2018.10.23(火)
【GPシリーズ最終戦「北九州大会」のみどころ】第1回 ルールのおさらいと現在のポイント
2018年から、「日本グランプリシリーズ」として全国13都市で開催し、各大会の記録や順位をポイント化し、年間の男女別の「シリーズチャンピオン」と「種目別チャンピオン」を決めることになった(外国籍の選手は対象外)。
全種目を含めた「シリーズチャンピオン」の男女別1位の選手には強化費200万円が付与され、2019年度グランプリプレミアおよびグランプリ招待、アスレティックス・アワードで表彰される。また、「種目別チャンピオン」は、2019年度グランプリプレミアに招待される。
ここでは、日本グランプリシリーズの少々複雑なルールの解説と現時点でのポイントランキング上位者、そして最終戦となる10月27・28日に北九州市・の本城競技場で開催される「第40回北九州カーニバル(本城競技場)」の見どころを紹介する。
13大会での実施種目やポイント化のルールなどは、日本陸連HPの「日本グランプリシリーズ特設サイト(https://www.jaaf.or.jp/gp-series/)」に詳しく掲載されているが、まとめると以下の通り。
<日本グランプリシリーズの13大会>
13大会は、4つの「グランプリプレミア大会」と9つの「グランプリ大会」の2種類に分けられている。【グランプリプレミア大会】
4月21・22日 東京大会(TOKYO Combined Events Meet)4月22日 神戸大会(兵庫リレーカーニバル)
4月28・29日 広島大会(織田幹雄記念国際)
5月3日 静岡大会(静岡国際)
【グランプリ大会】
4月7日 熊本大会(金栗記念選抜中長距離)4月22日 出雲大会(吉岡隆徳記念)
5月5日 水戸大会(水戸招待)
5月5日 延岡大会(ゴールデンゲームズinのべおか)
5月6日 大阪大会(木南道孝記念)
6月3日 鳥取大会(布勢スプリント)
6月3日 山口大会(田島直人記念)
7月8日 札幌大会(南部忠平記念)
10月27・28日 北九州大会(北九州カーニバル)
ポイントの対象となるのはロードを除く男女各19種目の計38種目で、「グランプリプレミア大会」では各種目が1大会ずつで実施され、「グランプリ大会」では、各種目が2~4大会で行われる。なお、男女 10000m、男女 3000m障害物、男子十種競技、女子七種競技は、日本選手権を「グランプリ大会」として扱う。
<ポイント化のルール>
各大会での「記録ポイント」「順位ポイント」のほか、日本新記録・同タイ記録に加算される「特別ポイント」の合計が「パフォーマンスポイント」となり、各大会で行われた男女全種目の中で最も「パフォーマンスポイント」が高かった選手には「ミーティングチャンピオンポイント」が加算される。「グランプリプレミア大会」+「グランプリ大会」のの合計ポイント(シリーズポイント)で優劣を競う。なお、「グランプリプレミア大会」は各種目とも1大会でしか実施されないが、2~4大会で行われる「グランプリ大会」に複数回出場した場合は、その選手の最も高い「パフォーマンスポイント(+「ミーティングチャンピオンポイント」)を対象とする。
また、「グランプリ大会」では、「ノングランプリ種目」として行われる種目があるが、その場合は「順位ポイント」はなく、「記録ポイント」のみが対象となる。
つまり、
「グランプリプレミア大会パフォーマンスポイント」(+「ミーティングチャンピオンポ
イント」)
+
「グランプリ大会パフォーマンスポイント(最も高得点の1大会)」(+「ミーティング
チャンピオンポイント」)
=
「シリーズポイント」
となる。
【記録ポイント】
100mから混成競技にいたるまでの全種目を網羅した国際陸連の2017年版採点表(https://www.iaaf.org/news/iaaf-news/scoring-tables-2017)によって、各選手の記録をポイント化する。なお、風力が関わってくる100m、200m、110mH、100mH、走幅跳、三段跳では、風力による加算と減算もあって、「無風~追風2.0m」は加減なし。「追風2.1m以上」は、「無風」を基準に「0.1mにつき0.6点の減算」。向風は「0.1mにつき0.6点の加算」となる。
例えば、男子100mを風力が「無風~追風2.0m」のもとで「10秒00」で走った場合、「記録ポイント」は「1206.0点」。しかし、「追風3.0m」の場合は「18.0点」が減算され「1182.0点」、「追風3.1m」の場合は「18.6点の減算」で「1181.4点」。「向風1.0m」ならば「6.0点の加算」で「1212.0点」、「向風1.1m」ならば「6.6点の加算」で「1212.6点」となる。
また、短距離種目で複数のラウンドが行われた場合、各ラウンドの中から最も高いパフォーマンスポイントを採用する。
具体的な「記録ポイント」を知りたい場合は、特設サイト(https://www.jaaf.or.jp/gp-series/)に記録(および風力)を入力すればポイントが算出される。
【順位ポイント】
