
5月18日(日)に国立競技場で行われる「セイコーゴールデングランプリ陸上 2025 東京」。
世界陸連が、「コンチネンタルツアーゴールド」として開催する国際大会だ。
ワールドランキングにおいて「Aカテゴリー」に位置付けられており、順位に応じて付与されるポイントが非常に高いため、9月に国立競技場で開催される「東京世界選手権」への出場を目指す選手にとって非常に重要な大会である。
ここでは、現地観戦やTV観戦のお供に特に注目される種目について「記録と数字で楽しむGGP2025」をお届けする。
なお、原稿の締め切りの関係で、2025年シーズンの試合結果や情報は4月30日までに判明したものしか盛り込めていないことをお断りしておく。
また、記事の内容にはこれまでの各種競技会のこのコーナー(「記録と数字で楽しむ・・・」)で紹介したものもかなり含まれるが、データはできる限り最新のものに更新した。
・記録や情報は、原則として4月30日判明分。
・年齢は、2025年5月18日現在のもの。
・文中、敬称略。
※最新出場選手リスト(随時更新中)
https://goldengrandprix-japan.com/2025/athlete/
北口を筆頭に世界のメダリスト5人が国立に集結!!
2023年ブダペスト世界選手権と24年パリ五輪で世界の頂点に立った北口榛花(JAL/自己ベスト67m38=2023年)を筆頭に豪華なメンバーが揃う。21年東京五輪で「銀」のマリア・アンドレイチク(ポーランド/71m40=21年)、
ブダペストで「銀」のフロル・デニス・ルイス・ウルタド(コロンビア/66m70=24年)と
「銅」のマッケンジー・リトル(オーストラリア/66m27=24年)、
そしてパリ五輪で「銀」のジョーアネ・デュプレッシ(南アフリカ/64m22=24年)だ。
つまり、ブダペストは「金・銀・銅」が勢揃いである。
この5人の2015年からの至近8回の世界選手権と五輪の成績をまとめた。
2015 | 2016 | 2017 | 2019 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
北口榛花 | -- | -- | -- | 予落 | 12位 | 3位 | 1位 | 1位 |
アンドレイチク | 予落 | 4位 | -- | 予落 | 2位 | 予落 | -- | 8位 |
ウルタド | 予落 | 9位 | 予落 | -- | -- | -- | 2位 | 5位 |
リトル | -- | -- | -- | -- | 8位 | 5位 | 3位 | -- |
デュプレッシ | -- | -- | -- | -- | 予落 | 予落 | 10位 | 2位 |
21年から3大会連続入賞のリトル。
23年の銀メダルと24年5位のルイス・ウルタドは34歳。上の表にはない12年ロンドン五輪と13年世界選手権にも出場(ともに予選落)している。三十路を迎えてから勢いが増してきて、32歳の23年に7年ぶりの自己ベストをマーク。33歳でさらに記録を伸ばして24年世界リスト1位(66m70)に立った。
ブダペスト世界選手権では、1投目に65m47をマークしたルイス・ウルタドがリード。
3投目終了時点でもそのままで、1・2・3投目と少しずつ記録を伸ばした北口が63m00で2位に。
4投目にA・コツィナ(ラトビア)が63m18で7位から2位に。
6投目に第4投てき者のリトルが63m38で2位に進出し北口は4位に転落。2人あとに投げた北口のやりが大きなアーチを描いて66m73でトップに。そのあとのコツィナとルイス・ウルタドは北口を上回ることができず、日本の女子フィールド種目で五輪も含めて史上初の世界チャンピオンとなったのだった。
直近のパリ五輪は、1投目に65m80を投げた北口がそのまま逃げ切り。終わってみれば2位との差1m87の危なげない勝利だった。
◆北口と海外勢の対戦成績◆
北口と上述の4人との対戦成績(決勝のみ)は以下のとおり。<北口榛花 vs M・アンドレイチクの対戦成績>
北口榛花 | vs | アンドレイチク | ||
---|---|---|---|---|
2019.09.14 | 1)60.47 | ○● | 2)60.15 | スコリモウスカ記念 |
2021.08.06 | 12)55.42 | ●○ | 2)64.61 | 東京五輪 |
2024.08.10 | 1)65.80 | ○● | 8)62.44 | パリ五輪 |
<北口榛花 vs F・D・ルイス・ウルタドの対戦成績>
北口榛花 | vs | ルイス・ウルタド | ||
---|---|---|---|---|
2022.06.14 | 1)61.97 | ○● | 3)61.49 | クラドノ |
2023.08.25 | 1)66.73 | ○● | 2)65.47 | ブダペスト世界選手権 |
