「第2回 男子リレーの強化戦略(3)」から
※この座談会の後、2019年のドーハ世界選手権ではワールドランキング制を取り入れないことを国際陸連が発表しました。
https://www.iaaf.org/news/press-release/revised-qualification-system-for-iaaf-world-a
――最後に、混合マイルの戦略に関してですが、まずはアジア大会を経てこの種目をどう捉えていますか?
土江 勝敗のポイントが何か、どんな走順がいいのか、現実的に力を注ぎ込むための根拠となるノウハウやデータを検証中です。男女のマイルがあって、さらに混合マイルが加わることで、相当な選手層の厚さが必要になってくるでしょうけど、軸足はマイルのほうになるのではないかと思います。
山崎 僕は「トータルタイム」だと思っています。ラップで男子なら44秒~ 45秒、女子は51秒台で確実に走ると、たぶん入賞レベルにいくのではないかと見ています。前半の走り方、後半の走り方ではなく、とにかくトータルのタイムをきちんと出す。駅伝に近いところがあると思っています。とにかくきちんと自分の走りをして、バトンをつなげる。そういうイメージかな、と。ただ、そのトータルタイムという点で、男女とも今はかなり厳しいです。女子の場合、最低でもフラットで52秒台のタイムを持っていないとまったく通用しないので、男女ともにタイムの底上げをしないといけない、というところです。
今後、女子についても強化策を立ててやる予定ですし、男子についてはコンセプトとしては今回挙げた強化がうまくいけば、選手層の底上げにもつながるので、混合マイルにも生きてくると思います。
麻場 混合マイルは、世界リレーの上位12チームがドーハ世界選手権の出場権を獲得できます。そして、世界選手権の8位までに東京五輪の出場権が与えられます。だから、世界リレーがすごく大事になります。東京五輪に向けた最低限の目標は、5つのリレーすべてでスタートラインに立つことですから。
――では最後に、男子リレーとして、今後への意気込みをお願いします。
土江 4継としては狙うところは1つしかありません。ウチの大学(東洋大)に水泳の平井伯昌コーチ(日本水連強化委員長)がいるのですが、水泳のスローガンが「センターポールに日の丸を」。4継に関しては、それが言えるのかなと思っています。しっかりとそれを言った上で、みんなでそれを目指して、達成できるようにやっていきたい。マイルも十分戦える種目ですから、いろいろな課題はあるのですが、今の4継も遡ると、全然戦えないところから徐々に作り上げてきた歴史があります。東京に向けてのところで「マイル(の歴史)が始まったね」と言われるように、マイルにとっての新しい〝出発点〟となれるよう、東京に向けてスタートを切っていきたいと思っています。混合マイルももちろん、がんばります。
高平 アスリート委員会としては、すべての選手が自分の目標とする場所に立って、しっかりパフォーマンスをしてほしいということが一番大事な部分。4継に長く携わってきた身としては、本当に金メダルを期待できると思っています。競歩やマラソンを含めたすべての種目において、世界大会ではいい意味で、強化スタッフや事務局の方々がめちゃくちゃ忙しくなるということが目標。その一端を担っている4継は日本チームを引っ張る存在でもあると思うので、しっかりと結果を残し続けてくれたらと思っています。金メダルはその上で、東京であれば最高ですし、パリもロサンゼルスもあるので、五輪のどこかでセンターポールに日の丸を掲げてくれれば、と。そんなに甘くない、と覚悟をした上で目指しているわけですから、チーム一丸となって目指してほしいなと思います。
写真提供:フォート・キシモト
※この座談会の後、2019年のドーハ世界選手権ではワールドランキング制を取り入れないことを国際陸連が発表しました。
https://www.iaaf.org/news/press-release/revised-qualification-system-for-iaaf-world-a
リレー強化方針③ 混合マイル
「トータルタイム」の向上
――最後に、混合マイルの戦略に関してですが、まずはアジア大会を経てこの種目をどう捉えていますか?
土江 勝敗のポイントが何か、どんな走順がいいのか、現実的に力を注ぎ込むための根拠となるノウハウやデータを検証中です。男女のマイルがあって、さらに混合マイルが加わることで、相当な選手層の厚さが必要になってくるでしょうけど、軸足はマイルのほうになるのではないかと思います。
山崎 僕は「トータルタイム」だと思っています。ラップで男子なら44秒~ 45秒、女子は51秒台で確実に走ると、たぶん入賞レベルにいくのではないかと見ています。前半の走り方、後半の走り方ではなく、とにかくトータルのタイムをきちんと出す。駅伝に近いところがあると思っています。とにかくきちんと自分の走りをして、バトンをつなげる。そういうイメージかな、と。ただ、そのトータルタイムという点で、男女とも今はかなり厳しいです。女子の場合、最低でもフラットで52秒台のタイムを持っていないとまったく通用しないので、男女ともにタイムの底上げをしないといけない、というところです。
今後、女子についても強化策を立ててやる予定ですし、男子についてはコンセプトとしては今回挙げた強化がうまくいけば、選手層の底上げにもつながるので、混合マイルにも生きてくると思います。
麻場 混合マイルは、世界リレーの上位12チームがドーハ世界選手権の出場権を獲得できます。そして、世界選手権の8位までに東京五輪の出場権が与えられます。だから、世界リレーがすごく大事になります。東京五輪に向けた最低限の目標は、5つのリレーすべてでスタートラインに立つことですから。
――では最後に、男子リレーとして、今後への意気込みをお願いします。
土江 4継としては狙うところは1つしかありません。ウチの大学(東洋大)に水泳の平井伯昌コーチ(日本水連強化委員長)がいるのですが、水泳のスローガンが「センターポールに日の丸を」。4継に関しては、それが言えるのかなと思っています。しっかりとそれを言った上で、みんなでそれを目指して、達成できるようにやっていきたい。マイルも十分戦える種目ですから、いろいろな課題はあるのですが、今の4継も遡ると、全然戦えないところから徐々に作り上げてきた歴史があります。東京に向けてのところで「マイル(の歴史)が始まったね」と言われるように、マイルにとっての新しい〝出発点〟となれるよう、東京に向けてスタートを切っていきたいと思っています。混合マイルももちろん、がんばります。
高平 アスリート委員会としては、すべての選手が自分の目標とする場所に立って、しっかりパフォーマンスをしてほしいということが一番大事な部分。4継に長く携わってきた身としては、本当に金メダルを期待できると思っています。競歩やマラソンを含めたすべての種目において、世界大会ではいい意味で、強化スタッフや事務局の方々がめちゃくちゃ忙しくなるということが目標。その一端を担っている4継は日本チームを引っ張る存在でもあると思うので、しっかりと結果を残し続けてくれたらと思っています。金メダルはその上で、東京であれば最高ですし、パリもロサンゼルスもあるので、五輪のどこかでセンターポールに日の丸を掲げてくれれば、と。そんなに甘くない、と覚悟をした上で目指しているわけですから、チーム一丸となって目指してほしいなと思います。
写真提供:フォート・キシモト