2024.08.06(火)
【パリオリンピック】女子1500m予選コメント:田中、救済措置で準決勝進出。自己タイ記録の後藤は敗者復活ラウンドへ
Day6:8月6日(火)
パリオリンピック陸上競技は8月6日、大会中日となる第6日を迎えました。モーニングセッションでは、6種目に日本選手が出場します。その最初の種目となったのが、女子1500m予選です。全3組で行われ、各組上位6着以内が通過のボーダー。4着以降の選手は敗者復活ラウンドに回る通過条件で行われました。
日本勢は、1組に田中希実選手(New Balance)、2組に後藤夢選手(ユニクロ)が出場。田中選手は、着順での通過を狙って攻めるレースを展開しましたが、残り200mの地点で接触によりバランスを崩し、後退するアクシデントに見舞われてしまいました。11着・4分04秒28でレースを終えましたが、その後、救済措置がとられ、準決勝進出が発表されました。また、集団の中央付近でレースを進めた後藤選手は、ラストは上位に離され13着でフィニッシュ。しかし、4分09秒41の自己タイ記録をマークしました。後藤選手は、翌7日の午前に行われる敗者復活ラウンドに臨みます。
各選手のコメントは、以下の通りです。
女子1500m 予選
田中希実(New Balance)
1組11着 4分04秒28 =接触による救済措置により準決勝へ途中までは、日本記録(自己記録3分59秒19、2021年)も更新できるようなペースで進んでいたのだが、ラストはいい位置が取れなくて、そこで押し負けてしまったことが敗因。今日は「せめて日本記録を出すこと」を目標に臨んでいた。
このレースは、私一人のレースではなく、今まで支えてくれた多くの人と一緒に走るような気持ちで走った。
(このオリンピックは)2種目でチャレンジするということを目標にやってきたので、(初日の5000m予選敗退後)最初は、目標がどうしても見つからず、世界の壁も厚い1500mに向かって、どういうふうに気持ちを立て直せばいいのか自分でもわからずにいた。しかし、時間が経つにつれて、これは自分だけのレースではなくて、多くの人の人生が集結しての私の今までの人生。だからこそ、いろいろな人の生きた証というのを、私の走りで証明したいと考えた。だが、ラストで気持ちが切れたような走りになっていたのではないか。それがすごく申し訳ないし、ここでは絶対には終わらないという気持ちである。
※コメントは、救済措置が発表される前の段階のもの。
後藤夢(ユニクロ)
2組13着 4分09秒41 =自己タイ記録、敗者復活ラウンドへ自己ベストと同じくらいで走れても、世界にこれだけ置いていかれるというところで、すごく実力の差を感じることになった。しかし、年明けのケガからここまで、ずっと苦しい日々が続いていたので、そこを乗り越えさせてくれたコーチであったり、スタッフ、会社の方々、家族であったり、(支えてくれた)本当にいろいろな方に、この舞台を走ることで感謝が伝わっていたら嬉しく思う。
去年(のブダペスト世界選手権)を見ても予選通過が4分前後というところで、自己ベストには全く届かないライン。ただ、世界の強豪選手と一緒に走ることで見えるものは、実際に走ってみないとわからないところ。そこを忘れずに、このあとも気を緩めずに頑張りたい。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト/アフロスポーツ