2023.09.08 | 1)67.38 | ○● | 4)62.51 | イヴォ・ヴァンダム記念 |
2024.04.27 | 1)62.97 | ○● | 3)60.70 | 厦門DL |
2024.05.19 | 1)63.45 | ○● | 2)62.06 | GGP東京 |
2024.08.10 | 1)65.80 | ○● | 5)63.00 | パリ五輪 |
2024.09.14 | 1)66.13 | ○● | 6)54.59 | イヴォ・ヴァンダム記念 |
<北口榛花 vs M・リトルの対戦成績>
北口榛花 | vs | リトル | ||
---|---|---|---|---|
2019.07.10 | 2)60.15 | ○● | 8)55.37 | ナポリユニバーシアード |
2021.08.06 | 12)55.42 | ●○ | 8)59.96 | 東京五輪 |
2022.06.18 | 1)63.13 | ○● | 4)61.23 | パリDL |
2022.07.22 | 3)63.27 | ○● | 5)63.22 | オレゴン世界選手権 |
2022.08.10 | 2)62.37 | ○● | 3)61.76 | モナコDL |
2023.05.21 | 4)61.34 | ●○ | 1)64.10 | GGP横浜 |
2023.06.09 | 1)65.09 | ○● | 7)58.54 | パリDL |
2023.06.30 | 2)63.34 | ●○ | 1)65.70 | ローザンヌDL |
2023.07.16 | 1)67.04 | ○● | 2)64.50 | スコリモウスカ記念 |
2023.08.25 | 1)66.73 | ○● | 3)63.38 | ブダペスト世界選手権 |
2023.09.16 | 1)63.78 | ○● | 3)61.24 | プレフォンティン記念 |
2024.04.27 | 1)62.97 | ○● | 2)62.12 | 厦門DL |
2024.05.19 | 1)63.45 | ○● | 6)59.12 | GGP東京 |
2024.07.12 | 1)65.21 | ○● | 2)64.74 | モナコDL |
2024.07.20 | 4)62.69 | ●○ | 1)66.27 | ロンドンDL |
2024.08.10 | 1)65.80 | ○● | 12)60.32 | パリ五輪 |
2024.09.14 | 1)66.13 | ○● | 5)61.50 | イヴォ・ヴァンダム記念 |
<北口榛花 vs J・A・デュプレッシの対戦成績>
北口榛花 | vs | デュプレッシ | ||
---|---|---|---|---|
2016.07.20 | 8)52.15 | ●○ | 2)57.32 | ビドゴスチ世界Jr |
2017.08.25 | 10)56.30 | ●○ | 9)57.02 | 台北ユニバーシアード |
2019.07.10 | 2)60.15 | ○● | 6)56.85 | ナポリユニバーシアード |
2022.06.14 | 1)61.97 | ○● | 6)59.36 | クラデンスキー記念 |
2023.07.20 | 1)62.52 | ○● | 7)58.17 | ルツェルン国際 |
2023.08.06 | 1)61.88 | ○● | 3)60.37 | オッフェンブルクやり投 |
2023.08.25 | 1)66.73 | ○● | 10)57.43 | ブダペスト世界選手権 |
2024.08.10 | 1)65.80 | ○● | 2)63.93 | パリ五輪 |
4人に対してのトータルは、北口の28勝7敗。
23年に限ると、9勝2敗。24年は、11勝1敗。
さすがは世界選手権と五輪を連覇した金メダリストだけのことはある。
◆北口の成長の足跡◆
以前にも何度か紹介したが、下表は、北口がやり投を始めた2013年の高校1年生の時からの各年の上位5試合を記録順に並べて比較したものだ。21年以前と比較して22年から23年の2年間で北口の力が一段とアップしてきていることが、このデータからよくわかる。
<北口の年別の上位5位記録の比較>
・予選も1試合としてカウントしている。
学齢 | 年 | 試合数 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 60m以上回数(率) | 63m以上回数(率) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
高1 | 2013 | 11 | 49.31 | 45.49 | 45.37 | 45.25 | 45.1 | ||
高2 | 2014 | 19 | 53.15 | 53.08 | 52.16 | 52.16 | 51.93 | ||
