2023.10.10(火)大会

【日本GPシリーズ ヨギボーチャレンジ】レポート&コメント:男子400mハードル 豊田兼が48秒47でパリ五輪参加標準記録突破!100mは多田修平が優勝でGP3連覇!

日本グランプリシリーズグレード1「Yogibo Athletics Challenge Cup 2023」が9月30日~10月1日、WA(ワールドアスレティックス)コンチネンタルツアーブロンズ大会を兼ねて、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムにおいて開催されました。
中国・杭州で行われているアジア大会の会期中で、さらに10月1日にはラトビア・リガで第1回WAロードランニング選手権が行われ、日本代表選手として多くの選手が海外に出ているタイミングでの開催でしたが、これらの競技会に出場していない有力選手が、記録を狙って新潟に集結。白熱した勝負の末の好記録が誕生や注目選手の復活など、見どころ満載の2日間となりました。


豊田、男子400mハードルで48秒47!

圧巻のレースでパリオリンピック参加標準記録を突破



全部で18にわたるグランプリ種目が行われたこの大会ですが、400mハードルでは、男女ともに素晴らしいが誕生しました。
3組タイムレース決勝で行われた男子では、2組目に入った豊田兼選手(慶應大学)が、パリオリンピックの参加標準記録(48秒70)を大きくクリアする48秒47でフィニッシュ。その時点での今季アジア最高記録でもあった黒川和樹選手(法政大学)がブダペスト世界選手権の準決勝でマークした48秒58を上回って、今季日本リストのトップに躍り出たのです。この記録は、日本歴代6位、学生歴代4位となるもの。日本選手が48秒5を切ったのは、2012年に岸本鷹幸選手(当時法政大、現富士通)がマークした48秒41以来となる好記録です。
豊田選手は2002年生まれ。東京・桐朋高校時代から110mハードルと400mハードルの2種目に取り組み、そのポテンシャルの高さは関係者の注目を集めていました。しかし、その存在感をぐっと強めてきたのは慶應大進学後。2年時の昨年、110mハードルで学生歴代3位の13秒44をマーク。また、400m45秒92の走力を生かして400mハードルでも49秒76まで自己記録を更新し、トップランカーとして知られるようになりました。その勢いは、今季に入ってさらに加速します。110mハードルで、初の日本代表入りを果たした8月初旬のワールドユニバーシティゲームズ(中国・成都)で金メダル獲得を果たしたのです。この種目での世界大会優勝は、オリンピック、世界選手権はもちろん年代別カテゴリーの大会も含めて日本初の快挙。予選では、13秒29(+1.1)をマークして自己記録も更新し、記録でも日本歴代6位に浮上しました。400mハードルでは、2週間前に行われた日本インカレの決勝で、今年の日本選手権チャンピオンの小川大輝選手(東洋大)と大接戦を繰り広げ、同タイムの48秒91で同着優勝。自身の初の48秒台をマークしていました。
「秋シーズンに向けては、ヨギボーチャレンジに合わせて練習してきた」と言う豊田選手は、好感触を経た日本インカレを踏まえて、さらにブラッシュアップさせるレースを展開。前半を、「ここまでのスピード感で、楽に行けたことは、今までにない」と理想的な走りで入ると、195cmの長身とスプリントを生かして、13歩で押していく第8ハードルまでのインターバルを「イメージ通り」に刻んでコーナーを抜けていきました。9・10台目を「思いのほかスピードに乗っていて詰まってしまった」状態でクリアすると、最後は、想定していた48秒6台のタイムが出せるかどうか「ぎりぎりかなと思ったので、最後は気合いを入れて転ぶまで(笑)」身体を突き出してフィニッシュ。勢い余って倒れ込んだあと、すぐに上体を起こしてタイマーを確認すると、再び仰向けに倒れながら両手でガッツポーズ。今季最後の“ヨンパー”レースを、最高の形で締めました(豊田選手のコメントは、別記ご参照ください)。
男子400mハードルでは、3組目を走った筒江海斗選手(スポーツテクノ和広)も今季日本リスト3位タイとなる48秒77をマークしました。今季は木南記念でグランプリ初優勝を果たすと、セイコーゴールデングランプリで49秒35まで自己記録を更新し、アジア選手権代表にも選出される躍進を見せていた選手です。これにより、男子400mハードルは、パリオリンピック参加標準記録突破者2名に、0.07秒まで迫った競技者が2名。そして、今季日本リスト5位までが48秒台となる活況となりました。来年のオリンピック代表争いは、熾烈なものになりそうです。


