2019.02.17(日)大会

【日本選手権20km競歩】前日会見レポート&コメント



第102回日本選手権男子・女子20km競歩の前日会見が2月16日、兵庫県神戸市の六甲アイランドにあるホテルで行われました。この大会は、夏にドーハ(カタール)で開催される世界選手権の日本代表選手選考会を兼ねて実施されます。

夕刻開催された会見には、前回大会で男女ともに、この種目では史上初となる4連覇を達成した髙橋英輝選手(富士通)と岡田久美子選手(ビックカメラ)のほか、昨年のジャカルタ・アジア大会銀メダリストの山西利和選手(愛知製鋼)、リオ五輪入賞者(7位)で昨年は10000mWで日本記録を樹立した松永大介選手(富士通)、昨年の世界競歩チーム選手権において個人・団体ともに金メダルを獲得した池田向希選手(東洋大学)、そして、50km競歩で2014年アジア大会金、2015年世界選手権で銅の実績を持ち、今大会をもって第一線を退く意向を示している谷井孝行選手(自衛隊体育学校)の6選手が出席。それぞれに、大会に向けての経過や現在のコンディション、明日のレースに向けての抱負を話しました。

各選手のコメントの要旨は、以下の通りです。



◎髙橋英輝(富士通)
このレースに向けて、順調に練習を積めてきた。明日は自分のベストの歩きをして、自分自身に挑戦して、優勝を目指して頑張りたい。
昨年のこの大会は、ケガをしていたものの練習ができていたので結果が出たが、そのケガが治りきらない状態で世界競歩チーム選手権やアジア大会に臨んだため、フォームを崩したまま練習や試合をやってしまった。そういったものを一度リセットしようと、(昨年の秋は)試合に出ずに、理学療法士の方と一緒にトレーニングに取り組み、崩れていた動きを改善してきた。今は、もうちょっとで直りそうだなという段階。まだ若干フォームには不安が残っているので、明日のレースはそこをポイントにしたい。ピットレーンの導入はあるけれど、本質的には、きれいな歩きを審判に見てもらうのが一番だと思っている。練習してきたことが出せるように、そこをきっちりポイントにしてやっていこうと思う。
日本選手権では例年、世界大会の代表争いがかかっているので、自分はこれまでレースでなるべく早めに2人に絞ることを意識していた。(初優勝した)大学生のころはそれが可能だったが、最近は選手の力が拮抗して、難しいレースになってきているなと感じていて、ほかの選手に気を配っている余裕はなくなっている。しかし、世界を意識するのであれば、日本でそういった状況を経験できることは、必ず自分の力につながると思う。まずは自分の歩きに集中して、レースに臨みたい。
明日は、(世界選手権派遣設定記録の)1時間20分は必ず切らなければと思うが、目標タイムは具体的に考えていない。なるべく遅すぎない展開がいいなと思うので、自分の歩きやすいペースになるよう、集団をコントロールしながら歩きたい。

◎松永大介(富士通)
今大会に向けては、1月に非常にいい練習が積めた。優勝を目標にしている。
昨シーズンは、ほかの人たちに比べると試合に数多く出させていただくなかで、試合を通じて練習になったというか、調整を含めて自分を見直す機会が非常に多かった。特に、昨年は、世界競歩チーム選手権で大きく失敗し、歩型が崩れていたので、この大会に臨むにあたっては、特に1月は、昨年と総距離は変わらないものの1回あたりの練習の距離を長くして、歩型の安定を追求していく練習をしていて、その修正がかなりできたのかなと思っている。長い距離をやることで、今回のレースだけでなく、3月の能美(全日本競歩)に向けての準備もできている。この2戦をトータルでみているが、(世界選手権の)代表権を取りに行ける状態はできているかなと考えている。
まずは1時間20分00秒を切るところと、世界陸上に近づける順位が必要だと思っている。もちろん希望は、1時間17分台や1時間16分台…あわよくば世界記録(1時間16分36秒、2015年)というところも視野に入れているが、自分が明日、どんな状態かわからないので…。まあ、気負わずにいければいいかなと思う。
10kmを37分台で通過して、2人(髙橋選手、池田選手)をちぎりたいと思っているが、正直、あまり(レースを)引っ張りたくないなという部分が今回は非常に大きいので、(なかなか前に出てくれない)英輝さんと池田には、ぜひ、前に出てレースをしていただきたい(笑)。

