日本陸連強化委員会は4月5日、味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて、2019年度の強化体制および目標方針等の説明会を、メディアに向けて開催しました。
説明会には、尾縣貢専務理事、麻場一徳強化委員長、山崎一彦T&Fディレクター、河野匡長距離・マラソンディレクターのほか、各種目のオリンピック強化コーチ8名が出席。尾縣専務理事による挨拶ののち、まず麻場委員長が全体を通しての方針と事業計画を発表し、山崎ディレクターがトラック&フィールド種目について、河野ディレクターが長距離・マラソン種目について、それぞれ具体的な取り組みや状況を説明。その後、メディアからの質問に応える形で、各担当者から補足説明がなされました。
以下、説明内容の要旨をご報告します。
2019年度日本陸連強化委員会目標方針説明
【挨拶】尾縣 貢専務理事
例年、桜の季節が終わりかけると、新しいトラック&フィールドシーズンのことを強く思うようになるのだが、来年に東京オリンピック・パラリンピックを控えている今年は、特に強い期待とかなり強いプレッシャーとを抱いている。東京オリンピックの陸上競技の開始までは483日。ここまでの強化を振り返ると、かなり順調に進んでいるのではないかと評価している。昨年度に関して言うと、マラソンや男子走高跳など合計6種目で日本記録が更新された。この流れを踏襲して、この2019年シーズンも強化に励んでいきたい。
ただ、「記録を高める」「(IAAFワールドランキング)ポイントを取る」というだけでは、オリンピックでは戦えないという気持ちもある。(同日に強化競技者および関係者に向けて実施した研修会において)選手にも同じことを伝えたが、「国際競技力を高めること」が大切。国際競技力とは、狙った大きな大会で、自分の力を出しきれること、すなわち勝負強さや安定性を高めていくことが同時に求められる。それらを達成しつつ、オリンピックでのメダル獲得や入賞という目標を達成していく。それとともに1人でも多くの選手が出場資格をクリアしていくことが、これからの大きな目標となってくる。陸連としても、できる限りの戦略的なサポートを行っていきたい。
また、今年は、4月のアジア選手権(ドーハ)、5月の世界リレー(横浜)、9月のマラソングランドチャンピオンシップ(東京)、9月末から10月初旬に行われる世界選手権(ドーハ)等、オリンピックの試金石ともいわれる大会が続く。それぞれは当然ながら翌年の東京オリンピックにつながる大会であって、しかも、シミュレーションにもなる。こういった大会に全力で向かっていきたいと思う。ぜひ、皆さんの報道で、選手たちの背中を押していただきたい。この1年、どうかよろしくお願いします。
【2019年度の強化体制および強化の方向性について】
麻場一徳強化委員長
専務からも話があったように、東京オリンピックの陸上競技の開始まで483日ということで、2019年度の活動が直接東京オリンピックンにつながるものと、我々は捉えている。今季は4月のアジア選手権から始まり、世界リレー、マラソングランドチャンピオンシップ、そして、世界選手権と続いていく。ある意味、いつも以上に長いシーズンとなる。このシーズンをどう取り組んでいけるのかということが東京オリンピックに直結することだと考えている。
以下、全体的な方針と事業計画について、配布資料に沿って説明させていただく。
◎東京オリンピックに向けた活動方針
まず、「東京オリンピックに向けた活動の方針」を1番に上げさせていただく。東京オリンピックに向けては、2つの柱を掲げて進めていく。1つは「メダル、入賞を1つでも多く獲得すること」、もう1つは「舞台に立つ出場者を1人でも多くすること」である。
先日、東京オリンピックの参加資格が発表された。半分が参加標準記録で、もう半分がIAAFワールドランキングのポイントで(参加者を決める)という国際陸連の方針が出ている。この点から考えると、メダルや入賞を目指す競技者にとっては、早いうちに参加標準記録をクリアして準備していくことが大切になるし、現状として東京オリンピックへの出場が目標になる競技者にとっては、この1年でいかにワールドランキングを上げていくかという取り組みが必要となる。それに向けて、我々がどういうサポートをしていけるかが大切だと考えている。
◎2019年度の目標
2019年度の目標については、以下の3つを掲げる。
