマンスだけではなくて、数字にも注目していただけると、より十種競技や七種競技が面白くなると思う。
■丸山優真(日本大学)
今回は、「優勝」を目標にしていて、記録は、特にこだわっていない。去年、優勝という目標に届かなかったぶん、今年は勝ちにこだわって、しっかり優勝を目指して頑張っていきたい。コンディションは、まあ、いい感じである。今年の冬、一番取り組んだのは、海外の選手と一緒にトレーニングして、そのなかでいろいろと学ぶことだった。海外の選手に比べると、自分は投てき種目が一番課題かなと思ったので、そこを修正していかなければならないと思った。また、今年の冬は全体的なパワーアップを目指してやってきた。
<ファンの皆さんへ>
自分は、これから十種競技をめっちゃ盛り上げていく1人になりたいと思っている。これからも十種競技に注目していただきたい。よろしくお願いします。
■山﨑有紀(スズキ浜松AC)
今大会の目標は、まず、1種目1種目をしっかりやりきること。その結果として、自己ベストの更新、優勝ができればいいなと思っている。今季は、この大会が七種競技2戦目になる。1戦目は4月に行われたアジア選手権。そのときに比べて、自分の体調的には上がってきているように感じているので、明日と明後日にピークを持っていき、いいパフォーマンスができればいいなと思う。
この大会に向けては、アジア選手権を終えてみて、スピードにキレがないと感じていたので、この2カ月は、スピードを重視したトレーニングをしてきた。全体的には、各種目でポイントとすることを2つに絞り、そこを意識するようにしてきた。それが発揮できればいいなと思う。
<ファンの皆さんへ>
2週間後に行われる一般種目の日本選手権に負けないくらい、熱い戦いをしたいなと思っている。応援よろしくお願いします。
■宇都宮絵莉(長谷川体育施設)
今大会の目標は、ずっと目指してきた日本記録の更新、または日本人初の6000点の突破。私自身、日本選手権の優勝経験がないので、優勝を目指して頑張りたい。今シーズン、混成競技の大会は、これが初めてになるが、そのことをすごく前向きに捉えている。今季に入ってからは400mHの試合が多かったのだが、この大会に向けて、調子もしっかり上がってきている。楽しみにしていてほしいなと思う。
この大会に向けては、これまで雑になっていた部分…走りのタイミングだったり、身体の使い方であったりというところを、今まで以上に考えて取り組むようにしてきた。混成競技の試合は、これが今季初めてなので、そこを試合で試すことがまだできてはいないのだが、春からの400mHの試合などで、自分の動きがいい方向にきていると確認できた面も多かったので手応えはある。明日は、しっかり自分自身に集中して、思いきったチャレンジができたらと思っている。
<ファンの皆さんへ>
今年の世界選手権や来年の東京オリンピックに向けて、陸上界やスポーツ界が大変盛り上がってきているなかで、混成競技はまだまだマイナーなところがある。私たちがしっかりと結果を出すことで、注目してもらえるように頑張りたい。応援よろしくお願いします。
大会は6月8~9日の2日間の日程で、併催されるU20日本選手権混成競技とともに、長野市営陸上競技場において行われます。第1日の6月8日は、午前9時からサブイベントが開始。日本選手権男子十種競技は、第1種目の100mが9時50分から、同女子七種競技は第1種目の100mHが10時30分から、それぞれスタートします。両日の模様は、日本陸連サイト(https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1355/よりアクセス)において、ライブで動画配信される予定です。
文・写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)
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