2025.09.19(金)選手

【東京2025世界陸上】6日目チームJAPANハイライト



チームJAPANハイライト

Day6:9月18日(木)

東京2025世界陸上競技選手権大会は、いよいよ後半戦に突入しました。大会6日目の9月18日は、9月も折り返したというのに、36℃という最高気温とともに夕刻以降は雷雨も懸念される季節感ゼロの予報が出ていましたが、イブニングセッション開始直後に雨が降りだすと多少の強弱はあったものの暑さを和らげ、蓋を開けてみると気温25~27℃前後という好コンディション下で競技が行われる形となりました。この日は、4種目の決勝と、3種目の準決勝、そして3種目の予選が行われ、6種目に8名の日本選手が登場しました。

まずはやはり、男子400m決勝の結果から、ご報告していくことにしましょう。中島佑気ジョセフ選手(富士通)が、第3回東京大会の髙野進選手(7位)以来34年ぶりに、日本人アスリートとして決勝の舞台に立ったのです。今大会、中島選手は、2日目に行われていた予選で44秒44の日本新記録を樹立すると、4日目の準決勝ではホームストレートで順位を上げていく豪快な走りで44秒53のセカンドベストをマークして2着となり、着順で準決勝を突破する堂々たる戦いぶりを披露。決勝は、9レーンに入ってのレースとなりました。
19時を過ぎたあたりから降り始めた雨は、幸いなことに懸念されていた大雨には至らず、男子400mの決勝は「強くはないものの、雨粒がしっかりと肌を濡らす」条件下でスタートしました。スタート時刻の気温は25℃で、湿度74%。今大会で初めて「涼しいな」と感じる気象状況です。
中島選手は、「もう少し最初の100mを速く」というレースプランの通り、スタートから100mまでを11秒19(オフィシャルリザルツのデータによる。以下、同じ)と、予選(11秒20)・準決勝(11秒23)よりも速いタイムで入りましたが、それでもラップタイムは8番目。200mを21秒68、300mは32秒67と、やはり8番手のままでホームストレートを迎えることになりました。ここまで11秒7台(予選11秒75、準決勝11秒76)でまとめてきた最後の100mは11秒95と、さすがにタイムを落としたものの、再びホームストレートで追い上げ、最後の数歩で2選手をかわす走りを見せ6番目・44秒62でフィニッシュ。世界選手権における日本人最高成績を塗り替えました。



イブニングセッションの最初に行われた女子5000m予選には、田中希実(New Balance)・山本有真(積水化学)・廣中璃梨佳(JP日本郵政G)の3選手が、中1日空けて20日に行われる決勝進出を目指してレースに挑みました。この種目の予選は2組で行われ、それぞれ8着内でフィニッシュすることが通過の条件です。
まず第1組に田中選手と山本選手が出場。スタートするとすぐに山本選手が先頭に立ち、これに田中選手がぴたりとついて、日本勢2人が大勢からなる先頭集団を率いる形となりました。山本選手は1000mを2分57秒28で、2000mを5分59秒90で通過していきます。残り6周に入る直前で田中選手が先頭に出ると、3000mは8分57秒16で通過。先頭集団はいったんそこで解体したかに見えましたが、次の1周で再び11人が縦に長く連なり、4000mを11分53秒82で通過すると、残り2周は9人が横に広い集団へと形を変え、そして最後の1周は田中選手が先頭のまま7人で通過していきました。田中選手はバックストレートで2人にかわされ、残り100mで4番手に後退、ラストでさらに一つ順位を落としたものの、最後まで食い下がって14分47秒14・5着でフィニッシュ。全体でも5番目で、2019年ドーハ大会から続く、この種目の連続決勝進出を「4」に増やしました。9月20日に行われる決勝では、前回のブダペスト大会(8位)に続く入賞を、それを上回る順位で達成することを狙って大勝負に挑みます。



レース後、「自己ベストを目指しながらも、自分に何かできることはないかと田中選手に話して、序盤を引っ張ることにした」と前半のフロントランを説明した山本選手は、2600mで田中選手にトップを明け渡してからは、単独でレースを進めていく厳しい展開となりました。しかし、最後までよく粘り、2023年ブダペスト大会、2024年パリオリンピックでのタイムを上回る15分36秒29・18着でレースを終えました。