1)ドーハ世界選手権の成功:東京オリンピックに直結する今年度の最重要国際大会と位置づけられる大会。各強化カテゴリーにおいて目標を設定しているので、それをしっかり達成できるような取り組みをしていきたい。
2)東京オリンピックに向けたIAAFワールドランキング対策:この点については、我々は、IAAFワールドランキング制度を導入すると発表された時点から、どのような戦略を持って進めていけばいいかを検討して進めてきた。東京オリンピックのエントリースタンダードが明確になった今、これをより具体的に進めていきたいと考えている。
3)昨年、競技者育成指針が制定された。この指針に従って、東京オリンピック以降も見据えた諸策を講じていきたいと考えている。
◎2019年度の具体的な取り組み
この点については、このあと、山崎・河野両ディレクターより具体的に説明させていただく。
◎2019年度の主な国際競技会派遣
日本陸連として選手団を編成して派遣する国際競技会は、以下の10大会を予定している。このほかには、各種目で強化コーチの方針に従って海外へ出ていく競技会、各選手が個人で海外へ出ていく競技会が考えられる。それらについても、強化委員会としてサポートしていく方針である。
1)世界選手権(2019年9月:ドーハ)
2)IAAF世界リレー(2019年5月:横浜)
3)世界室内選手権(2020年3月:南京)
4)世界ハーフマラソン選手権(2020年3月:グディーニャ)
5)アジア選手権(2019年4月:ドーハ)
6)アジアマラソン選手権(期日未定:中国)
7)アジアクロスカントリー選手権(期日・開催地未定)
8)アジア室内選手権(期日:開催地未定)
9)日中韓3カ国交流(2019年6月:金泉)
10)日・韓・中ジュニア交流(2019年8月:長沙)
◎その他、選手強化事業
1)競技者支援制度
2)強化合宿、研修合宿、海外転戦
これらについては、今年度も例年通りに展開していく(資料を参照)。
◎競技者育成指針
2018年に「陸上競技の普及」と「競技者の育成・強化」の両面を見据え、日本における陸上競技者育成の方向性を具体的に示した「競技者育成指針」を定めた。今年度は、この指針に基づき、特にU18、U20年代の競技会の整備に取り組んでいく。
◎アンチドーピング
残念ながら、2017年度、2018年度と陸上競技から違反者が出てしまった。陸上競技を守っていくためにも、この取り組みに関して強化していきたい。
【トラック&フィールド種目の強化方針】
山崎一彦T&Fディレクター
・2019年度は、「早めの取り組み」というのがキーワードになると考えている。まずは、東京オリンピックで金メダル獲得を目指すゴールドターゲットに属する男子4×100mリレーでは、5月に開催される世界リレーで、東京オリンピック出場を確実にできるくらいの好記録をきちんと出し、その後は、個人の強化が進められるような準備をしていけたらと考えている。日本開催が実現したことを好機ととらえ、東京オリンピックを見据えて、世界リレーをうまく活用していきたい。
・また、ドーハ世界選手権は参加標準記録制に、東京オリンピックは参加標準記録とワールドランキング制を併用する形に、それぞれ出場資格の方法が決まったわけだが、ドーハ世界選手権の選考要項をご覧になっていただければわかるように、我々は早い段階でこうした形にも対応できるような方針を立てて進めてきていた。このあたりは、世界に先んじた早めの取り組みができたと考えている。
・今日も別途研修会を実施して、選手たちに説明を行っているが、IAAFワールドランキング制によって東京オリンピックにできるだけ多くの選手を出場させること、または活躍する人たちが優位に立てるようにするためにどうすればよいかということについては、現在も対策を練っている。この対策について、日本は世界に先んじる形で進められていると自負していている。
・また、国内ではグランプリシリーズとしてグランプリプレミア、グランプリと充実した競技会を展開させているが、陸連事務局はじめ関係者の尽力により、これら各大会のIAAFワールドランキングにおける大会カテゴリーのランクが、かなり上がっている。これは日本人にとっては有利に働くもの。これまでよりも選択肢が広がった状態で、国内でもIAAFワールドランキングのポイント取得が可能と想定できる形になってきた。私たちにとっては追い風が吹いているといえる状況にある。
