2017年6月7日に開催した「東京2020 オリンピックマラソン強化キックオフミーティング」の際にいただいた君原健二さん(1968年メキシコオリンピック 男子マラソン銀メダル)からのメッセージをご紹介いたします。
写真提供 :フォート・キシモト
23歳で迎えた、東京オリンピックの頃、私はかなり我がままでした。選手村は、競技を終えた選手が増えてくると、次第に騒々しくなってきます。最終日、マラソンを走る選手にはよくないということで、レースの一週間前に、電車で2時間の逗子に移動しました。調整練習はすぐに終わるので、2時間かけてオリンピックを見に行っても、コンディション調整に差しさわりがないという甘い判断で、2日間オリンピックを見に行きました。コーチ陣も心配されて、寺沢さんと私は選手村に戻りました。しかし、円谷幸吉さんは冷静に最後まで逗子でコンディション調整しました。
東京オリンピックのマラソン62日前、札幌での10000m記録会で29分46秒(円谷29分12秒)、59日前の北海タイムスマラソンで2時間17分12秒の大会新(円谷2時間19分50秒)。56日前のインターバルなど42キロ走。55日前10000m記録会、後輩土谷選手の参加標準記録突破支援のためにシューズで走り29分01秒の日本新(円谷28分52秒日本新)。当時、体力は抜群にあったと思います。しかし、競技力は心・技・体の総合力です。特に精神力が極めて未熟でした。その後、東京オリンピック当時の練習量はできませんでしたが、競技力は向上して、2年後のボストンマラソン優勝や4年後のメキシコオリンピックでの銀メダルの成果が出ました。
東京オリンピックの円谷さんの銅メダルは、畠野コーチと練習パートナーの宮路さん南さんの4人で取り組まれた、素晴らしいチームワークの賜物であったと思います。
2020東京オリンピックのマラソンまで、1161日あります。何としても、実力をつけていただきたいと思います。実力は、練習量に裏付けされています。選手の皆さんが、競技力(心・技・体)を発揮できるような環境づくりをして欲しいと希望します。関係者の皆様のご活躍を期待します。
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