高3 | 2015 | 12 | 58.9 | 57.02 | 56.63 | 55.99 | 54.44 | ||
大1 | 2016 | 7 | 61.38 | 60.84 | 57.23 | 56.75 | 56.16 | 2(28.6%) | |
大2 | 2017 | 10 | 61.07 | 60.49 | 59.59 | 59.08 | 57.96 | 2(20.0%) | |
大3 | 2018 | 9 | 60.48 | 58.83 | 58.62 | 58.38 | 56.99 | 1(11.1%) | |
大4 | 2019 | 14 | 66.00 | 64.36 | 63.68 | 61.94 | 60.84 | 10(71.4%) | 3(21.4%) |
社1 | 2020 | 4 | 63.45 | 59.38 | 59.30 | 58.36 | 1(25.0%) | 1(25.0%) | |
社2 | 2021 | 8 | 62.06 | 61.49 | 59.11 | 57.19 | 57.18 | 2(25.0%) | 0 |
社3 | 2022 | 17 | 65.68 | 65.10 | 64.32 | 63.93 | 63.56 | 15(88.2%) | 8(47.1%) |
社4 | 2023 | 16 | 67.38 | 67.04 | 66.73 | 65.09 | 64.5 | 14(87.5%) | 10(62.5%) |
社5 | 2024 | 11 | 66.13 | 65.80 | 65.21 | 64.28 | 63.45 | 11(100.0%) | 5(45.5%) |
これらを見ていくとまさに世界の「メダリストの常連」や「一番良い色のメダル」に向かって、着実に進歩してきた様子がよくわかる。特に、「60m以上の回数(率)」や「63m以上の回数(率)」のデータは、22年から23年の2年間で北口の力が一段とアップしたことを示している。
下表は、北口のシーズン初戦の記録と各年の最終的なシーズンベストを調査し、初戦からどのくらい記録を伸ばしているのかをまとめたものである。
<北口榛花のシーズン初戦とその年の最高記録>
年月日 | 初戦 | > | 年最高 | 月日 | 記録の伸び(m) |
---|---|---|---|---|---|
2013.05.05 | 34.13 | > | 49.31 | 10.18 | 15.18 |
2014.04.29 | 53.08 | > | 53.15 | 10.21 | 0.07 |
2015.05.10 | 55.99 | > | 58.90 | 10.16 | 2.91 |
2016.04.29 | 56.75 | > | 61.38 | 5.08 | 4.63 |
2017.04.29 | 54.64 | > | 61.07 | 10.08 | 6.43 |
2018.04.29 | 58.62 | > | 60.48 | 9.08 | 1.86 |
2019.04.06 | 57.87 | > | 66.00 | 10.27 | 8.13 |
2020.08.23 | 59.38 | > | 63.45 | 9.19 | 4.07 |
2021.05.02 | 57.18 | > | 62.06 | 8.03 | 4.88 |
2022.04.23 | 59.63 | > | 65.68 | 10.08 | 6.05 |
2023.04.29 | 64.5 | > | 67.38 | 9.08 | 2.88 |
2024.04.27 | 62.97 | > | 66.13 | 9.14 | 3.16 |
2025.05.03 | 60.88 | > | ?? |
シーズン初戦から15m以上も記録を伸ばした1年目のデータは除外したが、2年目以降の初戦とシーズンベストとの差である「記録の伸び」は、最小で「7cm」、最大で「8m13」。
24年までの11年間の平均値は、「4m097」だ。
22年以前の北口の「シーズン初戦の最高記録」は、22年の59m63だったが、23年と24年は初戦から60mラインを大きくオーバーしワンランクあるいはツーランクの底上げができたことを示している。
◆日本の層の厚さは世界のトップ◆
ここまで「世界一の北口」の話がメインになったが、武本紗栄(オリコ/62m39=21年)、上田百寧(ゼンリン/61m75=21年)の投げにも注目。4月29日現在の東京世界選手権に向けたワールドランキング「Road To Tokyo」では、北口1位、上田13位、武本14位、20位に斉藤真理菜(スズキ)がランクイン。北口には前回優勝者のワイルドカードで出場権があるので、日本からはあと3人(計4人)がエントリーできる。