・積極策としては、こうしたIAAFワールドランキング制にどう対応していくかということのほかに、女子リレーの特別対策プロジェクトを立ち上げた。現在、1戦を終えている状況で、結果が出てくるのはこれからになるが、なんとか選手たちをオリンピックの舞台に出していくことを考えている。
・専務、強化委員長からも「長いシーズン」という言葉が出たが、その長いシーズンのなかでの早めの準備ということでは、走高跳の戸邉直人選手はじめ、すでに好記録が複数種目で出ている。これも決して急いで記録を出しているという感じではなく、力がついているといってよい。この流れで行ってくれればと思う。
【長距離・マラソンの強化方針】
河野匡長距離・マラソンディレクター
◎マラソンについて
・MGCについては、4月30日がワイルドカードによる出場資格獲得の期限となっている。まずは、今週末(4月7日)にロッテルダムマラソンがある。4月15日に行われるボストンマラソンは対象レースには含まれていない。井上大仁選手、川内優輝選手らが出場するが、ここはMGCとは関係なく世界で戦うという位置づけで注目している。また、4月28日にはロンドンマラソンとハンブルグマラソンがある。このように、ぎりぎりまでMGC出場に向けて、それぞれの選手、コーチが一所懸命取り組んでくれていることに対して、「本当にいい状態になってきたな」と感じている。
・ただし、それで「世界と戦えるか」と言われたら、おそらく皆さんも同じ意見だと思うが、MGCで代表に選ばれてからオリンピックまでの期間が勝負の分かれ目になる。それは瀬古利彦リーダーも、男女各マラソンオリンピック強化コーチの坂口泰コーチ、山下佐知子コーチも含めて、「これからが非常に大事である」と共通認識している。
・9月15日のMGCレースの概要については、もう少し時間をいただき、5月に皆さんにお披露目する予定で、現在準備を進めている。今までにないマラソンレースとなる。唯一心配しているのは天気。これについては、まずはいい天候で当日を迎えられるよう半年間かけて祈るしかないのだが、我々ができるサポート、準備というのは抜かりなく、着々と進めていきたい。その結果として、来年の今ごろに「メダルが狙えるだろうな」と言える状態となっていることが最高だと思っている。しかし、この4月に行われる海外マラソンでの、いわゆるケニア・エチオピア勢を含めた選手たちの動向も大いに気になるところ。特に、ロンドンマラソン(4月21日)の男女については、どれほどの記録が出てくるのかは、オリンピックを戦う上では重要な要素かなと思っている。
・3月末に世界クロスカントリー選手権に行ってきたが、ウガンダ、エリトリアといった国もかなり力をつけてきており、その選手たちもマラソンに取り組む方向性を出している。厳しい戦いになると覚悟しつつ、我々は、まずは大きな舞台で100%の力を出しきるための準備をしっかりやっていきたい。それのみに集中してやっていきたいと考えている。
◎トラック(長距離)について
・男女ともに、これまで取り組んできた「スピード」ということに、よい兆しが見えているなとういことを感じている。特に、今回、選手たちが室内競技会に積極的に参加してくれていることは新たな境地。男子5000mで遠藤日向くんが室内日本記録を書き換えてくれた(13分27秒81、2月8日)ことは、非常に楽しみである。前日本記録は大迫傑くんがマークしたもの(13分28秒00、2015年)。さらに200mのトラックで、5000mで13分30秒を切るのは相当なレベルと評価している。男子長距離陣は、ここ2年の2018年アジア大会、2017年ロンドン世界選手権と、1名も代表者を出していない状況だったが、新しい勢力が今年生まれてきてくれたらと思っている。
・3月に長距離の合宿をナショナルトレーニングセンターで実施したが、その内容的にも、アジア選手権代表である阿部弘輝くんは特にいい練習をしていた。彼も含めた学生勢の10000mの頑張りに期待したい。また、5000mは、服部弾馬くんの準備も整っているようなので、男子の長距離については春先から記録を狙って、ドーハ世界選手権の標準記録(5000m:13分22秒50、10000m:27分40秒00)に果敢にチャレンジしてもらえたらなと思っている。
