委員会情報

指導者養成委員会

寄せられた質問に対し、指導者養成委員会がお答えします。
寄せられた質問に対し、指導者養成委員会がお答えします。

質問はこちら

指導内容・方法に関すること

室内でも効果的に持久力を高めるトレーニングを教えてください。
外出の自粛は継続するべき状況の中、肺活量や持久力を高めるための練習メニューが思いつきません。走ることが肺活量や持久力を保つうえで効果的な方法だとは思うのですがこのような状況の中、トレーニング場所が限られているのもの現状です。
(委員長さん NEW

この社会状況の中、内容にとどまらず、時間や場所など練習の環境面を考慮しなければいけません。苦労を重ねておられることと察します。

まずは、在宅での自粛期間がとても長いので、持久力や筋力が衰えているのは、無理からぬことと考えましょう。急に持久力をアップしよう、筋力をつけようと無理をするとケガや故障につながることがあります。徐々に行うことを念頭においてください。

参考に3つのプログラムを上げておきます。
(1.と2.は屋外、3.は室内でもできるトレーニング)

  1. ゆっくり長い時間歩く。
    ※5分ぐらいから始めて、やがて30分ぐらいと段階的に行いましょう。
  2. 慣れてきたら、早歩きやジョギングを行う。
    ※苦しくなったら、スピードを落とす、歩く、休むなど無理をしすぎないことが大切です。
  3. 自宅で自重を使った補強練習を行う。
    筋力も落ちています。それなりのスペースさえあれば、しっかりとできると思います。
    例えば、サーキットトレーニングやタバタ式トレーニングなどの補強練習で、持久力を高めることができます。(「サーキットトレーニング」あるいは「タバタ式トレーニング」で検索してご覧ください。)

    なお、本連盟の『中学校部活動における陸上競技指導の手引き』において、体力トレーニングについて紹介しています。
    https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202003/jhs-003-010.pdf

【留意点】
※種目はできるだけ偏りがないようにする。
※負荷(回数・セット・実施時間・レスト)は現状の体力に合わせて調整する。
※オンラインで仲間と一緒にトレーニングしたり、回数を競いあったりすると励みになるかもしれませんね。

元の体力に戻すのには、3か月以上かかるイメージで取り組みましょう。
一人でも、仲間と一緒でも(3密を注意しながら)、また、オンラインでも良いです。環境や3密をマイナスに捉えずに「この機会だからこそ、楽しみながらやって行こう!!」というポジティブな気持ちで取り組める方法を選択してみてください。

小学生の中長距離専門のクラブチームで指導しています。緊急事態宣言解除後、チーム練習を再開する際、3密を避けるためどのようなことに気をつけて練習に取り組めば良いでしょうか。一緒に走るなら縦に並ばず横に並んでする、飛沫防止のためバフを付けて走るなど、何か推奨される方針があれば教えていただきたいです。
(SONOさん

とてもつらい現状ですね。指導者はもちろんのこと、選手も大変な苦労をしていることと察します。

ご質問の件ですが、次のような対応が求められます。

  1. 選手の体調確認(心身ともに)。
  2. ソーシャルディスタンスの徹底。
  3. 時間差を利用した少人数での指導。
    • 一度に練習する人数の分散。
    • 集団走とならないように時差スタートを取り入れる。
  4. 練習場所への移動はマスクなどを着用する。
  5. 家庭でできる練習(補強など)の指導やオンラインを活用する。
  6. 疲労、熱中症への備え(運動量の低下により、通常の練習を行っていても疲労や熱中症の可能性が高い)。

なお、ジュニア期は、発育発達を考えての指導が大変重要です。このような状況ですので、通常通りの練習に拘らず、様々な遊びや種目を取り入れていくことも大切です。

スポーツ活動再開時の留意点として、日本スポーツ協会(JSPO)から次のような案内が示されています。
https://www.japan-sports.or.jp/news/tabid92.html?itemid=4164