女子400mハードル瀧野は56秒90の高校新!高校生初の56秒台をマーク



3組タイムレース決勝で行われた女子400mハードルでは、第3組に入った瀧野未来選手(京都橘高校)がU20日本歴代2位の56秒90をマークしました。この記録は、従来の記録(57秒09、石塚晴子、2015年)を8年ぶりに更新する高校新記録。瀧野選手は、高校生で初めて56秒台に突入したアスリートとなりました。
今年は北海道インターハイで2連覇を達成している瀧野選手が、その連覇とともに今季の目標として掲げていたのが高校新記録の樹立でした。400mハードルと4×100mリレー、4×400mリレーで3冠を達成したインターハイでは、高校歴代3位となる57秒45まで迫ったものの更新はならず。「これが最後のチャンス。今日こそは絶対に出すぞと思っていた」と、強い思いでレースに挑んでいました。
400mハードルのレースはインターハイ以来。この大会では、それまで3台目までだった15歩のインターバルを、初めて4台目まで行くことに挑戦しました。「そこまではよかったのですが…」と瀧野選手。計画では5・6台目を16歩で走り、7台目以降は17歩に切り替える予定でしたが、「なぜか、その次も16歩で行ってしまった」ことで、「利き足に戻すために、頑張ってもう1台16歩で行くことにした」というのです。結果として、4台目までを15歩で入ったのちに、5・6台目を16歩で行く予定が、5台目から8台目までの4区間を16歩で走ることに。「想定外だったけれど、良かった想定外」と振り返りました。記者からの「そこを16歩で行ってしまえるのがすごい」という声に、「行けちゃったのは、自分でもびっくり」と笑いながら応えた瀧野選手ですが、さすがにラストはきつかったそう。「でも、なんとしても、高校新を出したかったので、それだけで頑張れた」とコメント。その言葉は、苦しそうな表情で最終ハードルを越えながらも、最後まで力を振り絞り、身体を投げ出すようにしてフィニッシュラインに飛び込んだ姿を裏付けるものでした。
国体では300mハードルでのレースとなるため、高校での400mハードルのレースはこれが最後。高校卒業後も、競技は続けていく予定です。将来の目標を問われると、京都橘高校の出身で3学年上の先輩にあたる山本亜美選手(立命館大、ブダペスト世界選手権代表)の名前を挙げ、「先輩は高いタイムを持って、日本のトップで戦っている。私もまずしっかり走力をつけて、そこで戦っていけるようになりたい」ときっぱり。「将来は、日の丸を背負って戦っていけるような選手になりたい」と力強い言葉を聞かせてくれました。


男子ショートスプリント 100mは多田、200mは飯塚が快勝!



男子100mは、混戦を抜けだした多田修平選手(住友電工)が10秒24(+0.1)で優勝しました。多田選手は、今年は春先に調子が上がらず苦しい滑りだし。国際大会の選考競技会となる日本選手権出場を見送って、トレーニングを積み上げ直す期間を設けました。6月の布勢スプリントから再び競技シーンに戻ると、7月末のアスリートナイトゲームズin福井で10秒10(+0.8)のシーズンベストで優勝、その翌週に行われた富士北麓ワールドトライアルも制する(10秒20、-1.0)など復調に兆しを見せていました。
秋シーズン初戦となった全日本実業団では、予選で不正スタート(フライング)による失格というまさかの失敗もあったものの、その時点でも「調子は上がってきているので心配ない」と明るい表情を見せていた多田選手。この大会では、3組で行われた予選を全体トップタイムとなる10秒27(+0.7)で通過して決勝へ。日本グランプリシリーズ3連勝を果たしました。
多田選手は、レース後、「標準記録(パリオリンピック参加標準記録10秒00)で狙っていたので、タイムがあまり良くなくて残念。ただ、予選であまり良くなかったスタートの部分を、決勝で修正できたことは良かったと思う」と振り返りました。また、「まだスタートでハマった感覚がない状況だが、後半は走れるようになってきている」と手応えを話し、「次の国体に向けて、しっかりと調子を上げていきたい」とコメント。今季最終戦となる2週間後の国体に目を向けていました。
男子200mには、ブダペスト世界選手権200mの予選でサードベストの20秒27(±0)をマークして準決勝進出を果たし、全日本実業団の男子100m予選では、追い風参考(+3.2)ながら自己ベストに並ぶ10秒08を出し、好調の維持を印象づけていた飯塚翔太選手(ミズノ)が出場しました。パリオリンピック参加標準記録(20秒16)の突破も期待されてのレースでしたが、予選は20秒61(-0.1)、決勝も20秒42(±0)でこの目標の達成はならず。しかし、決勝でタイムを落とす選手が多かったなか、きっちりと状態を上げて、2位以下に0.32秒の差をつけての勝利は、ベテランらしい調整力の高さを印象づけました。