◎山西利和(愛知製鋼)
1月の練習は、去年までと比べても充実してできた。この大会が日本選手権である以上、日本一を目指して頑張りたい。日本選手権で勝負に絡むになったのは去年からだが、去年のレースでは優勝争いに絡みつつも、どちらかというと心のなかでは「1つでも上の順位に行きたい」という意識で、優勝狙いではなかった。そういう意味では、今回、初めて優勝を狙うレースをすることになるので、レース(の進め方)も初めてのパターンになると考えている。
記録は条件次第で1分や2分は変わってしまうので、“このタイムで”というものは決めていない。(視野に入れているタイムとしては)最高で世界記録のほか、あと3~4つほどあるが、でも、目標としては、順位を狙っていくなかで、その結果タイムが出ていれば、それでいいかなと思う。
昨年1年は、自分のなかで歩型が“ぴたっ”と、はまらないことが多かったので、(この大会に向けてのトレーニングでは)そこの振れ幅を小さくさせることと、平均値を上げていくことを意識してやってきた。また、それが速いレースペースでもできるようになることも、意識してずっと練習してきたので、それが明日出せればいいなと思う。

◎谷井孝行(自衛隊体育学校)
この大会に向けては、11月に宮崎県で、12月にNTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)で、1月にオーストラリアで合宿を積んできた。故障や体調不良もなく順調に練習を消化することができた。正直、優勝争いとなると難しいが、自己ベスト(1時間20分39秒)の更新を目指しながら、最後の最後まで全力を尽くして頑張りたい。
(50kmでの最後のレースとなった)全日本競歩高畠大会が終わったときは、残りは(今回の)20kmのレース1本となったので、“自分は20kmに向けて練習していくんだろうな”と思っていたのだが、50kmの選手と一緒に合宿する機会が多かったために、結果として、(明日のレースで引退するにもかかわらず)例年通り1年間戦えるような身体づくりをしてしまった(笑)。ただ、自分の気持ちのなかでは整理はできていて、引退だから遅いタイムでもいいとか、そういうことは全く考えておらず、(最後の20kmでは)自分が持っているすべてをぶつけようと思っていたので、しっかり身体つくりもしたし、2月に入ってからも今までやったことがないようなスピード練習もしてきた。明日は、どういった結果になるかはわからないが、今持っている自分の全力を尽くして、歯を食いしばりながらゴールしたい。

◎池田向希(東洋大学)
昨年の世界競歩チーム選手権で優勝してから、心境が変わってきている。去年までの日本選手権だったら、目標は(優勝には届かない)タイムや順位だったが、今回は、優勝という大きな目標を掲げている。また、(世界競歩チーム選手権で)世界一になったからこそ、世界陸上やオリンピックを経験したいという思いがより強くなったので、今回は、優勝を目指して頑張っていきたい。しかし、そこで気負うことなく、挑戦者という気持ちで歩くことができたらと思う。
この大会に向けての練習で一番に重視していたのは歩型。歩型があっての競歩のスピードだと思っているので、歩型の安定性をまず考えていて、スピード練習のときはもちろん、ストローでしっかりいかに修正できるかということを毎日常に意識してきた。秋からずっとこの日本選手権に向けて取り組んできたので、20kmを安定して歩けるように準備できたと思っている。
記録としては、1時間18分を切ることを目標にしている。練習内容の質や、1つ1つの練習への取り組み、フィジカルの強化など、去年よりも明らかに強化することができているし、2018年に、20kmでも10000mでも自己記録を大幅に更新することができたので、それが自信にしている。安定した感覚の歩型で、しっかりとスピードが上げられるようになってきているので、明日は、上(年配の)の方々に対応していきたい。

