第106回日本選手権10000mは、5月7日に無事、大会が実施されました。日本陸連は、大会終了後、強化委員会の山崎一彦強化委員長および高岡寿成シニアディレクターによる総括会見を行いました。
会見の要旨は下記の通りです。
山崎一彦強化委員長
今回の日本選手権で、2名の内定者が出た。この点は、選考要項通りなので、すでに皆さんもご周知のことと思う。女子10000mでは、1位の廣中璃梨佳さん(JP日本郵政G)、3位の五島莉乃さん(資生堂)が内定となった。すでに参加標準記録を切っている選手たちには、今回、選考要項のなかの基準に満たなかったため、6月下旬のリミットまで待ったの発表となる。
また、ワールドアスレティックス(WA)の公式サイト内にある、オレゴン世界選手権の出場権獲得状況を確認できる「Road to Oregon 2022」を見るとわかるように、10000mは、現段階で女子は参加標準記録の突破者がターゲットナンバー(27)を超えていて、この日本選手権で3位以内に入った選手も参加標準記録(31分25秒00)を突破しないと参加の基準内には入ることができない状況になっている。また、男子についても、ターゲットナンバー27のうち、25が埋まっている。今後、各国で記録が出てくることを考えると、やはり参加標準記録(27分28秒00)を突破することが必要になると我々はみている。
今日の各レースの内容については、高岡シニアディレクターに総括をお願いする。
高岡寿成強化委員会シニアディレクター
男女とも、参加標準記録に近いタイムでは走ることができていたのだが、最終的に標準記録の突破ということはできず、非常に残念に思っている。ただ、すでに標準記録を突破していた廣中さんと五島さんについては、3位以内に入ったということで内定を得ることができた。
女子は、前半から五島さんからレースを引っ張り、多くの選手がついていくことができたが、最終的に廣中さんが抜け出したという点では、廣中さんの東京オリンピック10000m7位の実力を、今回も見ることができたのではないかと感じている。また、男子のほうは、オープンで出場した外国人選手2名が、標準記録に近いタイムでレースを進めてくれたのだが、なかなか日本選手がそこに合わせてついていくことができなかった。少しずつタイムの達成(標準記録突破)が難しくなっていったが、勝負の面では、相澤晃選手(旭化成)が最後のスプリントで勝ったというところは、評価ができるのではないかと思う。
記録が出なかったことに関しては、今日のコンディションは、少し湿度が高く、選手には厳しいとろこがあったのではないかと思っている。トータル的に、男女とも参加標準記録に近いタイムでフィニッシュできたことはよかったが、世界で戦ううえでは厳しい結果になったと感じている。
今後については、6月22日に、ホクレンディスタンスチャレンジの20周年イベントの1つとして、深川(北海道)で「参加標準記録突破会」というレースの実施を計画している。選手には、このあと出場の意思があるかも含めた確認が必要になるが、設定に関しては、当然、世界選手権参加標準記録突破を目指したタイム設定で、ペースメーカーを立ててレースをする予定である。
※本稿は、5月7日の日本選手権10000m終了後に行われた総括会見をまとめましたが、発言内容の意図が正確に伝わることを意図として、一部、実際の発言内容に編集を加えています。
文・写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)
■第106回日本陸上競技選手権大会・10000m
開催日:2022年5月7日(土)
会場:東京・国立競技場
▼第106回日本陸上競技選手権大会特設サイトはこちら
https://www.jaaf.or.jp/jch/106/
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