男子400mの中島、44秒台突入ならずも45秒12の好タイムで圧勝



男子400mには、日本選手権チャンピオンで、ブダペスト世界選手権にも出場した中島佑気ジョセフ選手(東洋大)が出場。春先から目標に掲げていた44秒台突入を狙って、レースに挑みました。これが実現すれば、パリオリンピック参加標準記録(45秒00)も突破することになります。3組タイムレース決勝で行われたこの種目で、3組目に入った中島選手は、序盤から果敢に飛ばし、後続に大きな差をつけてフィニッシュしましたが、タイムは45秒12で、残念ながら目標達成はなりませんでした。
今季は春先から快進撃を続けてきた中島選手は、日本選手権でも初優勝を果たしましたが、7月のアジア選手権から佐藤拳太郎選手(富士通)と佐藤風雅選手(ミズノ)が急伸長。ブダペスト世界選手権では、佐藤拳太郎選手が日本新記録の44秒77、佐藤風雅選手は歴代2位の44秒88をマークしました。世界選手権では中島選手も準決勝で日本歴代5位となる45秒04まで自己記録を更新したものの、「先に行かれてしまった」悔しさやもどかしさのほうが大きかったと言います。
 高いレベルのパフォーマンスが続いたシーズン終盤の戦いということで、レース後は動くことができず、長くトラックに倒れ伏す場面も。「エネルギー的にはきつかった」と明かしましたが、「思い描くレースはできたと思う。出しきったので悔いはない」と話しました。
目指すタイムには届かなかったものの、45秒12は、中島選手にとって45秒04に次ぐ自己2位に並ぶ水準の記録。今季は、出場したレースの大半で、昨年までの自己記録(45秒51)を上回るタイムをマーク。45秒04を筆頭に、45秒1台を6回、45秒2台は2回と、高いレベルで安定した記録を残し続けました。海外転戦に臨んだりダイヤモンドリーグに初参戦したりと、実力だけでなく経験も磨かれた1年ということができ、それは、自身も「客観的にみて、すごく成長できたと思う」と認めています。
 この冬は、再びアメリカへ渡って、1992年バルセロナオリンピック400m金メダリストのクインシー・ワッツ氏のもとでトレーニングに取り組む予定。「あくまで目指すのは世界。まだ21歳だし、トライ&エラーを繰り返して、世界で戦っていけるようにしていきたい」と、さらなる飛躍を誓っていました。


男子走高跳では、日本記録保持者の戸邉が復活ジャンプ!



