5月11~12日に開催されたIAAF世界リレー2019横浜大会のすべての日程が終了した5月12日夜、日本選手団の山崎一彦チームリーダー(日本陸連強化委員会T&F担当ディレクター)が記者会見を開き、大会における日本選手団の総括を行いました。
この大会で、日本は、男女混合シャトルハードルリレー2位、同2×2×400mR3位、男子4×400mRと女子4×200mRの2種目で4位、男子4×200mRで5位となり、国別対抗得点では過去最高となる3位の成績を収めました。また、女子2×400mRでは1分34秒57の日本新記録を樹立。男子4×400mRおよび男女混合4×400mRで、秋に開催されるドーハ世界選手権の出場権を獲得しています。
山崎一彦チームリーダー総括会見(要旨) (日本陸連強化委員会T&F担当ディレクター)
選手たちは非常にいい仕上がりを見せているという状況なので、あとはバトンパスと、何パターンかの走順できちんと走れるようになることを目指して、今年はこれからもチャレンジしていく。大会としては5月19日のゴールデングランプリと、9月末から開幕する世界選手権。そのあたりで、きちんとした答えが出せると考えている。
ただ、まだ厚みという点ではまだもうちょっと。このいい流れのまま、さらに厚みと(各選手に)スピードの切れ味が出てくれば、もっといい結果になると考えている。決勝に進出するというのは、実は低い目標だと思っていた。しかし、それをしっかり達成し、(4位という)中盤の順位が取れたことは、東京オリンピックにつながる大きな一歩になったなと思う。
その結果、少しずつではあるが「戦う」という姿勢になってきた。細かくはまだいろいろあるとは思うが、それでも選手たちが1つ1つクリアして、特に若い選手たちが世界に向けて、どうやって取り組んでいけばいいのかという意識づけは、できたのではないかと考えている。
そのことが、4×400mRにおけるB決勝に残ったことや、4×100mRでバトンミスがあったけれど、あと少しのところまで来たということにつながってきていると感じている。そこは男女混合4×400mRで、ある程度の走りができたといえるのではないか。混合種目なので女子だけの話ではないわけだが、それでも世界選手権の権利を獲得したということは、1つの評価になると思う。
このプロジェクトということについては、明確にいつ解散してどうするというのはないのだが、ゴールデングランプリではもう一度再挑戦することになっている。その流れは大事にしたい。
また、今回は、これまでオリンピックや世界選手権にかかわれなかったような選手たちが、数多くメンバーとして入った。これにより、そうした選手たちへの意識づけもできたと考えている。温度差なく「世界と戦う」という意識でメンバー入りできたことはよかったのではないかと思う。
このほか、選手も私たちも非常に心配していたのは、お客さんがどのくらい入るかということだった。しかし、多くの方が来場し、(男子4×100mRの)失敗もあったなかで温かい声援をいただいた。そのことによって、選手たちも気持ちよく走れたと思うし、我々スタッフも、とても感謝している。これが(来年の)東京オリンピックで、さらに大歓声となっていくことを期待したいし、また、それが私たちの味方になってくれればいいと思っている。
そうした意味でも、世界リレーがこの時期に日本で行われたことは、本当にいいタイミングであったなと思っている。
構成・文、写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)
※本稿は、5月12日に行われた総括会見での発言および質疑応答の一部を再構成しています。
IAAF世界リレー2019横浜大会
https://iaafworldrelays.com/yokohama2019/ja/home-3/
この大会で、日本は、男女混合シャトルハードルリレー2位、同2×2×400mR3位、男子4×400mRと女子4×200mRの2種目で4位、男子4×200mRで5位となり、国別対抗得点では過去最高となる3位の成績を収めました。また、女子2×400mRでは1分34秒57の日本新記録を樹立。男子4×400mRおよび男女混合4×400mRで、秋に開催されるドーハ世界選手権の出場権を獲得しています。
山崎一彦チームリーダー総括会見(要旨) (日本陸連強化委員会T&F担当ディレクター)
◎男子4×100mRについて
