2017.11.06(月)大会

【さいたま国際マラソン展望】MGCファイナリスト誕生なるか!?


Road to TOKYO2020
さいたま国際マラソン
MGCファイナリストの誕生なるか!?

 第3回さいたま国際マラソンが11月12日、埼玉県さいたま市のさいたまスーパーアリーナを発着点とする42.195kmのコースで開催されます。この大会は、1979年に始まった東京国際女子マラソン、そして、同大会の後継として2009年から実施された横浜国際女子マラソンを前身とする大会。2015年に行われた第1回大会はリオデジャネイロオリンピックの、そして昨年行われた第2回大会はロンドン世界選手権の、それぞれ女子マラソン代表選考レースを兼ねて行われてきました。
 今大会は、女子マラソンの第101回日本選手権として実施されるとともに、2018年夏にジャカルタで開催されるアジア大会女子マラソンの日本代表選考会も兼ねていますが、もう1つ見逃せないのが、この大会が「マラソングランドチャンピオンシップシリーズ2017-2018」の指定競技会、すなわち2020年東京オリンピックのマラソン日本代表争いの第一関門である、という点です。 

◎2020東京オリンピックへの第一関門
 日本陸連は、2020年東京オリンピックのマラソンにおけるメダル獲得することを目指して、本年4月に、選手強化とリンクした新たな選考方法を実施することを発表しました。簡単に言うと、東京オリンピックの代表選手は、最終的に2019年9月以降に開催が予定される「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で男女各2枠が決定し、さらに、2019年冬から2020年春にかけて行われる男女各3大会を対象とする「マラソングランドチャンピオンシップファイナルチャレンジ(MGCファイナルチャレンジ)」で、最後の1枠が決まります(注:2019年5月に決定予定の派遣設定記録を上回り、最も速いタイムを出した選手1名を選出。ただし、該当選手がない場合は、MGCで2枠に入らなかった次点の競技者が選出される)。そして、前述した「マラソングランドチャンピオンシップシリーズ(MGCシリーズ)」とは、2017年度(2017-2018シリーズ)、2018年度(2018-2019シリーズ)にかけて行われるMGCへの出場権を獲得するためのレースなのです。
 今回行われるさいたま国際マラソンは、8月27日に行われた北海道マラソンに続く2017年度MGCシリーズの第2戦で、女子の指定競技会。日本人1~3位となった競技者は2時間29分00秒以内をマークしていれば、そして、日本人4~6位の競技者の場合は2時間28分00秒以内をマークしていれば、MGCの出場資格を獲得できることになっています。

◎国内招待選手は岩出選手と吉田選手の2名
 MGCシリーズとして行われる「代表チャレンジャーの部」は、午前9時10分にスタートしますが、国内招待選手は、岩出玲亜選手(ドーム)と吉田香織選手(TEAM R×L)の2名です。
 岩出選手は、1994年生まれの22歳。ノーリツ所属時の2013年にハーフマラソンで1時間09分45秒のU20日本最高記録を樹立。2014年には19歳で挑戦した横浜国際女子マラソンで初マラソンながら10代日本最高記録(当時)の2時間27分21秒で3位に食い込み、注目を集めました。その後、2016年の名古屋ウィメンズマラソンでは2時間24分38秒(5位)まで自己記録を更新。2016年のベルリンマラソンでは4位(2時28分16秒)の成績を残しています。今回のさいたまが6回目のマラソン。今年は10000mやハーフマラソンに出場していますが、マラソンは名古屋ウィメンズマラソンを途中棄権して以来のレースとなります。マラソンに専念することを希望し、今季からは新たな環境のもとで競技を続けているだけに、MGC出場権を目指しての今回の走りが、大いに注目されるところです。
 埼玉県出身の吉田選手は、第1回大会から3年連続でのエントリー。第1回大会では、2時間28分43秒での自己新記録をマークして、日本人トップの2位でフィニッシュしています。2006年の北海道マラソンで初マラソン初優勝を果たして以降、いくつかのチームを経ながら競技を続け、今回が32回目のマラソン(ペースメーカーとして出場した1大会を除く)。昨年のこの大会は、中盤から遅れて2時間38分37秒(日本人2位の9位)にとどまりましたが、今年3月の名古屋ウィメンズでは、2時間28分24秒の自己新をマーク(7位)。この更新が狙えるレースが展開できれば、MGCファイナリスト(MGC出場権を獲得した選手のこと)への道も、自ずと開けてくることになります。 

◎V候補筆頭はダニエル選手、連覇なるか
 海外からは6名の招待選手の出場が決まっています。優勝候補の筆頭は、前回覇者のチェイエチ・ダニエル選手(ケニア)でしょう。2012年から本格的にマラソンランナーとして活動していますが、マラソンに転向する前の2007年から4年間は、日本の実業団チームに所属し、駅伝やハーフマラソンに取り組んでいた経歴の持ち主。昨年、この大会を2時間23分18秒のセカンドベストで圧勝すると、4月のパリマラソンで2時間21分22秒の自己新記録をマーク(3位)。8月のロンドン世界選手権では2時間27分21秒で4位入賞を果たしています。
 ダニエル選手に続くとしたら、シタヤ・ハブテゲブレル選手(バーレーン)あたりか。5000mで15分03秒13(2013年)、10000mでは30分47秒25(2012年)のベスト記録を持ち、10000mでは2011年以降、3年連続で世界大会(世界選手権、オリンピック)6位入賞の実績を持っています。昨年のドバイマラソンでマラソンデビューし、2時間25分36秒(6位)をマーク。マラソンで出場した2016年リオ五輪は途中棄権に終わっていますが、今年1月の大阪国際女子マラソンは2時間28分36秒で5位。4回目のマラソンとなるこの大会で、どんな走りを見せるのか。アジア大会でもライバルとなってくる可能性があるだけに要チェックといえそうです。
 これらの選手が出場する「代表チャレンジャーの部」は、午前9時10分に、さいたまスーパーアリーナをスタート。最大高低差はあまり大きくないものの、序盤から細かなアップダウンが続くため、それが終盤にダメージとなって脚にくるタフなコースともいわれています。新たなオリンピックサイクルに入っている今年、2020年に向けて日本勢、海外勢がともにどんな走りを見せてくれるかに期待しましょう。 

文:児玉育美/JAAFメディアチーム
写真提供:フォト・キシモト

 
※写真は前回の様子


>第3回さいたま国際マラソン公式サイトはこちら
>マラソングランドチャンピオンシップ特設サイトはこちら
http://www.mgc42195.jp/

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