日本人の5番目以下の選手は世界選手権に出場することはできないが、1国3名以内でカウントした「ターゲットナンバー36名」の36位相当のポイントを上回っている日本人は12人もいる。他の国は、9人がオーストラリア、3人がチェコと中華台北、2人が南アフリカ・インド・中国・アメリカの4国。「層の厚さ」ということでは、日本が他国を圧倒している。
◆「6投目の北口」をデータで検証◆
24年のゴールデングランプリでは北口が6投目で逆転優勝したが、それ以前から「6投目の北口」は、よく話題になってきていた。古くは、高校3年生の15年日本ジュニアでの高校新&U18日本新(58m90)が6投目。
大学2年生の17年に日本インカレで初優勝した時も6投目での逆転優勝。
22年オレゴン世界選手権で銅メダルを獲得した時も、23年ブダペスト世界選手権で金メダルを獲得した時も、6投目での大逆転だった。22年は6投目の試技に入る前の順位は5位からの銅メダル、23年は4位の位置からの逆転金メダルだった。
また、23年7月16日の67m04、同9月8日の67m38の日本新の時も6投目だった。
ただ、直近の24年パリ五輪では、1投目の65m80がウィニングスローとなった。
高校時代からのすべてを調べる訳にはいかないので、ここでは世界大会でメダルを獲得した22年以降からの試技内容を調べた。
22年の17試合(うち予選が1試合)、23年の16試合(うち予選が1試合)、24年の11試合(うち予選が1試合)のシリーズで、何投目にその日のベストを出したのかを示した。結果は、以下のとおり。
・【 】内は、3投目までの最高記録を示す。
<2022年・23年・24年の北口の試技内容>
・2022年(17試合/うち予選1試合)
4月23日 | 1) 59m63 | 1投目 | 59m63-54m97-56m56【59m63】-×-53m76-× |
---|---|---|---|
5月1日 | 1) 61m20 | 1投目 | 61m20-59m55-58m22【61m20】-×-60m47-× |
5月8日 | 1) 63m93 | 1投目 | 63m93-59m51-60m82【63m93】-58m82-62m96-60m91 |
5月28日 | 1) 62m80 | ??? | 試技内容不明 |
6月11日 | 1) 62m25 | 3投目 | 59m13-57m07-62m25【62m25】-57m36-×-× |
6月14日 | 1) 61m97 | 1投目 | 61m97-59m53-58m15【61m97】-57m97-60m68-61m97 |
6月18日 | 1) 63m13 | 3投目 | 61m91-59m84-63m13【63m13】-×-57m76-61m33 |
7月8日 | 1) 60m42 | 6投目 | 58m02-59m25-×【59m25】-55m30-59m53-60m42 |
7月20日 | 予) 64m32 | 1投目 | 64m32=通過/全体1位【64m32】 |
7月22日 | 3) 63m27 | 6投目 | 62m07-×-55m78【62m07】-61m27-×-63m27 |
8月6日 | 1) 65m10 | 6投目 | 60m13-61m37-×【61m37】-61m76-58m68-65m10 |
8月10日 | 2) 62m37 | 4投目 | 54m28-59m97-58m44【59m97】-62m37-60m16-59m13 |
9月2日 | 2) 63m45 | 6投目 | 60m49-61m58-×【61m58】-×-63m13-63m45 |
9月8日 | 3) 63m56 | 6投目 | 57m03-60m51-63m35【63m35】-59m14-56m77-63m56 |
9月17日 | 1) 59m23 | 1投目 | 59m23-57m30-56m88【59m23】-×-57m92-× |
10月2日 | 1) 62m57 | 3投目 | 62m02-60m99-62m57【62m57】-59m55-59m16-× |
10月8日 | 1) 65m68 | 3投目 | 61m23-62m71-65m68【65m68】-62m00-×-62m10 |
ということは、試技内容が判明している決勝での15試合中9回は3投目までにベストをマークしているということで、世界大会での勝負を考えるといい内容だ。
世界大会の決勝進出と決勝でのトップ8入りが確実な「3投目までに63m以上」は予選を含めて16試合中の5回(31.3%)。決勝進出やトップ8入りの可能性がかなり高そうな「3投目までに62m以上」は8回(50.0%)だ。
・2023年(16試合/うち予選1試合)
4月29日 | 1) 64m50 | 5投目 | 59m01-×-63m45【63m45】-60m37-64m50-61m58 |
---|---|---|---|
5月6日 | 1) 64m43 | 2投目 | 63m72-64m43-61m25【64m43】-×-×-61m66 |