男子4×100mRについては、この大会では、東京オリンピックに向けての可能性を広げるバトンパスをしようということが目標だった。具体的には、走順を変えたりメンバーを変えたりすることで(チームに)厚みを持たせるようというのが、今回の選択のなかの1つだった。結果としては、バトンのミスということ(で失格)になった。今後はミスは許されなくなる。今回のミスで、さまざまなことを細かく、もう一度見直していこうということになった。この結果を私たちも反省して、次につなげられる1歩としたい。選手たちは非常にいい仕上がりを見せているという状況なので、あとはバトンパスと、何パターンかの走順できちんと走れるようになることを目指して、今年はこれからもチャレンジしていく。大会としては5月19日のゴールデングランプリと、9月末から開幕する世界選手権。そのあたりで、きちんとした答えが出せると考えている。
◎男子の4×400mRについて
男子4×400mRは、昨年、土江寛裕オリンピック強化コーチの体制になってから、さまざまな取り組みを行ってきた。地味ながら頻繁に選手たちの意識づけをしつつトレーニングや合宿を実施してきた結果、レースの前半の1・2走で、そして個々の走りでも前半の200mで、いいポジションでもっていくということができるようになってきている。(優勝した)4月のアジア選手権、今大会の予選、そして決勝と、続けてそういうレースができたことは、とても大きな成果ということができ、走順が変わっても、その戦術が変わらず選手たちに行き届いてできているということが評価できる点だと思う。ただ、まだ厚みという点ではまだもうちょっと。このいい流れのまま、さらに厚みと(各選手に)スピードの切れ味が出てくれば、もっといい結果になると考えている。決勝に進出するというのは、実は低い目標だと思っていた。しかし、それをしっかり達成し、(4位という)中盤の順位が取れたことは、東京オリンピックにつながる大きな一歩になったなと思う。
◎女子リレーの特別強化プロジェクトについて
このプロジェクトについては、実は、マイナスの状態からスタートしていることをご理解いただいて始まっている。焦点を置いたのは、「オリンピックを目指す気持ち」というところから。男子の4×400mRのように「もう一回復活する」というところではなく、まずはオリンピックというものに向ける目線自体を変えるということから大事にしてきた。その結果、少しずつではあるが「戦う」という姿勢になってきた。細かくはまだいろいろあるとは思うが、それでも選手たちが1つ1つクリアして、特に若い選手たちが世界に向けて、どうやって取り組んでいけばいいのかという意識づけは、できたのではないかと考えている。
そのことが、4×400mRにおけるB決勝に残ったことや、4×100mRでバトンミスがあったけれど、あと少しのところまで来たということにつながってきていると感じている。そこは男女混合4×400mRで、ある程度の走りができたといえるのではないか。混合種目なので女子だけの話ではないわけだが、それでも世界選手権の権利を獲得したということは、1つの評価になると思う。
このプロジェクトということについては、明確にいつ解散してどうするというのはないのだが、ゴールデングランプリではもう一度再挑戦することになっている。その流れは大事にしたい。
◎「世界で戦う」意識づけ
この大会では、さまざまな試みの新しい競技がたくさん行われた。そのなかで、多くの種目で決勝に残ったり日本記録が出たりしたことは、とてもよかったと思う。また、今回は、これまでオリンピックや世界選手権にかかわれなかったような選手たちが、数多くメンバーとして入った。これにより、そうした選手たちへの意識づけもできたと考えている。温度差なく「世界と戦う」という意識でメンバー入りできたことはよかったのではないかと思う。
このほか、選手も私たちも非常に心配していたのは、お客さんがどのくらい入るかということだった。しかし、多くの方が来場し、(男子4×100mRの)失敗もあったなかで温かい声援をいただいた。そのことによって、選手たちも気持ちよく走れたと思うし、我々スタッフも、とても感謝している。これが(来年の)東京オリンピックで、さらに大歓声となっていくことを期待したいし、また、それが私たちの味方になってくれればいいと思っている。
そうした意味でも、世界リレーがこの時期に日本で行われたことは、本当にいいタイミングであったなと思っている。
構成・文、写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)
※本稿は、5月12日に行われた総括会見での発言および質疑応答の一部を再構成しています。
IAAF世界リレー2019横浜大会
https://iaafworldrelays.com/yokohama2019/ja/home-3/