指導計画に関すること

小学校6年生の娘がいる親です。
元々走るのが嫌いで運動も得意ではないはずの娘が、仲のいい友達に誘われて中学に上がったら陸上部に入部することに決めたそうです。
娘を誘ってくれた友達は、皆陸上クラブに入っている子です。
娘は、入部してから、一人だけ何もできないような状況を心配しているのか、いまのうちから陸上部に入って役立つトレーニングをしたいようです。
親としては、運動してくれるのは大いに嬉しいのですが、大切な成長期だと思うので、自己流でいきなり長い距離を走らせたり、無理なことをさせたりするのは不安です。
来年の4月までに走るための体力や筋力をつけられるような、無理なく、簡単にできるようなトレーニングがあれば教えていただけないでしょうか。
(梅納豆子さん NEW

中学校から陸上競技を始めそうな予感があり、私たちも嬉しく思います。
陸上競技といえば、「走」というイメージが強いかもしれませんが、「跳」種目や「投」種目もあります。特に小学生の時期は自分が何に向いているのかはわからないものです。

しばらくは陸上競技という枠にとらわれず、様々な運動に取り組んでいただきたいと思います。また、体力的に苦しい練習もお勧めしません。心身がこの年齢ではまだそうした構造になっていないのです。楽しく達成感のある運動を中心に実施することです。

現在、陸上クラブのような定期的な練習に参加していないということですので、平日の帰宅後や休日にできるトレーニングをいくつか紹介します。

  • 走運動
    鬼ごっこ、坂道ダッシュ、ジョギング(起伏があるとなお良い)、サッカーやバスケットボールといった球技など
  • 跳運動
    なわとび、段差を利用したリバウンドジャンプ、垂直跳(高い目標物をタッチするようにジャンプ)など
  • 投運動
    紙飛行機、フリスビー、ジャベリックボール投げ、エックスジャイロ投げ など
  • その他体力づくり(筋力、柔軟性、身体操作など)
    雲梯、棒上り、鉄棒運動、スタビライゼーション、ボルダリング、ストレッチング、ダンス、一輪車、スケボーなど
    (「筋力トレーニングをやると身長が伸びなくなる」という噂がありますが、それは科学的な根拠のない話です。むしろ、ある程度の筋力は、運動技能の習得に必要なだけでなく、ケガの予防にもつながります。ここに示したような自分の体重を利用した遊びや運動は、積極的に取り入れていただいた方が良いと思います。)

お示ししたように、トレーニングらしいトレーニングでなくてかまいません。体を使った遊びの延長のようにとらえていただいて十分です。「〇〇を10回×3セット」という考え方はせず、ちょっと取り組んだら次々と運動の内容を変更する。外遊びの習慣があるだけで準備はOKです。

このコロナ禍ではなかなか外での運動もしにくいかと思います。自宅でできる範囲で何種目か選択する形をお勧めします(ダンス、縄跳び、ストレッチングなど)。

コーチとして、自身のキャリアに関すること

陸上の競技経験がなければ、実際にコーチとして活躍することは難しいでしょうか。
仕事で陸上競技について触れる機会があり、仕事のためだけにとどまらず興味が湧きました。
無謀なことであるのはわかっていますが、自分で子供達に陸上の基本を教えることができたらよいなと思っています。
しかし、陸上部やクラブチームに所属していたわけでもなく、 生まれてこの方陸上競技を体験したことがありません。
そんな私でも陸上を教えられるでしょうか。なれるとしたら、どんな立場で、何から始めれば良いでしょうか。教えていただけると嬉しいです。
(アンドレ・ドランさん NEW

中学・高校で部活動の指導に携わる教職員や地域で子どもたちを預かる指導者の中にも、陸上競技の経験を過去に持たないまま、日々優れた指導に当たっている人が大勢います。大切なことは、陸上競技を大切にする人たちのことを思い、常に学び続け、自己研鑽することです。