5月21日 | 4) 61m34 | 6投目 | 58m87-×-59m02【59m02】-×-×-61m34 |
6月2日 | 2) 59m92 | 1投目 | 59m92-58m25-×【59m92】-×-×-× |
6月9日 | 1) 65m09 | 3投目 | 58m25-60m87-65m09【65m09】-59m72-58m39-57m80 |
6月13日 | 2) 59m69 | 2投目 | 57m17-59m69-55m81【59m69】-×-57m69-58m92 |
6月27日 | 1) 63m72 | 2投目 | 60m27-63m72-×【63m72】-×-×-× |
6月30日 | 2) 63m34 | 1投目 | 63m34-×-60m60【63m34】-58m69-60m78-58m95 |
7月16日 | 1) 67m04 | 6投目 | 64m12-61m49-62m76【64m12】-×-65m82-67m04 |
7月20日 | 1) 62m52 | 6投目 | 59m78-57m40-57m90【59m78】-58m64-61m24-62m52 |
8月6日 | 1) 61m88 | 6投目 | 57m74-57m13-×【57m74】-56m54-58m82-61m88 |
8月23日 | 予) 63m27 | 2投目 | 59m04-63m27=通過/全体3位【63m27】 |
8月25日 | 1) 66m73 | 6投目 | 61m78-61m99-63m00【63m00】-62m36-62m68-66m73 |
9月3日 | 1) 60m06 | 3投目 | 55m32-59m93-60m06【60m06】-×-P-P |
9月8日 | 1) 67m38 | 6投目 | 59m56-65m20-62m89【65m20】-60m12-62m69-67m38 |
9月16日 | 1) 63m78 | 2投目 | 59m36-63m78-×【63m78】-58m50-59m06-62m76 |
「3投目までに63m以上」は、予選を含む16試合中10回(62.5%)で、22年の「31.3%」の倍になっている。
世界大会の決勝進出やトップ8入りの可能性がかなり高そうな「3投目までに62m以上」も「63m以上」と同じ10回(62.5%)だ。
・2024年(11試合/うち予選1試合)
4月27日 | 1) 62m97 | 6投目 | 55m97-56m43-58m93【58m93】-56m57-61m44-62m97 |
---|---|---|---|
5月5日 | 1) 61m83 | 6投目 | 60m98-60m53-60m15【60m98】-×-59m86-61m83 |
5月19日 | 1) 63m45 | 6投目 | 60m20-60m19-58m30【60m20】-×-62m02-63m45 |
5月28日 | 1) 60m47 | 3投目 | ×-57m63-60m47【60m47】-×-59m47-× |
6月22日 | 2) 64m28 | 6投目 | 57m64-×-64m08【64m08】-×-×-64m28 |
6月28日 | 1) 62m87 | 2投目 | 61m10-62m87-×【62m87】-×-×-59m87 |
7月12日 | 1) 65m21 | 6投目 | 64m63-60m96-×【64m63】-61m46-62m38-65m21 |
7月20日 | 4) 62m69 | 2投目 | 60m50-62m69-58m43【62m69】-×-62m07/5投目で打ち切り |
8月7日 | 予) 62m58 | 1投目 | 62m58=通過/全体7位【62m58】 |
8月10日 | 1) 65m80 | 1投目 | 65m80-62m39-×【65m80】-61m68-64m73-× |
9月14日 | 1) 66m13 | 6投目 | 61m28-65m08-61m72【65m08】-59m88-×-66m13 |
世界大会の決勝進出と決勝でのトップ8入りが確実な「3投目までに63m以上」は予選を含めて11試合中の4回(36.4%)。
決勝進出やトップ8入りの可能性がかなり高そうな「3投目までに62m以上」は7回(63.6%)。
4~5月は3投目までにエンジンがかからないことが多かったが、6月以降の予選を含む7試合はすべて3投目までに62m以上を投げている。
23年7月16日から続いていた決勝での連勝記録は、24年6月22日にトップと43cm差で敗れたことによって24年5月28日までの「11連勝」でストップした。その後の日本選手権、7月12日のモナコで連勝。パリ五輪前の最終戦となった7月20日のロンドンでは1年2カ月ぶりの4位だったが、3週間後のパリ五輪では2位に1m87の差をつけて快勝した。