「グランプリプレミア大会」と「グランプリ大会」の各順位ごとの「順位ポイント」は以下の通り。順位 | プレミア | グランプリ |
---|---|---|
1位 | 60 | 30 |
2位 | 50 | 25 |
3位 | 45 | 20 |
4位 | 40 | 15 |
5位 | 35 | 10 |
6位 | 30 | 5 |
7位 | 25 | 0 |
8位 | 20 | 0 |
「ノングランプリ種目」として実施された場合、順位ポイントは対象外。
外国籍選手は対象外で、日本国籍を有する選手の中での順位を採用する。
【特別ポイント】
日本新記録には「100ポイント」、日本タイ記録には「50ポイント」が加算される。【ミーティングチャンピオンポイント】
各大会で実施された男女を問わず全種目でパフォーマンスポイントが最も高い選手1人に、「ミーティングチャンピオンポイント」の「25ポイント」が与えられる。
これまでの大会での「ミーティングチャンピオン」は、以下の通り。
*** グランプリプレミア大会 ***
東京大会(TOKYO Combined Events Meet) | 右代啓祐(1201.0pt 男子十種競技7937) |
神戸大会(兵庫リレーカーニバル) | 阿部有香里(1212.0pt 女子10000m31.13.79) |
広島大会(織田幹雄記念国際) | 山縣亮太(1233.0pt 男子100m10.17 +1.3) |
静岡大会(静岡国際) | 安部孝駿(1281.0pt 男子400mH48.68) |
熊本大会(金栗記念選抜中長距離) | 安藤友香(1131.0pt 女子5000m15.45.66) |
出雲大会(吉岡隆徳記念) | 宮本大輔(1124.0pt 男子100m10.41 +0.7) |
水戸大会(水戸招待) | 川島鶴槙(1184.8pt 男子走幅跳8.04 +2.7) |
延岡大会(ゴールデンゲームズ) | 山ノ内みなみ(1172.0pt 女子5000m15.23.96) |
大阪大会(木南道孝記念) | 大林督享(1192.0pt 男子400mH49.75) |
鳥取大会(布勢スプリント) | 山縣亮太(1224.2pt 男子100m10.12 -0.7) |
山口大会(田島直人記念) | 新井涼平(1165.0pt 男子やり投80.60) |
札幌大会(南部忠平記念) | 澤野大地(1212.0pt 男子棒高跳5.60) |
北九州大会(北九州カーニバル) | ????? |
(日本選手権がグランプリ大会を兼ねる種目) | |
日本選手権混成 | 右代啓祐(1173.0pt 男子十種競技7944) |
日本選手権(5000、1万、3000SC) | 松田瑞生(1201.0pt 女子10000m31.52.42) |
<種目別ポイント トップ3/最終戦の前まで>
最終戦となる北九州大会を残しての各種目のトップ3は、下記の通り。※「GPP」は、グランプリプレミアポイント
「GP」は、グランプリポイント
合計 | GPP+GP | ||
---|---|---|---|
・男100m | |||
1) | 山縣亮太 | 2457.2 | 1233.0+1224.2 |
2) | ケンブリッジ飛鳥 | 2333 | 1168.0+1165.0 |
3) | 小池祐貴 | 2297.2 | 1153.0+1144.2 |
・男200m | |||
1) | 橋元晃志 | 2163.2 | 1067.2+1096.0 |
2) | 谷口耕太郎 | 2066.4 | 975.4+1091.0 |
3) | 原翔太 | 1165 | 1165.0+ |
・男400m | |||
1) | 若林康太 | 2293 | 1139.0+1154.0 |
2) | 木村淳 | 2257 | 1126.0+1131.0 |
3) | 東魁輝 | 2219 | 1146.0+1073.0 |
・男800m | |||
1) | 村島匠 | 2241 | 1173.0+1068.0 |
2) | 西久保達也 | 2163 | 1121.0+1042.0 |
3) | 飯島陸斗 | 2134 | 1097.0+1037.0 |
・男1500m | |||
1) | 秦将吾 | 2089 | 1032.0+1057.0 |
2) | 小林航央 | 2040 | 1075.0+ 965.0 |
3) | 広瀬大貴 | 1985 | 1024.0+ 961.0 |
・男5000m | |||
1) | 牟田祐樹 | 2130 | 1070.0+1060.0 |
2) | 柳利幸 | 2090 | 1048.0+1042.0 |
3) | 市田孝 | 2016 | 1004.0+1012.0 |
・男10000m | |||
1) | 大六野秀畝 | 2290 | 1159.0+1131.0 |
2) | 市田孝 | 2211 | 1112.0+1099.0 |
3) | 村山謙太 | 2175 | 1103.0+1072.0 |
・男110mH | |||