指導者になりたいという志に加えて学ぶ意欲も高く、資質も持ち合わせておられるようです。

陸上競技は、すべてのスポーツにおける基本動作(走・跳・投)を含むスポーツです。そのため、専門種目の指導だけでなく、基本的な動きづくりや身体づくりなどの指導もとても大切であり、特に小中学校期では、多様な運動遊びやスポーツ活動を通して身体リテラシー※(本連盟の競技育成指針を参照)を育むことが求められています。身体を動かす楽しさや高揚感を味わわせ、こども達が陸上競技の虜になるような指導が求められます。それには、指導者が陸上競技を大切に思い、自らも身体を動かしながら共に楽しむ姿勢が重要です。

指導者はこども達の競技パフォーマンスを高めるとともに、人間としての成長をサポートすることも大きな仕事です。本連盟では、「公認ジュニアコーチ養成講習会」を各地で開催しており、走・跳・投の基本動作や技術、コーチングに必要な理論を学ぶことができます。機会を捉えて、是非とも参加をご検討下さい。

陸上経験のない方が指導者を目指したいと意欲を燃やす。人と違った視野を持つ陸上競技のファンが一人増えたということです。是非、一緒に陸上競技を盛り上げていきましょう。

JAAF公認ジュニアコーチ養成講習会の開催要項はこちらです。
https://www.jaaf.or.jp/development/coachlicense/juniorcoach.html

選手および選手を取り巻く環境・支援・関係者(アントラージュ)に関すること

私自身の練習をしていたところ、中学生からアドバイスを求められたので、対応したことがありました。その後、私が見えないところで、その中学生たちが学校の顧問から「俺のやり方が気に入らないのか」と怒鳴られていました。顧問の方から私への注意であれば何とも思わなかったのですが、アドバイスを求めてきた中学生が怒られているのが納得いかないと感じました。アドバイスを求められても、対応するのは良くないことでしょうか?
(みぃさん
同じ練習場内での出来事かと、ご質問から想像します。
質問をした中学生は向上心が高く積極的ですね。また、アドバイスされた投稿者も指導者として選手の気持ちに応えたという意味で良い行為だと思います。

一方で、顧問の先生には、指導方針があることについても念頭に入れておく必要があるでしょう。
特に経験の浅い中高校生は、どの技術(またはどの練習方法)が自分にとって良いか判断ができない場合もあり、善かれと思ってアドバイスしたことが顧問の先生と考え方や意見が異なると、選手が混乱してしまうこともあります。

優しい人柄と専門的な知識をお持ちかと思いますので、次のような対応も今後の参考にしてください。
  • 方法1:アドバイスをした際、顧問の先生にアドバイスした内容や詳細を伝える。
  • 方法2:指導者同士でコミュニケーションを取りながら一緒にアドバイスをする。

その結果として、選手が混乱することなく安心して練習でき、スキルアップにつながるはずです。

JAAF Official Partner

  • アシックス

JAAF Official Sponsors

  • 大塚製薬
  • 日本航空株式会社
  • 株式会社ニシ・スポーツ
  • 積水化学工業株式会社

JAAF Official Supporting companies

  • 株式会社シミズオクト
  • 株式会社セレスポ
  • 近畿日本ツーリスト株式会社
  • JTB
  • 東武トップツアーズ株式会社
  • 日東電工株式会社
  • 伊藤超短波株式会社

PR Partner

  • 株式会社 PR TIMES
  • ハイパフォーマンススポーツセンター
  • JAPAN SPORT COUNCIL 日本スポーツ振興センター
  • スポーツ応援サイトGROWING by スポーツくじ(toto・BIG)
  • 公益財団法人 日本体育協会
  • フェアプレイで日本を元気に|日本体育協会
  • 日本アンチ・ドーピング機構
  • JSCとの個人情報の共同利用について