2022~24年に北口が決勝でその日のベスト記録を投げた試技の回数別の内訳をまとめると以下のとおりで、「6投目」がトータル4割になる。
<北口がその日の最高記録を出した試技回数別の内訳(決勝に限る)>
回数 | 2022年=15試合 | 2023年=15試合 | 2024年=10試合 | 22~24年の合計=40試合 |
---|---|---|---|---|
1投目 | 5回(33.3%) | 2回(13.3%) | 1回(10.0%) | 8回(20.0%) |
2投目 | 0 | 4回(26.7%) | 2回(20.0%) | 6回(15.0%) |
3投目 | 4回(26.7%) | 2回(13.3%) | 1回(10.0%) | 7回(17.5%) |
4投目 | 1回(6.7%) | 0 | 0 | 1回(2.5%) |
5投目 | 0 | 2回(13.3%) | 0 | 2回(5.0%) |
6投目 | 5回(33.3%) | 5回(33.3%) | 6回(60.0%) | 16回(40.0%) |
「6投目の北口」ではあるが、どの試合でも結果を残すには、3投目までに世界大会の予選を通過したり、決勝でトップ8に残れる記録を残す必要がある。
15年以降の至近8回の世界大会で予選を通過するためのレベルが最も高かったのは「62m29=17年」。8位入賞がもっともハイレベルだったのは「62m92=16年」だ。
22年以降の試合で北口が3投目までに投げた「60m00以上の1m00毎」と「予選通過最高ラインの62m29以上」「8位入賞最高ラインの62m92以上」を投げた割合を調べてみた。
<北口の3投目までの「60m00以上の1m00毎」と「62m29以上」と「62m92以上」の割合>
2022年 | 2023年 | 2024年 | 22~24年合計 | |
---|---|---|---|---|
60m00以上 | 12/16(75.0%) | 11/16(68.8%) | 10/11(90.9%) | 33/43(76.7%) |
61m00以上 | 12/16(75.0%) | 10/16(62.5%) | 7/11(63.6%) | 29/43(67.4%) |
62m00以上 | 8/16(50.0%) | 10/16(62.5%) | 7/11(63.6%) | 25/43(58.1%) |
62m29以上 | 6/16(37.5%) | 10/16(62.5%) | 7/11(63.6%) | 23/43(53.5%) |
62m92以上 | 5/16(31.3%) | 10/16(62.5%) | 4/11(36.4%) | 19/43(44.2%) |
63m00以上 | 4/16(25.0%) | 9/16(56.3%) | 4/11(36.4%) | 17/43(39.5%) |
64m00以上 | 2/16(12.5%) | 4/16(25.0%) | 4/11(36.4%) | 10/43(23.3%) |
65m00以上 | 1/16( 6.3%) | 2/16(12.5%) | 2/11(18.2%) | 5/43(11.6%) |
現在の日本の陸上選手では、名前と顔が最も多くの人に知られている選手であろう。
海外からのメダリスト4人を相手に4カ月後の世界選手権と同じ国立競技場の舞台で世界王者はどんなアーチを描くのか……。
野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
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【ワールドアスレティックスコンチネンタルツアー】
ワールドアスレティックス(WA、世界陸連)が主催するダイヤモンドリーグ(2025年は15大会指定)以外の世界最高となるOne-Day 競技会のシリーズです。コンチネンタルツアーは世界各地で開催され、ゴールド、シルバー、ブロンズ、チャレンジャーの4つのレベルに分けられ、これらのレベルは、競技会の質と提供される賞金によって決まります。本大会が位置付けられているWAコンチネンタルツアーゴールドは、2025年は世界で13大会のみ指定され、WAのワールドランキングのカテゴリー(格付け)で日本選手権(Bカテゴリー)より上位の「Aカテゴリー」に位置付けられており、東京2025世界陸上競技選手権大会への出場資格獲得を目指す海外、国内のトップアスリートにとって、ワールドランキングを向上させるために、重要な競技会です。

【アーカイブ】セイコーGGP2024
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▼【セイコーGGP2024 大会レポート】
大歓声の中アスリートが躍動:北口最終試技で逆転V/豊田は歴代5位の自己記録で快勝!
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