2017.08.08(火)大会

【世界選手権】デイリーハイライト(Day4:8月7日)

男子200m、サニブラウン、飯塚が予選を突破!

男子400mHの安部は決勝進出ならず


大会4日目の8月7日は、イブニングセッションのみの開催です。この日は、男子110mHや女子ハンマー投など、4つの決勝種目が行われました。日本勢は、男子200mと男子三段跳の予選、そして男子400mHの準決勝に、4名の選手が出場しました。

全7組で行われた男子200m予選には、1・2日目に行われた男子100mで準決勝に進出したサニブラウン・サニブラウン・アブデルハキーム選手(東京陸協)と、リオ五輪男子4×100mR銀メダリストの飯塚翔太選手(ミズノ)が登場しました。準決勝への進出条件は、各組上位3着+3です。

1組目に入ったサニブラウン選手は、向かい風(0.5m)のなか20秒52をマークして2着でフィニッシュし、着順での予選通過を果たしました。飯塚選手は、最終の7組目に出場して、4着・20秒58(+0.7)でのフィニッシュ。5組が終了した時点で、プラスの3番目は20秒54となっていたため、0秒04届かずの予選敗退と思われていましたが、競技終了後、先着した2選手のレーン侵害よる失格で飯塚選手が2着に繰り上がり、着順での予選通過となったことが判明しました。これにより、男子100mと200mは出場選手すべてが、準決勝進出を果たす結果となりました。男子200mの準決勝は、1日空けた8月9日の20時55分(日本時間10日4時55分)から行われます。

男子三段跳予選は、A・B2組に分かれ、予選通過記録が17m00に設定されて行われました。山本凌雅選手(順天堂大)はA組に出場しましたが、1・2回目がファウルとなり、あとがない状態で3回目を迎えることになってしまいました。3回目は16m01(-0.5)と記録を伸ばすことができず、予選敗退となりました。

3組2着+2の条件で行われた男子400mH準決勝には、2組目に安部孝駿選手(デサントTC)が出場しました。安部選手は予選で反省点として挙げた前半部分を修正する走りで着順での決勝進出を狙いましたが、第7ハードルで足をぶつけてバランスを崩し、4着と同記録の49秒93でフィニッシュ。着差ありで5着となったため、決勝進出はなりませんでした。


【選手コメント】
◎サニブラウン・アブデルハキーム選手(東京陸協)
男子200m予選 1組2着 20秒52(-0.5)=準決勝へ

「前半が思っていたより出ていなくて、それで後半は若干無理する形になったが、それで予選を通過できたので、これはこれでよかったのかなと思う。予選2着で通ったので、準決勝はけっこうハードになってくると思うが、そこはしっかり合わせて、勝負に向けて身体をリフレッシュして、いいパフォーマンスを出したい。(100mのダメージは)身体のほうはあまりない。気持ちをリセットし、200mでしっかりいけるようにしていきたい。


◎飯塚翔太選手(ミズノ)
男子200m予選 7組2着 20秒58(+0.7)=準決勝へ
※レース自体は4着でのフィニッシュだったが、先着した2選手がレーン侵害により失格となったため、着順が繰り上がった。

▼4着で予選敗退となった段階でのコメント
「スタートも、コーナーから直線のところも、ラストも、自分としては感覚がよかった。予選の走りについて細かいプランはなかったが、今季は、スピードに乗らず、後半でずるずる落ちてしまうことが多かったので、“スタートをしっかり出ていく”ということを考えていた。でも、また同じ展開になってしまった。
走った感覚としてはすごくよかったのに、それが結果(記録)に出ていないのが一番問題かなと思う。30mでドーンと出て、そこから加速しにいく段階の部分で、“あ、いい感じにスピードに乗っている”と思っていた。(アウトのレーンを走る選手との)距離はちょっと開いていたが、“ずんずん行けるかな”という感じだったので。
感覚と実際のタイムにギャップがあるのが気になる。少なくともシーズンベスト(20秒40)は少なくとも出せて、20秒3台とか出るような感覚だった。改めて映像を見て確認したいと思う。
このあとリレーもある。挽回しないと日本に帰れない。しっかり貢献したい。」