・女子の長距離は、すでに(世界選手権の)標準記録突破者が10000m(31分50秒00)は3名以上いる。日本選手権が1つの山場かと思う。ここについては、特に新谷仁美さんの復帰が非常に大きな刺激を与えている。今までのレースを見ても、ハイペースで引っ張っていくのが彼女の持ち味。ほかの選手は、日本選手権もアジア選手権もそういった展開になることを想定しながらの練習を組んでいくようである。現在、堀優花さん、山ノ内みなみさんほか何名かはアルバカーキで女子長距離の合宿をやっているが、非常にレベルの高い練習にと取り組んでいる。意識レベル、競争意識の高まりを感じている。
・女子5000mで標準記録(15分22秒00)を突破しているのは、田中希実さんと岡本春美さんの2人。鍋島莉奈さんは、春先に海外で5000mの標準記録にチャレンジしたいと言っている。田中さんについては、世界クロカンで走りを見たが、着実に成長していると感じている。1500mも4分10秒そこそこで走るので(自己記録:4分13秒68)、ラスト1000mのキレということではまだもう一歩ではあるものの、世界クロカンの調整練習で300mを軽く45秒くらいで行っているのを見てスピードがついてきていることを感じた。取り組みがかなり明確化されてきているのかなと思う。
・そういったなかで今年1年は、世界選手権への標準記録の突破と、世界選手権に出場することによって、その選手のIAAFワールドランキングのポイントが大きく上がってくる。東京オリンピックを考えると、記録的にも頑張らなくてはならないし、IAAFワールドランキングのポイントも意識しなければならない。季節を追っていくごとに目標にしなければならない課題が変化していくので、そのあたりを、今日、行った研修会でも選手、コーチに共通の認識を持ってもらった。常に出る試合は大切にして、チャレンジしていきたい。
【質疑応答】
Q:男子4×100mRについて。まずは世界リレーがあるわけだが、その後の予定や展望は?土江寛裕男子4×100mRオリンピック強化コーチ:先ほど山崎ディレクターから話があった通り、早めの準備ということで世界リレーとゴールデングランプリで4×100mRを組むことが決まっており、現在、そこに向けて準備をしている。そのあとは、日本選手権後にリレー代表候補という形で、ドーハ世界選手権のリレーメンバーとなり得る選手を選び、そのメンバーで、7月21日に行われるロンドンダイヤモンドリーグの4×100mRにすでにコンファームされているので、そこで一度力試しする。去年からやっている「実戦的なバトンのトレーニング」という位置づけでの出場となる。また、そこに向けてのところで去年同様に、個人のレースにも出ていきたいと考えている。その後は、8月にもヨーロッパで試合があるので、そこを狙っていく選手たちもいると思うが、富士吉田で合宿を行ってドーハ世界選手権に向かっていくことになる。富士吉田の合宿は、現段階では8月下旬と9月を予定しているが、これはまだ最終的には確定していない。
Q:マラソンのドーハ世界選手権代表発表は、どのタイミングで発表するのか?
河野:世界選手権のマラソン代表については、選考要項が2018年度のMGC有資格者もしくは、すでに資格を持っている選手でも、それに相当する結果を残しているというのが第1項目に上げられている。そのなかで、現状としては4月30日までの間に、どういう意思があるかを確認するが、若干名すでに大きな声で参加を表明している人もいるので、その選手も含めてテーブルの上に乗せ、希望者が3名以上になった場合は選考会議を行うことを決めている。男子は選考会議が必要な状況になりつつあり、女子についても、前述の第1項のところで埋まる可能性が出てきているという状況である。
我々としては、ほぼ全員がMGCに向かうのかなと想定していたが、意外と冷静に自分の力を判断して「私は、今ここでMGCを戦うよりも日本代表としての経験値を上げよう」という声も聞こえているということ。これは、この2年間を通して、現場のマラソンに対する考え方が1歩レベルアップしたのではないかと、いい方向に捉えている。代表の発表については、日本陸連の理事会が5月末に開催されるので、その理事会の承認をもって発表されると認識していただきたい。また、このときに、MGC後のファイナルチャレンジの設定記録も、そのタイミングで発表できる見込みである。
Q:(資料に記載されている)海外転戦時の拠点機能の整備としては、どういったことが計画されているのか?
