
7月6日(土)より、第1戦 北見大会(北海道・北見市東陵公園陸上競技場)が開幕する「ホクレン・ディスタンスチャレンジ2024」。
2003年からスタートした本大会には日本代表レベルから学生など、多くの選手が参加してきました。
21年間も同じ場所・同じ時季で開催している背景には大会を支えているひとは勿論、参加する選手にもきっと特別な想いがあると思います。
そこで、今大会は「わたしと振り返るホクレン・ディスタンスチャレンジ」と題した企画を実施。ホクレンDCを選手の目線から読み解くことで、皆さんにも大会の魅力や特徴をお伝えいたします。
第2回は田中希実選手(New Balance)です。
田中選手はこれまで5年連続ホクレンDCに出場し、各地を連戦されています。
開催年 | 大会 | 種目 |
---|---|---|
2023 | 士別大会 | 1500mA |
2022 | 深川大会 | 3000m |
2022 | 士別大会 | 1500m |
2022 | 20周年 | 1000m |
2021 | 千歳大会 | 1500m |
2021 | 北見大会 | 5000mA |
2021 | 網走大会 | 3000m |
2020 | 千歳大会 | 3000mA |
2020 | 網走大会 | 5000mA |
2020 | 深川大会 | 3000m |
2020 | 士別大会 | 1500m |
2019 | 北見大会 | 3000m |
2019 | 千歳大会 | 3000mA |
――なぜホクレン・ディスタンスチャレンジ(以下、ホクレンDC)に参加しようと思いましたか?
冷涼な気候の中、レベルの高い選手が記録を狙って参加する大会であるため、自分の限界にチャレンジするには最適な環境が整った大会だと思ったからです。
――ホクレンDCだからこそ味わえる大会の特徴や魅力をお聞かせください。
国外にはダイヤモンドリーグのように、転戦スタイルをとるシリーズ大会が存在しますが、国内では珍しいです。
まるでコンサートのワールドツアーのように、選手を追いかけて見守り続けるファン、反対に、地域の人々がその大会や選手を出迎えられる喜びや、地域の特色が大会を通して表現され、その雰囲気を皆で楽しむなど、シリーズ大会はアスリートと社会との繋がりを密接にするパワーを持っているように感じます。また、昨年はフィンランドのシリーズ大会モトネットグランプリに私自身は初めて参加してみたのですが、ホクレンDCの雰囲気や形態と似通っているように感じ、日本にもグローバルに通用しそうな大会シリーズを持てていたことをとても嬉しく思いました。尚、世界や国の規模でなく、北海道という一つの県の中で行われることで、選手は合宿と転戦の複合スタイルを取れるということが最大の特色だと思います。
転戦を通して鍛錬期間としたり、私のように転戦を重ねながら調子を上げたり、シリーズ大会の中でも一戦に狙いを定めてタイムを狙いに行ったりと、大会を通して様々な取り組みができますし、北海道という土地の魅力を、陸上を通して数週間に渡り存分に享受・発信できる稀有な大会です。

(ホクレンDC2023では1500mで優勝。写真提供:EKIDEN NEWS)
――今までのホクレンDCを振り返ってみて最も印象に残っている大会とその理由。
コロナ禍だった2020年、様々な大会が中止・延期となる中、予定通り開催された初めての大会がホクレンDCでした。春から何のために頑張るかを見失いながらきつい練習に耐えてきた私にとっては、2020年のホクレンDCはオアシスのような存在でした。ホクレン開催の報を聞いてからは練習への目的意識が復活し、そしてその練習の成果を存分に試すことができる喜びが爆発したのが、3000mの日本記録を作った深川大会だったのだと思います。
当時私は一つの日本記録も持っておらず、日本のトップ、そして世界を目指す中では、何の種目でも良いから日本記録は通過点として一度は樹立したいと考えていました。深川大会で無事日本記録を出せたことは、その後世界で戦う上での礎になっています。
また、深川大会の一戦前の士別大会において、当時の日本記録に後1秒まで迫った経験も、今考えると非常に重要な意義があったのではと思います。その経験こそ、その後の1500mでの日本記録の更新や、オリンピックでの入賞への本当の意味での第一歩だったと考えています。

(ホクレンDC20周年記念大会で日本記録を更新したときの様子。写真提供:アフロスポーツ)
(ホクレンDC2022深川大会では3000mで優勝し、副賞の牛一頭を受け取った)
――連戦中の過ごし方や楽しみをお聞かせください。
大会の合間は、網走合宿や、旭川合宿を行います。旭川では、旭川美術館で私の好きなミッフィーの展示会をしていたことがあり、見に行ったのが息抜きになりました。ホクレンも行われる網走では、道の駅や流氷ガラスのお店に行くのも好きですが、私的には朔峰の店という民藝品店で色んな木彫りを見たり触れたり買ったりするのが一番の楽しみです。(ワタラポンクルというそのお店オリジナルの小人がお気に入りです)北海道ならではのシメパフェも大好きです。

――観戦予定の地元の方々やファンの皆さまにメッセージをどうぞ。
地域密着型のホクレンこそ、応援してくれる方々のパワーが光る大会です。そのパワーをエネルギーに変えて、陸上競技や北海道の魅力を皆さんと存分に味わえること、選手たちは今年も楽しみにしています!
【ホクレンDC】わたしと振り返るホクレン・ディスタンスチャレンジ➀
第1回目 新谷仁美選手(積水化学)の記事はこちら
>>https://www.jaaf.or.jp/news/article/20166/
【ホクレンDC2024 特設サイト】
>>https://www.jaaf.or.jp/distance/
【大会概要】
主催:日本陸上競技連盟共催:日本実業団陸上競技連合、北見市、網走市、士別市、深川市、千歳市
後援:北海道新聞社、北海道文化放送、読売新聞社
主管:オホーツク陸上競技協会、空知陸上競技協会、道央陸上競技協会、道北陸上競技協会
特別協賛:ホクレン農業協同組合連合会
協賛:プーマジャパン株式会社
運営協力:ディスタンスチャレンジ実行委員会
【ホクレンDC2024大会情報】
https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1863/関連選手
関連ニュース
-
2024.09.09(月)
ホクレン・ディスタンスチャレンジ2024 大会報告②
大会 -
2024.09.09(月)
ホクレン・ディスタンスチャレンジ2024 大会報告➀
大会 -
2024.09.06(金)
【ボランティアレポート】ホクレンDCホクレンマネージャー(ボランティア )の木村さん・小森谷さん・宮川さんのコメント
大会 -
2024.08.29(木)
【ホクレンDC2024】THE Best of Hokuren受賞作品が決定!
その他 -
2024.07.23(火)
【ホクレンDC2024】最終戦・千歳大会のハイライト/青木涼真(Honda)と山本有真(積水化学)は日本選手権から続くリズムを再確認、この流れでパリ五輪へ直進!
大会