2021.06.04(金)その他

新たな指導者資格を創設 2022年の日本選手権日程も承認 コロナ禍の中で新たな取り組みも――第67回理事会報告

日本陸上競技連盟は6月3日、第67回理事会をオンラインにより開催しました。第10期(2020年度)の事業・決算報告、来年の日本選手権の開催地公募、公認スタートコーチの資格の創設などについて協議しました。承認された主な事項をご紹介します。

■厳しい財政状況の中で赤字幅は予算より縮小 コロナ禍に対応した事業も展開 2021年度の事業・決算報告を承認
2020年度は新型コロナウイルスの影響を大きく受けました。多くの競技会が中止や延期、無観客開催や規模縮小を余儀なくされたほか、指導者や子供たちを対象にした講習会やクリニックも多くが実施を見送るなど、厳しい対応を余儀なくされました。登録会員も38万0679人で、2019年度に比べて4万4601人(11.7%)の減少となりました。特に中学3年生と高校3年生、ランニングに取り組む一般の方の減少が目立ちました。
一方で、オンラインによる「いまスポーツにできることリレー」や競技会のライブ配信の充実、加盟団体(都道府県陸上競技協会)との情報共有の場となる「インフォメーションセッション」の新設、アスリート委員会によるチャリティーオークションなど、コロナ禍の難しい状況だからこそ取り組んだ事業もありました。また、「陸上競技再開のガイダンス」の策定などのコロナ対策、「スポーツ団体ガバナンスコード」に基づいた組織運営の改善なども進めました。

2020年度の決算は、
経常収益(収入)=10億3621万円
(補正予算比6081万円増、第9期=2019年度比22億1345万円減)
経常費用(支出)=11億6526万円
(補正予算比1億3650万円減、2019年度比25億5772万円減)
で、経常増減額はマイナス1億2905万円(赤字)となりました。

2019年度はIAAF世界リレー2019横浜大会、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の2つのビッグイベントを開催したことから収入、支出とも30億円を超えるという特殊事情もありましたが、その分を差し引き、本連盟の通常年の財政規模である20~21億円と比べても、2020年度はほぼ半減に近い財政規模にとどまりました。
大きな要因としては、競技会の中止や規模縮小、海外への遠征や強化合宿の見送りなどがあります。一方で、日本選手権は延期しながらも大半を開催できたこと、協賛企業の皆様に本連盟の状況をご理解いただいたことなどにより、収入は補正予算より増額となりました。また、専門委員会などの活動を必要最小限にとどめ、管理費(事務局経費など)の削減にも努めて、支出を抑えました。それでも赤字となりましたが、赤字額は補正予算で3億2636万円を見込んでいたところ、最終的には1億2905万円にとどまりました。
なお、第11期(2021年度)もコロナ禍の影響が続くことを想定し、収入、支出とも17億3723万円の予算により諸事業を進めています。

■基本の知識を身につけた指導者を増やすために 公認スタートコーチの資格を創設
本連盟では現在、日本スポーツ協会(JSPO)と連携した指導者制度として「公認ジュニアコーチ」「公認コーチ」の資格を設けていますが、地域で活動する指導者の方などを対象とした新たな資格として「公認スタートコーチ」を制定することが承認されました。
公認スタートコーチは地域のスポーツクラブやスポーツ少年団、学校部活動などで指導に当たる方に、必要最低限の知識や技能を習得し、責任を持って子供たちの指導にあたっていただくことを目的としています。満18歳以上の方を想定し、今年度から徐々に養成講習会の開催を進め、2022年度より本格始動を予定しています。
本連盟では、2020年に「指導者養成指針」を策定し、指導現場に立つすべての指導者に指導者資格を取得していただくことを目指しています。まず公認スタートコーチの資格を得た方には、さらに学んで公認ジュニアコーチ、公認コーチと進んでいただくことも期待しています。


■2022年の日本選手権は6月9~12日に 開催地は公募で決定
2022年に開催する第106回日本選手権・第38回U20日本選手権(トラック&フィールド)は開催日を6月9~12日とし、会場はこれから加盟団体(各都道府県陸上競技協会)を対象に公募することが承認されました。
2022年度は7月15日からオレゴン州(アメリカ)で世界選手権が開催されるため、日本選手権も例年より約2週間早くなります。公募は7月中旬に締め切り、選定委員会での検討を経て決定します。
なお、10000mと混成競技は今年と同様に、別開催を見込んでおり、日程を調整しています。

▼第105回日本陸上競技選手権大会 特設ページ
https://www.jaaf.or.jp/jch/105/

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