2019.04.08(月)大会

【ドーハ2019世界選手権】20km競歩日本代表選手記者発表および会見




日本陸連は4月5日、今秋に開催されるドーハ世界選手権男女20km競歩の日本代表選手5名を決定し、同日夕刻、味の素ナショナルトレーニングセンターで代表発表会見を行いました。その後、代表となった4選手が登壇。現在の気持ちや世界選手権に向けての抱負を語りました。

以下、記者発表の概要を、ご報告します。

 


【代表選手発表会見】

1.はじめに:尾縣貢(専務理事)

今回は、20kmのみの発表となる。これは、1日も早く選手を決定して、準備に当たってもらいたいという考えによるものである。50km競歩に関しては、4月14日に輪島での日本選手権があるため、大会終了後に発表させていただく。

国際陸連の記録のランキングは、男子の20km競歩に関しては1~6位までを日本選手が占めている。また、女子も岡田さん(久美子、ビッグカメラ)が6位に入っている。素晴らしい成績ではあるが、この数字をそのまま評価するわけにもいかない。これから、その記録を国際舞台でも出せるように、すなわち国際競技力を高めるための強化戦略を、ドーハまでの間に進めていきたい。

競歩では、選考方針(※詳細は、http://www.jaaf.or.jp/files/upload/201807/09_110954.pdfにて、ご確認いただけます)に記載の通り、このドーハ世界選手権を、オリンピックの前哨戦として位置づけている。そして、メダルや入賞を狙って歩いてもらう。今回、選んだ男女の選手は、まさしく、その選考方針や狙いに合った競技者であると思っている。

 

2.ロンドン世界選手権競歩代表選手発表:麻場一徳(強化委員長)

それでは、選手を発表し、補足については今村オリンピック強化コーチから説明させていただく。

ドーハ世界選手権競歩代表選手については、競歩の日本代表選手選考要項に則って選考した。ここでは編成方針だけ述べさせていただくが、『東京オリンピックへ向けた 2019 年度最重要な国際競技会と位置づけ、暑熱環境下においても実力を存分に発揮できる能力を有し、東京オリンピックで活躍が期待される競技者、並びに本大会でメダル獲得および入賞が期待される競技者で選手団を編成する』ということである。

<男子20km競歩>
・髙橋英輝(富士通)
・山西利和(愛知製鋼)
・池田向希(東洋大)
高橋選手・山西選手の2名については、内定条件をクリアしている選手である。これに加えて、池田選手の計3名を男子の代表とする。

<女子20km競歩>
・岡田久美子(ビックカメラ)
・藤井菜々子(エディオン)
岡田選手についても、内定条件をクリアしている選手である。これに加えて、藤井選手の計2名を女子の代表とする。

 

3.選考に関する補足説明および本大会での目標:今村文男(強化委員会競歩オリンピック強化コーチ)

編成方針に則り、今回のメンバーを選考させていただいた。東京オリンピックはもちろん、ポスト2020の先まで見据えられるだけでなく、全員が、今世界選手権におけるメダル、さらには優勝を、具体的な目標として捉えられるような布陣ではないかと思っている。彼らがスタートラインの立つまで、または現地での調整、さらには医科学サポート班との連携、または所属チーム様との連携や情報共有をしながら、本番に向けてしっかり準備、そして、レース中のサポートを含めてやっていきたい。

 

<質疑応答>

Q:男子では、池田選手が3番手として選手された。能美(全日本競歩)では川野将虎選手(東洋大)が池田選手に先着している。この選考は微妙だったと思うが、池田選手を選出した理由を、もう少し詳しく聞かせてほしい。

今村:この両名の接戦における評価は非常に難しいものがあるが、レースの展開、そしてレース運びの巧者ということで、選考基準にある“世界で戦える、またはメダルを期待できる選手”ということで、池田選手を評価させていただいた。

 

Q:冒頭で尾縣専務が述べた「国際大会に力を出せるように」という点では、50kmに比べると、20kmの場合、ランキング通りの結果が得られない状態が続いている。特にドーハに向けて、何か考えていることはあるか?

今村:特に、男子の20kmにおいては、近年の男子の50kmに比べると、「ランキング上位、結果はもうひとつ」という結果が非常に多く見受けられたが、今大会に向けては、3人の選手に対して、レースまでの暑熱の馴化、レース中の暑さ対策、そしてレースまでに自分自身のプランや戦術を明確にしていくことが、大きな成果につながるのではないかと思っている。特に、暑さ対策については、この4年近く取り組んできた対策のなかから、個々に、または医科学班との連携において、どのような準備ができるか、またはレース中のクーリング等を含めた対策をとるかということが1つのポイントとなってくる。“記録よりも強さ”ということを考えると、やはりしっかりとした準備と、レース中の戦術が、大きく結果を左右すると思っている。

 

Q:代表選手たちの今後の強化の流れについて、可能な範囲で伺いたい。

今村:この4~5年のなかで代表合宿というのを設けず、合同の強化ということで種目間を超えて強化を図ることをやってきた。当然、輪島の50kmの選考会が終わればドーハ世界選手権の全代表が決まるので、全体での強化のなかで代表を育成強化していくという考えでいる。

具体的には、夏、特に7~8月あたりは、世界選手権に向けた強化と、選手によっては10月末の高畠競歩…東京オリンピックに向けた選考会も始まるので…そういったところのスタートの準備とが重ねられるようにやっていく。耐暑能力の個人差に考慮・配慮しつつ、もし、全体の強化のなかにドーハ世界選手権代表が入ってくるのであれば、もちろん私たちの提案するような強化練習や医科学サポートを示しつつ、進めていくつもりでいる。

