大会4日目のイブニングセッションは、フィールドは女子棒高跳予選から、トラックは女子200m準決勝から、それぞれ競技がスタートするタイムテーブルで、トラックでは3種目の準決勝と2種目の決勝が、フィールドでは予選、決勝がそれぞれ1種目ずつ行われました。競技が佳境を迎えた20時ごろから国立競技場付近に雨雲が広がり、一時期は激しい雨に見舞われる時間帯も。女子400mハードル準決勝、女子棒高跳予選、女子円盤投決勝に出場していた選手たちを苦しめました。
日本勢では、男子3000m障害物の三浦龍司選手(順天堂大学)と、女子5000mの廣中璃梨佳選手(日本郵政グループ)の2人が、それぞれに予選を突破して、この日のセッションで行われた決勝に出場。若い2人がともに素晴らしい走りを見せました。
男子3000m障害物 決勝
まず、21時15分にスタートした男子3000m障害物に、19歳の三浦選手が出場。7月30日に行われた予選で、自身の持つ日本記録を一気に6秒07塗り替える8分09秒92の日本新記録をマークし、全体で2番目のタイムで決勝に駒を進めていた三浦選手は、決勝でも度胸満点の果敢な攻めのレースを展開していきました。スローなペースでの展開となったなか、スタート直後は3~4番手に位置した三浦選手は、600m付近で先頭に立つと、1000mを2分50秒1((WA公式サイトの発表データによる。以下、同じ)で通過していきました。中盤にさしかかるあたりで後続が追いついてくると、その後は4~5番手でレースを進めていきましたが、ラスト3周を迎えるあたりでペースが上がると、集団がほどけて5選手が抜け出します。三浦選手は7~8番手を争う形となり、2000mを5分37秒1(7位)で通過。その後、いったんは10位まで位置を下げたものの、最後の1周で順位を上げて8分16秒90・7位でフィニッシュ。モーニングセッションの男子走幅跳で6位に入賞した橋岡優輝選手(富士通)に続き、今大会日本勢2人目の入賞者となりました。この種目におけるオリンピックでの入賞は史上初。トラック種目全体に広げても、個人種目での入賞は、2000年シドニー大会男子10000mにおける高岡寿成選手(7位)以来21年ぶりとなる快挙です。8分08秒90で優勝を果たしたのは、モロッコのスフィアヌ・バカリ選手でした。序盤は集団の中段で静かにレースを進めて、先頭集団が5人に抜け出した際に上位グループの後方につくと、終盤で3~4番手に上がり、最後の水濠飛越の直前にトップに立ち、そのままフィニッシュ。1984年ロサンゼルス大会以降連覇を続けていたケニアの10連勝をストップさせました。
女子5000m 決勝
続いて行われた女子5000m決勝でも、20歳の廣中選手が果敢なレースを展開しました。廣中選手は、スタートしてすぐに先頭に立って、1周目を75秒0で入ると、その後は71秒のペースで引っ張り、最初の1000mを3分00秒7で通過。5周目に入ったところでケニア・エチオピア勢が上がってきて、6分00秒8で2000mを通過した段階では6番手、その後は、9~11番手に位置してレースを進め、3000mは9分00秒7、4000m11分58秒6で通過。11人となった先頭集団の最後尾に食らいつきました。さらにペースが上がったラスト2周付近で後れたものの懸命に粘り、ラスト1周で順位を2つ上げて9位でフィニッシュ。入賞には届きませんでしたが、2005年に福士加代子選手が樹立した日本記録(14分53秒22)を16年ぶりに更新する14分52秒84の日本新記録をマークしました。この種目を制したのは、今大会、1500m・5000m・10000mの3種目にエントリーしているシファン・ハッサン選手(オランダ)。当初、いずれかの2種目に絞るとみられていましたが、その後、当人が3冠を狙う意思を示していました。このレースでは、最初の1000mまで後方でレースを進めたあと、終盤にさしかかるまでは10番手付近につけ、残り2周でペースが上がったところで上位集団の後方へ。トップに立ったのはラスト200m付近という“省エネ”ぶりで、14分36秒79をマーク。1つめのタイトルを手に入れました。実は、モーニングセッションで行われた1500m予選の残り1周で、他選手との接触により転倒し、先頭争いから大きく後れるアクシデントに見舞われたものの、すぐに起き上がると、前を行く選手をすべて抜き去り、1着で通過する“激走”を見せたばかりでした。このあとハッサン選手は、8月4日の1500m準決勝を経て、8月6日に行われる1500m決勝で2冠に挑戦。翌8月7日の10000mで3つめの金メダルを狙います。
女子円盤投 決勝
このセッションでフィールド唯一の決勝種目として行われた女子円盤投は、急に見舞われた激しい雨に競技を一時中断して対処する展開となり、終盤で記録を上げていくのが難しいコンディションのなか行われました。その影響もあって、1回目の試技で68m98を投げてトップに立っていたバラリー・オールマンが、そのまま逃げきってオリンピック初優勝。今大会におけるアメリカの金メダル第1号となりました。大会5日目となる8月3日のモーニングセッションは、女子走幅跳、男子400mハードルの決勝が実施されるほか、5種目の予選が行われます。日本からは、女子やり投予選に北口榛花選手(JAL)が、男子200m予選にサニブラウンアブデルハキーム選手(TumbleweedTC)、山下潤選手(ANA)、飯塚翔太選手(ミズノ)の3選手が出場し予選突破を目指します。大会に関する情報は、東京オリンピック特設サイトおよび日本陸連公式Twitterをご参照ください。
大会に関する情報は、東京オリンピック特設サイト(https://www.jaaf.or.jp/olympic/tokyo2020/ )および日本陸連公式Twitterをご参照ください。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:アフロスポーツ
▶【東京オリンピック】4日目イブニングセッション選手コメント(男子3000m障害物決勝・女子5000m決勝
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