▼先着した2選手の失格が判明した直後のコメント
「(着順通過となる3着内に)入った! これ挽回します、頑張って。(先着した選手の失格によるものなので、心境は)複雑だが、チャンスをもらったので。今の課題をクリアできれば、自分にもチャンスはある。運があるのかなと思う。いいきっかけをもらえたのかなと思うので、無駄にしないようしっかり準備したい。
こんな経験は初めて。それが世界選手権で起きてよかった。もう1回くらい走りたいと思っていたので。笑顔で(ミックスゾーンに)来られるように頑張りたい。
(今回の200mは予選と準決勝が1日空くという従来にない日程)1日空くと気持ちが切れてしまうところだが、僕のように微妙だと(笑)、1日空いたほうが流れを変えられるかもしれない。もう、すべてをポジティブに捉えて頑張りたい。」


◎山本凌雅選手(順天堂大)
男子三段跳予選 A組15位 16m01(-0.5)

「(最初の2本をファウルしてしまった。)状態はよかったし、気持ちの面でも盛り上がっていたので、記録を狙える状態だった。自分のなかで思いきり行きたいという気持ちがあり、記録を残すために1本1本を使うのではなく、1本1本に(記録的な目標であり、予選通過記録でもあった)17mに目標をおいてやっていきたいと思っていた。ファウルしたあとは、助走スピードを上げて(脚を)捌くような感じにすることで修正しようと意識したのだが、うまく行かなかった。
僕としては、最初は、この場に立てていることがすごく嬉しいというような、そんな感情が強く、クリスチャン・テイラー選手(アメリカ)などがいるなかで、“僕も自分の跳躍をしたい”という盛り上がった気持ちで臨めていた。しかし、2回ファウルしたことで、3回目の跳躍は、正直すごく動揺しまった。戦っている選手たちの勢いがすごくて、のまれてしまったようにも思う。また、1・2本目で記録を残せなかったことで、“記録なし”ということが頭をよぎったり、周りの記録を気にし始めてしまったりもした。そこで気持ちの面でもマイナスのほうへ行ってしまった感がある。
状態も気持ちも面でもそんなに悪いわけではなかったし、何よりも自分を応援してくれている方々に、記録で恩返ししたいという思いが強かったので、それができなかったことがすごく悔しい。
今シーズンはまだ終わっていない。学生のうちに日本記録を出したいという思いに変わりはないので、そこを目標に、気持ちを切り替えて頑張っていきたい。」


◎安部孝駿選手(デサントTC)
男子400mH準決勝 2組5着 49秒93

「決勝を目標に、と言っていたが、ファイナルに残るのはそう甘くないなというのが一番の感想。前日の予選はスタートで失敗したが、準決勝はその修正がうまくできた。前半の入りもよかったと思うが、7台目でハードルをぶつけてしまった。あそこがもったいなかったと思う。
7台目は14歩で行くと決めていたのだが、踏み切りが少し遠くなってしまった。6台目をもう少し余裕を持って越えられていたら、その先がもうちょっとスムーズに行けたはず。周りの速いペースに合わせてしまい、自分のリズムで行けなかった。もう少し力を抜いていくことができたらよかったと思う。
10台目を越えたあとは、けっこう競っていたので、最後は(準決勝を通過するのは)着順じゃなくて(プラスで拾われて)もという気持ちで思いきって走ったのだが、思っていたよりもタイムが悪かった。自分の感覚では49秒中盤くらいは出たと思っていたので。
準決勝を走ってみて感じたのは、予選をプラスで通過した選手が、準決勝では着順に入ったりしていること。“予選でつくって、準決勝でさらに上げて”という余裕の差を感じた。ファイナリストになるには力自体が、ひと回りもふた回りも大きくならないとダメだと思った。準決勝では、ウォーミングアップの段階から予選と準決勝とでは空気が違った。それを知ることができたというのはすごくよかったと思う。
悔しい気持ちは強いが、ここまで来られたのは大きな収穫。これを経験にしていきたい。」


文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト

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