2組目には、初日の10000mで6位入賞を果たした廣中選手が出場。廣中選手は、「15分台を出せば、決勝に進める」と想定し、そのためにスタート直後から先頭に立ち、自身のペースでレースを進めていく戦略を選びました。2位集団との差は2800m地点で7.63秒まで開きましたが、その後は少しずつ差が縮まっていきます。1500mを制したフェイス・キピエゴン選手(ケニア)を先頭とする後続が3900mでペースを切り替え追撃態勢に入ると、残り700m地点で追いつかれ、その後は順位を落とすことに。13着(15分10秒68)でフィニッシュし、2種目で挑戦した東京世界選手権を終えました。



女子5000mに続いて行われた女子800m予選には、女子代表最年少の久保凛選手(東大阪大敬愛高3年)が、初の世界選手権に挑みました。全7組で実施されたなか、久保選手は3組目に登場。「最初の1周で3~4番手につけてレースを進めていく」展開をイメージしてスタートしましたが、レーンがオープンになった段階で最後尾に位置する形となり、その後、6番手に上がったものの内側にポケットされる状態となってしまいます。先頭の400mの通過は60秒05と、久保選手が避けたいと思っていた遅い入りとなったものの、周囲を阻まれて身動きがとれず、2周目も「何もかもうまくいかなかった」ままの展開に。ホームストレートで順位を上げようとしましたが、1人かわすのが精いっぱいとなり、2分02秒84・7着で敗退するほろ苦い結果となりました。しかし、この記録は、世界選手権における日本人最高記録(2分02秒82、杉森美保、2005年)に0.02秒に迫るもの。競り合うことなく先頭を走ることになる国内レースでは経験したことのない展開となったなかでの健闘が光りました。



同じ時間帯にフィールドで、世界大会デビューを果たしたのが女子走高跳の髙橋渚選手(センコー)です。この種目も予選はA・Bの2組に分かれて実施。髙橋選手は、世界記録保持者のヤロスラワ・マフチフ選手(ウクライナ)と同じA組に入っての試技となりました。
予選における最初の高さは、1m83。国内大会であれば、上位争いが決まってくるような高さからのスタートです。髙橋選手は、1回目で、身体がマットに落ちたあとにバーが落ちてしまう惜しい跳躍を見せると2回目にクリア。続いてセカンドベストで、屋外では今季自己最高記録となる1m88に挑みました。2回失敗したのちに、3回目には「やりたかった跳躍ができた」というジャンプで、これを見事に成功させると、今年2月に室内大会でマークした自己記録に並ぶ1m92に挑戦しました。「跳びたい気持ちが出てしまった」と、この高さのクリアは叶わず組11位で競技を終了。この種目に設定された予選通過記録は1m97でしたが、1m92をクリアした選手11名のほか、1m88を跳んだ選手5名も決勝へ。1m88までを1回で成功させたか否かが通過のラインとなりました。



この日は、翌日の大会第7日に決勝を控える男女200mの準決勝も行われました。女子の準決勝には、井戸アビゲイル風果選手(東邦銀行)が出場。準決勝は、「3組2着+2」の通過条件で行われ、井戸選手は第1組の3レーンに入ってのレース。さすがに力の差が出る形と出て、23秒15(-0.1)・8着でフィニッシュとなりましたが、日本新記録樹立と8位入賞を果たした男女混合4×400mリレーを含めて、初挑戦にして貴重な4レースを戦い抜きました。



男子200m準決勝には、鵜澤飛羽選手(JAL)が、日本人3人目となるこの種目での決勝進出を狙ってスタートラインに立ちました。女子と同じく3組で実施され、各組2着までと3着以下の記録上位者2名が通過の条件です。1組目でレースに臨んだ鵜澤選手は、3~4番手争いをしながらコーナーを抜けていきましたが、終盤で上位選手に突き放され、20秒23(-0.1)・6着で入線。決勝進出は叶いませんでした。しかし、この記録は、2003年パリ大会で銅メダルを獲得した末續慎吾選手(当時ミズノ)が準決勝を突破した際にマークした20秒22の世界選手権における日本人最高記録に0.01秒まで迫るもの。また、決勝進出ラインは、オリンピック・世界選手権を通じて初めて20秒台を切る19秒98という結果で、史上最高レベルの準決勝として歴史に残ることとなりました。



文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト

【東京2025世界陸上】9月13日~21日 国立競技場開催


>>https://www.jaaf.or.jp/wch/tokyo2025/

◆期日:
2025年9月13日(土)~21日(日)
◆会場:国立競技場(東京)
◆チケット情報:https://tokyo25-lp.pia.jp/  


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