男子走高跳では、嬉しい復活劇がありました。男子日本記録保持者(2m35)の戸邉直人選手(JAL)が、昨年5月のセイコーゴールデングランプリ以来となる競技会復帰を果たしたのです。長年、国際レベルで活躍し、2021年に行われた東京オリンピックでは日本人として49年ぶりとなる決勝進出も果たしていましたが、昨年6月の日本選手権でのウォーミングアップ中に、踏切脚である左足のアキレス腱を断裂。手術、リハビリを経ての復活でした。この日は、最初の高さとして設定された2m10から競技をスタートさせ、この高さを2回目に成功させると、続く2m15も2回目にクリア。2m20は3回とも越えることができず、2m15・5位で競技を終えました。
競技会から遠ざかっていた間に、日本陸連アスリート委員会の委員長に選任されたほか、今年6月からは、2025年に開催される東京世界選手権の運営組織となる一般財団法人東京2025世界陸上財団の理事にも就任。ヨギボーチャレンジの直前は、アジアオリンピック評議会のアスリート委員会選挙のためにアジア大会開催中の中国・杭州に滞在、競技会出場のためいったん帰国して、またとんぼ返りするという、慌ただしいスケジュール下での出場でした。競技が開始した直後は、「記録は残したい(記録なしには終わりたくない)という思いで、ただただ緊張していた」そうですが、「お帰りなさい」という報道陣からの声かけに、「ただいまです」と答えてスタートした競技後のインタビューでは、「ここに戻ってこられて、ケガなく無事に競技を終えられたので大満足」と、晴れやかな笑顔を見せました。
男子走高跳では、2016年リオ、2021年の開催となった東京オリンピックで2大会連続出場を果たすなど活躍し、2021年シーズン限りで第一線を退いていた衛藤昂選手(ULTIMATE)もエントリー。2m20を跳んで2位となりました。引退後は、一般社団法人「Jump Festival」を立ち上げ、跳躍種目の活性化を目指す取り組みなども行ってきた衛藤選手ですが、この春からは、三重県内のクラブチーム「ULTIMATE」の所属で、さまざまな競技会に出場。7月の三重県選手権で2m26を跳ぶと、続いて出場した田島記念でも2m26をマークして2位の成績を残していました。衛藤選手曰く、「WBC(ワールドベースボールクラシック)の活躍を見たり、世界陸上やバスケットボール、ラグビーなど日本代表を試合をテレビで見たりしているうちに、“やっぱりジャパン、かっこいいな”と思うようになり、“もう1回、ジャパン(のユニフォーム)を着て跳べる日が来たら、すごいな”という気持ちが強くなった」とのことで、「そのためには、今の日本のレベルだと、少なくとも2m20台後半のレベルを安定して跳ぶ必要がある」という思いがモチベーションとなって、再び本格的に取り組もうという気持ちが強まってきたといいます。所属等も含めて、今季のオフシーズンに環境も整えていく予定。オレゴン世界選手権、ブダペスト世界選手権で8位入賞を果たしている真野友博選手(九電工)、赤松諒一選手(アワーズ)が躍進を見せているなか、戸邉選手、衛藤選手が戦線復帰を果たすことで、来季の走高跳界は、大いに盛り上がりそうです。
なお、この走高跳を制したのは、アジア室内で4位に入賞している瀬古優斗選手(滋賀陸協)。2m24を1回でクリアして優勝を決めると、2m27の自己記録を更新する2m28に挑戦。惜しくもこれをクリアすることはなりませんでしたが、若手の意地を見せました。


女子800mは高校生の西田が高校歴代4位で制す

男子5000mは吉居が13秒22秒01でV



このほか、中長距離種目でも、好記録が誕生しました。1日目に行われた女子800mでは、高校生の西田有里選手(草津高校)が、日本選手権覇者の池崎愛里選手(ダイソー)に競り勝ってグランプリ初優勝。優勝記録の2分04秒15は、高校歴代4位となる好記録。2週間後に迫った鹿児島国体では、高校記録(2分02秒57、塩見綾乃、2017年)への挑戦を目標に掲げました。また、アモス・ベット選手(東京国際大)による絶妙なペースメークが光った男子5000mは、吉居駿恭選手(中央大)が、日本人の学生歴代6位となる13分22秒01で制しています。また、女子5000mは、今季安定した結果を残している樺沢和佳奈選手(三井住友海上)が15分36秒47で優勝。男子800mは北村魁士選手(山梨学院大)が1分47秒75、男子1500mは野口雄大選手(トーエネック)が3分42秒95でV。ミリアム・チェロップ選手(新日本住設グループ)が4分07秒62で制した女子1500mでは、木村友香選手(積水化学)がセカンドベストの4分11秒29で日本人トップの2位でフィニッシュしました。なお、この種目では、今季、2月のアジア室内(1500m4位)以降、故障の影響でレースから遠ざかっていた卜部蘭選手(積水化学)が、こちらも嬉しい戦線復帰。4分23秒33・5位の成績を残しています。
フィールド種目では、男子走幅跳は日本インカレチャンピオンの鳥海勇斗選手(日本大学)が7m97(+1.1)で優勝。女子走幅跳は、アジア選手権代表の髙良彩花選手(JAL)が1回目に6m35(+1.1)をマークして制しました。また、男子やり投は、鈴木凜選手(九州共立大学)が77m49で、女子やり投は佐藤友佳選手(ニコニコのり)が60m37で、それぞれ優勝しています。
女子円盤投は、昨年は日本グランプリシリーズとしてはチャレンジ種目ながら、コンチネンタルツアーブロンズ種目の扱いで実施されましたが、今年はグランプリ種目としての実施に。昨年に続く来日となったジェイド・ラリー選手(イギリス)が58m53で優勝し、郡菜々佳選手(新潟アルビレックスRC)が最終投てきで55m20をマークして日本人トップの2位を占めました。


