2022.05.08(日)大会

日本選手権10000mの競技中における競技者とテレビ局撮影要員の接触事案について

2022年5月7日に東京・国立競技場で開催した第106回日本陸上競技選手権大会・10000mの男子10000m2組において、レース中に競技者とテレビ局の撮影要員が接触する事案がありましたので、ご報告します。

レース終盤、上位の競技者がフィニッシュした後、まだ多くの競技者が競技を行っている状況で、大会のテレビ中継を担うNHKの撮影要員2名(1名はカメラ、もう1名はアンテナを所持)が第1曲走路でトラックの内側から外側に出ようとしました。その際に、カメラとアンテナをつなぐケーブルが、9600mを過ぎた地点を走行していた三田眞司選手(サンベルクス)の首にかかる形で接触しました。三田選手は数秒その場で停止し、体をひねるなどの状態となりましたが、そのままレースを継続し、フィニッシュしました。
さらにこの直後、撮影要員2名がトラックの内側に戻ろうとした際、川瀬翔矢選手(Honda)、相葉直紀選手(中電工)、川田裕也選手(SUBARU)、細森大輔選手(YKK)の4選手が接触しそうになり、減速したり、よけるために進路を変更したりする影響が生じました。この4選手もレースを継続しました。

競技後、三田選手の所属先であるサンベルクスのご関係者に、本連盟とNHKから状況をご説明し、お詫びを申し上げました。
サンベルクスのご関係者によると、三田選手は当日夜に東京都内の病院で受けた診察とレントゲン検査では異状が見られなかったとのことです。しかし5月8日は静養し、9日以降に改めて詳しい検査を受けられる見込みです。
三田選手とサンベルクスの皆様には、今後も状況を伺った上で、改めて本連盟とNHKからお詫びに伺い、また必要な対応をさせていただきたいと考えています。

後続の4選手については、8日に各所属先の監督にご連絡し、状況をご説明した上でお詫びを申し上げました。いずれも体調等に影響はなかったと伺っています。

大会主催者である本連盟としましては、このような事態はあってはならないことと考えております。今回の事案で撮影要員との接触があった三田選手、接触しそうになった4名の選手の皆様、ならびに選手の所属先やご家族などご関係の皆様には、心から謝罪申し上げます。

今大会の開催にあたり、本連盟とNHKの間で撮影に伴う安全管理についての申合せは行っていたものの、十分でなかったことも今回の事案の一因になったと反省しております。
このような事案が二度と起こらないよう、本連盟ではNHKの調査報告も踏まえて今回の事案の経緯や原因をしっかりと確認した上で、再発防止策を改めて検討し、実施していきます。

今後の再発防止に向けては、まず、これまでも各大会で行ってきたテレビ中継局や報道各社(テレビ以外も含む)への注意喚起をより入念に行い、各社にも徹底してご協力いただくようお願いしてまいります。
さらに、競技者や競技進行に影響や危険が及ぶことなく、競技者が安心して競技に専念し最大限のパフォーマンスを発揮できることを最優先に考え、取材に関する新たなルール作りも検討します。
そして、本連盟主催の大会だけでなく、全国各地で開催される陸上競技の大会でも同様の事案が起こらないよう、取材に関する注意事項やルールを広く周知し、実施していただくようよう努めます。

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