日本陸上競技連盟公式サイト

７月30日（金）から８月８日（日）の10日間、国立競技場と札幌（マラソンと競歩）を舞台に「第32回オリンピック」の陸上競技が開催される（ている）。

日本からは、65人（男子43・女22）の代表選手が出場し世界のライバル達と競い合う。

無観客開催となったためテレビやネットでのライブ中継で観戦するしかなくなったが、その「お供」に日本人選手が出場する26種目に関して、「記録と数字で楽しむ東京オリンピック」をお届けする。

なお、これまでにこの日本陸連ＨＰで各種競技会の「記録と数字で楽しむ・・・」をお届けしてきたが、過去に紹介したことがある拙稿と同じ内容のデータも含むが、可能な限りで最新のものに更新した。また、五輪の間に隔年で行われる世界選手権もそのレベルは五輪とまったく変わらないので、記事の中では「世界大会」ということで同等に扱い、そのデータも紹介した。

記録は原則として７月28日判明分。
現役選手の敬称は略させていただいた。

日本人選手の記録や数字に関する内容が中心で、優勝やメダルを争いそうな外国人選手についての展望的な内容には一部を除いてあまりふれていない。日本人の出場しない各種目や展望記事などは、陸上専門二誌の８月号別冊付録の「東京五輪観戦ガイド」やネットにアップされるであろう各種メディアの「展望記事」などをご覧頂きたい。

大会が始まったら、日本陸連のＳＮＳ（Facebook　or　Twitter）で、記録や各種のデータを可能な範囲で随時発信する予定なので、そちらも「観戦のお供」にしていただければ幸いである。

・予選　８月５日　10:00　２組３着＋２

・決勝　８月６日　22:30

兒玉芽生（福岡大学）
鶴田玲美（南九州ファミリーマート）
齋藤愛美（大阪成蹊大学）
青山華依（甲南大学）
石川優（青山学院大学）
 

日本新に期待！

５月の世界リレーではコロナの影響で強豪国の辞退が相次ぎ、参加標準記録の43秒90を突破していなかったものの繰り上げで出場。そこで４位（44.40。予選で44.17）となって、見事に五輪への出場切符を手に入れた。五輪には、1932年ロサンゼルス、64年東京、2012年ロンドンに続いて４度目の出場だ。
 
エントリーメンバー５人と補欠１人の100ｍの21年ベストと自己記録は、自己ベストの順に以下の通り。

兒玉　芽生（福岡大４年／11秒46。11秒35＝20年）

鶴田　玲美（南九州ファミリーマート／11秒82。11秒48＝20年）

石川　　優（青学大１年／11秒48）

青山　華依（甲南大１年／11秒56）

齋藤　愛美（大阪成蹊大４年／11秒61。11秒57＝16年）

（補欠）

壹岐あいこ（立命大３年／11秒59）

 

◆五輪＆世界選手権での歴代成績◆

1932五輪　決勝５位　　　48.9　 ＝日本記録50.2を大幅に上回ったが、日本記録変遷史には未掲載

1964五輪　予選２組６着　47.0

1991　　　予選２組６着　44.85　＝日本新

1997　　　予選２組８着　44.56

1999　　　予選３組４着　44.57

2005　　　予選３組５着　44.52

2007　　　予選２組　　　失格

2009　　　予選３組４着　44.24

2011　　　予選１組５着　43.83

2012五輪　予選１組８着　44.25

 
五輪での最高記録は、12年ロンドンでの「44秒25」。
世界選手権のそれは、11年大邱での「43秒83」だ。

 

◆1983年以降の五輪＆世界選手権での決勝に進めなかった最高記録◆

　年　　　予選落最高

1983　　　　44.20

1984五輪　　45.20

1987　　　　43.85

1988五輪　　43.58＝準決勝

1991　　　　43.43

1992五輪　　43.60

1993　　　　44.36

1995　　　　43.90

1996五輪　　44.16

1997　　　　43.15

1999　　　　43.80

2000五輪　　43.19＝準決勝

2001　　　　43.89

2003　　　　43.64

2004五輪　　43.12

2005　　　　43.40

2007　　　　43.39

2008五輪　　43.69

2009　　　　43.63

2011　　　　43.44

2012五輪　　43.07

2013　　　　43.01

2015　　　　43.15

2016五輪　　42.70

2017　　　　42.92

2019　　　　43.01

－－－－－－－－－

最高記録　　42.70

五輪最高　　42.70（2016）

世選最高　　42.92（2019）


このところの状況からすると、決勝進出には「42秒台」が求められそうだ。
今回の日本チームの100ｍのシーズンベストと自己ベストの上位４人の合計は、

シーズンベスト　11.46＋11.48＋11.56＋11.61＝46.11

自己ベスト　　　11.35＋11.48＋11.48＋11.56＝45.87


代表メンバーによる今季ベストは、７月16日の大阪府選手権にオープン出場しての43秒87（青山・兒玉･齋藤・鶴田）だ。
 
現在の日本記録43秒39（2011.5.8）を出した４人（北風沙織・高橋萌木子・福島千里・市川華菜）のシーズンベストの合計は、以下の通りだった。

１走から順に、

11.65＋11.53＋11.24＋11.43＝45.85

 
ただし、リレーの記録がマークされたのがシーズン間もない５月だったため、その年の最高記録で計算した。

上記のデータからしても、今回の日本代表が更新する可能性はありそうだ。


野口純正（国際陸上競技統計者協会［ATFS］会員）