やり投・北口、競技は欠場ながらファンと交流



ヨギボーチャレンジには、当初、女子やり投の北口榛花選手(JAL)が早い段階からエントリーを希望。ブダペスト世界選手権金メダル獲得後は、この大会を日本での凱旋試合にすることを計画していました。しかし、その後、ダイヤモンドリーグの転戦、さらにはダイヤモンドリーグファイナルの優勝と、高いレベルでの競技会が続いたことで、「エネルギー切れ」という状況に。故障のリスクもあることから、「試合には出たかったけれど…」と、北口選手本人も惜しみつつ欠場することになりました。
それでも、「深夜になってしまう海外の試合を応援してくださっていた方々に、感謝の気持ちを伝えい」という北口選手の思いもあって、大会にあわせて開催された親子参加型体験イベント「スポーツ体験キャラバン」での交流や、ファンとの写真撮影会が実現。北口選手は、2日間にわたって会場へ足を運び、ファンとの交流の時間を持ったほか、メディアに向けた記者会見や優勝記念セレモニーに出席しました。さらには、チェコでのチームメイトであるペトラ・シチャコバ選手(チェコ)が女子やり投に出場したため、師であるディヴィッド・シェケラックコーチに代わってのコーチングも務めることに。女子やり投競技中は、スタンドで試技を見守り、終了後はミックスゾーンに降りてきて、セカンドベストで2位の成績を収めたシチャコバ選手(チェコ)の通訳を務めてメディアからの取材にチェコ語で対応するなど、忙しい2日間を過ごしました。
「すごく幸せな時間を過ごさせてもらった」と、ファンとの交流を振り返って笑顔を見せた北口選手。今後は、10月いっぱいまでオフをとってリフレッシュを図り、11月からオリンピックイヤーとなる来季に向けたトレーニングを再開する予定です。


【パリオリンピック参加標準記録突破者コメント】

男子400mハードル
豊田 兼(慶應大学)
優勝 48秒47 =パリオリンピック参加標準記録突破



今年は(パリオリンピック参加標準記録の)48秒70を目標にしていて、それを大きく上回ったので自分でも驚いている。日本インカレで(自身初の48秒台となる48秒91の)タイムは出ていたものの、この秋シーズンに向けての練習計画自体はヨギボーチャレンジに合わせて組んでいた。それだけに、本当に目標達成という気持ち。前半シーズンは、けっこうコンディションを崩すことが多かったので、ユニバ(ワールドユニバーシティゲームズ:110mハードルで出場して金メダルを獲得)が終わってからは試合の数を絞って、練習にしっかり取り組んだ。そのうえでコンディションを整えて、この試合を迎えられたことが大きかったように思う。
今日のレースは、日本インカレの前半と同じくらいのスピードで、そこをもう少し楽に入って、後半しっかり走ることを意識して臨んでいて、本当にイメージ通りに行くことができた。(前半の)バックストレートは、スピードは出ていたかもしれないが、力感ということではあまり(スピードを)出している感じはしなくて、楽にスピードを出していけた。今まで、ここまでのスピード感で、楽に行けたことはない。
後半の9台目、10台目のところは詰まってしまった。ここは日本インカレの準決勝でも詰まっていて、今日はそれを考慮して刻んでいくことを心掛けていたのだが、思いのほかスピードに乗っていたことで、それでも詰まってしまったという状態。まだまだ改善できる点はあると感じている。
タイムとしては(参加標準記録を突破する)、48秒6台くらいの記録を狙っていたので、(レース中の感触としては)本当にぎりぎりのところだと思っていた。それもあって、最後は気合いを入れて転ぶまで(笑)トルソーを突き出してフィニッシュしたほど。48秒47というタイムには、本当に驚いている。
今年の目標だった標準突破を達成したことで、これでパリオリンピックに少し近づいたかなと思う一方で、そのためには来年の日本選手権で3番以内に入ることが必要となる。この結果に甘んじることなく、順位を狙っていきたい。
今シーズンは、400mハードルに関しては、このレースが最後。来季も110mハードルと400mハードルの2種目をやっていくのか、どちらかに絞るかは、冬期練習を経て決めていこうと考えている。トッパーにしろ、ヨンパーにしろ、根本的にはスプリントが大事。足の速い人が、ハードルがあっても速いので、冬期練習でもまずは走力を上げることを第一に考え、あとは筋力トレーニングをしっかり積んでいきたい。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:アフロスポーツ


【ヨギボーチャレンジ】ライブ配信アーカイブ

大会1日目:2023年9月30日(土)


大会2日目:2023年10月1日(日)




【日本グランプリシリーズ】特設サイト


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