山崎:具体的なところまではまだ行っていないが、男子短距離については昨年、土江コーチがスペインのマドリッドを拠点として実施して、その成功例がある。あとは種目ごとに(開催される)競技会の拠点が微妙に違うので、そこは現在検討中という状況である。また、マドリッドを拠点とすると、ヨーロッパの外れとなるために、移動のためのフライトが2時間半くらいかかってしまうなど、メリットデメリットはいろいろあるので、そのあたりを含めて、海外転戦できるような力のある競技者を中心に考えていければと思っている。
また、やみくもに海外に行けばいいというわけではないことが、このIAAFワールドランキング制度について分析・検討していくなかでわかってきたので、そのあたりが戦略というところ。出られる人は海外に行く、あるいは強い選手をつくるには海外で勝負することも必要という点もある。そういう話も(選手に向けた)研修会ではした。国内競技会の(カテゴリーのランクを高める)整備もしていただいたので、それらと、海外でうまくやっていくということを、戦略として考えていく。
Q:IAAFワールドランキングにおける日本の競技会のカテゴリーというのは、どういう状況になっているのか?
山崎:織田記念がB、静岡国際、兵庫リレー、木南記念、南部記念はC。その他、申請中のものもある。このCというカテゴリーだと、ヨーロッパだったら世界選手権やオリンピックに出場していないと出られないくらいのレベルの競技会に相当するので、(そのカテゴリーを得るために)かなり頑張っていただいたといえる状況で、私たちにとっては有利。今後、考えられる状況としては、(ポイント獲得を目指して、これまで以上に)海外の選手が出場を希望するようになってくる可能性はあるが、現段階では状況といえるので、あとは選手がよい記録を出すだけだと思う。
Q:大学の対校戦等は、どのカテゴリーとなるのか?
山崎:日本インカレはEのカテゴリーとなる。国際陸連のほうから日本独自でつくれる枠がいただけて、全日本実業団、日本インカレ、北九州と田島記念、ホクレンディスタンスチャレンジの網走大会、あとは国体の6大会がEのカテゴリーとなった。
※IAAFワールドランキングにおける大会カテゴリーは、全部で10のカテゴリーに分かれている(詳細は、https://www.iaaf.org/world-ranking-rules/basics に詳しく)。
※参考
OW:オリンピック、世界選手権、DF:ダイヤモンドリーグファイナル、GW:世界室内、世界クロカン、世界チーム競歩、ダイヤモンドリーグ、コンチネンタルカップ等、GL:アジア選手権等、A:アジア大会、アジア室内、ワールドチャレンジ、シルバーラベルマラソン等、B:エリアパーミット(top tier)、ユニバーシアード、日本選手権、C:エリアパーミット(second tier)、U20世界選手権、全米学生、D:エリア公認室内競技大会、伝統的な国際競技大会、E:国別対抗戦、国際的な競技会(海外選手が出場する)、F:各国の公認競技会
Q:男子4×400mRについて。アジア選手権、世界リレーでどういった選手の起用を展望しているか。
土江:アジア選手権は4×100mRを敢えて派遣していない。それは、4×400mRに注力するための措置なので、先日、オーストラリアで合宿をして競技会に出たメンバーと、200m、400mHすべての選手を含めて、ベストのメンバーでアジア選手権には臨みたいと思っている。さらに、世界リレーに関しては、出雲陸上の300mの結果も含めて、再度ベストのメンバーを選考して、臨む予定である。
先日、オリンピックのリレーの参加について、変更された箇所があり、これまでオリンピックはすべて2回の平均記録だったのだが、1回になった。ドーハアジア選手権と世界リレーの2戦を狙っていたのは、複数回(で記録を出すことが必要)を念頭に置いていたが、1回でよくなったというところで、戦略も若干変える必要はあると考えている。少なくともどちらか(の大会)でベストのメンバーが組めるようにしたいと考えている。
(取材・構成、写真:児玉育美/JAAFメディアチーム)
※本稿は、4月5日に行われたメディアに向けた2019年度強化目標方針説明で、各氏が発表した内容および質疑応答のあった内容をまとめたものです。より正確に伝わることを目的として、補足説明を加える等の編集を行っています。
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