2018.02.05(月)大会

【1日目大会レポート&コメント】古澤選手(男子棒高跳)中学新記録、樋口選手(男子60mH)U20室内日本記録/U20日本室内大阪大会


 U20日本室内陸上競技大阪大会が2月3日に開幕。大阪府大阪市の大阪城ホールにおいて行われました。この大会は、前年まで「日本ジュニア室内」の名称で開催されていましたが、国際陸連主催の競技会名に準じる形で今回から大会名が変更。2月3・4日の2日間に、U20で男女11種目、中学生で男女7種目が行われるほか、オープン競技としてシニア男女6種目と小学生男女60mが実施されました。
 初日の2月3日には、オープンも含めて全12種目が行われました。まず、会場を大いに沸かせたのが中学男子棒高跳。昨年の全日中チャンピオンで、中学記録(4m93)保持者の古澤一生選手(高崎新町中・群馬)が素晴らしい跳躍を見せました。
 この日、4m60から跳躍を開始した古澤選手は、4m60、4m70を1回でクリアしたところで大会2連覇を決めると、大会新記録となる4m86にバーを挙げ、これも1回でクリア。次に、自身が昨年樹立した中学記録を1cm上回る4m94に挑みました。この高さを2回目に越えると、続く5m00は1回でクリア、次の5m05も2回目に越えてみせました。さすがに5m10の高さを制することはできませんでしたが、中学生として初の5mボウルターとなりました。
 ジュニア規格(ハードルの高さ0.991m)で実施されたU20男子60mHは、昨年のU20日本選手権110mHチャンピオン(ジュニア規格)で、この種目で高校最高記録保持者(13秒40)でもある樋口陸人選手(奈良育英高・奈良)がU20室内日本新記録となる7秒71でフィニッシュ。ハイハードルで実施された昨年に続く“連覇”も達成しました。U20女子60mHは、山西桃子選手(白梅学園高・東京)が8秒49で快勝。中学男子60mHは近藤翠月選手(柏崎東中・新潟)が7秒83の大会新記録で、中学女子60mHは岩佐茉結子選手(白井七次台中・千葉)が8秒71で、それぞれ優勝しました。
 また、接戦となった中学男子60mは、田村健直選手(和泉槇尾中・大阪)が6秒96で先着、中学女子60mは尾﨑星選手(鳥取県鳥取西中・鳥取)が7秒70で制しました。このほか、U20男子三段跳は、昨年のU18日本選手権覇者の荒木基選手(和歌山北高・和歌山)が5回目に逆転、最終6回目で15m18まで記録を伸ばして優勝を果たしています。
 

【新記録樹立者優勝コメント】
男子中学棒高跳
優勝 古澤一生(高崎新町中3年・群馬)
5m05=中学新記録
「5m00を跳ぶことを目標にしていたが、それをさらに5cm上回ることができて本当に嬉しい。今日は、試技練習のときに5m10のゴムバーをノータッチで跳ぶことができて、そこから調子がすごく上がっていった。
 先週の日曜日に記録会で4m80を跳んでいて、その前の週には4m90を跳んでいた。連続して4m80や4m90を安定して跳べていたので、これなら大阪で5m00を狙えると思って(自信を持って)臨んでいた。(大会新記録となる)4m86は1回で跳んだが、その次の4m94は、自分の持っている中学記録を1cm越える高さ。“跳びたい”という気持ちが出てしまって、1回目は跳び急いで(失敗して)しまった。しかし、2回目はそこを修正して、やるべきことをやって跳ぶことができた。4m94が跳べたことで、5m00は“絶対に行ける”という気持ちで挑むことができた。
 これまで15フィート(F)、160ポンド(P)のポールがマックスポールだったが、今回、5m00と5m05(の試技)は15F、165Pを使って跳躍した。5ポンド変わるだけでも、“跳ね”がすごく変わってくるのだが、その“跳ね”に上手に乗ることができたと思う。また、今日の助走は、試技練習の段階よりも、最終的に1m以上後ろになった。それだけ自分が走れるようになっていたのだと思う。この大会に向けて、助走の速さと最後の入りの腰の高さに気をつけて、練習に取り組んできていた。そこを修正できたことが、今回の記録につながったのだと思う。
 春からは、前橋育英高で陸上を続ける。1年目の今年は、インターハイに出場して、自己ベストの5m05を上回る5m10、5m20を跳びたい。現在の高1最高記録は江島雅紀選手(荏田高、現日本大)の5m20なので、それよりも高く跳べるように頑張りたい。
 今日の(クリアできなかった)5m10は、2回目の段階で15F、165Pのポールが柔らかくなったので、3回目は15.7F、165Pのポールに変えてみたのだが、これは振り上げまでもっていくことができなかった。このポールを使いこなして跳躍ができれば、もっと記録は伸びると思う。インターハイまでに使いこなせるようにしたい。」

男子U20 60mH(0.991m)
優勝 樋口陸人(奈良育英高3年・奈良)
7秒71 =U20室内日本新記録
「優勝ができたので、とりあえずひと安心という気持ち。今シーズン、ハイハードルでは1台目までを7歩で行こうと考えていて、それを試す思いもあって、今回、レースでは初めてやってみた。7歩だと後半でスピードが上がっていくので、8歩で走っていたらもっとタイムはよかったかもしれないが、7歩でもここまで行けたので、悪くはなかったかなと思う。
 今年は、(ジュニア規格で行われる)世界ジュニア(U20世界選手権)、アジアジュニアがあるので、ジュニアハードルのレースが多い年になるかもしれないが、ジュニアハードルだけでなくハイハードルでも早く13秒台を出さなければと感じているので、両方に取り組んでいきたい。
 この冬は、去年よりは走る量が増えている。また、ハードルも第1ハードルまでを7歩でやっているので、これまでとは違った感覚だが、悪くはないのでこのまま続けても問題がないと感じている。練習内容を去年と変えているのは、大学では走る量も増えるはずで、そこで練習についていけずケガするようではいけないと思っているから。大学でどんなメニューの練習をして、どんな生活を送ることになるのかまだわからないが、少しでも早く慣れることができるような(それに備えての)練習に取り組んでいる。
(2018年シーズンの目標は)ハイハードルはまずは13秒台。世界ジュニアやアジアジュニアは、もし選んでいただけるなら、まずは初めての世界大会となる世界ジュニアでしっかりと活躍したい。2016年に古谷拓夢さん(早稲田大)が3位で13秒31(U20アジア新記録)という結果を出されている。それに負けないような、世界のトップと戦っていけるような結果を目指したい。」


文:児玉育美/JAAFメディアチーム

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