◎岡田久美子(ビックカメラ)
明日は5連覇を目指して頑張る。練習は順調にこなしてくることができているので、自信を持って歩きたい。
これまで、楽にスピードが出せるような身体づくりとフォームの改善に取り組んできていて、短い距離では自己ベストが10月(国体)に出すことができ(5000mで日本歴代3位となる21分08秒97をマーク)、とても自信になった。その勢いで20kmもしっかり歩けるように準備してきた。記録は、自己記録を更新することが目標。1時間29分台(1時間29分40秒)が自己記録なので、1時間28分台に入りたい。
(20km世界記録保持者でリオ五輪金メダリストの劉虹選手がオープン参加するということについては)劉選手は、ずっと憧れている大スター。神戸のレースを選んでいただいたことを、とても光栄に思う。明日は、“勝ちたい”という思いを持ってレースをしたい。産後とは聞いているが、とても速い選手。ただ、私も、後半にペースアップしたときに戦えるような準備はしてきているつもり。明日は(劉選手と)競えるように頑張りたい。



大会は、併催されるU20選抜競歩とともに、2月17日午前、兵庫県神戸市の六甲アイランド甲南大学周辺公認コース(2.0km)で行われます。競技は、午前8時50分にジュニア男子10kmが、午前9時00分にジュニア女子5kmが、それぞれスタート。日本選手権は、まず9時50分に男子スタートしたのちに、10時10分に女子がスタートします。日本選手権の男女20kmでは、今回、初めてピットレーンが導入。これは警告が3枚出た場合に失格になるのではなく、ピットレーンで一定の時間(20kmの場合は2分間)を待機し、レースに復帰にすることができるというものです(ただし、復帰後に4枚目の警告が出た場合は、その時点で即失格となる)。

残念ながら世界記録保持者の鈴木雄介選手(富士通)は欠場となりましたが、会見出席者のほか20kmで世界大会での豊富な代表経験を持つ藤澤勇選手(ALSOK)や西塔拓己選手(愛知製鋼)、1時間19分台の記録を持つ及川文隆選手(福井県スポーツ協会)もエントリー。また、50kmを専門とする面々も、昨年のアジア大会で金メダルを獲得した勝木隼人選手(自衛隊体育学校)、全日本競歩高畠大会を3時間39分47秒の日本新記録で優勝した野田明宏選手(自衛隊体育学校)の“ドーハ世界選手権内定コンビ”のほか、荒井広宙選手(埼玉陸協)、小林快選手(東京陸協)、丸尾知司選手(愛知製鋼)と、世界大会でのメダル獲得や入賞の実績を持つ錚々たる顔触れが参戦します。最後の代表1枠を巡って、大激戦が必至と噂されている日本選手権50km競歩(4月、輪島市)の前哨戦という観点からも、興味深い戦いが期待できそうです。

また、女子では、岡田選手のコメントにもあったように、20kmの世界記録保持者(1時間24分38秒、2015年)で2016年リオ五輪、2011年・2015年世界選手権の3大会で金メダルを獲得している劉虹選手(中国)がオープン参加で出場。このほか、ダイヤモンドアスリートで、昨年は世界競歩チーム選手権U20女子10km(3位)、10000m競歩でアジアジュニア(2位)、U20世界選手権(4位)の実績を残し、5000m競歩、10000m競歩でU20日本新記録を更新した藤井菜々子選手(エディオン)、2018年から正式に実施された女子50kmで、4時間29分45秒の日本記録保持者となった園田世玲奈選手(中京大)もエントリーしています。

大会の模様は、日本陸連公式Facebook、Twitter、Youtubeにおいて、午前8時30分からライブ配信する予定です。詳細は、https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1308/ をご参照ください。


文・写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)

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