大会3日目の8月6日に実施される男女マラソンの日本代表の記者会見が、8月4日午後に行われました。会場は、日本代表選手にオフィシャルウェアを提供しているアシックスが各国選手・関係者のサポート拠点として設置しているアシックスハウス。男子代表の井上大仁選手(MHPS)、川内優輝選手(埼玉県庁)、中本健太郎選手(安川電機)、女子代表の安藤友香選手(スズキ浜松AC)、重友梨佐選手(天満屋)、清田真央選手(スズキ浜松AC)の6名が登壇し、現在の体調やレースに向けての抱負を話しました。
各選手のコメントは以下の通りです。
男女マラソンは、今回、初めて同日に開催されることになりました。タワーブリッジを発着として、途中の40kmは1周10kmで周回し、ロンドン市内の観光名所を巡るコースです。男子は6日の10時55分(日本時間18時55分)から、女子は同14時00分(同22時00分)からスタートします。
◎井上大仁選手(MHPS)
今回、初めての世界選手権ということで、すごく緊張したなかでもあったが、順調にトレーニングや生活をこなせてきた。ここまで準備できたのも、周りの方々のサポートがあったからこそ。当日は、いい結果を報告できるように精一杯頑張りたい。
どの試合でもそうだが、練習では、そのレースで自分の最高のパフォーマンスを出し、最高のシナリオでゴールすることをイメージしている。今回もそうしてきたが、自分の現状と周りの力とを比べて、メダルはもちろん狙いに行くが、入賞というところを自分の越えるべきハードルとして課していきたいと思っている。世界の舞台でも、「挑む」のではなく「戦う」という気持ち。「勝って当然。勝てるべき相手」だと思う、そういう気持ちが大事だと思っている。
◎川内優輝選手(埼玉県庁)
今回、3回目の世界選手権。今までと比べても本当に順調に調整できている。(出場した)これまでの世界選手権は暑いコンディションが多かったが、今回、ロンドンに入ってからは涼しい天候のなかで非常にいいトレーニングができているし、ロンドンに入る前のトレーニングについても、質・量ともに(これまでを)遥かに上回るトレーニングができている。そうした意味で、あとは自信を持って行けばいいかなと思っている。レースではメダルを狙いにいって、少なくても入賞以上の結果を。それを目標にしっかり頑張りたい。
メダルを取るためには、前半に上げ下げがあるなかで、その上げ下げがスパートなのか揺さぶりなのかをしっかり見極めて体力を温存したい。本当のスパートはおそらく20km、25km、30kmのどこかで来ると思うので、そこのペースアップにしっかり対応し、そこからどこまで(前にいる選手を)拾っていけるか。これは金メダルではなく銅メダルを取るための考え方であるが、メダルを狙っていくためには、そこで自分がどのくらい良い位置にいられるか、その時点で足がどこまで残っているか、がポイントかなと思う。
◎中本健太郎選手(安川電機)
4年ぶりの世界選手権ということで、ブランクもあり、多少不安やプレッシャーは感じているが、ここまで、過去の経験を生かしながらやってくることができたので、当日は入賞を目標にして頑張りたい。
(前回出場した2013年大会の)モスクワでは5位入賞だったが、メダルも見えていた位置でのゴールだったので、すごく悔しい気持ちになった。そういう意味では、メダルが一番欲しい大会。狙えるところだったら、しっかり狙っていきたいと思っている。そのためには、当日にいかに自分のパフォーマンスができるかが大事。落ち着いて、自分のペースをしっかり刻みながら勝負所を見極めたい。
大会に向けては、九州の起伏のあるクロカンコースを使った練習をしっかりしてきた。自分は比較的夏のほうが調子がいいこともあり、7月後半から徐々に調子も上がってきている。その調子を、しっかりと合わせてレースに挑みたい。
◎安藤友香選手(スズキ浜松AC)
自分のなかで、夏のマラソンに向けた調整は初めて。冬のマラソンと違って苦しんだところが多々あったが、大会が近づくにつれて調子も徐々に上がって、コンディションもすごくいい。今大会では、前半から積極的に挑戦していき最後まで諦めずに粘り強い走りをすることと、メダルを獲得することを目指して頑張りたい。
今回のコースは、周の中で上り坂が3回ある。そこをうまく使いながら、前半はなるべく無駄な力を使わないようにして、(力を)ためるイメージで周りの状況を見ながら対応したい。また、後半にレースが動いたときは、そこで慌てずに対応していけたらと思っている。おそらく自分が日本で経験したことがないようなペースの上げ下げを経験することになると思う。そういった状況になっても、慌てずに対応したい。
◎重友梨佐選手(天満屋)
この大会に向けては合宿を何回か行って、(合宿)前半は距離をしっかり踏みながらやってきた。7月に入って、その疲れが出たりして思うように動かせない時期もあったが、試合に近づくにつれて、疲労が抜け、体調も身体の動きもよくなってきている状況である。
5~6月のあたりで、短い期間で距離を積む練習を行うことができた。それは(これまで)マラソンをやったときできなかった練習。新しいことができたという意味で、自分にプラスになっている。そこを自信としてレースに臨みたい。
レースの流れにもよるとは思うが、1周目は落ち着いて、しっかりと流れを見たい。また、自分の課題でもある後半で、いかにしっかりと身体を動かせるかが大事なので、そのことを思い描きながら周回できたらと思う。
今回で世界大会3度目(2012年ロンドン五輪、2015年北京世界選手権)の出場となる。結果を残すことを自分のなかの大きな目標とし、入賞を目指したい。
◎清田真央選手(スズキ浜松AC)
夏の暑さに苦しんだ部分もあったが、そのなかでも冬と同じように練習できた部分もあったので、そこに自信を持って挑みたいと思っている。
特に、ここまでの練習で自信になったのは変化走。初マラソン、2回目のマラソンと、今までに冬の練習の時期に行ったときよりも、夏に行った今回のほうがタイムもよく、後半でしっかりと(ペースを)上げていくことができている。
また、現地に入って、調子自体が上がってきているということを、自分自身で感じている。レース当日に、ピークを持って行けるようにしていきたい。
レースでは、前半は落ち着いて流れに乗れるようにしたい。また、位置取りをしっかり考えたいと思っている。うまく先頭のほうで後ろに下がらない位置をキープして、後半(の勝負)に備えたい。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト
第16回世界陸上競技選手権大会
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