なかには北海道などの涼しい場所に長期間いたいとか、または少し早く切り上げたいとか、あるいは暑いところにいながら時々涼しいところに行きたいとかの意向も出てくると思う。代表に関しては個々の選択に合わせながら、こちらからも可能な進め方も働きかけて、一緒にできるところはやるし、それ以外のところは個人(強化費が支給される強化競技者が多いので)、またはチームや専任コーチの考えで進めながら、私たちが協力できるところは協力していくようにする。ここ1~2年見ていて、この形がよいように感じたので、そのような方向性を示している。

 

 

【代表選手記者会見】

続いて、代表選手に選ばれた5名のうち、山西、池田、岡田、藤井の4選手が記者会見を行いました。各選手のコメント(要旨)は次の通りです。

 



◎池田向希(東洋大)

自分は、2月の日本選手権と3月の能美大会(全日本競歩)に優勝を目標に挑んだが、どちらもそれには届かず、即時内定を取るという目標を達成することができなかった。しかし、こうやってチャンスをいただけたということは本当に嬉しいことで、一方で、出られなかった方もいるということで、責任感を持ってしっかりとやっていかなくてはいけないということを感じている。

本番での目標は金メダルと東京オリンピックの切符を獲得すること。競歩については、世界陸上が東京オリンピックの選考となり、今回、出場できることになったのは大きなチャンスだと思っている。これをものにするかしないかで、2020年のスケジュールや今後の取り組みが変わってくるので、しっかり世界陸上にベストコンディションで合わせて、自分の力を最大限発揮できるようにしていきたい。 

大会までには、けっこう長い期間がある。この期間にどれだけできるかが結果につながると思っている。日本選手権、能美と、ラストの粘り、競り合いで負けてしまっているので、そういったラストのスピード持久力を保てる力をつけるために、もちろん距離の面やフィジカルの面で強化していきたい。また、暑い環境にも対応できる内臓強化や、技術面だけでなく体力面や精神面も強化していきたい。

また、今年は7月にユニバーシアード(ナポリ・イタリア)も行われ、そこにも出場することになっているので、そちらでもしっかりベストコンディションで合わせて優勝を目標に挑み、その国際大会での経験を、しっかりとドーハに生かせたらと思っている。

 

 

◎山西利和(愛知製鋼)

能美大会(全日本競歩)優勝ということで内定をいただき、今回、世界選手権に初出場となった。今回のドーハ世界陸上というのは、もちろん世界陸上としてもそうだし、来年の東京オリンピックに向けてもとても大きな大会だと思うので、そこでの金メダルを目指してやっていきたい。 

本番では、もちろん金メダル、結果的に日本人最上位となってオリンピック代表内定というところを狙っている。ただ、結果はあくまで結果。まずは、世界陸上の場で、自分の競技に懸ける思いとかをどう表現するかというところに一番重きを置いているし、そこをやりきった結果、金メダルであったり東京オリンピック内定というのがついてきたりすればいいかなと思っている。

本番までに、特に「ここを(強化したい)」というのはないが、冷静に考えたとき、今の自分の力で金メダルを即取れるかというと、そう簡単ではない。一からやり直すつもりで、これからの半年間、ベースのアップからレース展開、駆け引きに至るまで、最初から最後まで勝ちきれるよう、トータルで底上げしていきたい。

 

 

◎岡田久美子(ビックカメラ)

日本選手権で派遣設定記録を突破することができ、優勝して、即日の内定を得ることができ、非常に嬉しかった。また、1時間28分台と、日本記録に迫る記録を出せたことですごく自信になった。世界選手権では8位入賞を目指して頑張っていきたいと思っている。そして、その結果をもとに、東京オリンピックへとつなげていきたい。 

この大会では、メダルを獲得して日本人最上位となればオリンピック代表に内定するが、今の私の力だと、メダルというのは少し厳しい状況にある。しかし、夜中のスタートとなることや近年稀に見る暑さということもあるので、可能性はゼロではないと思っている。また、そのドーハの大会で、日本選手権のようなタイムで歩いたり自己ベストを出したりすることによって、メダルでなくても上位に入賞することは可能であると考えている。

ドーハでは、非常に暑いなかでのレースが予想されるので、後半の爆発的なペースアップが勝負の鍵になるかなと考えている。今、もうすでに取り組み始めているが、フィジカル面のトレーニング、また、それと並行して歩く練習の質を上げることで、そこに対応していけたらと思っている。また、トラックレースにもいくつか出場する予定でいるので、そこで自己ベストや日本記録の更新を目指していって、スピードもつけていきたい。


 

 

◎藤井菜々子(エディオン)

今回、日本選手権で1時間30分00秒の派遣設定記録を突破して、世界陸上の代表に選んでいただいた。私は、ジュニアからシニアに上がって初の代表となる。20kmではまだ国際大会に出場したことがないので、挑戦者という気持ちでレースに臨みたい。また、出場するからには入賞を目標に掲げて挑みたい。 

この大会では、「シニアの国際大会を経験する」というのも私のなかでは大きいこと。そのなかで自分のベストの状態で臨んで、入賞またはメダルというところに挑戦できたらいいなと思っている。 

大会に向けては、日本選手権で後半の失速が目立ったので、そこを修正していきたい。また、技術的にまだまだ未熟な面があるので、そこを変えていきたいと思っている。あと、暑熱対策もしっかりして、自分がベストの状態で挑めるように調整していきたい。

 

構成・文、写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)

 ※本稿は、4月5日に行われた記者発表で行われた説明および質疑応答を元に、一部、再構成しています。

>>第17回世界陸上競技選手権大会は、9月27日(金)~10月6日(日)カタール・ドーハにて開催!


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