1) | 金井大旺 | 2384.4 | 1199.4+1185.0 |
2) | 高山峻野 | 2281.4 | 1129.4+1152.0 |
3) | 増野元太 | 2270 | 1108.0+1162.0 |
・男400mH | |||
1) | 大林督享 | 2365 | 1173.0+1192.0 |
2) | 井上駆 | 2346 | 1198.0+1148.0 |
3) | 宮尾幸太郎 | 2264 | 1140.0+1124.0 |
・男3000mSC | |||
1) | 山口浩勢 | 2285 | 1157.0+1128.0 |
2) | 三上嵩斗 | 2149 | 1086.0+1063.0 |
3) | 小室翼 | 2086 | 1074.0+1012.0 |
・男走高跳 | |||
1) | 大田和宏 | 2113 | 1091.0+1022.0 |
2) | 赤松諒一 | 2108 | 1037.0+1071.0 |
3) | 長谷川直人 | 2054 | 1086.0+ 968.0 |
・男棒高跳 | |||
1) | 澤野大地 | 2364 | 1152.0+1212.0 |
2) | 山本聖途 | 2301 | 1147.0+1154.0 |
3) | 土井翔太 | 2146 | 1073.0+1073.0 |
・男走幅跳 | |||
1) | 川島鶴槙 | 2290.6 | 1105.8+1184.8 |
2) | 小田大樹 | 2240 | 1148.0+1092.0 |
3) | 山川夏輝 | 2231.2 | 1133.0+1098.2 |
・男三段跳 | |||
1) | 岡部優真 | 2157.8 | 1110.0+1047.8 |
2) | 山下航平 | 2068.4 | 1059.0+1009.4 |
3) | 長谷川大悟 | 2022.4 | 965.4+1057.0 |
・男砲丸投 | |||
1) | 中村太地 | 2105 | 1075.0+1030.0 |
2) | 山元隼 | 1971 | 1010.0+ 961.0 |
3) | 畑瀬聡 | 1026 | 1026.0+ |
・男円盤投 | |||
1) | 湯上剛輝 | 2124 | 1096.0+1028.0 |
2) | 知念豪 | 1997 | 1038.0+ 959.0 |
3) | 米沢茂友樹 | 1894 | 994.0+ 900.0 |
・男ハンマー投 | |||
1) | 墨訓煕 | 2123 | 1074.0+1049.0 |
2) | 保坂雄志郎 | 2010 | 1063.0+ 947.0 |
3) | 植松直紀 | 1996 | 1002.0+ 994.0 |
・男やり投 | |||
1) | 新井涼平 | 2323 | 1158.0+1165.0 |
2) | 小椋健司 | 2167 | 1118.0+1049.0 |
3) | 小南拓人 | 2140 | 1112.0+1028.0 |
・男十種競技 | |||
1) | 右代啓祐 | 2374 | 1201.0+1173.0 |
2) | 中村明彦 | 2272 | 1144.0+1128.0 |
3) | 栗原彰彦 | 1999 | 1013.0+ 986.0 |
合計 | GPP+GP | ||
---|---|---|---|
・女100m | |||
1) | 福島千里 | 2297 | 1170.0+1127.0 |
2) | 世古和 | 2213 | 1100.0+1113.0 |
2) | 市川華菜 | 2213 | 1075.0+1138.0 |
・女200m | |||
1) | 前山美優 | 2178 | 1105.0+1073.0 |
2) | 山田美来 | 2075 | 1050.0+1025.0 |
3) | 渡邉ひかる | 2075 | 1067.0+1008.0 |
・女400m | |||
1) | 川田朱夏 | 2214 | 1126.0+1088.0 |
2) | 大西愛永 | 2127 | 1083.0+1044.0 |
3) | 松本聖華 | 2106 | 1069.0+1037.0 |
・女800m | |||
1) | 川田朱夏 | 2267 | 1174.0+1093.0 |
2) | 池崎満里 | 2120 | 1086.0+1034.0 |
3) | 竹内麻里子 | 2093 | 1038.0+1055.0 |
・女1500m | |||
1) | 田中希実 | 2197 | 1125.0+1072.0 |
2) | 竹内麻里子 | 2117 | 1075.0+1042.0 |
3) | 大西ひかり | 2083 | 1085.0+ 998.0 |
・女5000m | |||
1) | 山ノ内みなみ | 2354 | 1182.0+1172.0 |
2) | 安藤友香 | 2245 | 1114.0+1131.0 |
3) | 石澤ゆかり | 2202 | 1125.0+1077.0 |
・女10000m | |||
1) | 岡本春美 | 2276 | 1175.0+1101.0 |
2) | 筒井咲帆 | 2254 | 1131.0+1123.0 |
3) | 関谷夏希 | 2215 | 1152.0+1063.0 |
・女100mH | |||
1) | 紫村仁美 | 2311.4 | 1156.4+1155.0 |
2) | 清山ちさと | 2295.4 | 1169.4+1126.0 |
3) | 福部真子 | 2280.4 | 1151.4+1129.0 |
・女400mH | |||
1) | 宇都宮絵莉 | 2302 | 1156.0+1146.0 |
2) | 小山佳奈 | 2227 | 1120.0+1107.0 |
3) | 吉良愛美 | 2226 | 1112.0+1114.0 |
・女3000mSC | |||
1) | 森智香子 | 2195 | 1108.0+1087.0 |
2) | 瀬川帆夏 | 2183 | 1072.0+1111.0 |
3) | 薮田裕衣 | 2170 | 1052.0+1118.0 |
・女走高跳 | |||
1) | 樋口愛莉 | 1829 | 926.0+ 903.0 |
2) | 津田シェリアイ | 1083 | 1083.0+-- |
3) | 仲野春花 | 1073 | 1073.0+-- |
・女棒高跳 | |||
1) | 仲田愛 | 2030 | 1010.0+1020.0 |
2) | 竜田夏苗 | 1933 | 1010.0+ 923.0 |
3) | 若園茜 | 1691 | 838.0+ 853.0 |
・女走幅跳 | |||
1) | 中野瞳 | 2225 | 1152.0+1073.0 |
2) | 桝見咲智子 | 2120 | 1070.0+1050.0 |
3) | 山田優 | 2083 | 1056.0+1027.0 |
・女三段跳 | |||
1) | 森本麻里子 | 2101.2 | 1079.8+1021.4 |
2) | 宮坂楓 | 2067.2 | 1076.2+ 991.0 |
3) | 剱持早紀 | 2008.8 | 1001.4+1007.4 |
・女砲丸投 | |||
1) | 太田亜矢 | 1891 | 957.0+ 934.0 |
2) | 阿原典子 | 1693 | 825.0+ 868.0 |
3) | 石丸来未 | 1531 | 751.0+ 780.0 |
・女円盤投 | |||
1) | 藤森夏美 | 1783 | 936.0+ 847.0 |
1) | 辻川美乃利 | 1783 | 925.0+ 858.0 |
3) | 吉留明夏里 | 1577 | 758.0+ 819.0 |
・女ハンマー投 | |||
1) | 勝山眸美 | 2103 | 1055.0+1048.0 |
2) | 佐伯珠実 | 1974 | 1011.0+ 963.0 |
3) | 佐藤若菜 | 1865 | 941.0+ 924.0 |
・女やり投 | |||
1) | 斉藤真理菜 | 2172 | 1131.0+1041.0 |
2) | 宮下梨沙 | 2167 | 1112.0+1055.0 |
3) | 北口榛花 | 2058 | 1097.0+ 961.0 |
・女七種競技 | |||
1) | 山﨑有紀 | 2134 | 1061.0+1073.0 |
2) | 宇都宮絵莉 | 2091 | 1100.0+ 991.0 |
3) | ヘンプヒル恵 | 2065 | 1011.0+1054.0 |
『【GPシリーズ最終戦「北九州大会」のみどころ】第2回 戸邊、日本新記録で山縣を上回りシリーズチャンピオンなるか!?』へ
野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
1日目:10/27(土)8:30~ライブ配信(予定)
※不具合で、先に告知しておりましたライブ配信のURLからは現在視聴いただけません。大変申し訳ありませんが、以下からご覧ください。復旧次第ご報告いたします。▼ライブ配信はこちらから▼
https://www.youtube.com/watch?v=M0vbwOfLIvU
2日目:10/28(日)8:30~ライブ配信(予定)
関連ニュース
-
2018.10.28(日)
【GPシリーズ】最終戦を終え、初代「シリーズチャンピオン」男子は山縣亮太、女子は山ノ内みなみに輝く!
-
2018.10.27(土)
第40回北九州陸上カーニバル1日目のリザルトを掲載しました
-
2018.10.26(金)
【週末プレビュー】北九州で行われる日本グランプリシリーズ最終戦、日本選手権リレー大会と同時開催(10/27~28 第40回北九州陸上カーニバル、第102回日本陸上競技選手権リレー競技大会)
-
2018.10.26(金)
【GPシリーズ最終戦「北九州大会」のみどころ】第4回 女子砲丸投で種目別チャンピオンをかけた戦い
-
2018.10.25(木)
【GPシリーズ最終戦「北九州大会」のみどころ】第3回 男子砲丸投、新旧日本記録保持者が激突